どこにでもあるFate/のオリ鯖参戦系の他愛ないお話   作:凍傷(ぜろくろ)

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とりあえずマーリンとモルガンが悪い

 平和な日々はいつかのように続いた。

 しかしそのままというわけにもいかず、やがて戦士たちは向かい合い、ぶつかりあった。

 陽は落ち、しかし綺麗な月の輝く夜に。

 

「良い。シロウ、お前がどれほど腕を上げたか見せてみよ。そこな英霊も励むが良い。平行世界のシロウだというのなら、我の弟分も同然だ。贋作を作ろうが、元があるから“より強きを鍛えられるのだ”と証明するのが人間というものだ」

「……! ギル兄ぃ……!」

「この我が胸を貸してやると言っている。恐れずして挑むがよい」

「───! 行こう! アーチャー!」

「本当に、まるで別人なのだな……フッ、面白い───!」

 

 一方では剣の丘にてギルガメッシュと士郎とアーチャーが。

 

「……! 父上……!」

「モードレッド……ザイードに貴方が召喚されたと聞き、今日という日が来るのを待っていた」

「……は、ははっ……来るのを……? オレも話はシロウたちから聞いたよ。けど……恨んでるだろ? カムランの丘で、オレは父上を───」

「……恨むものなどなにもない。貴方は貴方の“そうするべき”を執っただけだ。私がそれで地に倒れ、この時の先にて全てを受け入れるのは、私にとってのそうであるべきだったのだ」

「父上……」

「モードレッド。我が子よ。父を斬り、それでもなおその怒りが治まらぬなら、今ここで剣を抜き、向かってくるがよい。もはや私に向ける剣などないのなら……その身を、この腕で抱かせてほしい」

「───!! ……、……ある、よ。あるさ……! 怒りなら今沸いた! どうしてもっと早くに! オレは! オレはただあんたに───!! そうであればオレは、父上を斬ったなんて過去もなく、純粋に───!!」

 

 一方ではアーサー王とモードレッドが。

 

「■■■■■!!」

「ふわぁあははははは! 強い! 強いなぁ!! なんという馬鹿げた強さか! 余のヘタイロイのみならず、この数を相手にまるで暴風、自然現象の類が如き力強さ! 近づく者全てを屠らんとするその在り方! ヘラクレスよ! 余は貴様を蹂躙し、征服してなお朋友として迎えたい!! いざその力、その伝説に雄姿を記させてもらおう!!」

「ヘラクレス……これほどとは。クー・フーリン殿、ここは───」

「あー、だからやめろって言ってるだろがディルムッド。殿とか言われるガラじゃねぇ。多対一だって趣味じゃねぇが、こりゃあぶちぶち言っていられる状況じゃねぇだろ」

「魔力源はどうやら、あの娘たちにあるようだ。……強くなったな。子の成長を間近で見られるとは、喜ばしいことだ」

『いや、それはギャラハッドに言ってやれ』

「……済まぬ」

 

 一方では、広大な砂漠の世界にて少女三人にヘラクレス、対するは英霊連合。

 ランスロットが少々いじられもしたが、それでも激突は始まっていた。

 

「……ははっ、娘たちが頑張っている。ここで起源弾を撃つのは無粋かな」

「娘を壊したいのなら好きにしろ、衛宮切嗣。私は見守ることにした」

「そうだね。……そうするべきか」

 

 人であるにも関わらず召喚された者は、娘や息子の成長を見守るように静観を。

 ただしヘラクレスには容赦なく攻撃を仕掛けてみたが、フルボコられた。

 魔力で能力がさらにブーストされているらしく、本当に、触れれば身を引き千切られる暴風のような力強さで、バーサーカーは暴れ回っていた。

 ……ヘラクレスの死亡回数、未だに0。

 吹き飛ばされたヘタイロイや英霊、数知れず。

 “遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)”も真正面から受け止めてみせ、これにはさすがのイスカンダルも目を見開いて驚いた。

 

「■■■■■■■■■■ーーーーー!!」

「《ググッ》おっ、おぉっ!?《ブォオンッ!!》うぉおおあぁあああっ!?」

 

 しかも受け止めるだけではなく、その神威の車輪を持ち上げ、ヘタイロイ目掛けて投げた。

 どういう腕力なのか、巨体という意味ではイスカンダルも相当デカい上、神威の車輪とて相当にデカい。

 だというのに持ち上げ、振り回し、ブン投げた。

 普段冷静なランスロット卿も口を開けて目を見開いた。

 別世界で狂いながら車をちゃぶ台返しした彼だが、果たして神威の車輪をあの勢いで、あそこまでの距離を投げられるかどうか。

 

「こいつ本当に狂化してんのか!? 暴れてるってだけじゃあ説明つかねぇ動きだぞ!?」

「ランクの低い魔術や宝具ではびくともしないとは……ヘラクレスとはこれほどの……!《ゴギャアンッ!》つおぁあっ!?」

「ディルムッドォッ!! っ……まいったなこりゃあ……ランサーの英霊相手にここまで暴れられるバーサーカーなんざ、どんだけ探してもそうは居ねぇだろ……!」

 

 だが、それ故にランサーは笑う。

 地を蹴り力を込め、幾度なりともぶつかった。

 無遠慮に放つ技も宝具も全てを薙ぎ払う神話に目掛け。

 

  ───が、相手の狙いが暴れるだけならば、そこにはきっと狙いがある。

 

 後方で起こった轟音と風圧に舌打ちをし、跳躍とともに身を捻じって後方を睨む。

 見ればヘタイロイの一部が大きく吹き飛ばされていて、その中心には……ペガサスに乗った、ひとりの騎兵が。

 

「チッ……ライダーか。マスターがアレだってんでバゼットも無視してたが、どうやらマスターが変わったらしいな」

「あぁいたたた……! ぉおおおまったく無茶をする……! ……あん? なんだ、ヘラクレスの次はペガサスか! これはいよいよもって我らの景観と戦場が神話じみてきたのぉ!」

「へっ……この状況、あんたならどうするよ、征服王のおっさん」

「ふっ……ふふふはははは!! 当然! 突撃、蹂躙、征服である! AAAAALaLaLaLaLaLaLaaaaie!!」

「だよなぁ! 心が躍るってもんだ! おぉおおらぁあああっ!!」

 

 英霊たちが地を駆け刃を交える。

 広大なる砂漠はまさに戦場と化し、狙う相手はたったの二人なれど、その強さはまさに神話。

 ペガサスならばさほどの強さは、などと攻撃しようが、彼女───メドゥーサの天馬は特殊である。

 長く長く生きたことで、魔獣クラスの能力である筈のソレは幻獣クラスになっており、さらに“騎英の手綱(ベルレフォーン)”の効果により防御能力がとんでもなく向上している。

 半端な攻撃も魔術も無効化してしまう上、その防御力をそのままに流星の如き速さで激突してくるのだ。それこそ隕石とまで言わないまでも、近い威力と防御力を誇っている。

 そんな攻撃、防御、速度に優れた英霊と、全てのパラメーターが化け物な狂戦士と対峙してなお、この戦場にて怯える者など一人も無し。

 

……。

 

 剣が舞う。剣が奔る。

 豪雨の如く容赦の一切なく降り注ぐ武器を、同じく武器を降らせて弾き、振るって弾き、避けて走る。

 近づけば剣を振るい、しかしその剣も受け止められ、半神半人の王は笑うのだ。

 

