みっどちるだのはてをめざして   作:Qrz

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私の文章力なんてこんなもんです。サンプル程度に思ってくださいな。


1.その名はパタポン

 曇りだした空を見て、青年は小さくため息をついた。

 

 目の前にあるのは小さな研究所。何を研究していたかは不明だが、至る所に蔦が這い、ガラス扉だったであろう金枠の下に砕けたガラスが散乱するのを見れば、廃棄されてからかなりの時間が経過しているのがわかる。

 申し訳程度に残る取っ手を引くと、外光の入らない奥は真っ暗で埃っぽい。おじゃましますと一声かければ、返ってくるのは靴が床を踏む音ばかり。小動物の駆けずる音さえも聞こえない。

 

 

 そんなところに、この青年は何の用があって訪れたのか。

 

 

 青年は世界を又にかける旅人である、と綴り始めれば体は良い。

 しかしその実態は、万年金欠のトレジャーハンター。墓荒し紛いの稼業で自身の生活を賄っている。

 家なし金なし身元も不明。そんな輩を誰か雇うわけもあるまい。定まった職にはつけず、現地で調達するしか他に道がないのだ。

 

 とはいえ、未踏破の遺跡は理由があって未踏破であるが故に、そこから少し遺物を回収してオークションに出品すると驚くほどの値がつく。たとえその用途がさっぱり分からないものであっても、その筋の人間から見れば垂涎ものの品であったりするのだ。運よくヒットすれば、慎ましやかに生活すれば三か月は持つほど。

 

 もちろんその世界の法に抵触するのも日常茶飯事だが、彼の側近曰く。

 「神さま。バレなきゃ犯罪じゃないんですよ、という格言があるのをご存知ですか」

そんな格言あってたまるかという話である。

 

 

 閑話休題。

 

 事の発端は、数週間前まで遡る。

 

 今回もえっちらおっちら遺跡に潜り込んでオークションに出品。厳重に封印されていた赤い宝石で、大きさは大人の掌程度か。強大な魔力が秘められたもので、ケースには数字が刻まれていた。遺物としてはあまり珍しくはない宝石タイプ。適当な残留物件だろう。そんな軽い心持で出品をぽちり。

 「げへへ。おぬしもわるよのう」

 俺は越○屋か。

 

 

 ところで。

 「さあはったはった!」

 このオークションというシステムである。多少の誤差はあれ、期間内に一番高い落札価格、あるいは即決価格を提示した人と契約が交わされるのはどのオークションでも同じであろう。

 徐々に吊り上っていく値に、にやけが止まらなくなったこともある。逆に一銭の値もつかず、骨折り損と化したことも少なくない。その場合は適当な名義で骨董商へ引き渡すので、0となることはめったにないが、しかし。

 ともあれ、落札までの時間まではしばらくかかる。青年は席を立ち、傍にいた黒いモノに一言残してどこかへと去った。

 

 

 ここで録画を一時停止。ここまでは俺覚えてるよ。そばにいたし。この後十分もなかったよね?

 「まあまあ。つづきをごらんあれ」

 ……、再生して。

 「よしきた」

 停止解除。

 

 

 オークションの展開は、これまで経験したものとはまるで違っていた。

 「これまじ?」

 高額に設定していた即決価格で落札されたのだ。それも、商品をアップロードして僅か5分として経たずに。彼が思わず目を剥いたのも仕方あるまい。

 何かの間違いだろう。きっとそうだ。そうでなければ説明がつかない

 彼自身が値段を設定したことも忘れ、落札者と連絡を取るべくダイヤルをとる。

 彼が本当にそう思っていたかははなはだ疑問ではあるが……

 

 PPPPP.

 

 それと同時に、電話がかかってきた。非通知回線で、出所は不明。

 「でんわにでんわー」

 落札者だな。出先で間違えて落札しちゃったから、あわてて連絡してきたんだろう。そうだろう。そうだ。きっとそうに違いない。

 

 通話ぽちり。

 「はろー」

 『やあ、初めまして。先ほどレリックを落札した者だが』

 返ってきたのは胡散臭い男の声。応対。

 「あいむふぁいん?」

 『……聞きたいのはレリックの事なんだがね』

 無視された。でも、やっぱり間違えたんだね。よかったよかった。

 『もしよければ、レリックを譲り受けた後にひとつ仕事を頼みたい』

 違った。こいつマジだ。マジで落札しやがった。しかも商談吹っかけられたぞ。

 「はたらきたくないでござるー」

 『話を聞いてはくれないかね』

 「しかたない さんぷんかんまってやる」

 

