どこにでもあるFate/のオリ鯖参戦系の他愛ないお話   作:凍傷(ぜろくろ)

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これにて終了。蛇足です。


それはつまり、他愛ないお話

 ───……ボスムッ。

 

「そんなわけで一冊の伝説が出来ました」

「ははぁん、なるほどなぁ! これは面白い! ではヒロミツよ! 次は余が半ばで死なぬ時間軸をだな!」

「おい……臣民への侮辱がどうのの話はどうなった」

 

 分厚い本がイスカンダルの手で閉ざされ、豪快に笑うは征服王。

 隣で仏頂面しているのはウェイバーであり、ここは衛宮邸だ。

 すっかり綺麗な花が咲いた時期となった、癒しとマナの樹の下、いつかの聖杯問答のメンバーが座り、酒を交わしている。

 

「なるほどなぁ、堂々たる面構えになっとるわけだ。斯様な騎士王であれば、余も貴様の生き様を悪しざまに捉えることもなかったろうな」

「当時の私が未熟千万だと言われているようで、どうにも納得しにくいのだが……」

「まあまあ、いいじゃないセイバー。それで? その後どうしたの?」

「はい、アイリスフィール。ブリテンはそのまま健在であり、その、なんというか」

「? なんだ、このような本までそこな道化に作らせておいて、よもや躊躇うこともあるまい?」

「……~」

「あ? なんだ? 言いたいことはもっとハッキリと口にしろ」

「ウェイバーちゃん……こんなに口が悪くなって……!」

「やかましい! あんなところで講師なんぞやっていれば嫌でもこうなる! ~……ああそうだな、ミスター・ケイネスは実に時計塔の講師然としていたと言えるだろうな! 今さらながらに納得だ! ファック!」

 

 よよよと泣き真似をしたら怒られた。

 長身になったことを征服王に褒められただとか、まあそれくらいはないとなぁ? などとニカッと笑われ言われたこととかを思い出し、恥ずかしさもあって口調も荒くなったらしい。

 しかしそんなウェイバーをよそに、アルトリアはぽそりと口にして、それをアイリスフィールが拾ったわけで。

 

「え? ブリテンが宝具に?」

『はぁあああああーーーーーーっ!?』

 

 これには中井出以外、絶叫。

 縁側で茶をすすっていたザイードも、すわ何事かとおろおろしていた。

 

「その。ヒロミツが」

「また貴様かァアーーーーッ!!」

「《バゴシャア!!》つぶつぶーーーーっ!?」

 

 エルメロイナックルで中井出の顎が砕けた。

 おお、見よ! かのサーヴァントの顎が砕け、血を吐きながら悶絶する姿を!

 

「ま、待てライダーのマスター! 私の話はまだ終わっていない! ヒロミツに暴力を振るうのはやめてもらおう!」

「む……そうだったな、すまん」

「ワガガガガガ……《ズキズキズキズキズキ》」

「貴様も避けるくらいしたらどうなのだ、まったく……。ほれウェイバー、殴る準備なんぞするでない、樹の上で冷たい顔で睨んでいる聖女がおるのでな」

「へ? ……うわっ!?」

「主が良しとしたので見逃します。……次はないと知りなさい」

 

 見上げた先にジャンヌが居た。普段着であった服が聖女アーマーに変わると、その手には巨大な旗。

 殴られればスゴイヤバイ級のダメージを負うこと請け合いである。

 その隣には二槍を持って、沈黙するディルムッド。

 

「ランサーよ、貴様もそう怖い顔をするでない」

「ジャンヌの言った通りだ。主からからかったのであれば見逃しもしよう。だが、そうでないのであればこの槍が血を吸うことになろうと構わん」

 

 その主を見下ろしていていいのか? と訊ねられたが、監視していたいならそこ以外はダメだとその主自身が言ったので、仕方なくだったりする。

 

「それで? かのブリテン島が宝具とは───……いや。逸話がどうとか以前に、貴様という存在がここに在り、ブリテンが残っているということ自体が伝説か」

「そうだ。源典はブリテンそのもの。そこに住まう諸人がその地を神秘と謳うが故に。そして、平行世界を行き来できるという事実が、様々な平行世界から名や姿、形となっていたからこそ宝具へ至ったもの。それをヒロミツが、その……私の中に埋め込んだ、というか。ヒロラインと同じ要領で、私の中にブリテンという世界があるようなもので。……もっとも、使う機会などあるかどうか」

「むはははは! ならばヒロラインにて覇を競う時にこそ使えばよかろう! その時は余もまた、強化した軍勢にてその島をも征服してくれよう!」

 

 イスカンダルがそう言った途端、アルトリアの肩がぴくりと跳ね、真顔になった。

 

「ブリテン潰すなら殺す」

「怖っ!? アルちゃん落ち着いて!? 反応が凄すぎだから!」

「《ぬうっ》ブリテン潰すなら殺す……!」

「モーちゃんも! てか今まで樹の後ろでずっと聞いてたの!?」

「《モシャアアア……!》ブリテン潰すなら殺す……!!」

「ランスロット! キミもいいから! バーサーカー時代の真似して黒い霧から生えてくるみたいな演出とかやらんでいいから! え!? 受肉してからそれってどうやりゃ出来るの!? もしや忍術!? 今のは忍術でござるかランス!?」

 

 長くブリテンの神秘に染まりすぎたのか、ブリテンを征服などと言い出す男を前に、三人はコメカミをビキバキ鳴らして血管を浮き出させ、怒った。

 しかし「それじゃあ己の治世を終えたならそれでいいとか無理じゃない?」と静かに中井出にツッコまれると、三人とも冷静になった。

 

「まったくもう、この博光にツッコミをやらせるなんて相当ですよ? モーちゃんもランスロットも、この問答には介入しない約束でしょうに」

「けどこいつ! 父上のブリテンを!」

「モーちゃーん? 引き下がらんとアルちゃんのおかずを一品減らしますよ?」

「───《ギンッ!!》」

「《びくぅ!》ひう!? ち、ちがっ、父上っ、オレは父上のためにっ……ぁ……わ、わかった、落ち着く、うん。でも……父上にもしものことがあったら、その時は……」

「ようがす。その時はこの博光とて容赦せん。なにかを」

 

 中井出が胸をドンとノックするのを見ると、モードレッドは「そっか」とニカッと笑い、トントンッと軽い調子で離れ、縁側に腰掛けた。

 そしてザイードが飲むつもりで用意していた茶菓子セットを強奪。

 麗しの父上を眺めつつ、問答の終わりを待った。

 

「では問答をどうぞ」

「うむ。それで、余がオケアノスへの到達を実現させていたらの話に戻るのだがな」

「待て。ならば我の、朋友が死ぬ前まで戻り、エルキドゥの救済と───」

「? 最果ての海への進行はやってみなけりゃわからんけど、エルキドゥなら死ぬ直前のその人を転移すればいいだけの話じゃない?」

「!? でっ……でで出来るのか!? それは虚言無き真実であろうな道化よ!!」

「じゃなきゃシャーレイとかナタリアさんのこと、どうなるのさ」

「……! ではっ……道化、いやヒロミツよ! ……王としてでなく、ただ朋友を想う人として頼む……! 朋友を、我の友を、ここに……!」

「えーよ? ってわけで、まずはキミの歴史を見に行こう! どういうお子か知らんとそういうのとか座標とかもわからんしね!」

「おお! それは面白そうだのう! よぅしヒロミツよ! 余も連れてゆけ!」

「ヒロミツ、当然私も。他者を見下し笑う王だ。さぞかし立派な王であったのでしょう。……ええ、たっぷり見させていただきましょう?」

「なっ……! お、おのれ貴様ら……!」

「父上が行くならオレも!」

「王よ。旅に出るというのであれば、供が必要でしょう」

「主よ。今度はこのディルムッドもお供いたしましょう」

「ヒロミツさん、当然この身も主の傍に」

「……私はやめ───」

「よぅし出るぞウェイバーよ! 時の彼方までこのイスカンダルの疾走は届くのだ! 彼方にこそ栄え在り! いざゆかんバビロニア!!」

「《がしぃ!》うわっ! ちょ、待て! こっちには講師という仕事がだな!」

「あぁん? 今行って今に戻れば問題あるまい。さあヒロミツよ! 王の出立である!」

「勝手に決めるなぁ! このっ……馬っ鹿ぁああああーーーーーっ!!」

 

