みっどちるだのはてをめざして   作:Qrz

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寒さと雨にイラついたので投稿します。

てかこんな文章見てる人いるみたいで怖いよ。
ごめんよ文章力なくて。


4.ぱつきんびしょうじょ

 玄関を抜けると、メデンがこちらに気付いた。軽く膝を折って会釈してくれた。

 ……たぶん、膝。

 

 「神さま、お手を煩わせて申し訳ありません」

 

 お手を煩わせてほしくないならメデンも探してみる?

 

 「ははは、ご冗談を」

 

 ご冗談で流すなこの目玉巫女。

 

 「ところで、いかがなさいましたか?外のほうが安全でしょうに」

 

 雨降りそうだったから入ってきた。空が暗くなってきたし。

 

 「風もないようですし、絶好の狩り日和ですね。あとで狩りの準備をいたしましょう」

 

 狩りはいいけど、先にレリック探してね。

 

 「かみさまもさがします?」

 

 結構です。

 

 「ごむたいなー」

 

 俺は君らと違って生き返らないから。

 

 

 

 この手の施設、大体の確率で防衛プログラムが残っている。部外者の彼らは当たり前のごとく迎撃されるわけだが、それで何度死にそうになったか覚えられない。パタポンたちは自身が生き返ること前提で進んでゆくが、その感覚で歩かれると生身の人間には些か厳しいのです。

 

 養われてるのはどちらなんだか、と苦笑いしたが、元凶はかれらなのでイーブン。

 

 

 

 ところで、メデンはなんでここに?ほかのパタポンは?

 

 「そうです。実は少々厄介なことが」

 

 厄介。パタポン族の巫女であるメデンが言うのだから、そこそこ面倒なこと。

 

 お聞きしても?

 

 「先遣隊のたてポン系統種が全滅しました」

 

 マジで?

 

 たてポン系統種と言えばたてポン・でかポン・ろぼポンであるが、そのどれもが高い耐久力を所持している。特にでかポンに関しては全パタポン中最大の耐久力を所持しているはず。

 

 そのたてポンがどういうわけか全滅したらしい。

 

 

 理由ぷりーず。

 

 

 「曰く、露出狂が暴れていると」

 

 露出狂って。暴れてるって。ナニが暴れてるとでも言うの?下ネタとかサイテー……やめてよメデン、そんな目で見ないでよ。悪かったって。俺が全面的に悪かったって。

 

 「ぱつきんびしょうじょだったよー」

 

 俺の言ってたことよりもっと悪かった。なんだよパツキン美少女の露出狂って。

 

 見に行っていい?

 

 いや冗談だよ、冗談だって。そんな目で見ないでよ。

 

 ってか、全滅したこと知ってるならなんで早く言わないかな。

 

 「わすれてたー」

 

 ご無体な。

 

 

 

 

 

 いや待てお前。だったよって何?そのパツキン美少女今どこにいるの?

 

 「分かりませんなー」

 

 こいつマジで使えねえな。ぶっ○すぞマジで。

 

 「でもおいかけられてたから、そろそろとうちゃくよていー」

 

 ぶっ○すぞマジで!?

 

 この報告にはメデンも予想外だったようだ。一つ目を固く締めてあちゃーの仕草。

 

 「申し訳ありません神さま、どうやら思っていた以上にまずい状況のようです」

 

 こいつはしばらく飯抜きでいいね。こなばなな!じゃないよバカヤロウ。

 

 さっさと逃げるか。キャップはまあ、ヒーローが回収できるだろ。

 

 「迅速にまほポンを召喚しましょう。間に合わなくなるかもしれません」

 

 「まにあわなくなってもしらんぞー」

 

 君にはもれなく一か月断食の刑をプレゼントします。

 

 「やめろー!しにたくなーい!!」

 

 

 

 

 「待ちなさい!」

 

 

 

 

 「あ、いらっしゃった」

 

 いらっしゃったじゃないよバカヤロウ。メデンがお前をすごい目で見てるよ。養豚場の豚を見る目でお前を見てるよ。『ような」じゃない。そんな目だよ。

 

 「あなたが召喚士ですね。随分と原始的な召喚獣でしたが、召喚されたものはすべて無力化しています。ただちに降伏してください」

 

 原始的と言われてメデンがちょっと怒り気味。怒るところそこじゃなくね?

 

 ってかもう初っ端から降伏前提じゃないですかヤダー。

 

 弁護士(まほポン)呼ぶ時間あると思う?

 

 「(そんな余裕)ないです。」

 

 知ってた。

 

 「繰り返します。降伏してください。怪しげな行動をとるようなら、抵抗とみなして戦闘行動に移ります」

 

  なるほど。なぜ露出狂かは知らないが、実に見目麗しい容姿をしている。金髪の美少女。情報に嘘偽りなし。

 

 

 じゃき、とこちらに鎌を向けてこなければ。

 

 絶対危ないよアレ!?帯電してるし。ビリビリ言ってるよ絶対。轟雷シリーズに鎌なんてあったっけ?

