第24話
「波朧院フェスタ、か。夏音とデートと行きたいところだが、まぁた仕事かこのやろう」
零は愚痴を言いながら、とあるコンピューターの前にいた
《ククッ、仕方ないだろ?アルティギアのお姫様が、空間転移させられてんだからな》
そのコンピューターから聞こえてくるのは、弧亜の声だった
そう、このコンピューターは、禊弧亜の本体。幻想郷維持管理システムであった
「ったく、あの舞威媛は何をやってんだよ」
そういいつつも零は、とあるアプリを作っている
空間転移させられるのは、完全にランダム。街のど真ん中から路地に転移させられたり、逆に路地から街のど真ん中に転移させられたりと様々だ
《ククッ、モグワイとその相棒は別の仕事をやってるんだ。頑張れよ》
「わーってるよ!古城のやつ、楽しんでるんだろうなぁ.....」
「.....零は?」
「えっと、仕事が入ったと言ってました」
「僕も内容は聞かされてません」
「叶瀬、細かいことは聞いてるか?」
「いえ。機密事項だそうでした。すみません」
「謝ることじゃないけどさ。っと、そろそろ時間だな」
この四人(と物陰の二人)は、古城の幼なじみを待っていた
どうやら、波朧院フェスタのために来るらしい
「ほら、あそこだ」
そう言って古城が指さしたのは、空港のビルの三階の展望台だ。そこには窓は無く、柵のみだった
「優麻ー」
古城が手を振ると、相手も手を振った
そしてそのまま、青空に身を投げ出した。古城は冷静に落下地点に移動し、お姫様抱っこという形で受け止める
「だからやめろって。姫柊たちがびっくりしてるから」
「せ、先輩。今飛び降りましたよね?」
「あのくらいなら余裕ですね。L」
「おっと、それ以上はまだ言わないで?」
優麻と呼ばれたボーイッシュな少女は、少年の唇を指でふさぐ
「いやてか誰だよ」
「僕ですか?僕は神無月彩斗です。そうですね....当主くんの家族、とだけ」
「この人の言う当主くん、というのは、久遠先輩のことでした」
夏音のフォローが入る
「あいつの家族、キャラ濃いな」
「そうですか?僕はそれほど濃くないと思いますけど」
そこに優麻からの横槍(?)が入る
「あー、ゴメン。話してるところ申し訳ないんだけどさ。何か食べに連れていってくれない?昼から何も食べてないんだ」
「いいぞ。俺は金欠だから彩斗、頼んでいいか?」
「構いませんよ。全員分負担でも問題ありません」
「やった!じゃあいこう!」
そう言いつつ、優麻は近くのファミリーレストランを指差す
「はいはい、わかったよ」
「暁先輩のご友人って、キャラ濃いですね」
「同感、でした」