 時が経とうと変わらないものもある。

 アルトリアはライダーとそのマスターのやりとりを前に、くすくすと笑った。

 そうして、今日も今日とて騒ぎが始まる。

 切嗣に召喚されてから始まった、この冬木での不思議な出来事。

 聖杯を手に入れればすべてが終わり、また始まるのだと思っていたのに。

 たった一人の馬鹿者の助力で、全ては───終わらず、続いてくれたのだ。

 なにか恩返しが出来ればと思うのに、彼女にはそれが浮かばない。

 王であろうと、それを続けてばかりだった彼女には、なるほど、人の心はまだまだ難しいのだ。

 だが、このやさしい気持ちの答えが解った時。その時は───

 

  それは恋かな?

 

 いつかの自分の言葉に、頭の中のマーリンが問い返してきた。

 途端、顔に熱が溜まるのを感じ、それは違うと口の中で返事をして。

 じゃあ、今のこの気持ちは? と自分に問うてみる。

 

「ええいやかましい! 友が友を想う気持ちに便乗して騒ぎてーなどと! 気持ちは解るが今は静まりなさい! さもなくばーーーっ!」

「ほう! なにかをするつもりか!? 思えば貴様とはやり合ったことがなかったからな! 偶然とはいえマスターとなった余に剣を向けたいというのであれば是非もない!」

「……ランダムルーレット、回すよ?」

「すまんわかった余が悪かった、だからそれはやめろ」

「? なんだよ征服王、逃げんのか? オレはやるぜぇ!? 父上が行くならオレも行く! それはもう決定で確定で断定なんだよ!」

「悪いことは言わん。やめておけ、坊主」

「誰が坊主だ!! てめっ……オレが男に見えるってか!?」

「あー……小娘?」

「誰が小娘だ!!」

「どーしろっつーのだ……ああ、いい、わかった、好きなだけやられて、その身で覚えるのも騎士の在り方だろうよ」

「あぁその。モードレッド、っていったか。……死ぬなよ」

「……?」

 

 ウェイバーにまで言われ、首を傾げるモードレッドだったが、キッと中井出を睨んだあとに、ニヤリと笑みを浮かべた。

 ブリテンを良くする流れで供に生き、供にブリテンを神秘にした仲ではあるが、こいつの在り方には疑問があったのだ。

 当然のように父上が敬語を使っているが、それほど凄いヤツなのか、と。

 父上が敬語を使うべき相手なのかと。

 なので、輝きを取り戻したクラレントを構えると、いざ、と構えて───……なにやらさっきから、ダララララララ……とドラムロールのようなものが聞こえていることに気づいた。

 やがてそれがジャンッ! という音で締めくくられると、

 

「遊戯よ……俺はブルーアイズを引いたぞ」

 

 目の前の男が妙なポーズを決めて、そんなことを言『皆の者逃げろぉおおおおーーーーーっ!!』───アルトリアが叫び、即座に総員が逃げ出した。

 状況がわかっていないモードレッドはきょろきょろするが、そんなキョロキョロの隙をついてヒュトンと目の前に移動してきた馬鹿者が、

 

「もう二度とキミを離さないですーーーーっ!!」

「《がばしー!》うわひゃああーーーーーっ!?」

 

 何を思ったのかモードレッドを抱擁!

 ところで説明するが、この馬鹿者のスキルにはランダムルーレットというものがある。

 元はパンドラボックスという、使用するとランダムでなにかが起こる、というアイテム能力だったのだが、それを武具に融合することでいつでも使用することを可能にした。

 さて。

 ここでいう彼が言ったブルーアイズのことだが、言うまでもなくSHIN★JI★OH! ……もとい、遊戯王に登場する社長の嫁などではなく。

 ランダムルーレットのハズレ枠、以前にも話題に出た“自爆”だったりする。

 

「ななななななんだてめぇいきなり! え!? 二度と離さな……えっ!? おまっ……オレのことが好きだったのか!?《シュカァッ───》へ? なんだこれ眩し───」

 

 あとはお察し。

 大地にて超爆発。

 天へ向けて紅蓮の炎を巻き上げて、天の雲さえ燃やし焦がすその威力は、ヒロラインの中でも絶対に喰らいたくない技ランキングで上位に位置している。

 何故って使用者のHPに比例して破壊力が決定されたりするから、中井出のHPを考えると誰もが喰らいたくないに決まっているのだ。

 が、これを受けても瀕死にはなっても死ぬことがないのは、せめてもの救いというものだろう。

 耳を劈く轟音と、結界内が熱で焼けるんじゃないかってくらいの熱。

 しかしそれはすぐに中井出自身に消されたものの、威力は尋常ではないわけで。

 ゴコッ……パラパラ……と土や瓦礫が地面に落ちる中、モードレッドと中井出は巨大なクレーターの真ん中でグビグビと謎のロビン汁を吐いていた。

 

「カカカカカカ……!!」

 

 すぐに結界内に満ちた癒しが、抉れた大地も自身のダメージも癒してくれるが、内部に響きすぎた。

 景色がぐわんぐわんと揺れ、赤く明滅する中、モードレッドは立とうとしても立てず───

 

「お前は強かったよ。しかし間違った強さだった」

 

 自分よりズタボロの馬鹿者にそう言われ、ぼてりと気絶した。

 

「よっしゃ勝ったぁああーーーーっ!!」

 

 そしてガッツポーズ。

 ボリショ~イ・パビエーダッ! とザンギエフポーズをキメると、モードレッドの傷を能力できっちり完治。

 服もキチッと直すと、大樹の幹にとすりと寝かせた。

 

「ホホ、嬢……強くおなり。もっともっと強くなるのだ。そして自分に自信を持てたその時こそ───」

 

 完治したからか、穏やかな顔で眠る彼女に向け、中井出はやさしく言葉を届けた。

 

「落とし穴にハメてツナ投げまくってからかい尽くして泣かせちゃるけぇのぉ」

 

 騎士道精神微塵も無し。ただの外道であった。

 ディルムッドにもジャンヌにも、頭に手を当ててまでの溜め息を吐かれている。

 

「主……真面目に戦おう、という気は……」

「いやさ、そりゃね? 僕だって強くなるために~って努力はしたよ? でもさ、その強さの大元って武具なのよね。レベルはそりゃあ自分の努力の結果だ。それは認めるし、武具の鍛錬もそりゃあ頑張った。努力した。素材集めたりお金集めたり。うん。でもね、最後の最後。仲間の武具を拾って融合させたのはさ、俺の努力じゃないわけだよ。それを使ってふんぞり返るとか僕無理ざます。いくら外道でもね、貰い物の力で無双して俺強いって叫んでもなあ……」