「今の我に慢心はない。我の財宝ではなくクロリストの武具を内包した時点で、シロウ。お前は我の、模造の枠から外れたのだ。そしてザイードを目指し強くあろうとするならば、我はお前の壁となろう」

「っ……ギル兄ぃ……!」

「此度のためにこの身を磨いた。喜べよシロウ。財を飛ばし、元より強き至宝を振るうだけの英雄王は死んだ。ここに在るは神と人の力を存分に鍛え上げた英雄であると知れ」

 

 言葉ののち、合わせていた剣が力で破壊される。

 しかし無手になっても突き出せば武器は届く。

 アンリマユによって引き合わされた最適な武器は既に手の内に。

 そうしてギルガメッシュの剣を受け止めるために構えた剣はしかし、荒野を踏み潰し繰り出された蹴りにより、意味のないものになった。

 

「士郎! ……っ……」

 

 吹き飛び、地を跳ね、やがて転がる姿を視界の隅に、アーチャーは息を飲んだ。

 あれが、あの慢心の塊であった王なのか、と。

 黄金の鎧を身に着け、余裕の笑みを常に持っていた、あの王なのかと。

 ああ、黄金の鎧を身に着けている。

 笑みだって浮かべている。

 だが、そのどこに隙がある。慢心がある。

 鎧は防御のため。それ以外のなにものでもない。

 剣を手に、けれど敵が離れれば再び財宝の豪雨。

 油断も隙もありはしないではないか。

 

「チィッ───!」

 

 こちらも剣を飛ばす───が、財宝の数が多すぎる。

 雑種に喰らわせてやるにはもったいない、などという意識もないのか、ランクの高い武器までも放ってくるため、

 

「ぬっ!?《ギャリヂバァンッ!!》ぐぉおああああっ!?」

 

 雷を迸らせながら飛んできた武器を、咄嗟に弾いた刹那、そこから紫電が溢れ出て、爆発した。

 干将、莫耶は粉々になり、近かったこの身も軽傷どころではない。

 だというのに、そいつは油断なく財宝を飛ばし、仕留めんとしてくる。

 

「ヴィジャヤか……! ぐぅっ……!」

 

 回復の手段はある。あるにはあるが、というよりずっと続けているのだが、相手が悪すぎる。

 “掌の楽園(ポケットエデン)”……士郎が持つハサンのしるしの常時解放能力らしく、怪我や消費した魔力を少しずつ回復してくれるものだが、果たしてどこまで通用してくれるか───!

 

「───」

 

 剣を飛ばす。

 飛来する財宝を弾くため。

 起き上がった士郎もそうしてくれ、自分は弓を出現させ、“偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)”を構えた。

 

「ほう……? だが、それでは駄目だな」

 

 放つ。剣の丘から抜いて、意識のみで飛ばすよりも速度も威力も上がるだろう。

 だがそれは幾多の財宝に阻まれ破壊され、意識が驚愕に染まる頃、源典を以て返された。

 空より飛来し、肩を容易く貫き、身を襲う衝撃はそれだけでは消えてくれず、この身を地面へと激突させた。

 

「……、がっ……ぉぁ……!!」

 

 体がバウンドすることすらない、地面にクレーターを作るほどの“落下”。

 大地との距離などほんの僅かだったというのに、当たった場所は肩だというのに、この身は地面に、それこそ激突させられた。

 

「アーチャー!! っ……くおぉおおおあぁああっ!!」

 

 ───少年が駆ける。

 王は笑みを浮かべ、剣を手に走り、正面から受け止めてみせた。

 士郎の身は既に黒の紋様で覆われており、手にする武器も現時点での最高ランク。

 しかし、それでも。

 

「矮躯であったあの小僧が大きくなった。ふふっ……なるほど、我にもまだまだこの世で待ち遠しいと思えるものがあったか」

「ギル兄ぃっ……俺は───……!」

「良い。お前はこれからも強くなるだろう。また幾度なりとも挑むがいい。我はそれを、王としても先に立つ者としても見守り、障害となろう。足掻けよ、人間。お前がザイードを目指す限り、我はお前を見捨てることはしないと決定した」

「っ……まだ……手はある!」

「いいや、無い。教わり、受け入れよシロウ。己が内に手段があろうとも、相手の手を読み切れん内は叶わぬ願望に過ぎんということを」

 

 瞬間、士郎の体は鎖に拘束され、その事態に驚愕を抱いてしまった時点で、戦いは終わっていた。

 

「ではな。なかなかに楽しめた」

 

 寸勁。

 バビロニアの王が繰り出すそれが魔力でブーストされ、士郎の腹を貫いた。

 それで終わりだ。

 防御もなにもない。

 腕ごと貫き破壊され、士郎の意識は一瞬で千切れ飛んだ。

 

「っ……、ぐ、ぅうぉおぁ……!!」

「貴様もな。平行世界とはいえ、シロウが英雄を目指したとは驚いたが。正義ではないことは実に良い」

「……、……はぁ……! ……ふふっ……かのバビロニアの王が……っ……寸勁、とは」

「慢心は捨てた。シロウの壁となるならば、己も鍛え、技術も磨こう。ともに在り壁となり見守る。漫画で読んだ“兄貴”というものを楽しんでみたかっただけだったが、なかなかどうして、気づけばそのものになっているものだ。悪くない」

「………」

 

 その笑みに、慈愛があることに驚いた。

 しかし、そんな世界もあるのだなと───そう思い、己も駆け───自らも、敗北した。

 

……。

 

 ゾッ、と。

 剣が地に刺さり、踏ん張る足が震え、汗がパタタッと土を濡らした。

 

「はっ、はっ……はぁあっ……!! っ……ん、ぐっ……! はぁっ……!」

 

 強い。

 こちらがこれだけ疲れているというのに、父上のあの涼し気な表情ときたらどうだ。

 だというのに隙はまるで見せず、余裕や慢心で動かずにいるのではないと確信させるあの目。

 

「どうしたモードレッド。よもやそれで終わりというわけではあるまい」

「誰がっ……! はぁっ……! これくらいで……!」

 

 震える体に喝を入れ、剣を手に上半身を起こす。

 そうして地を駆け剣を振るうが、容易くいなされ、反撃され、躱したところへ体術が襲う。

 拳が鎧にぶつかるが、その衝撃が内部へと炸裂するのだ。

 “徹し”というヒロラインスキルであり、体術での攻撃を内側、もしくは貫通させるとってもひでぇ能力である。防具意味ねぇ!

