どこにでもあるFate/のオリ鯖参戦系の他愛ないお話 作:凍傷(ぜろくろ)
昼が過ぎて夜になれば夕食に舌鼓を打って大いに騒ぎ、遅くなれば大浴場でしっかり疲れを癒してから大きな布団で就寝。
征服王のいびきは騒音レベルだったが、中井出に喉の調子を治してもらうとあっさり完治。
すうすうと眠る姿が逆に違和感となるくらい静かになった。
それぞれ陣営ごとや夫婦ごと、知り合いごとに部屋を分けては眠ることになっていた。
そんな中で、朝がくるのと同時にすぅ、っと目を開け、起き上がる人影ひとつ。
ソレはソッと、眠っている誰かさんの寝顔を見下ろし、うっすらと笑みを浮かべた。
頬は少し朱に染まり、胸にこみ上げるものを口を閉じて目をきゅっと瞑ることでなんとか抑えている。
しばらくそうして寝顔を堪能すると、寝ている人物に聞こえないように言葉を紡ぐ。
「熱く、熱く、蕩けるように。……あなたの体と心を焼き尽くす……」
額にかかる髪をすっと掬い、頬に触れ、布団越しにもたれかかり。
「───“
ちゅっ、と……眠る彼にくちづけをした。
途端、一見冷静、冷酷な表情にも見えた彼女の顔が、一気に沸騰したかのように真っ赤に染まった。
熱くなってゆく頬をなんとかしようと両の手で両の頬を包むものの、これでは熱く蕩けるのは自分のほうだとばかりに熱は引かない。
「…………」
しかも、宝具として毒を使用しても、彼は普通に寝息を立てている。
……心が温まる気がした。
いとおしくて再び手を伸ばし、頬に触れ、愛しく愛しく撫でてゆく。
頬の熱は早まる鼓動で胸に移り、今では胸が熱くて仕方がない。
彼女───今さらではあるが静謐のハサンは、その口が自らをセレネと呼んでくれるのを今か今かと待った。
待つ間、頬を撫で、耐えられずにまたキスをして、胸が締め付けられて、やっぱり耐えられなくてまたキスをして。
気づけば彼───眠る雁夜の頭を抱くようにして、顔のいろんなところにキスをしてゆく。
顔の赤は落ち着きを見せるが、顔は先ほどよりもほにゃりと緩み、愛しく、大切なものをただただやさしく慈しむ者の表情だった。
出会えたことに感謝を。
ああ、自分にこんな日が来るだなんて思ってもみなかった。
幸せで、幸せにしたくて、こんな自分になにが出来るのかもわからないけれど、もう、あれだ。こうなったら婚姻するしかないのではないだろうか。
婚姻。
ああ、熱が溜まる。心が蕩ける。
顔など既に蕩けていて、きっとだらしのないものになっているに違いない。
ハサンとなるべく育った自分だというのに、こんなにも無防備で隙だらけで。
きっと今ならどんな襲撃があっても気づけず、無様にやられてしまうのだろう。
けれどたとえそうなったとしても、この人だけは守ろう。
「……妄想毒身、~……ざばーにーや……」
宝具の名を、まるで愛の告白代わりにするみたいに口にし、口づけを落とす。
赤く蕩けた顔で、ちゅ、ちゅっと。
やがて頭が上手く働かなくなってくると、行動も大胆になって、頬擦りしたり、首にちゅうと吸い付いてキキキキスマークとかつけちゃったりして。
この身の全て、血と肉、体液にいたるすべては毒だというのに、それを受け止めてくれる人。
ああ、胸がうるさい。
今誰かがきたら、自分でも少女のように悲鳴を上げたりするのだろうか。
わからないけれど、きっとそれはないのだろう。
そもそもいくら蕩けていようと気配には敏感だ。
近づく者が居るなら、部屋に入られる前に気づ《ドヴァァアアアン!!》
「モーニンカリヤン! 今日もいい天気でキャーーーーッ!?」
「きゃあああああああっ!?」
「キャーーーッ!? キャーーーッ!!」