「だがお前。図書館の創世の猫を見る限りじゃ、それらを馴染ませるために努力もしてただろう」

「そうなんだけどね……グムムー……」

 

 ウェイバーに言われ、グムムーと唸る。ぐぬぬではないのはキン肉マンを愛するが故だ。

 さて。

 この男は元々、ゲーム名物“レベルと武具の強さ”だけでヒロラインを楽しんでいた男である。初期のファイナルファンタジーとかほんとそれね。複雑じゃなくて実にベネ。

 それに倣い、熟練度も剣も槍も、他の武器の技術だって他に回した馬鹿者だ。

 友人の一人である、創造の理力を持った男が、たとえば剣の熟練が一万以上であったとして、この男の熟練度は全て人器、というものに振っている。

 人としての器、と読めば聞こえがいいが、ようするに人が出来る可能性のリミッターを外す能力である。

 友人の全てが魔法やら魔術、法術などに憧れ、他の世界の回路を求めたとしても、この男だけはそのままの人間であることを選んだ。

 人間としての回路に“順応”というものがあって、それが人器を引き出し、通常20%も使えていない“人の力”を100%引き出すことを可能にする。

 ちなみにこの男の場合、既に能力が振り切れているので、その状態で100%を引き出すといろいろとヤバい。

 だから武器の扱いが稚拙だろうと、レベルを上げて物理で殴るを実行しているわけだから、相手の技量を上回る未熟な拳が届くのである。

 

「最強の武器がある。しかし技術は雑魚。ならば一千万のレベルで相手に近づいて、剣を当てるだけでよろしい」

 

 そういうことであるからして、自分が強いとは思っていないのだ。

 なにせ弱点がたくさんある。

 人器を、人であることを大切にするあまり、洗脳にはとても弱い。

 背中は常に弱点だし、人をからかったなら攻撃されて当たり前を信条に動くから、そこを全力で突かれると正直死にかけることだってある。

 武具をたくさん持っているが、それが故に武具にまつわる弱点などもあるために、やはりこうなるのだ。

 超一流のB級。

 レンタヒーローのような男である。

 

「そんなわけで、こんな技術なのに一流の人と真面目にとか、相手にアルティメット失礼じゃあないですか」

「……すまん、正直想像していた以上に納得できる理由だった」

 

 “真面目に技術でぶつかる”という言葉がこうも似合わない男が居るとは。

 溜め息とともに顔に手をやり、さらにとほーと溜め息を吐くウェイバー。

 しかしその隣の大男は顎を手でなぞり、言う。

 

「ふむ……しかしなぁヒロミツ。そうして素早く動く能力が貴様のレベルから来ているのなら、それは努力の結晶であり貴様の技術だ。なぁにを恥じ入る必要があるか」

「ホホホ愚かな。この博光がせっかく敵に肉薄したのに、剣で斬るなんてクソ真面目なことをするとお思いか」

「なるほど、貴様はその行為に恥じ入りつつも誇りを持っているわけか」

「イエス外道!」

 

 騎士道なんぞ知りません。だから武器を構える度にくっちゃべるヤツを神速ラリアットで沈めるのとか大好きです。

 そんなことを言って、様々な人々に溜め息を吐かれた。

 なにせランサー……クー・フーリンに実際にやってみせたことがあるからである。戦闘中だというのにマァアあの槍の人の喋ること喋ること。なのでそれを隙と断じ、喋るたびに襲い掛かっていたのだ。

 

「……ちなみにだなぁセイバーよ。貴様はヒロミツの戦いを、ブリテンで見たりはせなんだのか?」

「いや、何度かは見た。お前が知っている戦いから、私たちのみが知る戦いまで。そこに騎士の魂は確かにないが、人を笑顔にしたいという意志だけは誰にも負けないものだった。私はそれを、尊く思う」

「して、そんな志を持つこの馬鹿者の戦いぶりは?」

「? 言葉通りだ。下郎と話すことなどなく、初手から死ねぇええと叫びながら襲い掛かる。相手がそれを防御して、得意げに話そうとしたならばそれを隙と断じ、襲い掛かる。それをも防がれ、相手が愚痴をこぼそうものならそれさえ隙と断じて───」

「貴様実に外道だな」

「博光ですもの」

 

 マスターに言われても、“当然でしょ?”とばかり。

 なかなか行動しないからイライラしている英雄王を、創造した卓に座らせお茶で持て成し、何故か座っているアルトリアにもお持て成し。

 

「ありがとうございますヒロミツ。……話を戻すが、相手が女性だろうが老人だろうが一切迷わないのだ、ヒロミツは。一度ガウェインに“女性ですよ!?”と止められたのだが、ヒロミツは一言、“見ればわかる”と返しつつ、敵の女性を殴った。もちろん相手が子供でも老人でも」

「コココ……! 戦場において、女だから攻撃しないでくださいなどと、なんと甘い……。顔は攻撃しないでくれ? だったら立つ場所間違っておるでしょうに。鏡をあげるから自宅にこもってなさいと言ってあげましたわ」

「そいつも災難だな……ガウェインっていったか」

「災難だなんてとんでもないですよウェイバーちゃん。むしろ僕にとっちゃあ難癖つけられたのはこっちじゃて。なので性別反転して女になってフルボコってやりました。貴様がそうして“女性には手を上げん!”などと言った所為で、その女性に味方が殺されてもいーってんだなコノヤロー! って付け加えた上で」

「……。その。なんだ。そいつに同情する。心底だ。ただ、意見としては貴様に賛同する。……魔術戦闘においても、その強さに男も女もないからな」

「さっすが魔術講師、わかってらっしゃる」

 

 溜め息ひとつ、ウェイバーは頭をがしがしと掻いた。

 ただ、と。アルトリアが口にすると、皆が一斉にアルトリアを見た。

 

「その。戦場でないと、とても同一人物とは思えないくらいにやさしいものだから、ガウェインもどう接していいものか、随分と長い間悩んでいた」

「え? そうなの? 僕結構ガウェちゃんにはありのままの僕で突っ込んでた気がするんだけど」

「戦場で容赦なく老若男女フルボコっておいて、終われば馴れ馴れしくされれば誰だって困惑するでしょう!」

「え? そ、そう? そったらことねぇだよねぇアイリスフィールさん?」

「ありすぎるくらいだと思うけれど……」

「ひでぇ……最初から“戦場では”って言ってるのに、なんでわかってくれないんだ……!」

「貴様はその気になればいつでもどこでも戦場にするからであろうが」

「これは博光うっかり!」

 

 言いつつも懲りていないようだった。

 ようするにわかった上でやっているのだろう。

 そういった意味ではランサーとは気が合いそうなのに、こちらが自由すぎてランサーがついていけない感があった。主にからかいへの報復に巻き込まれるカタチで。

 

「ようするに相手を選ばないのですね、ヒロミツは。相手が竜種でも変わらない。というか、ヒロミツの武具は屠竜の力が強すぎる」

「ふむん? それほどまでにか?」

「たとえば、硬さこそを誇った竜が居たのだが、すっぽ抜けた剣が尻尾に刺さったら、尻尾が千切れ飛んだ」

「なんだ、矮躯だったのか?」

「いや。大きさだけなら城にも勝るものだった」

「………」

「ちなみにその竜は剣が刺さった時点で即死した」

「………」

 

 なるほど、これは武器が強い。

 征服王はしみじみ納得したという。

 語ったアルトリアは、コトリと目の前に置かれたプリンに目を輝かせ、それを慈しむかのようにやさしく食べていった。

 