 しかし純粋な防御力でどうとでも出来たりする。つまり防具に頼った防御力ではどうにもならない。

 

「がぁぁっ!? ぁ、がっ……~~……」

 

 それが何度も続いていた。

 武器は弾いた。

 何度も避けた。

 だが、効くはずもないと思った攻撃が内臓を襲うようなもので、顔は青白くなり、一種のチアノーゼの状態に近くなっていた。

 しかしそんな知識もないモードレッドにしてみれば、腹を殴られた程度で何故、と混乱するばかり。

 まだ動ける筈だ。

 まだ戦える筈だ。

 まだなにも伝えていない。

 まだなにも届けていない。

 

「っ……はぁあっ……!!」

 

 歯を食い縛り、手に力を。

 体重を預けていたクラレントが黒き輝きに満ちてゆく。

 

「“燦然と輝く王剣(クラレント)”……私に致命傷を与えた剣か。そんな歴史を持ってしまったが故に、美しき白銀を黒に染めてしまうとは……」

「うるっ……さい……! オレは……オレはただ、あなたに……! 父上に───! だから! 聖杯を手に入れて! 選定に立って! 剣に王だと認められれば、父上だってオレを! だからオレは! オレはぁああっ!! ───“麗しき我が父への叛逆(クラレント・ブラッド・アーサー)”!!」

「? 王の選定をしたいのであれば、ヒロミツに頼めば一発だが」

「はっ!?《キュヴァァアアアッ!!》え、あ、ちょっ! 待て! 待て待て待ってクラレント待ってぇえええっ!!」

 

 クラレントから放たれる黒の極光が暴れ出す。

 抑え込もうとしたところで、愛憎が蓄積されたそれは発動してしまえば“アーサーを殺す”と蠢き、モードレッドの言うことなど聞きやしない。

 そもそも宝物庫から勝手に奪ったものであり、本来の持ち主ではないことからランクが下がってしまっているものなのだ。

 そこに愛増ばかりが蓄積され、もはや“そうすることが自然である”とでもいうかのように、モードレッドの腕こそを無理矢理動かし始めた。

 選定をする方法があるのなら、それがいい。誰が好き好んで憧れの父を殺したがるものか。

 だからこそ聖杯を望んだのだ。だから勝たねばならぬのだ。

 なのに、まさかそれ以外に方法があるなんて。

 

「……どうしてもやると。残念だモードレッド。其は私殺しに特化した宝具だろう。それを私に向けるということは、和解はもう不可能、と───」

「違う聞いて待って父上待って待って───わぁあああああああっ!!」

 

 アーサー殺しの黒く輝く剣が振るわれる。

 黒のエクスカリバーと言っていいほどの闇の極光が。

 

「い、いやだ───避けて父上! 避けて! いやだ! 死んじゃいやだぁああああっ!!」

 

 放たれたそれは狂いなくアルトリアへ襲い掛かり、アルトリアはその光景を黙って見つめ、やがて───目を閉じ、剣を突き立てた。

 黒の極光が対象に直撃し、爆散する光景。

 モードレッドは叫び、涙を散らし、眩い黒の極光に呑まれた。

 

───……。

 

 ……さぁ、と。

 頬を風に撫でられた。

 

「───え?」

 

 気づけば、先ほどまでとはまるで違う景色。

 父も居なければ夜でもない……言ってしまえば自分は鎧さえ着ていない姿で、そこに立っていた。

 目の前には剣。

 突き刺さったそれを見て、彼女はそれが選定の剣だと理解した。

 

「………」

 

 わけがわからない。

 けど、ひょっとして、という考えもあった。

 父上との戦いが最後のサーヴァントの戦いで、もしかしたら自分は聖杯戦争に勝って、願いは叶えられたんじゃ、と。

 でもそれは即ち、自分はまた父上を殺してしまったということで───

 

「っ…………泣くな。泣くなよ、ばかが……!」

 

 そうなる可能性だってあった筈なんだ。

 死んだ自分に機会があるなら、父上にだって。

 だからいつかは相対することだってある筈だった。

 それが……どうして、なんだって……。

 選定に選ばれた後だったら、きっとオレは……!

 

「………!」

 

 目元を拭い、歩み寄る。

 選定の剣───カリバーンの柄を握り、息を吸う。

 大丈夫、抜ける。

 オレになら出来る筈だ。

 抜いて、抜けたら、オレは───

 

  ゾッ───ゾゴッ、……ヒィンッ……!

 

 …………。

 

「………」

 

 ソレは、容易く抜けた。

 こんなものなのか? と疑いたくなるくらい。

 そんなあっけなさに、こんなものを抜けるのがなんだっていうんだ、という気持ちが沸いてくるけれど───その時点で、その軸の歴史は変わった。

 

  そうして、彼女は不老の王になった。

 

 いつから見ていたのか、マーリンがモードレッドのもとへ現れ、これからのことの説明を開始して。

 どんな王になればいいのかも定まらないまま王の歴史は始まって、喜びと困惑とを混ぜたままに時は進んだ。

 

……。

 

 時が流れる。

 マーリンの指導に従ったり反発したり。

 右も左もわからぬままなら、せめて教えてもらったことの中で納得できることはしようと。

 そうして敵となっている国へ攻め込み、統治する場を増やし、国を豊かにしてゆく。

 巨人と戦い、化け物と戦い、勝利を重ね。

 その途中、エクスカリバーを手に入れた。

 父上と同じだ、なんて思っても、自分の傍に父は居なかった。

 

……。

 

 時が流れる。

 ホムンクルスであるために短命である筈だった自分は死なず、剣を抜いた日のまま生きてゆく。

 問題が起こるたびに手段を打って、方法を決めて、そうであるようにと方法を定め。

 父の居ない場のために剣を握っては、父の居ない戦場を駆け、父の居ない城へと戻る。

 戦では常に勝利し、民は喜び、誰かのためになっているのだと思えば思うほど、国のために生きなくてはという理念が強くなる。

 だから戦った。

 だから救った。

 だから……大より小を切り捨てた。

 救いたいものがあって、そうするためには切り捨てなければならないものがあって、守りたいものがあって、そうするためには切り捨ててしまったものが必要だったこともあって、無力を味わいながらも王であり続けた。

 そうするしかなかった。

 それ以外、自分にはなにもないことを知っていたから。

 

……。

 

 ギネヴィアが妃になる、という話が届く。

 これを受け入れ円卓の騎士とともに走る日々。

 自分はよくやれている、きっと大丈夫だと不安を混ぜながら思い込もうとしていた時、王は人の気持ちがわからないと言われた。

 そんな筈はない。

 だって、国のためにこんなに走っているじゃないか。

 マーリンだって褒めてくれている。

 国だってよくなっている。

 間違ってなんかいるもんか。

 オレは……───オレは……!

 

……。

 

 ランスロットが裏切った。

 ギネヴィアが裏切った。

 どうして。なんでだ。

 友だと言ってくれたじゃないか。支えてくれるって言ったじゃないか。

 国のために。

 それだけじゃ足りないのか?

 どうしろっていうんだ。

 オレの手でこれ以上なにを掬い取れっていうんだよ。

 心が疲弊するくらい走っても。

 目の奥に血がこびりつくくらい敵を殺しても。

 国への吉報をどれだけ持ち帰ろうとも。

 なぜ、国は……皆は、オレのことをわかってくれないんだ。

 

……。

 

 王は人の気持ちがわからない。

 人だって、王の気持ちをわかってくれない。

 けど、オレは王だから、国を良くしなきゃいけないんだ。

 だから、だからオレは。オレは、オレは───!