「きゃああっ!? きゃああああああっ!!」
「キャアアーーーッ!! キャーーーアアアア!!」
「きゃああああああああっ!!」
「《ドゴボゴバゴドゴガンゴンガン!!》ギャアーーーーーーーッ!!」
……気配を感じる暇もないくらいの速度で侵入してきたクロリストを前に絶叫。
思わず手が出て殴ったり蹴ったり頭を掴んで壁に激突させまくったり。
気づけば頭に巨大なたんこぶを作ったクロリストが、ぐったりと動かなくなっていた。
……私でも女の子みたいな悲鳴は出るみたい。
ちょっとびっくりだった。
───……。
というわけで朝である。
「ちゃ~んちゃ~んかちゃ~んちゃちゃちゃ~んちゃ、ちゃ~んちゃ~んちゃちゃ~ん♪ フンハァッ!《ビシバシィッ!!》」
ラジオ体操の音楽っぽいものを口ずさみ、中庭でビシバシとポージングを取る馬鹿者ひとり。
つい先ほど、雁夜とらぶらぶちゅっちゅしていたセレネにボッコボコにされた、自称自他共に認める外道、中井出である。
セレネにはしゅんとした表情で「ごめん、なさい」と謝られてしまったため、「いきなり突撃したこの博光めが悪かったのですから」と殴られてもへっちゃらって顔で返した。
「しかしそれほどラヴラヴなら、もういっそ結婚しちゃえばいいのに」
「それは、まだ……。わたしには、戸籍とか、ないから」
「ソンクライ、マカセテ・ミー。ツクーテ・ヤルケン」
「……作れるの、ですか……?」
「うす。金とコネと運命破壊でどうとでも」
相変わらず滅茶苦茶なことを簡単なことのように言う馬鹿である。
基本、苦労した者は報われるべきだと思っているので、苦労してきた人にはわりと、あくまでわりとやさしい。
そんなわけで霊章から運命破壊の鎌を取り出してデスティニーブレイク。
セレネがここに居ることに違和感を覚える一般人から、器用に違和感を取り除き、ここには前から居た、という記憶を植え付けるような作業。といっても、一人一人に丁寧に使って回るのではなく、使った時点で運命そのものを書き換えたりするので、楽ではあるがその分、能力的な消耗は激しい。
疲れると知っていたから、そういうこと……職業柄、偽の戸籍とか作ってたんだろうなーという人物に声を掛け、手伝ってもらうことに。
お手伝いさん。名を、衛宮切嗣、言峰綺礼といった。
彼らとともに彼女を役所まで連れていって、役員の行動を少しばかりいじくって、慎重に戸籍作成。
やっぱりそれは嫌だってことにならないために、名前に関してはしっかり悩んでもらった。なにせ使い捨てではなく、それで戸籍を作るのだから。
しかし決まるのは案外早く、彼女自身、雁夜にもらった名前以外は割とどうでもよさそうだった。
そいうわけで名前は葉山セレネ。苗字はハヤマ。読み方変えればハサンである。
「名前……」
「ふう……おめでとう、ハサン。これでキミは、この国で葉山セレネとして認められた」
「そういうことだな。国に個として認められたのだ。つまり───」
「なんの憂いも心配もなく結婚出来る、ということだね」
「………婚姻」
「一応のマスターとしては、若干どうしてこうなったと思わなくもないが、幸福を求め、家庭というものにそれを願うというのなら、大いに祝福しよう」
「わたしのマスターは、雁夜様《キッパリ》」
「そ、そうか。まあ、クロリストの手で個として切り離すことは了承済みだ。故に神父の真似ごとをするわけでもないが……聖職者として、祝福を」
「あとは必要書類を間桐雁夜の同意のもとに集め、提出出来ればそれで完了だ。堂々と、間桐セレネを名乗るといい」
「───……!」
『あ』
間桐セレネ。
そう聞いた時、ハサンの胸はきゅんと幸福で満たされ、顔は赤に染まり、困惑と驚きと喜びを混ぜたような表情で固まった。