「てゆゥか僕の強さがどうとかどうでもいいでしょもう。つまらないことはやめませう。ささ、王よ。過去へ飛びましょうぞ」

「良い。さあ、我が過去の果たせぬ夢を、今こそ───!」

 

 朋友を蘇らせようとして、それが叶わなかったいつかを思いながら、彼は過去へと飛んだ。

 それを見送ったディルムッドは、やれやれと息を吐きながら「我が主は人気者だな」などと苦笑。

 そろそろバゼットとランサーが仕事から帰ってくる頃だと、ディルムッドは茶の用意を始めた。

 闘うばかりが忠義ではなく、ここを守ってくれと言われているからだった。

 強引にだろうとついて行ったジャンヌは、なんというかさすがである。

 

───……。

 

 それからの他愛ない話をしよう。

 武具とともにあるからには、聖杯ともともにあるような中井出は、聖遺物さえあれば様々なサーヴァントを呼ぶことが出来た。

 ならばこそ片っ端から呼び出しては友達に、などと無謀なことを繰り返し、その度に起こる難題や過去の清算、個々の願望などを叶える旅を続けた。

 願いなどなく、戦こそをと願う者あれば、ならば英霊いっぱい居るからどうぞと集団リンチ……もとい、思う存分バトらせて。

 そんなことを何度も繰り返し、友達を増やしては、日々をよりやかましく、しかし楽しく過ごした。

 もはや忘れられる心配もなく、親友になっても裏切られることもない。

 エルキドゥも無事助けられてからは、ギルガメッシュと他愛ない日々を送っている。

 そこにザイードが巻き込まれて、緊張の日々を送っているようだが、エルキドゥにも気に入られてからは、現在の趣味であるダンスなどを教えたりして遊んでいるそうだ。

 泥であった事実は残しつつ、だからといって崩れたら終わりなんてこともなく、エルキドゥは普通の肉体を手に入れて楽しんでいる。

 

 そんな日々に喜びを抱き、そして───

 

「まいったよ。もう、この“現在の先”は見えない。私は───絵画ではなく、希望に満ちた先の見えない映像を見ているよ」

 

 マーリンがそう言うと、言われた馬鹿者も子供っぽくニカッと笑い、

 

「しからば貴様も友達だ。一緒に無茶、していこうぜっ★」

 

 語尾が“ぬらべっちゃ”になりそうなほどの不器用なウィンクをして、手を差し出した。

 花の魔術師は一時停止。けれど「これはまいった」と素直な笑顔をこぼすと、確かにその手を握ったのだ。

 

「王を務めたモルガンも、死ぬ前にこっちに召喚したからさ。今やアルちゃんには嫉妬すらしてないから、よい仲になれるんじゃないかねウフフ。この世界、もっと楽しくなるよ? 最近はジャンヌもいろいろなことをやりたがっては、僕にどうすればいいのか~とか訊きにくるし。やったらその頻度がたけー気がするけどきっと知りたがり屋さんなのよね。楽しんでいるようでなによりさ」

「それは単に君にかまってほしいだけなんじゃ───ああいや、こほん。……アルトリアが嫉妬しなければいいがね」

「ホ? 嫉妬? なにかそれ」

「本気で言っているのかい?」

「んにゃ冗談。ただ僕もう妻がおるからなぁ。ただでさえ記憶を持ってる意思側の元妻のことで、仲間から“意思側の方は悪くねーべやー!”って怒られてる博光ですから、これ以上悶着があると大変困ると言いますか」

 

 なにせ嫉妬がすごい。それがかわゆくもあるというのが彼の認識で見解なわけだが、嫉妬がピークに達すると霊章から蔓が出てきて彼を締め上げるのだ。ドリアード流の、人が嫉妬で抓ってくるのと同じ感覚……らしい。

 その威力、この馬鹿者が容赦なくオチるほどの締め上げなので、常人には大変危険である。

 なお、その行為が行きすぎると、相手が妻だろうがマッスルスパークでブチノメすのがこの男である。嫉妬の気持ちはわかるのでそれはいいが、理不尽は許しません。

 

「他人の人生の後悔に大きく踏み込む、ということはそういう可能性を作るということだ。だというのに踏み込んだのなら、償いはするのが当然だ。なに、気にすることじゃないさ。人とは愛を大きく持たなければ」

「グムムー……」

「さて、そんなキミだ。今までそういった相手が一切居なかったわけがないと思うんだが」

「ウフフ、僕は常に、好きになる人が決まっている者の恋は尊いと思っておるさ。ならばこそ、主人公くんとヒロインの愛は美しいと思うの。あくまで好き合っていればね? サブヒロイン的なお子が先に好きになったなら、どっちかっつーとそっちのお子に幸せになってもらいてェズラ。なのになんででしょうね……たまに僕のことを輝く目で見つめ始めるお子とかが出てきてね……。その度に霊章から蔓が出てきて、ドリアードに締め上げられたものさ……」

 

 長い旅の中で、そういったことがあったのは一度や二度ではなかったりする。

 なので、まあ、いい加減気にしすぎるのはやめたのだ。

 主人公クンが甲斐性あって金も持ってて平等に愛せるならハーレムもいいんじゃあねぇのォ~? とかは普通に思っている。なにせ空間世界は一夫多妻も一妻多夫も許されているが故、それを縛る気なぞこれっぽっちもない。

 ただしそれが自分となると別で、愛する人は一人がいい、を貫き───たかったのだが、忘却によってそれは一度裏切られているため、どうにもこうにも。

 

「アルちゃんにとっての主人公クンって誰だったんカナ。ケリィ? なんかめっちゃモテてたし。いや、聖杯戦争二回あったんだから、一回目は過去編ってパターンもあるか。じゃあ……ハッ!? シロウか! そうかそういやそうだった! あの災害の中で重要人物たるザイードに助けられる男の子が主人公じゃないわけがなかった! 気づけなかったために、どれだけ蔓で首を絞められたことかッツ!」

「ああ、うん。常に制裁は受けていたわけか。さすがに同情する」

「うん。なんかね? アルちゃんとジャンヌとカレンと桜がタックルかましてきた時なんか、その後に特に」

「……それはタックルではなく抱擁なのではないかい?」

HHHNN(フフ~ンン)? なに言ってるズラ? あれタックルズラよ?」

 

 軽い現実逃避である。

 ともあれ、恋する乙女は主人公と結ばれ、幸せになってほしい。

 そんな思いは常にあるが、原作を知らなければ動きようがないのも事実だ。

 特にこの馬鹿者はたくさんのものを知る前に空間世界へ移住したため、そういったものの知識はそこまで多くはない。

 キン肉マンに偏っているのもその所為と…………言えなくも、ないこともない。

 なわけだから、ヒロインは主人公と、という意識も強いわけで。

 たとえば平賀才人。

 ルイズを真っ直ぐ好きで居てくれますようにと、他の一切のフラグを立てんように張り切ってみたら、なんか自分に視線が集まってたとか。そもそも内容をきちんと知らなかった故にいろいろとおかしな方向に回ったのだが、ルイズは才人にデレるようになったが、他のフラグが彼へ向けて立ってしまった。

 結果としては全員に忘れられて、シュヴァリエとして傍に居てくれたシャルロットに背中から心臓を貫かれて、裏切りを味わったわけだが。

 

「おかしいなぁ、ヘンだなぁ。僕ただ、自分勝手に笑顔が見たいって行動してただけなんだけどなぁ。そげな傍迷惑な自分勝手野郎、普通は好きになったりしねーと思うのよ? 僕」