 

「───、……え?」

 

 疲れ、城下を歩いていた時だった。

 ふと、綺麗な金髪と擦れ違う。

 反射的に振り向くと、そこに───

 

「っ、……ぁ、ぅ……あ…………ちっ……」

 

 父が居た。父上が。

 どこにでもあるような普通の町娘の服に身を包み、けれど楽しそうに笑顔で、鼻歌を歌いながら……食材らしきものを胸に抱いていた。

 王に選ばれなかった故に男として振る舞うこともなくなり、養父であるエクターに剣を習うこともなく、一人の女の子として生きてきた美しい女性だった。

 

「───!」

 

 呼び止める。

 叫ぶように。

 その女性は自分が呼ばれたから、というよりは父上という声を誰がそんな大声で叫んだのか、気になって振り返った。

 そこに居たのが王だったから、彼女は驚きに目を見開き、すぐに跪いて頭を深く深く下げた。

 

「ぇ……え……?」

 

 当然、王は戸惑う。

 何故父上が頭を下げるのかと訊ねようとして、自分が王であることを思い出す。

 そして……選ばれなかったこの人は、ただの町人でしかないのだということを……思い知った。

 なんとかして顔を上げさせれば、怯える顔。

 そんな顔をしないでくれと言っても体は震え、自分は怯えられているのか、と切ない気持ちが沸き出して来た。

 さっきまであんなに美しい笑顔だったのに。

 

「───」

 

 い、いや、そうじゃない、そうじゃないだろう。

 目的があった筈だ。

 オレは認められたくて。

 あなたに認められたくて。

 だから───だから……!

 

「───、───!!」

 

 気づけば、女性の肩を掴み、懇願するように叫んでいた。

 子供のように、泣き縋る迷い子のように。

 認められたんだ、と。

 選ばれたんだ、と。

 頑張ってるよ、と。

 頑張ったんだ、と。

 でも、人の気持ちがわからないって言われてしまった、と。

 みんなだってオレのことをわかってくれないのに、と。

 

「っ……いっ……いたっ……!」

「───! あっ……」

 

 叫び、泣き、けれど、女性の痛がる声に我に返り、手を離した。

 気づけば女性の服の肩部分に血が滲むほど握っていたようで、女性はもう泣いてしまっていた。

 

「……ち、が…………ちがう……違う……オレは……」

 

 こんなつもりじゃ。

 口が動く。

 女性は王の前だから逃げるわけにもいかず、怯えたまま震え、頭を下げ続けていた。

 

「国の……」

 

 国のため。

 民が王に怯える国のどこに、“その場のため”というものがあるのだろう。

 ふと、そんなことを頭が勝手に思った時、熱い涙が新たに零れ、耐えたくても耐えられず、モードレッドは泣いた。

 そんな時だった。

 目の前が光に覆われ、見覚えの無い光景を自分に見せた。国のために生き、身命を捧げてきた王の話。

 王の子として産まれ、王の子ではないと育てられ、出来レースのような選定で王に選ばれ、成長を止めた少女の話だ。

 マーリンによって王であれと育てられ、やはり国のために生き、思惑の流れに飲み込まれ、人を信じては裏切られ、妃を信じては妃にも友にも裏切られ。それを裁かぬために民にすら疑われ。

 それでも国のためにと生きて、人の気持ちがわからぬと罵られた。

 そんな彼女は願った。

 自分じゃなければよかったんじゃないかと。

 思わないわけがない。

 少女のまま王になり、歳を取らずに生きたのだ。

 不老でなくなった日々が幾つかあれど、人に裏切られてまで、人の心がわからぬと言われてまで自分がやらなければいけないことだったのかと。

 それでも少女は走った。戦った。戦い続けた。

 人の心がわからぬと言われようと、妃や友に裏切られようと。

 たとえ様々に否定されようと自分は王であり、王であるならば故国に身命を。

 

  故に───後継は選ばぬと。

 

 こんなものは自分が背負い、生き足掻けばよいのだと。

 自分を後継にと告げる、あなたの子だと言う者の言葉を拒絶し、王であり続けた。

 そうして、王は仲間に殺された。

 カムランの丘にて致命傷を負わされ、エクスカリバーを手放し、静かに。

 英雄の座に召し上げられて、召喚され、問答にて願いを語っては他者に笑われ、否定され。

 

「っ……笑うな……笑うな! 笑うなよ!! お前らにっ……てめぇらに父上のなにがわかる! なにがっ……なに、がぁあっ……!!」

 

 わからなかったのは自分もなのだ。

 国のために生き続けた王が、急に現れた身に覚えもない息子をどうして後継に置ける。

 わからなかったんだ。

 誰も。

 誰もが。

 わかって、あげられなかった。

 裏切られ、滅びたんだ。

 自分がもう一度頑張れば、なんて思えるわけないじゃないか。

 自分じゃない誰かだったなら、って考えて当たり前じゃないか。

 身命を捧げても滅びた国があった。

 マーリンはなにもしなかった。

 王を選び、王を決めるだけ。

 王が決まったらそれでいいのだと、なにもしない。

 じゃあ誰が。

 誰が国を壊した?

 父上じゃない。

 父上は最後の最後まで国のためにを貫いた。

 それを壊したのは全部、父上の周りの者たちだった。

 王が国のためにと行動しても、自分たちは自分の勝手ばかりを押し付けて。

 円卓に集いし騎士たちは、聖杯を求めて散り散りになり。

 その結果が……。

 

「………」

 

 笑える筈だったんだ。

 なにも知らないまま、あんなふうに、城下で。

 無邪気に食材を抱えて歩いて、鼻歌なんて歌って。

 家に帰れば穏やかな団欒があって。時折自衛のためにと剣を習っては、帰ってきた義兄であるサー・ケイと食事の話をしたりして。

 人の心がわからぬと言われることも、妃と友に裏切られることも……作られた息子に斬られることだってなかった筈なのに。

 

  オレが───

 

 手が震える。

 足が震える。

 目はさっきから涙をこぼし、口は勝手に嗚咽を漏らして。

 目を両手で覆って、心が震えるままに泣き叫んだ。

 

  オレが、産まれなければ───

 

 ごめんなさい。

 ごめんなさい父上。

 ごめんなさい。

 ごめんなさい……。

 

───……。

 

 あぁああん……あぁああん……。

 少女の泣く声が聞こえた。

 目を開くと夜の空。体を起こし、視線を動かせば……倒れる騎士王と、その傍で泣くセイバー。

 え? なにこの状況、と……極光に巻き込まれ、目覚めたばかりのザイードは困惑した。

 

「だから、泣くなと……。少々威力が強すぎて、耐えきれなかっただけの話だ」

「だって……だって、ちちうっ……ちちうえがっ……えぅっ……あっ……うあぁああああん……! ぁああああん……!」

「~~~……」

 

 よくわからぬが、どうやら決着はついたようで。

 仮面をクィイと上げ下げすると、ひとまず安堵の息を吐く。

 

「あそこを見るんだ、モードレッド」

「……?」

 

 ハテ? 促された方向を見てみると、吹き飛んだ城の瓦礫に引っかかって、何故か磔にされた某現人神のような格好で気絶しているらしいクロリスト殿の姿が───!

