それは幼き時の那月と、若き時の阿夜、そして現在も変わらない零の思い出であろうものだった
那月「やめておけ、阿夜。お前では私たちには勝てない」
零「阿夜、罪を償って出てこい。そしてまた三人でバカやろうぜ」
阿夜「お断り、だ...。まだ、終わってない」
阿夜は守護者に攻撃を命じるが、那月の守護者と
零「俺の守護者に勝てるとは思いなさんな」
那月「阿夜....すまん」
那月が謝ると同時に、虚空から何本もの鎖が飛び出し、阿夜を拘束した。すると、阿夜の守護者が消え、阿夜自身も虚空に溶けるようにして消えた
那月「.....零」
零「....何だ...?」
那月「私は眠りにつくのだろう?」
零「...契約通りなら、そうだな」
那月「忘れられるというのが、こんなに複雑だとはな...」
零「俺は忘れない。血の従者を忘れるほどのバカではない」
那月はフッ、と笑い
那月「そうか...私の主はそういう
零「ククッ、悪かったな」
那月「.....」
零「.......」
那月「私は行くとしよう」
零「ああ、それがいいな」
那月「ふふん、そう悲しそうな顔をするな。全ては零に始まるんじゃないのか?」
零「だが、全ては零に終わるんだ....」
那月「なら、血の従者からアドバイスだ」
零「.......全ては零に始まり」
那月「無限大に広がる」
そして那月が虚空に溶けるように消えていく。消える寸前に、零に聞こえないが、夏音には聞こえるようにこう呟いた
那月「ありがとう、私の主....」
零「いつか会おうぜ」
那月「もちろんだ」
そして那月が虚空に溶けるようにして消える
後には零しか残っていない。すると、零がふと、こちらを見つめた。夏音と雪菜を
零「これが俺の過去だ、夏音。これを見ても、俺を好きでいてくれるか?」
夏音「もちろん、でした」
そして夏音の意識は夢から覚めた──はずだった
夏音「ここは....学校でしたか?」
夏音が体を起こし、呟く
目の前には、零がいた
零「どうした、夏音?眠いのか?」
夏音「零さん、でしたか....」
雪菜「魔導犯罪者たちは、どうしたんですか?」
古城「魔導...犯罪者....?」
零「どうした雪菜?錯乱してるのか?」
紗矢華「雪菜?熱でもあるの?」
零と古城、紗矢華も、演技をしている様子はない。そこで雪菜と夏音は気づいた。ここは、魔術で再現された夢なのだと
零「さっさと帰るぞ、夏音」
古城「姫柊も帰ろうぜ」
紗矢華「羣雲もだけど、部活入らない?弓道部、人少ないのよ」
古城「それ、毎日聞いてるぞ」
零「俺が入ったらただのチートだろうが....」
夏音と雪菜は、少し黙ったあと、目を見合わせて頷いた
零「夏音...?」
古城「姫柊...?」
紗矢華「雪菜...?」
夏音「確かにこんな世界もあり得たかもしれません」
雪菜「魔術が存在しない世界....そこでなら、安全に暮らせたでしょう」
でも、と二人は続ける
夏音「それが無ければ、出会えなかったはずでした」
雪菜「こんな日常、私たちは望みません!」
雪菜は雪霞狼を、夏音は炎月(扇子)を掴んだ。見えなくとも、そこにある
夏音「炎月!」
雪菜「雪霞狼!」
二人が叫ぶと、雪霞狼と炎月が姿を現し、その幻想を破壊した
そして、現実世界にて、阿夜と対面する
阿夜「........望むなら、今のを現実に出来るぞ?」
雪菜「望みません。私たちは、この世界でいいです」
そのとき、聞きなれた声が響く。すなわち、零と古城の声が───
零「夏音を誘拐したこと、後悔させてやる」
神威「ご主人様の最愛の人を誘拐するとは、命知らずですね」
古城「二人とも、その笑顔怖い」
古城が言い終わらないうちに、零がポケットから指輪を取り出す
それを神威の豊かな胸元に翳すと、足元に魔法陣が展開した
零「この上に乗れ。神威、腕輪に」
神威「はい。顕現解除」
古城「上に?」
古城は魔法陣の上に、神威は腕輪となって零の腕に移動した
そして、魔法陣が上がり、顔を通りすぎると、目の前に学校があった
零「ほら、古城。あいつを」
古城「ああ。
零「
零は妖櫻の真髄を正式な名前で召喚し、古城は
そして、召喚したときの声は雪菜たちに届き、二人の眷獣は学校を覆っていた結界を消し飛ばした