「大事なのは、そうは思っても行動出来るか否かだろう。動けた分だけ、人の心も動いた。それだけの話だ。幸い、ヒロラインは一夫多妻だろうと一妻多夫だろうと問題ないんだろう?」

「押忍。我がヒロラインは人の愛を勝手に応援しております。まあべつに僕が法律とかじゃないから、そういう場所だってのをわかってくれればオッケン。ただし魔術的、奇跡的な能力や効果で感情を操作する、などを行なって女性、または男性を弄ぼうと企んだ場合、無の精霊がそやつを消しに来るので」

「ああ、安心してほしい。そんなことをするつもりはないよ。好意というものは、自分で行動して得るからこそ尊いものだ」

 

 マーリンはくすくす笑い、さて、と岩の上から腰を持ち上げた。

 そうしてのんびりと歩いてゆく。

 どこへ行くのかを訊ねてみると、彼はわくわくする子供のような顔で言った。

 

「映像の先を知りに。どんなに美しい絵画よりも、これは新鮮だから」

 

 そう言い残して、花の魔術師はヒロラインへと消えていった。

 急ぐわけでもなく、ゆっくり、ゆっくり。

 中井出はそれを見送ると、次の世界を目指す準備をした。

 残ると言った者は衛宮邸へ残り、けれどその者らを記録した意思だけはヒロラインで召喚。一緒にと言った人は言葉通り一緒に歩み、やがて……冬木での馬鹿者のお話は、終了した。

 ヒロラインに冬木市穂群原と神秘の浮遊島ブリテン島が記録され、衛宮邸も当然として、そこに住まう人々も意思として存在する。

 

「ふぅ、これにて本日の仕事を終了と致します。さて、今日もジャンヌに会いに───……おや? ジャンヌの気配が……ジャンヌ? ジャンヌゥウウウウウーーーーーッ!?」

 

 一人忘れ去られもしたが、いつかまた迎えに降り立つまで、己が信じる神への祈りをどうぞ。

 ……と思ったらすぐに回収された。途中で思い出し、その上で。なにせこの男が“神は我を見捨てた!”とか言い出して惨殺劇場を繰り返したら困るので。

 

……。

 

 さて。

 これにてこのお話も終わりとなる。

 あとのことは本人たちが歩み、踏み締めてゆくことだろう。

 語りはこのあたりにして、そろそろ───

 

「いや、だからね? キミは士郎をもっと知っていくべきで───」

「? 私のヒロミツへの感謝に、シロウは関係ありませんが。それよりヒロミツ、貴方はなにを欲しますか? 我がブリテンの神秘を糧に、用意できないものはそうないと自負します。その基盤を安定させてくれたヒロミツに言うのもなんですが。その、なんでしたらモノではなく、なにかヒロミツがすることの手伝い、などでも」

「いやぁ~、シロウはきっと良い男に育ちますぞ? きっともう惚れちゃうかもだぜ~~~~~っ!」

「ええ。ブリテンにて様々な朋友たちの恋を見守ってきた私です。そういうものも、今ならわかります。きっとシロウは、イリヤスフィールか凜と良い仲になるのでしょう」

「そういうんじゃなくてね!? しゅっ……主人公くんだよ!? なんか他とは違って好きになりそうとかないの!?」

「好きとは。シロウは、ええ、私たちが救出した、聖杯の犠牲者だ。生きていてくれることを嬉しく思い、成長を見届けるこの気持ちは、一種の親のそれに近いのでしょうね。時折モードレッドが嫉妬しています」

「僕へは? アレだよねもちろん! ユウジョウ!」

「貴方への感情は───……、その。まだ言葉に出来ない、といいますか。いえあの、わたしもこんなことは初めてなもので。だいたいあなたはいつも勝手だ。1500年を生きる中でも王としてでなく散々と女として接して。それは、もちろん殴りもしたし仕返しもされたりしましたが。しかしそういった飾らない自分でいられる、ということを強く自覚したのは、ケイ義兄さんの助言やギネヴィアの助言があったからで───」

「……ああ、アカンコレ」

 

 目を閉じ、口早に話すアルトリアの顔がみるみる赤くなってゆく。

 人差し指をピンと立ててそれをくるくる振りながら喋る目の前の彼女。

 それを確認するや、彼は逃げ出した。地を駆けて。当然彼女は追った。風を纏って。

 

「なぜ逃げるのですヒロミツ! 感謝を! 貴方に感謝を届けさせてほしい!」

「ドウイタシマシテよし受け取ったワーイ僕自由だーーーっ!」

「そんなものでは私の気が済みません!」

「ゲゲェ妙に生真面目な性格がここに来て災いを! だぁーーーからヒロインってのは主人公クンとしゃーわせになるべきでしてね!? この博光のような、“常に脇役Aであれ♪”を誓った外道なんぞに手を伸ばしてる暇なんざァないの! OK!?」

「そんなものは私の意思も思いも無視した“誰か”のものだ! 私ではない! たとえば貴方はシロウがどうのと言いますが、シロウが私になにをしてくれたというのですか! なにもない相手に、どう焦がれる気持ちを抱けと言うのですか!」

「ゲェエエーーーッ! すっげぇごもっとも! そして怒らせることにしかなってねぇーーーっ!! グ、グウウ~~ッ、こうなったらーーーーっ! アルちゃん! 返事を言うから止まって!」

「!!《ズシャーーム!》はいヒロミツ! 返事とは───ヒロミツ!?」

「《ズドドドドドド!》答えは───馬鹿めだ!! わはははは俺自身は止まるなんざ言ってねぇぜ~~~っ!! あばよぉお~~~っ!? とっつぁああーーーん!!」

「なっ!? ヒッ……~~~……ヒロミツゥウウーーーーッ!!」

 

 彼は駆けた。少女を立ち止まらせておいて。

 少女は駆けた。弾丸の如き速さで。

 やがて石で躓いたアホウが騎士王に捕まりボコボコにされるまで、二人の騒がしい追いかけっこは続いたそうな。

 ……ん、んんっ。では、終わりだ。

 

 




◆おまけ/楽屋裏的なお話

 ……。

『さっきからなにをぶつぶつ言ってるにゃ?』
『なに、少々星の巡りについての考察をしていただけだ。どうやらパズルのピースが揃いそうなのでな』

 とあるヒロラインの辺境。とある町のとある喫茶店にて、煙草を吹かす渋い声のネコモドキの言葉に、似た容姿の猫?がうんうんと何度も頷く。
 それぞれ、ツッコミを入れたネコモドキをネコアルク、煙草を吸い今までを語っていたネコモドキをネコアルク・カオス、頷くネコモドキをネコアルク・バブルスといった。

『なに? 星占い? ロマンチックね』

 そんな三人? の動きを隣で見ていたピンク髪のネコモドキ、ネコアルク・デスティニーは、熟女のような落ち着いた仕草と声とで頬に手を当てながらしっとりと言う。……ちなみに、この四人……四匹? は髪の色と声が少々違う程度で、あとの容姿はほぼ一緒である。

『そういう話ではないのだが……まあなに、言ってしまえばそれもまた、占いやらまじないやらといったものに類似するのだろうよ。他愛ない話と多愛ない話。感情とは実に簡単ではない』
『いい声でよさそげにゃこと並べりゃいいってもんじゃにゃいにゃ』
『……!《うんうんうんうんうん!》』
『たまにはそういうことがあってもよかろう。さて、今日は缶コーヒーばかりを飲む腹筋が立派な白髪に、本格的なコーヒーの良さを教える約束がある。少々厨房を借りるとしよう』
『あの腹筋を見ていると、牢屋の中でずーっと腹筋をしていたのね……とか想像しちゃうわよね……』
『きっと蛇に転生体として乗り移られる際、千年越しの愛とかが全部腹筋に向かったんだにゃ』
『……!《うんうんうんうんうんうん!》』