 

「攻撃の大半はヒロミツを呼び出して盾になってもらった。とはいえ、余波でこれほどとは……貴方はどれほどわたしが嫌いだったのだ」

「~~……《ぶわわっ》」

「いや、その。すまない。わたしには冗談は向いていないらしい。冗談だ、泣かないでくれ。単純に余波だけでも力が強すぎただけなんだ。そもそも、アーサー殺しの能力は殺せていた」

「ぐすっ……ふえっ……? な、なんで……?」

「それはその。ヒロミツの能力のお蔭なわけだが───ええと、そのー……」

「そこからはこのザイードが説明いたしましょう」

「《びくぅっ!》うわっ!? ななななんだてめぇいつから居た!?」

「最初から、とだけ。実はこのザイード、このアインツベルン城内のでの戦いをきちんと見守り、なにぞ大きな動きがあったら報告する、という位置に立っておりましたがゆえ、今こうやって報告する義務を果たしておりまする」

「……なんで今になってなんだよ」

「いやはや、実は先ほどの宝具の余波に巻き込まれてしまいまして、いや、面目ない」

 

 目が覚めたらこんな状況なのだから驚くなというほうが無理というもの。

 そう言って、髑髏仮面様ことザイードは笑った。

 しかし説明はいたしましょう、ともう一度仮面をクィイと上げ下げして、語りに入った。

 

「実はクロリスト殿の持つ武具には、名前を変える大干渉宝具がありまして。それを使用すると、歴史にまで干渉できてしまうという恐ろしいものでして」

「よくわかんねぇよ、きっぱりはっきりしゃっきり言え!」

「では間をとってざっくり。騎士王殿の名前を変えましてございます」

「………………え?」

「~~……《かぁあ……!》」

「ええ、実はその宝具の名がリネームという名称変更宝具でして。それで名前を変えられると、人の意思から歴史的なもろもろまで、名前を変更できるというものです。たとえば100歳まで生きた生物が居たとして、急に名前変えたい、と思った際、リネームを使うとその時間軸の過去から未来にかけての名前がまるっと変更されます」

「……ああ、うん? なんだ? つまり?」

「今回クロリスト殿はその力の一部を使い、今現在の名だけを変更、アーサーという人物から別の存在へと変わったのです。よって、アーサー殺しは通用しませぬ」

「えぇえっ!? そんなんアリなのか!?」

「クロリスト殿の保有スキル、常識破壊があってこそだそうで、それがなければ意味がなく、変更しても強制力、というものに元に戻されるそうです」

 

 元アーサーは思った。

 まあ、過去とかに好き勝手に行ける能力があるんだから、それだけの干渉宝具くらいあるよなぁ、と。

 でも、だからってこの名前はあんまりじゃないか、と思うのだ。

 

「アリなのか……でもお陰で父上が生きてたし……よ、よし、そのクロリスト? とかいうやつ───あああいつか。あいつはいいヤツだ! うん! そ、それでそのー……父上? 名前は───」

「《プイス》」

「父上!?《がーーーん!》」

「いけませんなぁ元アーサー王殿。子と認め、受け入れたのなら、名は教えませぬと。どれ、不肖このザイードめがお教えいたしましょう。モードレッド殿」

「え? いいのかっ?」

「もちろんですとも。元アーサー王殿が渋ったら問答無用で伝えるようにと、クロリスト殿から頼まれておりますゆえ」

「なっ……ヒロミツ! あなたという人はぁあああっ!」

「それでっ!? それで父上は今、なんという名なんだっ!?」

「ハッ!? だめだモードレッド! 聞いてはいけない!」

 

 ああ無情。

 父は必死に止めた。

 しかしザイードは仮面をクイィと上下させると、ニコリと笑い言った。

 というか皮膚に紐が通ってる状態なのに、痛くないのかこの男は。

 

「“秘湯混浴刑事エバラ”にございます」

 

 …………。

 空気が凍った。

 

「ひ、ひとう? でか? なに?」

「おお? お知りでない? では説明いたしましょう。まず秘湯というのは秘密の湯船、まあ温泉のようなものであり、混浴というのは───」

 

 凍ったまま、説明が始まった。

 秘湯混浴刑事エバラは顔を真っ赤にして体ごと横を向いてしまい、モードレッドはザイードの話を真面目に聞き、

 

「死ねぇーーーっ!!」

「《バギョボギャア!!》ヘヴァアアアーーーッ!?」

 

 事細かに説明したら、顔を赤くしたモードレッドに仮面ごと殴られた。

 仮面が砕けるほどの素晴らしき腰の入った拳であった。

 

「ききききき貴様父上をちちちっちちちち父上を父上をぶじょっ、侮辱しやがってぇえーーーっ!! 誰の父が混浴好きのエロ刑事だいっぺん死ねぇえーーーっ!!」

「ちちち違いまするーーーっ! 誤解が多分に含まれて《マゴシャア!!》ペサァーーーッ!?」

 

 モードレッド、父をほったらかしで暴れるの巻。

 しかしそんな目をぐるぐるにして暴れる彼女の耳に、何者かの声が───!

 

『モードレッド……モードレッド……』

「はっ!? だ、誰だ!」

『わたしだ!《どーーーん!》』

「だから誰だよ!!」

 

 突如姿を現したそいつは、どこにでも居るような、と言うと語弊が出来るが、過去のブリテンの何処にでも居そうな服装をした男だった。

 いや……“夢?”の中の町で何度か見た気がする。

 こいつが……父上の言うヒロミツ、とかいうやつ?

 

「お、おいお前! 父上の名前を元に戻せ!」

「ほっほ、ええのかい? 未だ回復しきっておらん体にアーサーの名を残せば、体内に残ったクラレントブラッドアーサーの効果が父を殺すやもしれんぞ?」

「うぐっ……じゃあ回復させろよ! あの選定の夢もお前が見せたんだろ!? そんなことが出来るなら、傷を癒すくらい……!」

「おっと、あんたまさかァ~、願いを叶えてやったっていうのにタダでやれだなんて言うつもりじゃああるまいなぁ~~~っ! ジョワジョワジョワ、憧れの父が、正しく憧れの存在だったって知れて、だというのになにも差し出さねぇってのかよォオ~~~ッ! えぇ~~~~っ!?」

「っ……ち……父上の苦悩が、理解出来た……。あんたのお蔭だ……本当に感謝してる。オレに出来ることならなんでもするから……だから、父上を……!」

「よろしいすぐに回復しようジョイヤー!!」

「《パパァーーッ!》ふわわわわわわわぁあーーーっ!?」

 

 回復させた。

 回復した。

 秘湯混浴刑事エバラの体が光に包まれ、その光が輝く柱となると、倒れていた体が宙に浮き、まるでFF11でレイズを受け取ったプレイヤーのように、意味も無く3メートルは上昇(ゲイン)した。

 

「おぉ苦しかったろうね寂しかったろうねぇモーちゃん……! さぁアルちゃん! 名前も戻したしお膳立ては済んだぜ! バシっと決めるんだぜィ!?《ビッシィイインッ!》」

「……ええ、出来る限りに《ビシッ》」

 

 力強いサムズアップにサムズアップを返し、それに頷いて返してから、中井出はザイードを促し、離れながら彼を仮面ごと癒した。

 

「一件落着、ですかな」

「そうなるといいよね。やっぱ出来るだけってところはあるけど、家族にゃあ幸せでいてもらいたいもんです。ほんと、家庭によりけりだろうけどさ」

「なかなか上手くはいきませぬ、か」

「こればっかりはねー……。ほら、アルちゃんと仲直りできても、ランスロットとは険悪になるやもだし。まあブリテン崩壊トリガー同士、なにも言えなくなるってこともあり得るか」

