サラザール・スリザリンの憂鬱   作:サラザール・スリザリン

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衝動書きしてしまいました。


第1話

さっそく自己紹介するとしよう。

私の名はサラザール・スリザリンである。

む、誰に自己紹介しているのかだと。

まあ、伊達に長く生きてはいないとだけ言っておこう。

とはいえ、ゴースト以下の存在でという注意書きがつくが、それでも分霊箱が残っている以上、死んだわけではないと言えるだろう。

 

どうして私が今更こんなことをつらつらと述べているかというと、それはある大事件のせいなのだ。

今まで千年以上生きてきたこの身にとっては戦争や大事件などよくあることなのだが、今回こうやって心の声を漏らしているのだからこの事件がどれだけ私にとって衝撃だったかは推して知るべきである。

 

そう、あの闇の帝王、死の飛翔、名前を言ってはいけない例のあの人ことヴォルデモート卿でおなじみトム・マールヴォロ・リドルがイギリス魔法界を恐怖のどん底に陥れた、そして現在も陥れ続けていることである。

 

ただイギリス魔法界を恐怖のどん底に陥れる事件というだけなら、今まで経験したことはある。

少し前のゲラート・グリンデルバルドなどがいい例だろう。

こういう事件は1世紀に1回ほど起こるものなのである。

 

なら何故私がこの事件に衝撃を受けたのか、疑問に思うかもしれない。

だが、おそらく聡明な者であればこんなことを書かなくても気付くであろう。

 

そう、それはトム・マールヴォロ・リドルが私の末裔だと信じられているからである。

 

もちろんそれが嘘だと断ずる気はさらさらない。

私にも妻はいたし、まさか私の末裔全てを把握しているわけでもないのだから。

むしろ、非常に珍しいパーセルマウスである以上は十中八九真実なのであろう。

だが、事の重大さはこの話の真偽などではない。

このことが魔法界に必要以上に信じられていることが問題なのだ。

 

どういうことか。

これも聡明なものであれば既に気づいているであろう。

つまり、魔法界はトム・マールヴォロ・リドルとサラザール・スリザリンを同一視しているのだ。

トム・マールヴォロ・リドルが嫌われれば嫌われるほど私も嫌われるのである。

 

本当に良い迷惑なのだ。

確かに私は純血を尊いものと考えていたし、マグルは軽視していた。

今もその考えは変わらない。

だが、それは純血の魔法使いの方がマグル出身の魔法使いよりも優れていることが多いからだ。

 

親の素質というものはある程度遺伝するものだし、純血の魔法使いなら幼い頃からより高度な魔法教育を受けている。

当然純血の魔法使いの方がマグル出身の魔法使いよりも優れた魔法使いになりやすいのだ。

これは何も私だけの考えではない、マグルの研究でもこの理論は裏付けされているのである。

ということは、この考えは私の考えであり、同時にマグルの考えでもあると言っても決してこじつけにはならないだろう。

 

そういった筋の通った理由があったからこそ、私は親友であるゴドリックたち三人と別れてまで自分の考えを貫き通したし、逆に筋の通った理由があったからこそ、そこから大きく逸脱する過激な思想にはならなかったのだ。

そもそも私はホグワーツを、今で言えば中高一貫のトップ校のようにしたかっただけなのだ。

違うところといえば、優秀な生徒を集めるために、入学試験をするか、いい教育を受けたかどうかで入学基準を決めるかぐらいでしかない。

考えてみてほしい。

いったいいつ私がマグルを迫害しただろうか。虐殺しただろうか。

大量殺人をやってのけただろうか。

 

そんな私に対して、トム・マールヴォロ・リドルはどうであろう。

彼は、特にこれといった考えなしで純血を尊び、マグルを虐殺してはいないだろうか。

さらには、自分に反対する純血の魔法使いまで殺す始末。

今の時代、純血というのは貴重なのだ。

そのことを闇の帝王はわかってやっているのだろうか。

 

だが、ここまではまあ許してやれなくもない。

考え方の違いによる衝突など、私がなんども繰り返してきたことである。

そんなことよりも、何より私のイメージを損なっていることが一つある。

 

そう、トム・マールヴォロ・リドルがあまりにもおぞましい顔をしていることだ。

 

本当にそうなのだ。

学生時代にトム・マールヴォロ・リドルはホグワーツで人気者だったというが、それは彼の顔つきが良かったからである。

実際に私も気になって調べたが、彼が学生だった頃は本当に信頼されていたらしい。

 

だが、今の彼の顔はどうであろう。

もはや生理的な嫌悪を感じる段階である。

あの顔つきでは、悪事をしても言い訳もできないに違いない。

当然、何か理由があるのではと心配されたり、同情されたりすることもないだろう。

きっと、あんな顔の奴の下につきたい者などほとんどいないのだろう、死喰い人が百人もいないはずである。

 

 

そして何より許せないのは、奴があんな顔してるせいで私の顔にまでああいうイメージがついてしまっていることだ。

だいたい、ゴドリックたちと私の間に顔の認知度の差がありすぎる。確かに歴史の表舞台に長く立っていたわけではなかったが、それでも偉業としてはゴドリックたちとほとんど同じなのにだ。しかも、最近のスリザリン派の魔法使いは皆してヴォルデモート卿だの闇の帝王だの例のあの人だの・・・。私よりもあんな考えなしのアホんだらに気をとられるなんてけしからん。まったく最近の魔法使いの退廃が進んでいることを痛感させられる。そんなことだからマグル派が台頭してきているのだ。最近の若者は・・・なんていう老人の思いを痛感させられる。もっと私を敬えばこんな事態になどならなかったのだ。そもそも私の高尚な純血主義がどうしたあんなに歪められているんだ。私の肉体さえあればと強く感じさせられる今日この頃だ。まったく・・・。

 

む、別に私を敬って欲しいわけではないぞ。

そこのところ勘違いされては困るのだ。

 

そもそも、どうしてこの私がこんな悶々とした思いをしなければならないんだ。

ゴドリックたちはさっさと死んでしまったのに。

こんなことなら分霊箱なんて作らなければよかった・・・

 

 

 

と、こんなことを考えながらこの私サラザール・スリザリンは退屈な毎日を過ごしているのである。

 

 

 

 




続く?
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