 ある日に村人の服を着た馬鹿者が現れてから、グレートキャッツガーデン、グレートキャッツビレッジ、グレートキャッツカンパニー、その他もろもろに住まうNECO達の日々は変わった。
 意思とやらを記録されたらしいが、まあ我々の存在は常に変わらん上、日々を適当に過ごしてはシヴく生きるのが猫的でありなんともマンダム。

『おっと、新しい客が来たようにゃ。あ、ウチに麻婆と肉うどんはないって言っといてにゃ。あ? なに? 髪の長い幸薄そうな観光客? 客は客、初めての客にはやさしくするのがNECO科の流儀にゃ』
『ここが“世界交流の中心”とか心躍るわよねぇ……どんな世界のどこぞの誰でも、この店には一度はやってくる……たまらないわ、この愛しさ』
『……!《うんうんうん!》』
『ほら、なんていったかしら、あのタクシードライバーのシヴい声の……』
『他人とは思えん声だったな……』

 NECOがひしめく喫茶店に、今日も客が訪れる。
 観光客がやたら絡まれているらしいが、この世界に訪れたばかりの客にはよくあることだ。

『さっ! 今日もがっぽり稼ぐにゃー!』

 統合世界喫茶アーネンエルベ、グレートキャッツ支部。
 これはまだ、この喫茶店がサーヴァントたちに蹂躙され、借金がかさむ前の平和な日々の話である。
 え? 蹂躙されたきっかけ? それは───


……。

 どごしゃあああんと扉が吹っ飛んだのがきっかけだった。
 鮮烈に覚えているのはソレ。
 女性が出入り口をその身で破壊しながらカウンターに突っ込んだのだ。

「くぅっ! さすがにやりますね……! しかし今年こそはっ!」

 すぐに起きた甲冑を着た少女は床を踏み砕く勢いで疾駆。
 次いで突っ込んできたマッチョなじじいと壮絶なバトルを繰り広げ、店を破壊した。

『ななななななんじゃこりゃあああーーーーっ!! どどどどうなっているにゃ!? 店が! 店がーーーっ!!』

 NECOが叫ぶ! しかし次々と人が乱入するや、赤い服を着たジジイを狙って暴れるのだ。

『いやぁああやめてぇええ! あの人との思い出のカップがぁああっ!!』

 割れる食器! 飛び散る瓦礫!
 しかし一匹? 一人? のNECOの悲鳴を聞くや、ジジイは宙を舞うカップを大事に受け止め、迫る猛者どもを躱してゆく。
 ジョージ……もといネコカオスは言う。
 鮮烈に覚えているのは、“サンタが出たぞ”という言葉だけだった、と。扉が吹き飛んだのがそうなんじゃないのかなんて聞かない。NECO一匹一匹で感性など違うものなのだから。
 あとに残されたのはガラガラと崩壊したアーネンエルベと、ブチノメされた何人かの人間だけだった。

『見覚えのない何者か……えらいやつらが来たにゃ……!』
『ふむ……そういえば号外が届いていたな。本日よりサンタとやらが現れるようになって、倒すか納得のいく戦いを魅せればプレゼントがもらえると』
『まじか! だったらヤツを倒して店を直してもらうにゃ! 止めてくれるなマイシスタ!』
『あのおじいさん……悲鳴を聞いた途端、大事にカップを受け止めて、走り去る前に手渡してくれたわ……。やだ……シヴくてステキ……! 新しい恋に目覚めちゃいそう……!』
『気が多いのも大概にしておけ』
『……!《うんうんうんうんうん!!》』

 しかしまあとりあえず。

『……新しい世界の入居者は暴走列車みたいなやつらだと認識しておくにゃ。ていうか直してもらうまでこの店、どうするにゃ?』
『……我々が直すしかあるまい。生憎と保険などには入っていないからな』
『世知辛ェ! とってもリアルな事情に猫の目にも涙!』
『……!《うんうんうん!!》』
『この“酔っ払いが店の前で吐いていった汚物を、何故かお店の人が片づけなきゃいけない”ような理不尽と不条理なお片付けの時間……。彼と別れる前を思い出しそう……』
『やってて虚しくなるからやめるにゃ!』

 アーネンエルベはしばらくオープンカー並みに露天な光景の中、営業されることになった。
 のちに村人の服を着た男が来訪して直してくれたが、その後はサーヴァントが来るたびに破壊されたらしい。
 お蔭で借金は増えるばかり。

『請求したくてもどこに住んでいるのかわからんとくる。だというのに堂々と来店するものだから、よく似た別人なのではと《どがしゃああああんっ!!》ぬおおっ!?』
『ぎにゃあああまた来たにゃーーーーっ!!』
『もういやよぉおおっ!! 平和だったあの頃に帰してぇええっ!!』
『フフッ───安心するといい。今日から用心棒を雇った。動物を愛する博士こと、ネロ・カオス教授だ』
『それいろいろとNECO的にマズイ気がしてにゃらねーんだけど!? そこんとこどうにゃってんの安全面とか!』
『なに、飲まれても我々も自然に戻るだけなのだ。問題があろうと問題にしなければいい。では先生、お願いします』
『目覚めろ……食事の時間だ───!』

 裸コート博士がコートを肌蹴る───と、そこから大口を開けた動物が……!

「空腹ならば喰らうがよいわエメラルドスプラァーーーッシュ!!《ボチュチュチュチュチュチュ!!》」
『《ゴボォオオボボボボボボ!!》ぐわぁああああああっ!?《───どしゃあっ》』
『先生がやられたにゃーーーっ!?』
『まさかの秒殺! 馬鹿な! 666もの動物が奇想天外な教授が!』

 大口をあけたところに1秒間に600もの心臓を流し込まれ、食あたりを起こしたらしい。

『……用心棒依頼料で、また借金だな……これも運命か』
『やっぱりコーヒー一杯一万円、始めようかにゃ……』
『いや、丁度いいから現行犯で捕まえ、請求するとしよう』
『……とっくに逃げたわよ』
『……《うんうん……》』
『………』
『………』

 そしてまた借金が増えた。走り去っていったサンタと、それを追う猛者どもを見送り。
 ……ここはアーネンエルベ・グレートキャッツ支店。
 愉快なNECO達が運営し、様々な世界の人が集まる喫茶店である。

『こうなったらもうサンタぶち殺して、プレゼントに自己再生能力とか持った店を貰うにゃ』
『……!《うんうんうんうんうんうんうん!!》』
『なるほど、それはいい考えだ。となれば確実に勝つために、眷属たちを呼んでおいたほうがいいだろう』
『……やつら現金だから、ブツがなきゃ召喚されても言う事きかないにゃ』
『なるほど世知辛いな……』
『まったくだにゃ…………あん? デスティニーはどうしたにゃ?』
『やつならばレストラム中野に現実逃避しに行くと言っていた。時間もいい頃だ、私もデリバリーでも頼むとしよう』
『だったらぬるま湯のバスターセットを所望するにゃ!』
『……!《うんうんうんうんうん!!》』
『疲れた人生には甘さが必要……それもまた必然。ではゆこうか。安寧を求め、そこの扉の先に───』
『ところでレストラム中野の店長、あの村人の服着た男によーく似てる気がするんだけど気の所為かにゃ?』
『だとするならば、金の問題でも投げつけてみればよかろう』
『所詮世の中金だにゃ……』
『デスティニーならば愛と言うだろうがな』
『……!《うんうんうん!!》』

