サラザール・スリザリンの憂鬱 作:サラザール・スリザリン
今、私はホグワーツの中を徘徊している。
構造など知り尽くしている城ではあるのだが、中に置かれているものは極僅かな物以外残っていない。
内装も所々変わっている。
ホグワーツにかけていた魔法も劣化が激しい。
故に、今のホグワーツを一度は見回らなければならないのだ。
こういう時に、ゴースト以下という我が身の便利さを再認識させられる。
魂の霧散に最低限の注意さえ払っていれば、後はほとんど誰にも見つからずに動き回れる。
何せ、結界のある場所ならともかく、普通の壁なら通り抜け放題なのだ。
物理的な干渉がほとんどできないという欠点を補って余りあるだろう。
元に戻る手段を持っていれば、これほど情報収集に適した方法は他にない。
魂を分割しすぎてこの長所を全て水の泡にしたどこぞの帝王が、いったいどれほど能無しなのかがよくわかってもらえるだろう。
突然チャイムがなった。
すぐさま生徒たちが道に溢れてくる。
実は、今は午前十時すぎである。
生徒たちはいつも通りの学校生活を送っているのだ。
私がこうして語っているときなど、今までは衝撃的な大事件が起こった時ぐらいだったのだが、今はこんな日常の中で語るようになってしまった。
これもハリー・ポッターのなせる技なのだろうか。
ちなみに、"秘密事は人ごみの中で"というのが私の考えである。
誰もいない中、一人でこそこそしていたら、自分が犯人だと教えているようなものだ。
もちろん誰にも見つからないですむ可能性は大きいが、見つかった時のリスクが大きい。
ハイリスクハイリターンというやつなのだ。
それに比べて人ごみの中なら、どんなことをしても犯人が分からない。
誰にも見つからないですむ可能性は少ないが、見つかった時のリスクは小さい。
ローリスクローリターンである。
しかも、一般人には見つからないようなことだったり見つかっても良いことならば、ローリスクハイリターンにもなる。
今の私は、存在すら一般人には分からない状態である。
現状では、現ホグワーツ校長とトム・マールヴォロ・リドルが取り憑くクィリナス・クィレルにさえ気をつければ良い。
それならば、わざわざリスクを増やさなくても良いということなのだ。
ということなので、実際に私が行動するのは授業の合間の休み時間と、全授業終了後から生徒たちが寮にこもるまでの数時間ということなのだ。
それ以外の時間は、目立たずにハリー・ポッターやその他おもしろそうな現場を観察している。
やることが無いというのは辛いことなのだ。
分霊箱を作ったことへの一番の後悔はただこの一点に尽きる。
そんなことを考えながら城内部を確認していたが、生徒たちの姿が減ってきている。
時計を見れば、次の授業開始が近い。
これ以上の調査は控える。
それに、次の時間はスリザリンとグリフィンドールの魔法薬学の合同授業がある。
魔法薬学の教授は我がスリザリンの寮監である。
どんな人物か気になるし、一度ぐらいはしっかり見ておいたほうがいいだろう。
そして何より、我がスリザリン一年生とゴドリックの奴率いるグリフィンドール一年生が初めて合同で授業をするのだ。
しかも、あの天災ゴドリックと同じ臭いのするハリー・ポッター入りである。
これを逃す手はない。
どうやら続くようです。
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これは下手に73位とかなのより嬉しい!
読者の皆様、本当にありがとうこざいます。
でも惜しいことに、評価者が4人です。
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以上、筆者の心の叫びでした。