 あっ。

 

 『…………。」

 電話の向こうの人も困ってるじゃん。どうすんだよこれ。

 「えー、と、そうだね。とある研究所へ、今回と同じ宝石、『レリック』を回収してもらいたい。前金として今回の半分。君が望むなら、報酬金として今回の倍額出そう』

 戻ってきたと思ったら三分経たずでとんでもない商談だなおい。胡散臭い。胡散臭すぎる。どこぞの歌手よりも胡散臭いぞこいつ。

 思わず目が白黒する。もともと白黒だって?うまいこと言ったつもりか。

 そんな無駄話を尻目に、会話は最後のシーンへと突入。残り時間は三十秒もない。

 「ばしょおしえれ」

 『おお、引き受けてくれるのかい?それは助かるよ。では、今回の決済と共に前金を振り込もう。同じ口座でいいかい?後に送るファイルに場所を添付する』

 「きたいしてまっとれー」

 

 

 

 

 録画再生終了ぽちり。なるほど、そういうこと。

 画面から目を離し、傍にいたその『黒いモノ』ににっこりと笑いかけてやると、その生き物も照れたように頭をかく。

 「やってしまいましたなぁ」

 言いたいこと、分かるよね?

 

 「こんなことになるなんて知らなかった!だれもおしえてくんなかっただろっ!おれはわるくねぇ!おれはわr」

 

 ガツッ。

 

 やっぱお前が原因じゃねえか。

 頭から煙を出す今回の原因に、鉄槌を一つ落としたところでぼやいたのだった。

 

 

 その後、落札価格と共に前金が振り込まれたことを確認。挙句地図が添付されたメールに「よろしく頼むよ」なんて文言を見れば、当人の所在なしに無事契約完了したことが嫌でも理解できる。

 ちなみに、契約の保護などありえない。取引相手から法治機関へとリークされれば足がつくのは間違いない。オークションの出品物やその足跡だけでも禁錮刑は免れまい。そうでなくとも、信頼できる取引場所が失われるのは痛手であることは間違いない。

 

 無論、それで済めばいい。この取引相手が上客であるならば、生命ごと消される方針となる可能性も否めないのだから。

 

 本当に仕方なく、彼はこの仕事への準備を始めたのだった。

 

 「つんでれ?」

 ほんと君いい性格してるね。

 「それほどでも」

 ガツッ。

 

 

 

 そうして、冒頭へと戻ってくる。

 ここを訪れてから既に二時間は経過した。本当にレリックなる遺物がここにあるのだろうか?

 もう一度ため息をついたその時だった。

 

 「かみさまー ここおにくないー」

 『黒いモノ』が施設内からとてとてと走ってきた。

 いや君ら何探してるのさ。

 「はらへった なにかくれ やさしいうたより いもちょうだい」

 レリック探せバカ野郎。

 「はらへってしにそうです」

 俺も胃が痛くて死にそうだよ。

 「こまりましたなぁ」

 ガツッ。

 

 

 

 さて、そろそろ彼をこんな境遇へと追い込んだ元凶をご紹介しよう。

 

 細い手足がひょろりと伸びる、黒塗りの一つ目生物。青年をかみさまと呼び従う、生涯彼を悩ませるだろう召喚獣。その数、総じておおよそ50以上のうちの一匹。

 剣槍弓はお手の物。魔法や神獣の使役から建物の解体まで何でもござれ。獣の耳が生えれば、その身体能力は尖った個体へと変貌し、世界を滅ぼす悪魔さえも押し退けたと豪語する。

 雑食性でなんでも食べ、道を邪魔するものは何であろうと押しとおり、力尽きても再び生命の樹の下から何度でも復活する戦闘民族。

 

 

 

 (彼の安寧の)侵略者。

 

 

 彼らの名は、パタポンといった。

 

 

 




一応原作タグつけてるんだし、少しでも原作要素出しとかなきゃまずいかなって思いまして、連日の投稿とあいなりました。

視点がブレッブレではないか、と疑問を持たれた方もいらしゃると思います。
というか、それが大多数の意見だと思っております。

まったくを以てその通りです。
改行なんかで徐々に見やすくするつもりですが、まあ気にしないでください。

その程度のかるーいノリで読める小説にしたいと思ってます。
よろしくお願いはしないでくださいね。
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