 

 「ギャップ萌えというやつですかね」

 

 こんな状況で萌えられないよ。あの鎌やばいよ。こわっ。

 

 「たましいをかりとるかたちをしているだろう?」

 

 じゃあお前の命だけ刈り取ってもらおうかな。

 

 「なん……だと……!?」

 

 ところでパツキン美少女さんや。一応聞いておくけど逮捕状は?

 

 「神さま、現行犯の場合礼状は必要ありませんよ」

 

 なんで君が答えるかな。

 

 「ほら、見てください。私たちが無駄話をしていたせいで、今にも雷が落ちそうです。物理的にも」

 

 文字通り死にそうだから、そろそろ真面目にやりましょうぜメデンさん。

 

 「あの、パツキン美少女っていうのやめてください。というか、本当に状況を分かっておられますか?私は時空管理局執務官のフェイト・T・ハラオウンです」

 

 本気で心配されたよ。そんなかわいそうな目で見ないで。興奮しちゃうから。

 

 

 

 あれ、ゴミを見るような目に変わった。隣含めて三方から刺さってる気がする。

 

 おかしいなあ、パーフェクトコミュニケーションだと思ったのに。

 

 

 

 

 「何がパーフェクトだったのか私に教えていただきたいものです」

 

 言うなよもう。

 

 

 そんなことより。自己紹介されたから、やることは一つ。静かに両手を合わせた二人はゆっくりと礼をひとつ。古事記にも記されている。アイサツをされれば、返さねばならない。

 

 「ドーモ。ぼくたちはパタ=ポンです」

 

 「ドーモ、執務官=サン。私はパタポン族の巫女の、メ=デンです。よろしく」

 

 ドーモ、フェイト・T・ハラオウン=サン。カミ=サマです。

 

 「やはり状況を理解しておられないようですね」

 

 おい、あの人怒ったぞ。どうしてくれる。

 

「いやかみさまがわるいでしょいまの」

 

 「全面的に同意します」

 

 君らもノってきたのにこの仕打ち。涙が出ちゃう。

 

 

 

 痺れを切らしたフェイト。

 

 「少々強引ですが、これが最後の警告です。ただちに降伏の意思を」

 

 「しませんよ」

 

 するとメデンもきっぱりと言い放つ。対する執務官はぴくりと眉を動かした。弛んでいた空気がピンと張りつめた。

 

 「ハラオウン執務官といいましたか。先ほど我々を無力化した、とおっしゃいましたが」

 

 「ええ。力尽きると共に崩壊したのは驚きましたが」

 

 「力尽きた。それは、本当ですか?」

 

 「え、ええ。この目で間違いなく確認しました」

 

 メデンの問答を不思議そうに返す執務官。

 

 「確かに私たちパタポンは、力尽きればキャップを残して崩壊します。ですが、神さまの手にかかれば、私たちは即座に生き返ります」

 

 「そんな時間、私が与えると思いますか?」

 

 挑発的な言葉に、目を三日月のように細めたメデン。実に楽しげに笑った。

 

 「暇?いえいえ、時間など必要ないのです。あなたは実に無駄な時間を過ごしたのですよ」

 

 パタポンが復活する時間分の無駄話を、ね。

 

 

 緊張の糸はすでにちぎれそうなほどに張りつめている。執務官は鎌の切っ先をメデンに向けた。

 

 なんだかちょっとシリアスちっく。黙ってよう。

 

 「何を馬鹿な。時間経過で復活する召喚獣など、聞いたこともありません」

 

 「ええ、その通りです。貴女の知識にあったのなら、無駄話の『む』を言う暇もなく叩き伏せられていたはずでしょう。ですが貴女はそれをしなかった」

 

 メデンが嘲るように杖を突きつけると、執務官はついに鎌を振りかぶった。

 

 「そう、それは致命的なディスアドバンテージ。無力化したというのなら、今そこにいるのは何ですか?」

 

 ばかっ、ばかっ、と蹄の音が近づいていた。

 

 「ッ!?」

 

 執務官が振り返った瞬間に見えたのは、高速で迫る騎馬だった。

 

 

 

 この物語のヒーローとは、英雄といったそれではなく、パタポン族の主人公としての意。

 

 とある経緯でマスクを被った彼は、記憶を代償に莫大な力を手に入れた。その力は一騎当千、普通のパタポンとは一線を画す。盾を持てば軍の被害を無に返し、槍を持てば誰よりも早く地を駆け、杖を持てば隕石をも降らせることができる。

 

 その生命力も凄まじい。力尽きたパタポンは頭部のキャップを残して消え去るが、ヒーローは数秒もすればその場に生き返る。

 

 

 

 つまるところ、生き返ったヒーローが騎馬を引き連れて突進してきたのである。

 

 

 

 

「クッ!」

 

 間一髪!さすがの彼女も不意打ちには対応できなかったか、馬を躱した彼女は体制を大きく崩してしまう。

 あれを避けるってすごいね。すごくない?