「ですな。っと、そろそろ征服王殿の方も決着でしょうかな」

「ギルちゃんがあっさり勝っちゃったから、どうしたもんかと思ったよ」

「今のギルガメッシュ殿に他愛ないとか言ったら殺されまする」

「……そだね」

 

 ザイードと二人、ひしりと抱き合う王と子をちらりと振り返り、パシームとハイタッチをしてその場を後にした。

 よい家族愛を。

 でもアルティメットファザコンになるのはもはや目に見えていた。

 

 

───……。

 

 

……。

 

 戦局が崩れたのは、王がそこに辿り着き、ヘタイロイが財宝を手にしてからだった。

 

「っ……だめっ! カレン、桜っ! 相手の武器のランクが急に上がった! ギルさんが来た!」

「そんな! じゃあ先輩は───!」

「あの赤い人とともに敗北したと取るべきでしょう。……どのみち、こうなってしまってはヘラクレスでも耐えられない、ということです」

 

 低ランクの攻撃を無効化する馬鹿げた能力を武器に、今まで耐えてきた。

 戦闘不能にしたヘタイロイの数も大したものだが、それでもその数は財宝の数にも負けはしない。

 その中でも英霊としての格が高い者がランクの高い財宝を手に、次々とヘラクレスを傷つけてゆく。

 

「■■■■■■■■!!」

 

 それでも尚前進し、敵となる者を吹き飛ばす。

 防御出来れば良し、出来なければ無残に弾け飛ぶ。

 ただ振るうだけの一撃がヘタな宝具よりも強いかもしれないとくるから、神話と知名度とは実に恐ろしい。

 

「でも、これだけの数のサーヴァントを出現させたままキープできるって……」

「相変わらず、クロリストは規格外ですね。宝具も使いたい放題とくるのですから、英霊たちもさぞ楽しいでしょう」

「ヘタイロイの皆さんもやりたい放題です……」

 

 ほぼ休みなしで宝具カーニバル。

 それらを受けているにも関わらず突進をやめないバーサーカーと、この数で負けたなら恥と知れとばかりに突撃をやめぬ相手サーヴァント。

 横からベルレフォーンで吹き飛ばされようと、叫び、走り、ALaLaLaLaie。

 そんな乱戦のさなか、ランサー、クー・フーリンがヘラクレスの一撃を喰らい、吹き飛ばされた。

 

「《ザブシャア!!》ぐぉぁあああっ!!」

「ランサーが死んだ!」

「この人でなし!」

「げっほ……! 死んでねぇっての……! てかディルムッド! てめぇもランサーだろうが!」

「いや。今の俺は主とともにあるだけの、槍を極めんとした一人のハサン。アサシン以外の何者でもない」

「なぁお前何かに毒されてない!? 毒されてなけりゃこんなことになってねぇよな!?」

 

 バーサーカーに斬られたランサーを見て、すかさず叫ぶランスロットとディルムッドは妙に仲も良く連携も取れていた。

 もっと別の方向で連携を取るべきだろう、なんて言葉は聞かない。

 

「しかし困ったものだ。何度ゲイ・ボウで斬ったと思っている……。あの傷で動きを止めんどころか、死ねば傷も消えるというのは……」

「あー、こっちだっていい加減、因果の逆転叩き落とされるのにも飽きたっての……。こいつらのマスターの魔力、どうなってやがんだ、底がねぇのか?」

「魔力に関しては、まあ……主が少し張り切りすぎてな」

「お前の主っつーとヒロミツかよ……あいつほんとなんでもアリだな」

「常に常識の破壊者たれ、というのが主の思考だ。そして、つまらなければ世界一強くても意味がないと断じることの出来る、実に馬鹿なお方だ」

「主を馬鹿って言って、そう笑える野郎も珍しいわ。……さて、休憩もここまでか。んじゃあ───……第何ラウンドだっけか」

「数えるのも飽いたな。好きな時に好きなだけ切り結べばいいだろう」

「お前はマイペースだな、ランスロット卿」

「焦ると足元をぶん殴られて倒され、ジャイアントスウィングをする者と、まあ随分と付き合いも長いからな」

「……誰のことだ? ディルムッド」

「主だが?」

「………」

 

 英霊にジャイアントスウィングって。

 溢れる笑いを噛みしめて、槍を構えて姿勢を低く、豹のように駆けだした。

 ああ面白ぇ。

 だったら意地でも生き残って、あいつの馬鹿っぷりを味わおう。

 ランサーは駆け、途中で高く跳躍し、己の槍を朱く朱く染めた。

 放たれるは“刺し穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)”。

 これを放つのも一度や二度ではないし、現に貫き穿つことで、その命を幾度か奪っているのだが、

 

「───■」

 

 ゴォオゥンッ、と石斧を構えると、バーサーカーはそれを高速で振るった。

 ───“射殺す百頭(ナインライブス)”。

 バカデカい石斧をまるで木の枝のように馬鹿げた速度で振るい、槍が射程に入ると同時に幾重にも連ねる。

 槍が己の心臓へと到る前に止めんとして。

 その場で自分にとって何が一番脅威であるかを正確に測り、得物を振るい、それを潰す。

 生ある者ならして当然のことであるが、よもやそれを狂戦士がするなど、と思ったものだ。

 しかしランスロットは口角を持ち上げ、それでこそ英雄だと笑うのだ。

 

「《キャガァアアアガガガゴギャアンッ!!》■■■■■!!」

「っ───! 撃ち落としやがっただと!?」

 

 槍が地に落ちんとする。

 バーサーカーはそれを片手で握ると、身を回転させるとともに思い切り、真っ直ぐに投擲した。

 

「……やべぇ避けろォオオッ!!」

 

 奔る槍。

 突くことに特化した槍が、ヘラクレスの力で投擲され、密集するサーヴァントを刺し貫き、飛翔してくる。

 すぐに自分のコントロール下に置き、手元に戻ってくるように指示するが───

 

「ヘラクレスで九連……聖杯からの知識としては、“流派・射殺す百頭”、だったか……! どんな武器だろうと最大限の力を引き出す……あの野郎、槍を叩き落としたあと、人の槍を投擲武器として宝具の発動をしやがった……!」

 

 いかなる武具でも最高の攻撃を放てるとされる“射殺す百頭(ナインライブス)”。

 武器が石斧から槍になろうとそれは変わらず、弓でさえ一撃が九撃に重なる奇跡を起こしてみせる絶技。

 幾度殺しても蘇るバケモノどもを一撃で屠れるようにと昇華させた業が宝具となったものだからこそ、武器など選ばない。

 本来こんな複雑な能力を、バーサーカーとして現界したヘラクレスが放てるわけがないのだが、そこは馬鹿者効果。

 “掌の楽園”から繋がるマナが中井出のスキルを引き出し、多少の無茶でも可能のものとしている上、狂化しつつも精密な行動を行なってみせたランスロットという前例があるというのも関係している。

 故に投擲された槍の強さは異常であり、一人や二人を貫いたところで止まりはしないが、

 

「随分と粘ったようだが、終わるのも時間の問題というものであろう」

 

 その狂戦士の四肢が、虚空より伸びた鎖によって捕縛された。

 