 というわけでアーネンエルベ。本日休業。
 何故って店が吹き飛んだから。

『たまには店が壊れにゃい一週間が欲しいにゃ……』
『それはモテモテ王国でファーザーが死なないことより難しいな』
『実質不可能じゃにゃいかねそれ!!』

 とほーと溜め息を吐いて、NECOたちは店が壊れても倒れもしない扉を開けて、隣の世界へよっこらせと進んだ。
 亜人だろうが客ならば受け入れる店、レストラム中野はNECOたちにとっての癒しの場と言えた。現にカウンターでブランデー入りのグラスをカランと揺らすデスティニーが、店長と一人の客とで愛についてを語らいながら涙している。

『もうね……限界なのよ……。あの英霊とかいう人達が来てから借金ばかり……。サンタが来なくても灰色の肌をした巨人みたいなのが店を壊していくし、今日は来ないなと思えばケイネスとかいう人が神父に吹き飛ばされて店ごと殺されるし……。その度にどうにかしなきゃって案を出すのに、その悉くが壊されて……っ! もうだめ……頑張れないのよっ……!』
「奥さん……そう悲観するもんじゃぁありゃあせんぜ……。人生、酸いも甘いも噛み分ける、って言葉がありまさぁ。酸っぱいもん噛みしめてきたんなら、これから甘い事が……あるんじゃねぇですかい?」
(まさ)さんっ……!』

 なにやらアフロでグラサンな客の一人の言葉に救われているようだった。

「おやネコカオスの旦那、今日はどしたん?」
『いや、なにな。最近新しくやってきた連中に、店を幾度も破壊されてしまっていてな。心の休息に来たというわけさ』
「え? マジですか? そりゃいかん。OKOK、……ていうか僕も逃げるのに夢中で場所とか考えてなかったわ……そういやカップを手渡したの、ネコアルク・デスティニーさんだった気がする。OK、借金とかあったらそれに関する書類全部出しといて。こっちでどうにかしますわ」
『ああ店長っ……! あなた本当にやさしい人……! 彼を思い出すわ……!』
「いやいや、それより今日はどうします? ぬるま湯の一色さんから物々交換で良いケーキをもらっとるのですが」
『バスターを所望にゃ!』
「アータ一回も完食出来てねーでしょうに……まあいいや、注文しちゃる。えーと……《ナルルルル……ブツッ》あ、ヤーホー、僕───おや、きぃちゃん。うんそう僕博光。バスターセット3つお願い。……うす、うす。おや、今日は美鳩っちが来る? OK、なんかお持て成し考えておきますわ。ウィ、ほいじゃーねー」

 適当に注文をすると、受話器を置いて別の作業に移る。

『一度、我々NECOが外の住人にはどう見えているのか。見てみたいものだな』
「ダンディなおじ様に見えてるよ。ここはそういう店じゃけぇ。さてとー、アザー・トゥーイさんにもお土産考えとかんと」
『アザー? 誰にゃ?』
「俺が勝手につけたあだ名の人。とりあえずここに居る間はサーヴァントの皆さまも来ないと思うから、ゆっくりしていきんさい」
『そうはいうけど扉、アーネンエルベ直通にゃんだけど?』
「騒がしくする人は通れないようになってるから大丈夫」
『なるほど、それは画期的な話だ』

 NECOと店主がわははと笑い合った。なんとも平和な光景である。
 デスティニーもようやく緊張がほぐれたのか、ホッとした顔でグラスを傾けていた。

『むふん、今宵は安心して眠れそうだにゃマイシスタ』
『ええ、いっそここに泊めてもらうのもアリな気がしてきたわ……』
「《ガチャア》失礼。こちらにヒロミツはおりますか?」
『───』

 そして普通にやってくるアルトリアさん。
 これには中井出も大驚愕し、アルトリアが騒ぐ前に背後へ転移。当て身をかまそうとすると、

「《ハッシィッ!》フッ……甘いですよヒロミツ。あなたの行動など既にお見通しです」

 なんと背に目でもついているのかと疑うほどに見事に手を掴まれた!

「フン」
「《ゴキィ!》うぴっ!?」

 でも振り向かなかったからそのまま首をゴキャアと捻じって気絶させた。

「ふぅ、よもや僕らの安寧の場所、約束の地にまで追ってくるとは……! アルトリア───おそろしい子!」
「《ガチャア》アルトリア? そちらに主は───あ、ヒロミツさんっ!」
「ゲェーーーーッ!!」

 来訪2ndイグニッション。
 アルトリアの次はジャンヌが来て、その後ろには桜とカレンが───!

『店主ーーーっ! 話が違うにゃーーーっ!!』
「ちょっと待って僕も想定外! よもやこの博光のレストラムに入門してくるとは!」
『だぁああから扉があからさまに置いてありすぎだーーって言ってるにゃーーーっ!!』
「アッ……アイムソーリー!? アイムソ《ギュルバシィッ!!》ウゴアーーーッ!?」
「ふふふっ……よくも今日まで逃げてくれましたクロリスト。さ、これからドリアードに一夫多妻の申請をしにいきましょう」
「ムゴッ!? オゴッ……ゴアァアアーーーッ!!(訳:イヤァアアーーーッ!!)」
「大丈夫ですよ博光さん、私たちはこの世界の在り方に倣うだけなんですから。他の世界の博光さんに好意を持っている人達も後から来る約束です《しゅるしゅるしゅる》」
「《ぐるぐるぐるぐる》ムグォアァアーーーーッ!!」
『ああっ! 店長がなんか赤黒いリボンでさらにぐるぐる巻きにされていくにゃ!』
「モグゴムググゴガアーーーッ!!(訳:なにをこんなものーーーっ!!)」
「……主よ。あなたを信じる我らに、魂の加護を。“永遠に消えぬ光の御楯(リュミノジテ・エテルネッル)”!!」
「ムゲェエーーーーッ!?(訳:ゲェエーーーーッ!!)」

 ジャンヌの宝具によって、おなごたちの力が上昇!
 当然拘束する力も上がり、さらにはカレンにどすどす背中をつつかれ始めた所為で、力任せに聖骸布と悪のリボンを千切ることなど出来そうになかった。
 そうして彼はずるずると引きずられてゆき、扉の向こう側へと消えて行った。
 ちなみにアルトリアはジャンヌに背負われ退場。
 NECOたちは政さんとポカンとしつつ、やがて届けられたワッフルなどに顔をほころばせ、持ってきた女の子に「冷めない内に食べることこそジャスティス」と言われたのでそのまま食すことに。

『《さくりズキィーーーン!!》ウボァーーーッ!! 相も変わらずNECO科の動物さえ悶絶死させんとするこの破壊力っ……! 甘すぎて頬が痛い!! ワッフルが! ワッフルが甘いにゃーーーっ!!』
『あたしは飲み物だけでいいわ……酸いなら十分に味わったから、今は甘さに溺れさせてちょうだい……《ごくりズキィーーーン!!》甘いわぁあーーーーーっ!? いやぁっ! 甘すぎて次に来る酸いが怖いぃぃっ!!』
『さて。そろそろ締めといこうじゃあないか。これにて宴は閉幕となる。狂宴の無限地獄とは言うが、人が行動というものをする限り、なにか一つを見続けるということは叶わないというわけだ』
『……!《うんうんうん!》』
『では、いざさらば、といこう《つんつん》うん? なんだね、少女よ』
「……お勘定。デリバリー代金も合わせて、まだ払ってもらっていない。普通は食後に払ってもらう……けど、美鳩にも仕事がある。それを待たせるのはノンジャスティス」
『ふむ……勘定。金…………───金?』
『おごぉおおお……頬が……頬が…………───え? 金?』
『…………あたし、自分のブランデーの分しか持っていないわよ?』
「バスターセット3つ。……無賃飲食……?《めらり》」
『い、いや、待ちたまえよ少女……! 仮にも店を経営する我らが無賃飲食など!』
『……、……!《う、うんうん! うんうんうん!》』