 

 「言ってる場合ですか。遅かったですね、ヒーロー」

 

 「ヒーローは三分遅れで登場するんだよ。キャップ集めんのめっちゃ苦労したし……ところで今来たから三行でよろしく」

 

 「はらへった ぜんめつやべえ はよかえろ」

 

 「把握」

 

 えぇ……(困惑)

 

 ヒーローと呼ばれた特徴的な仮面をかぶった個体は、即座にその姿を変える。シルクハットをちょこんと被り、あしなが靴を履きこなし、星を当てらった杖を持つ。

 

 まほポンと呼ばれる、ゆみポン系統のパタポンである。魔法が得意なパタポンである。

 

 が。

 

 「で、飛ぶ先はどこでもいいのか?」

 

 こんな調子。ゆえに注文を一つ。

 

 前みたいに海の中はごめんだけど。

 

 「らじゃー」

 

 この間、わずか5秒。執務官が何もしないわけがない。

 

 「ハーケンセイバー!!」

 

 大きく振りかぶった鎌を、勢いよく振り下ろした。三日月の斬撃が迫る!!

 

 

 

 だが、残念なことに彼女が体制を立て直すのがあまりに遅かった。否、それでもとてつもない早さで切り返したのだが、それでもあと少し。あと一秒早ければ、結果は変わった。

 

 「またねー」

 

 魔法の展開速度に特化した杖だ、普通の個体より圧倒的に優れたヒーローならば、座標も雑に設定した転移魔法などただの一振りで発動できる。

 

……たまにとんでもないところに飛ばされるのが玉に瑕だが。

  

 

 

 

 あとさ。

 

 

 なんでまた会うみたいな挨拶してんの。次会ったら捕まるから。ねえ、わかってる君?ねえ。

 

 

 

 

 

 

 

 斬撃が当たる瞬間に、執務官の前からその三匹と一人は消えた。

 

 行き場を失った斬撃は体を成していなかった玄関のフレームを完全に壊して掻き消える。

 

 「……やられたね、バルディッシュ」

 

 悔しそうにフェイトはつぶやいた。

 

 『我々の魔法とは違う系統のようです。追跡は不可能かと』

 

 「違う系統?ミッドやベルカ式じゃないってことだよね」

 

 『はい。別次元の何かか、あるいはロストロギアによる転移かと』

 

 執務官はため息をついた。何やらよく分からない連中であったが、とりあえず資料は提出せねばなるまい。

 

 「まったく。私もまだまだだね」

 

 『わたしも精進します』

 

 「うん。一緒に頑張ろう。その前に、現場を確認しておかないとね」

 

 互いに声をかけてから、再び施設内部へと戻っていく彼女たち。

 

 終わりも早ければ切り替えも早いパートナーたちであった。

 

 

 

 

 

 

 

     何を隠そう、これがハジマリ。太鼓の音と、リリカルちっくな魔法の歌。

 

       交錯し、紡がれるのは、新しい冒険譚。旧き時代のリニューアル。

 

      行こう、セカイの果てへ。その前に、ミッドの果てもついでに行こう。

 

 

 

 

 

                  そんなお話。

 

 

 

 

 

 

 




実を言うとここまでで終わる予定だったんだけど。
なんか興が乗って次の話も妄想しちゃったから性質が悪い。
「なら続けちゃおう」みたいな。
最後に「続かない」って締めるつもりだったんですはい。

まあもう終われって言われたら終わらせるけれども。
いや終わらせないけども。


ま、何度でも言ってるけど、暇つぶしになればこれ幸いです。



ちなみに、パタポンとのクロスを妄想したのは少し前のこと。
ゼロ魔とパタポンのクロスを拝見した時にめちゃくちゃ笑いましてね。

私が打込んでるこの文章より、文章力も構成力もセンスもその他もろもろも圧倒的に上だから、是非おすすめしておきます。



2017/1/5追記:新春、あけましておめでとうございます。
突然なお話ではありますが、新春早々HDDが破損いたしました。
書き溜めていたテキストデータがサルベージできないため、この二次創作は五話を持って終了とさせていただきます。
閲覧を含め、数ある評価システムに参加してくださった方々には大変なご迷惑をおかけしますが、ご理解のほどをよろしくお願い申し上げます。

時間こそ空きますが、また別の小説、あるいは別の形で戻って参りますので、そのときはなにとぞよろしくお願いします。
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