「! バーサーカー!」

「お前らの魔力ももう底を尽きる頃だろう。ヘラクレスをここまで自由に暴れさせ、平気な筈がない」

「っ……ギルさん……!」

「敗北を認めるのも上に立つ者の務めぞ。疾く決断し、命を下せよイリヤ。我はそう気の長い方ではないぞ?」

「……、シロウは───」

「アーチャーとあちらで眠っている。安心しろ、殺すわけがない」

「~~~~っ……カレン、桜……」

「ギルが出てきた時点で負けは決まっていました。天の鎖を早々に出さなかったのは慈悲というものでしょう」

「負け…………ですか。頑張ったんですけど……」

「桜…………───あ、桜、“全ての悪”でギルさんのこと飲み込めない?」

「あ、や、やってみます!」

「やめろたわけ!!」

 

 マジギレであったという。

 桜が使っている赤と黒の装飾リボンはアンリマユから剥がされた悪であり、それが桜の属性と溶け合って完成した霊装っぽいなにか。

 一応意思があるし、好物が人とくるが、大元が中井出と繋がっており、常に食欲は満たされているので、“大丈夫だ、問題ない”とばかりに使える。

 食わせようと思えばサーヴァントも食える。だからギルさんマジギレ。思わず「降参します!」とイリヤが言ってしまうほどに、そのキレ様は怖かったそうな。

 

「まったくお前は……。いっそ加護もなく、ホルマリン漬けになっていてもよかったのではないか?」

「そうなっていても、きっと博光さんが助けてくれました」

「……まあ、そうであろうな。つまらんことを嫌うあの道化だ、生きているのなら自分のために救うだろうし、泣いているのなら自分のために笑わせるだろう。……さて、イリヤ、カレン、サクラよ」

『は、はいっ』

「幕切れが魔力切れという結果に繋がる今だが、これまでこの数を相手によくぞ保てた。褒めて遣わそう」

「うそ……ギルさんが褒めた……」

「明日はメテオですね」

「まさか偽物……!? や、やっぱり食べなきゃ」

「だからやめろたわけ!! ええい貴様らは揃いも揃って……! シロウでさえザイードにも褒められたいと……我だけでは不満か貴様! あーそーか! ならば望み通り完全決着まで付き合ってくれようか!?《キュヴァァアアアンッ!!》」

「いやーーーーっ!? ギルさんエアはだめーーーっ!!」

「人に決着を口にさせておいて攻撃とは。王の所業とは思えませんね。前言を撤回するなど」

「考え方が大人じゃありません、むしろ軽蔑します。ていうか軽蔑しますし、あなたは間違っています」

「き、貴様らぁあ……!!」

 

 大人げない大人げないと三人に言われ、仕方なく“乖離剣(エア)”を仕舞う。

 王の決定は絶対なのだ。たぶん。

 で、決着とくれば早くもヤツは出現するわけで。

 王の軍勢の効果が切れたアインツベルン城の外、その夜空に輝きを放ちながら現れたその馬鹿は、

 

「戦に疲れし者どもよ……あなたがたに博光という名の光の加護を」

 

 そう言って、何故か上着を軽くめくりあげるとヘソにビックリマンチョコのキラシールを貼って叫んだ。

 

「マン太フラッシュ!!《カッ!!》」

 

 瞬間、夜の闇を照らす閃光が!

 照らされた者の傷が瞬時に癒され、ヘラクレスにぶっ殺されたヘタイロイや、ボッコボコにされた者達も復活。そんな神秘的な光景の中、ジャンヌだけが手を組み空を見上げ、目をきらきらさせていた。

 しかしあまりにも眩しすぎるくせに、全員が復活してもなんかドヤ顔で目を閉じながら光を放ち続けるもんだから、征服王がヘタイロイの一人のヘルムを手に取る投擲。

 

「《ゴチャア!》オギャアアーーーーーーーッ!?」

 

 目測誤って、光を放つ馬鹿の黄金に直撃したそれは、彼を一発で大地に落としてみせた。

 そして彼は目がチカチカすると文句を言う者たちに囲まれ、ボコボコにされた。

 

……。

 

 死ュウウウ……。

 

「で、どーするよこいつ。落下した時にしこたま背中打ったらしく、痙攣してんだけどよ」

「うむ。ヘタイロイの攻撃などまるで効いておらなんだなぁ。背中以外は真実鉄壁よ」

 

 馬鹿がランサーに襟を掴まれ、ぶらーんと力なく気絶していた。

 が、どろりと溶けて地面に落ちると、ランサーの背後から黒が盛り上がり、人の形を取る。

 

「フフフ、擬態さ」

 

 口の端に血の跡があるのは気にしちゃいけない。

 

「さて、これにて聖杯戦争を終了とするわけですがね」

「終わりに? サーヴァントを焚べもせず、どう決着と言うのかね」

 

 はふぅと息を吐く中井出に、光のお蔭で復活したアーチャーが語り掛ける。

 中井出は特に気にした様子もなく、

 

「ああ、それなら前回も同じ方法で焚べたと認識させたから大丈夫」

 

 とあっさりと言った。

 

「…………ああ、うん」

 

 アーチャーは悟った。なるほど、衛宮士郎がああ育つわけだ、と。

 いちいち細かい事を気にしていても、細かいことごと破壊してくるから意味がない。

 

「というわけで圧縮したマナを焚べるだけの簡単な作業で聖杯が出現しました。誰か叶えたいこととかある?」

 

 ……。訊いてみても特にない。

 そもそも、大半が聖杯を諦める方向で手を組んだ上に、べつに願いだったら自分で叶えるって連中ばかりだ。

 泣いていたモードレッドもすっかり涙を拭い、それどころではないとばかりにアルトリアにべったりゴロゴロキャットな有様だ。

 

「なにもない?」

「おお、そうさなぁ……べつになにかに余の願いを叶えてもらったとて、嬉しくはないなぁ。そりゃあ最初は受肉を願ったもんだが、それはほれ、貴様がやってしまったしなぁ」

「だよねぇ。じゃあ……」

 

 聖杯をチラリ。

 次いで、霊章を腕のみの状態から体全体に行き渡らせて、宙に浮き輝き続ける聖杯へと浮いて近寄り、抱き締めるように───あろうことか武具と融合させた。

 

『なににににににににィイイーーーーーッ!?』

 

 これにはマスターもサーヴァントも全員が絶叫。

 しかし叫んだところで既に遅く、聖杯は馬鹿者の武具の中へと溶け込んだ。

 

「貴様……よもや我の財の一部を掠め取ろうとは───!」

「いや、アレ言っておくけど僕とジャンヌでいろいろ書き換えて呪いも砕いたものだから、源典としてのカタチはほぼ残ってない上に、僕らの世界のほうが馴染むくらいのデキだよ?」

「ならばよい」

「いいんだ!?」

 

 凜、始まりの御三家のひとつとして思わずツッコんだ。

 というか聖杯が無くなっちゃったら、もう冬木で聖杯戦争なんて───…………

 

「………」

 

 いや、べつになくていいんじゃないかな。

 どうあっても場所も人も巻き込むし。

 

「これからは、聖杯戦争したくなったらヒロラインで是非どうぞ。願いもきちんと叶えるよ?」

「ほっ! なぁるほど、そうきたか! そういう条件であるならば、余もその時が来たらば参戦するとしよう! その時は───」

「ククッ……良い、いつかの決定を下す時となるだろうよ、征服王」

 

