「クリスマスだな」
零は一人、呟いた
「...そう、だね」
妖櫻が答えた。今年は、答えてくれた
去年は、いなかったからである
「羣雲さん、クリスマスですよ♪」
香苗は、まぁ元気である
羣雲と手を繋ぎ、零の前を歩いていた
「あんまり言うな、殺されるから」
羣雲は笑いながら言った。去年には笑えなかった羣雲が笑いながら
「去年、俺は天血の当主として向こうにいたんだもんな」
「....冥界の...こと?」
「ああ、そうだ。それも彩斗が管理する、妖櫻がいたところのな」
その時、零の隣にいた古城と雪菜が呻き声をあげた
そして、古城と雪菜の意識は一年前の冥界に行った
過去の冥界
「で、当主さん。書類は?」
「今はライフラインの計画で忙しいから久遠にやらせろ!」
「わかりました。頑張ってください、天血様」
「ああ」
そう言いつつ、零は書類に向かった
そして零の周りに、空間投影技術を用いた、仮想ディスプレイなるものが展開された
「また私!?零は何をやってるのさ!こっちは絃神島の演算もやってるのに!」
そういいながら、仮想ディスプレイを更に展開していく久遠
「いやはや、申し訳ありません」
「妖櫻の調子はどう?」
そういいながら、久遠は窓に目線を向けた
そこからは、美しく光る櫻が見えた
「相変わらず、供給している妖力を受け付けません」
彩斗も櫻を見た。しかし、櫻にはどこか、元気が無かった
「今日も、行くかね」
零は立ち上がりながら言った
「妖櫻、大丈夫か?」
『....ううん、大丈夫じゃ..ない』
「妖力、喰えよ。俺のでもいいから」
『...ダメ。食べ過ぎて、貴方が』
妖櫻の前には、美少女が立っていた
その姿は、古城がいた絃神島の、零の眷獣と同じ見た目だった
古城と雪菜は、妖櫻の根本にきた
どうやら零たちには見えていないようだ
「お前が消えるのは、俺が嫌だ」
『...それは、私も..同じ』
どうやら同じ問答を、毎日繰り返しているらしかった
(妖櫻は、零の眷獣じゃなかったのか...?)
(そうみたいですね)
「お前、ホントに優しいな」
『...零も、ね』
その時、冥界に異変が起きた
周囲にいた妖怪が、妖櫻を襲いにきたようだ
「またか」
『...逃げて...私が、いなくなれば、いい』
「させねぇよ」
零はそう言いつつ、眷獣を召喚する
「光に染まりし血脈に、流れる時を解放す!」
それは、古城の知らない言霊だった
『...逃げ、て..!』
「
零の真上の上空を膨大な魔力が覆い隠した
魔力が晴れ、姿をあらわしたときには
古城が見慣れている、久遠の眷獣が現れていた
(こいつは....!久遠の眷獣だと!?)
(零番目の真祖は、桜坂先輩ではない!?)