セレネはぽー……と、しばし停止してしまい、切嗣も綺礼も中井出も、彼女の背後に謎の幻影を見た気がした。
「……どういうわけか、今ハサンの隣のなにもない空間に、葛木メディアという文字が見えた気がしたんだが」
「奇遇だな衛宮切嗣。私もだ」
「おいどんも……」
そんなセレネは熱くて仕方のない頬に、支えるように両手を当てると、困ったような嬉しいような、なんともいえないものの、喜んでいるのは間違い無いって顔で、ふるるっ……と震えた。
どこぞのメディアさんのように自己紹介しながら滑るように店内を走る、なんてことはなかったが、急にそわそわしだすと、ぴうと走って行ってしまう。
「……間桐雁夜は苦労しそうだな」
「根っからの苦労人体質というものだろう。さて、では用事も済んだ。私も妻のもとへ戻るとしよう」
「僕も、アイリが待っている」
「キミらちったぁ娘を構ってやりんさいよ……。なんか最近じゃイリヤちゃんまで僕のところに来て大変なんだから」
「すまない。アイリが聖杯から切り離されたことで、随分と元気になったんだ。一緒にやりたいことがたくさんあると言われてしまってね」
「私は凜に怒られてしまった。娘をあれ呼ばわりして、少しのことで諦めるとはなにごとだと。だが、やはり少々待っていてほしい。私も己の心というものの整理に追われている。どうしていいのかがわからんのだ」
「この親父~ズはまったくもう……。ハッと気づいた時には娘さんたちが僕にメロメロになってても知らねーぞコノヤロー!」
「その時は殺してでも奪い取るさ」
「衛宮切嗣、私にも起源弾を寄越せ」
「やめれ! 元はといえばキミらが悪いんでしょーが! むしろロリコニアの使徒は幼女は愛でても手を出さぬ! 甘く見んでもらおう!」
むしろ手を出してくるのは彼女らです。
首絞められたりなんだりでいろいろ大変なんです。助けてくださいむしろ俺を。
───……。
平和な日々が続いている。
とはいえ日で言えば一ヶ月も経っていない。
が、呆れることにヒロラインは現実と時間の流れが違い、現実の一時間がヒロラインでは一ヶ月となる。
しかし体が老化することはないという優れもので、一日が48時間あったらなー! と願う人の夢を数倍にした世界だ。
そんな世界で、ウェイバーは知識欲を埋めるべく図書館に来ていた。
名を、マクスウェル図書館。
その大きさは迷路と言えるほどの巨大さを誇っており、様々な世界の知識や経験が眠っているのだそうな。
もちろん魔法のことも様々が記されていて、書物として見るのではなく、本を開くと映像として知識が再生される。
文字を見る必要がなく、映像とともに頭に叩き込まれるのだ。
「召喚獣、アレクサンダー? うわ、なんだこれ、城? あいつとは似ても似つかないな……」
書物を開いてはその世界を知り、魔法や呪文を知る。
魔術、と呼ばれるものは逆に少なく、大体が魔法や呪文であった。
「もし簡単なものだったら、時計塔のやつらに僕のことを見直させてやれるのに」
知識としては簡単に描かれていても、使えるようになるにはなにが必要なのかもわからない。
ただ、どこぞの素質ゼロと思われていた少女が、あるもののお蔭で魔法が使えるようになったとかなんとか。
「だからあるものってなんだよ……ああもう、次だ次」
本を戻し、適当にタイトルを覗いてみては、歩きながら目が留まるものを探す。
その過程、
「……ん? 創世の猫?」
目に留まった分厚い本。
棚から引き抜いてみると、ズシリと重かった。
どうせ映像しか見せないのに、なんだってこんなに重いんだよと呟くも、やっぱり気になるから開いてみた。