 めらりと少女から謎の迫力が溢れた瞬間、NECOたちに緊張走る!
 いつも亜人(?)にはやさしく、立て替えてくれる店長が連れ去らわれてしまったからにはどうしようもない。
 が、そんな緊張の横でカランと氷が揺れる音がして───

「ふふっ……構いやせん。こうして出会えたのもなにかの縁。全額、あっしが奢りやしょう」

 グラスを傾けたアフロでサングラスなダンディーが、ニヒルな笑みとともにそう言った。

『まっ……政さんっ───!!』

 ……NECOたちの胸に、例えようのない感動が訪れたという。

『でっ……では、締まらんが締めといこう。また、いつか出会う日まで───』
『奢りというなら遠慮はいらないにゃ! 今日こそはバスターを攻略するにゃーーーっ!』
『あぁ……本当に新しい恋に目覚めてしまいそう……! 緊張で喉が、喉が渇いて……!《くぴりズキィーーーン!》甘いわぁーーーっ!?』
『……!《うんうんうん!》』
「……はい、確かに。それでは美鳩、帰還します」
「デリバリー、お疲れさんです。店長によろしく言ってくだせぇ」
「よろしく以外にも存分に伝える。それは美鳩的にとてもジャスティス」
『ちょっと……お願いだから綺麗に締めさせて……?』
『だからいい声でいいこと言ってりゃいいってもんじゃねーって言ってるにゃ!』
『……!《うんうんうんうんうん!!》』

 ちゃんちゃん。


───────────────────────────


◆ネタ曝しです。

*ビキバキ
 特攻の拓などのマガジン漫画。
 !?や!!や??などがよく使われるが、中でも特攻の拓はとことん使うイメージ。
 そして特攻の拓といえば、顔面効果音。
 眉間にシワ寄せるだけでもミシッ……とかなって、血管が浮き出るとミキビキ鳴り出す。
 そして腕力すごい。
 単車と男を片手ずつに抱えられるってどんなビックリ人間なのか。

*容赦せん
 このストレイツォ、容赦せん!
 あーん! スト様が容赦せん!
 ジョジョ第二部より。

*遊戯よ……俺はブルーアイズを引いたぞ
 慎二☆OH! ……ではなく、遊戯王より。
 ブルーアイズホワイトドラゴンが最強だった時代が懐かしい……。
 最初は生贄とかなかったなぁ。

*もう二度とキミを離さないですーーーっ!
 おじゃる丸より、坂田金太郎。
 べつに自爆はしない。

*カカカカカカ
 代紋TAKE2より、銃とかで撃たれた時に言う言葉。
 カカカカカカ! ぎゃんぎゃんぎゃんぎゃん! が定例。

*お前は強かったよ。しかし間違った強さだった
 サガフロンティアより、レッドのセリフ。
 真・アルフェニックスの閃きのタイミングは当時の僕にはとても感動的でした。
 ジェノサイドハート強かったなぁ。

*ボリショ~イ・パビエーダッ!
 夏だ! 海だ! ボリショイ・パビエーダ!! ……という時に使うものではない。
 ザンギエフの勝利セリフ。大勝利、素晴らしい勝利という意味らしい。
 故にボリショイサーカスは大サーカス、素晴らしいサーカスという意味。

*ぬらべっちゃ
 ONEPIECEより、デュバル。
 ジャギ様チックなやつが出てきた~と思ったらいい奴だった。

*ッツ!
 柴田亜美漫画でギャグ調に誰かが叫ぶとこうなる。

*ワーイ僕自由だー!
 アニメ・君が望む永遠より。自由っていうか……うん、愛を貫けなかった貴方の落ち度です。

*あばよぉお~~!? とっつぁーーーん!!
 アニメ・ルパン三世より。
 このね、独特な言い方がまたいいんですよね。
 あばよー、とっつぁーん、じゃなくて、なんか“あばよ”が疑問形に聞こえるような言い方というか。
 声優ってすごいです。

*缶コーヒーばかりを飲む腹筋
 月姫より、遠野四季。缶コーヒー大好き。
 ミハイル・ロア・バルダムヨォンに取り憑かれることで見える腹筋がやけに割れてる。
 やっぱりこいつ牢屋で腹筋ばっかりしてたのよ。

*髪の長い幸薄そうな観光客
 ウェイバー・ベルベット。
 ドラマCDアーネンエルベの一日より。

*タクシードライバーのシヴい声の誰か
 声優繋がり。
 CNAANより、タクシードライバー。声優がネコカオスと同じでジョージ。
 実にマンダム。

*ジョージ
 中田譲治氏を指す。
 TYPE-MOONといえばジョージ。

*ネロ・カオス
 ネロ造くん。TYPE-MOON原作、月姫より。
 個にして666の存在。

*ファーザー
 神聖モテモテ王国より、ファー様。
 なんだかんだ、出てきては死ぬ。主な原因は犬かヤクザ殿。
 モテモテ王国のヤクザは出現や行動のたびに「くっ……」というのが決まりである。
 べつに苦しがっているとかではない。なんでか「くっ……」とか「……くっ」とか言う。
 例:「くっ……兄ちゃん命おいてけ」
 やくざ殿はとてもやさしく、「どんな死に方したい?」と語り掛けてくれて、とりあえず苦しまぬよう一思いにと願うと、「それはだめ」と言ってくれる。
 苦しむことは必須条件。あれ? なんか混ざった?

*おそろしい子!
 ガラスの仮面より、異様に知られている言葉。
 でも誰かをきちんと偉大だ~とか恐ろしい人だと認識できるのは素晴らしいことだと思うの。
 思ってはみても認められない人って多いと思います。……あれ? 元ネタの人ってどうでしたっけ。

*2ndイグニッション
 ワイルドアームズ2のタイトル。ラギュ・オ・ラギュラのBGMの短さよ……。

*アイムソーリー!? アイムソーリー!?
 無問題より、岡村さんが叫んだ言葉。
 あの最初の夢の中のやりとりが大好きです。
 立てよ! ……立てったら!

*入門
 ジョジョ第三部より、DIOの世界。
 止まった時の中に入ってくることを入門という。

*バスターワッフル
 ONE輝く季節へより、里村茜が好んだ強烈な甘さのワッフル。
 練乳蜂蜜が濃厚に練り込まれており、一口食べれば「うぃんにょぉおおお~~~……!!」とどこぞのC子さんが奇妙な声を絞り出す。
 ドラマCDの詩子さん、よかったなぁ。

*うっおとしいぜ!
 ジョジョ三部より、承太郎が女子たちに言った言葉。



◆あとがき
 これにて終了。
 おまけはおまけらしくいろいろごちゃ混ぜてす。
 さてさて、ではこれ以上長々とやるのも「うっおとしいぜ!」ってことになると思うので、これにて。
 ここまで読んでくださってありがとうございましたー!

 いやー……それにしてもネタの多いSSだった。
 おしまい!
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