ストライクザブラッド ─真の零番目─   作:本条真司

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第32話

それは幼き時の那月と、若き時の阿夜、そして現在も変わらない零の思い出であろうものだった

 

 

那月「やめておけ、阿夜。お前では私たちには勝てない」

零「阿夜、罪を償って出てこい。そしてまた三人でバカやろうぜ」

阿夜「お断り、だ...。まだ、終わってない」

 

阿夜は守護者に攻撃を命じるが、那月の守護者と零の守護者(・・・・・)に防がれる

 

零「俺の守護者に勝てるとは思いなさんな」

那月「阿夜....すまん」

 

那月が謝ると同時に、虚空から何本もの鎖が飛び出し、阿夜を拘束した。すると、阿夜の守護者が消え、阿夜自身も虚空に溶けるようにして消えた

 

那月「.....零」

零「....何だ...?」

那月「私は眠りにつくのだろう?」

零「...契約通りなら、そうだな」

那月「忘れられるというのが、こんなに複雑だとはな...」

零「俺は忘れない。血の従者を忘れるほどのバカではない」

 

那月はフッ、と笑い

 

那月「そうか...私の主はそういう吸血鬼(ヒト)だったな」

零「ククッ、悪かったな」

那月「.....」

零「.......」

那月「私は行くとしよう」

零「ああ、それがいいな」

那月「ふふん、そう悲しそうな顔をするな。全ては零に始まるんじゃないのか?」

零「だが、全ては零に終わるんだ....」

那月「なら、血の従者からアドバイスだ」

零「.......全ては零に始まり」

那月「無限大に広がる」

 

そして那月が虚空に溶けるように消えていく。消える寸前に、零に聞こえないが、夏音には聞こえるようにこう呟いた

 

那月「ありがとう、私の主....」

 

零「いつか会おうぜ」

那月「もちろんだ」

 

そして那月が虚空に溶けるようにして消える

後には零しか残っていない。すると、零がふと、こちらを見つめた。夏音と雪菜を

 

零「これが俺の過去だ、夏音。これを見ても、俺を好きでいてくれるか?」

夏音「もちろん、でした」

 

そして夏音の意識は夢から覚めた──はずだった

 

夏音「ここは....学校でしたか?」

 

夏音が体を起こし、呟く

目の前には、零がいた

 

零「どうした、夏音?眠いのか?」

夏音「零さん、でしたか....」

雪菜「魔導犯罪者たちは、どうしたんですか?」

古城「魔導...犯罪者....?」

零「どうした雪菜?錯乱してるのか?」

紗矢華「雪菜?熱でもあるの?」

 

零と古城、紗矢華も、演技をしている様子はない。そこで雪菜と夏音は気づいた。ここは、魔術で再現された夢なのだと

 

零「さっさと帰るぞ、夏音」

古城「姫柊も帰ろうぜ」

紗矢華「羣雲もだけど、部活入らない?弓道部、人少ないのよ」

古城「それ、毎日聞いてるぞ」

零「俺が入ったらただのチートだろうが....」

 

夏音と雪菜は、少し黙ったあと、目を見合わせて頷いた

 

零「夏音...?」

古城「姫柊...?」

紗矢華「雪菜...?」

夏音「確かにこんな世界もあり得たかもしれません」

雪菜「魔術が存在しない世界....そこでなら、安全に暮らせたでしょう」

 

でも、と二人は続ける

 

夏音「それが無ければ、出会えなかったはずでした」

雪菜「こんな日常、私たちは望みません!」

 

雪菜は雪霞狼を、夏音は炎月(扇子)を掴んだ。見えなくとも、そこにある

 

夏音「炎月!」

雪菜「雪霞狼!」

 

二人が叫ぶと、雪霞狼と炎月が姿を現し、その幻想を破壊した

 

そして、現実世界にて、阿夜と対面する

 

阿夜「........望むなら、今のを現実に出来るぞ?」

雪菜「望みません。私たちは、この世界でいいです」

 

そのとき、聞きなれた声が響く。すなわち、零と古城の声が───

 

 

 

 

 

 

 

 

零「夏音を誘拐したこと、後悔させてやる」

神威「ご主人様の最愛の人を誘拐するとは、命知らずですね」

古城「二人とも、その笑顔怖い」

 

古城が言い終わらないうちに、零がポケットから指輪を取り出す

それを神威の豊かな胸元に翳すと、足元に魔法陣が展開した

 

零「この上に乗れ。神威、腕輪に」

神威「はい。顕現解除」

古城「上に?」

 

古城は魔法陣の上に、神威は腕輪となって零の腕に移動した

そして、魔法陣が上がり、顔を通りすぎると、目の前に学校があった

 

 

零「ほら、古城。あいつを」

古城「ああ。疾く在れ(きやがれ)龍蛇の水銀(アル・メイサ・メルクーリ)!」

零「狂え(こい)妖櫻の真髄(レイ・ガーディアン)!」

 

零は妖櫻の真髄を正式な名前で召喚し、古城は龍蛇の水銀(アル・メイサ・メルクーリ)を召喚した

そして、召喚したときの声は雪菜たちに届き、二人の眷獣は学校を覆っていた結界を消し飛ばした

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