途端、映像が溢れる。
見たこともない景色と、見たこともない人間の経験が目と耳と、心に響いた。
どこにでもあるような人間の人生と、自分とは違った価値観。
知らない言語も聞いたこともない造語も、流行りの言葉だって“知っているもの”として焼き付いて、気づけばクロリストが密かにバックアップしていた言語問題も、知識として植え付けられていた。
「………」
他人の人生を覗き見るみたいで気持ちが悪い、とは言わない。
自分はとっくに、書物として様々な人の過去なんて見てきた筈だ。
伝説になった英雄の過去なんて、本人が望まなくたって腐るほど存在する。
だからこれは、本として置いてあるものを開いたって責められる謂われはないのだと。
少しだけそわそわと居心地の悪いなにかを感じながら、ウェイバーはやがて、見知らぬ人間の人生に目も心も奪われていった。
誰もが持つ劣等感と、誰もが持つ黒い感情。
そんなものを見れば、不思議と心も軽くなったし、そうだよな、と頷くことも何度だってあった。
けど、そんな人の人生が理不尽で消えた時、呼吸は詰まり、手はきつく握られた。
「……なんだよ、これ」
たった一人の人生ではなく、なにかに関わった様々な人の人生を見た。
その主軸がどこにあるのかはまだ見えない。
ただ、そのほぼがその人物の死や、友人の死で終わっていた。
望んでそこに立つ者と、望まず巻き込まれ、傷つき、滅んだ者。
好奇心なんてものを振りかざしたためにいろいろなものを失くした者や、友人のために異世界へ飛んで、巻き込まれ、竜と戦ったり精霊と戦ったり王様になったりと忙しい男の人生。
そして───
「……こいつ、クロリスト……?」
信じたが故に、全てに裏切られ、涙し、けれど孤独だろうと“自分のため”を唱えながら仲間のために命を賭し、やがて次元の切れ目へ消えた馬鹿。
「………」
ただの一般人だった。英雄なんかじゃない。もし英雄だなんて言われるとするなら、こんなもの、周りが勝手にそう言って理想を押し付けただけだ。
あいつはただ本当に、友人たちや恋人たちと関わる、人との関係っていうのが大好きだっただけで、英雄なんかじゃ───
「………」
“自分のため”を振りかざした日々がたくさんあった。
戦いもあったし裏切りもあったし、けれど……楽しいもたくさんあった。
そいつはいつしか“それでいい”って思うようになって、忘れられれば他の世界へ飛ばされるなんていう、理不尽な人生を楽しむようになった。
何回泣いたかはわからない
親しくなっても必ず忘れられて、結婚とかじゃなくて絆で家族になった人たちにも忘れられて、それでもそいつは生きた。
マナってものが無くなれば死ぬって状況で生きて、生きて……やがて、言っていた通り子供を庇って天井に潰されて、死んだ。
それまでその世界ではたくさんの人と関わり合いがあって、笑顔だって向けられていたのに。
いつの間にかそこに居た、地震にまぎれて火事場泥棒を働こうとして潰れた間抜けな盗人として扱われ、遺体は手厚くもない雑な葬られ方で処理された。
……あと一歩だった。
様々な世界を生きて、世界の最果てまでたどり着いて、その先でようやく溜めた大量のマナを使って願いを叶えた。
あとはその願いが自身を、世界を変えるまで生きていられたなら、そいつは望んだ場所に帰れた筈なのに。
「……、子供なんて───」
子供なんてほうっておけばよかったのに。
そうすれば、こんな裏切られ続けた人生も、ようやく報われただろうに。
でも現実としてそいつは潰れて、死んだ。
「なんで……」
どうして、これだけの世界を巡って、これだけの人と関わって、誰一人支えてやれなかったんだろうって思う。