 睨むでもなく見つめ合い、王と王はニヤリと笑った。

 そうして訪れる解散ムードに、なんだか締まらないなぁと思いつつザイードに近寄る男ひとりと女三人。

 

「ふふふ、わかっておりますぞ? まだまだ粗削りではありますが、元祖山の翁に変わって認めましょう。研鑽は重ねてほしいものですが、今はこの戦いを生き抜いた努力を認め。アサシンの中のハサンの中のザイードが、貴方がた四名を暗殺者として───!」

『───!!』

 

 四人は喜んだ。

 これでようやく一人前。

 しかし研鑽は続けるようにと言われたので、怠惰するわけにはいかない。

 しかしそれはそれとしてやっぱり嬉しいわけで。

 

「世も末だねぇこりゃあよ……。あんな年若いやつらが、暗殺者として認められて喜ぶなんざ」

「なりたいものがあって、それが認められたんですもの、そりゃあ嬉しいっしょ。まあなんにせよ決着ついたんだし、帰ろうか。あ、受肉完了してない子はおるかねー? 終わったら衛宮邸へ集合じゃーい」

「あ、ヒロミツ、ヘラクレスがまだ」

「■《ずずぅん》」

「───…………」

 

 中井出は思った。

 このお方ったら受肉できるのかしら、と。

 いや、バビロニアの王でさえ受肉は出来たのだからと思わなくはないが、なんというかそのー……。

 

「よろしおす。この四肢がもがれようと、あなたを受肉させませう《ニコリ》」

 

 彼は笑顔で実行した。

 

「ほいじゃあイリヤの令呪パターンを読み取って───うむ! 全令呪を以て命ずる! 受肉せよバーサーカー!《ボチュゥン!》ギャアアアアアッ!!」

 

 ……しかし令呪三画どころじゃ足りなかった。

 しっかりと腕が吹き飛んだというのに、てんで受肉していない。

 

「ウ、ウムムム~~~~ッ! ギルちゃんの時も苦労したけど、こやつもなかなかじゃて……!」

「ねぇねぇヒロミツ? ギルさんの時はどうやったの?」

「ウフフそれはねぇイリヤ、彼の場合は様々な財宝を持つ者同士として意識をリンクさせて、受肉を容易にさせることが出来たのですよ。……でもヘラクレスとあっちゃあなぁ」

「……牛乳?」

「ソレダ」

 

 牛乳を用意する。イリヤがわたしも、というのでイリヤの分も農場の牛乳を用意。

 令呪も頭以外にみっしりとコピー、創造をして満たして、いざ───

 

「ゆくぞイリヤよ!」

「まかせてヒロミツ!」

『マイティー───ハーキュリー!!《ヴァッシャアッ!!》』

 

 口をつけて飲むのではなく、喉へ向けて流し込むように。

 それと同時に全令呪を以ての受肉を願うと、

 

「《ボォッゴォオン!!》ギョェエアァアアアアッ!!」

 

 中井出の体が、頭を残して爆発四散した。ショッギョムッジョ。

 

「うひゃあああっ!? ひっ……ヒロミツ……!?」

「………」

「………」

 

 体、爆散。

 しかし頭はそのままの位置で浮きながら、イリヤを見つめていた。

 

「えーーーと……うむ!」

 

 しばらくどうしたものかと考えていたらしい生首は、浮きながらこくりと頷いた。

 頷いて───高速で飛翔。

 

「べろべろばあーーーーっ!!」

「うぎゃああああーーーーーっ!!」

 

 せっかくなので、生首のまま飛んでランサーを脅かしたら叫ばれた。

 驚くなら次の行動は速い。

 ランサーを中心に円を描くようにシュゴォオオと回転を始め、「そりゃーーーっ! 夢幻闘舞ーーーーっ!!」とか叫んでいる。

 ランサーが軽く移動しようが彼を中心にした円がブレることはなく、さらには自分自身までもギュイイイイイと高速回転を始め、生首がコマのように回りながら自分の周囲を回っている光景は、ランサーにとって実に不気味であった。

 

「ふっしぎし~ぎ~まっかふし~ぎ~ルゥ~ワァ~~~ッ♪《ゴペキャア!!》ルヴォアァーーーーッ!?」

 

 そうして浮いたり降りたりしていたら、ゲイ・ボルクでホームランされた。やるせない。早くもヘラクレスの受肉を聖杯にお願いしたくなったそうな。




◆ネタ曝しです

*済まぬ
 アンタァァァァ! あれだけ卍解は奪われるって言っておいたでしょォォォォ!?
 ブリーチより、ちょっと待ってなにやりたかったの白哉さん! な状況のアレ。
 う、う-ん……自分ならば奪われないとか思っちゃたのかなぁ。
 ちなみにランスロット卿とは中の人が同じ。
 済まぬ。

*ジョイヤー
 世紀末覇者拳王がゲームの中でジョイヤージョイヤー言ってる。
 アーケード北斗の拳より、ラオウ。

*FF11のレイズ
 なんか空を浮く。「リザレクショォン」とか言って風とか巻き起こしたら笑えたと思う。

*ゲインした
 ジョジョ第二部より。ヘルクライムピラーでのジョセフさん。
 上昇した、と書いてゲインした、と読む。

*なんでもするから
 真夏の夜の淫夢、いわゆる淫夢語が広まってからというもの、とにかく使いづらくなったな……と思う言葉。現実でも小説でも。
 お願いだから日常会話で「ファッ!?」とか「(迫真)」とか「(使命感)」などの淫夢語を使うのやめてほしい……反応に困るし、なによりソワソワします。
 主に「やだあの子ったらホモ動画見たりしてるの……!?」とか、別の誰かに誤解されないか不安で。
 え? ネットでなら? 他者の迷惑にならない程度を守って存分にお使いください。

*ていうか軽蔑する
 北斗の拳イチゴ味。ユリアに軽蔑されたシンの悲しみ。
 原作通りの「むしろ軽蔑する」、だけでは済まさず、自分で装飾の用意を頼んでおいて、持ってくれば文句の嵐。
 「むしろ軽蔑する。ていうか軽蔑するし、あなたはまちがっている」と改めて言われてしまっている。
 気持ちは変わらないわりに、用意されたドレスはしっかり着るユリアさん。

*マン太フラッシュ
 何年前のネタだこれ……。
 キラシールの輝きで目潰しをする。
 なんだったっけ、えーと……ビ、ビックリマンクラブだったっけ?

*夢幻闘舞───むげんとうぶ
 ダンカン流最終奥義。
 FF6より、マッシュの特技。
 目がチカチカするけど強い。
 ダンカンさんに教えてもらわずとも70レベルになると覚えるらしい。
 さらにはコマンドさえ知っていれば最初から使えるそうな。

*ふっしぎし~ぎ~♪
 宇宙刑事シャイダーより、不思議ソング。
 ルゥワ~♪ の意味は未だにわからない。
 というか歌詞自体が不思議というか……なんだこれ。
 ルワ……逆から読むとワル、悪がギシギシ……?



 ◆あとがき
 ではでは次からおまけです。
 頭の中のモヤモヤを吐き出したかっただけなので、いい出来だなんて言えませんが。
 ……ああ、それいつものことでした。
 それではまた。
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