思ってもどうしようもないことだってわかってるし、とっくに過ぎてしまった過去だってこともわかってるのに。
「……ぼくは」
涙で滲んだ視界で自分の手の平を見つめる。
僕は。
「……やれること、あるよな。なにかを言い訳に、なにかに怒って、潰してる時間なんてないはずだ」
聖杯にかける願いなんてない。
ただ、もう劣等感なんて消えていた。
馬鹿にしたけりゃしていればいい。その間に、僕はもっと前へと歩いていく。
出来ることを増やすんだ。
学べることはいっぱいある。
無駄にしている時間がないだけで、ここには知識が腐るほどあるんだから。
誰に理解されなくてもいい。
僕は理解していよう。
だから。
「……よしっ」
令呪を見下ろして、キッと表情を引き締めた。
足りないモノを集めていこう。
ここでは歳は取らないけど、体は相応に鍛えられてるらしい。
知識だって得られるし、研究だってやりたい放題だ。
足りないモノは足で探す。
「足りないなら先人の知恵だよな」
ここには他人の人生が山ほど。
様々な世界の知識もあって、到れない場所なんてないかもなんだ。
誰かに称賛されたいんじゃない、人が歩んだなにかを、それは意味があることだったんだって、自分だけでも頷きたい。
そして、そんななにかに関わったことで得られた知識と経験を、誰かに教えられる自分になりたい。
「───」
一瞬、教鞭を振るう自分の未来を見た気がした。
けど、まさかな、なんて笑って、次の本を開いた。
クロリストが関わった世界はたくさんだ。
呆れるくらいの忘却と裏切りと涙があったけど、それまでは確かにそいつは幸せに暮らしていた。
その笑顔まで裏切りまでの過程でしかなかった、なんて言うつもりはない。
そいつが楽しんでいられたなら、たとえ結果が裏切りでも、意味も価値もある世界だったんだ。
「……、でもこのモミアゲの男ってほんと滅茶苦茶だな……。性格は全然違うけど、ライダーの来世だって云われたら笑いながら頷いちゃうかもだ」
こいつの場合、巻き込まれていつの間にか王に、って感じだから違うんだろうけど。
呟いて、学ぶことを続けた。
集中しすぎて食事やらなにやらいろいろ忘れて危険な時もあったけど、食事が出来るところも風呂もあったから、それはそれで楽しかった。
劣等感は、やっぱりまだある。
けど、様々な人間の過去を見て、同じ景色に立って経験するたび、そんなものは小さくなっていった。
自分だったらこんな状況でなにが出来ると考えられるようになって、それを行使するための手段を考えるようになって、知識から学び、得て、経験していった。
本を開けば映像が出る。それはただ、本と本の間に映像が出るわけじゃあない。
映像に自分が飲み込まれたような感覚。
経験した人と同じ景色、同じ大地、その人の隣に立って、実際に経験出来るのだ。
故に、モンスターと戦う光景に並んで立ったし、飛竜に乗って空を駆けたりもしたし、魔導船に乗って守護竜という巨大な竜と戦ったりもした。
架空のものとはいえ、現代じゃ得難すぎる経験を重ね、気づけば幼さが残る表情は歴戦のそれに代わり、魔法や魔導魔術、理力や諸力といった様々な力の根本も学べてきていた。
「っ……はぁっ……! くはっ……! はぁっ……!」
鍛錬をしている光景ではそれを真似てみて、“こいつ馬鹿だ! ばかばかばかばか!!”と叫んだりもしたのだが、この世界は癒しとマナが普通に存在する神秘世界。
鍛えて壊れた細胞はあっという間に回復され、その分だけ筋肉はついていた。
真似て剣を振るってみれば腕も痛んだが、それも修復。
体捌きも真似てみて、こいつ人間じゃねぇ……とか普通に思っても、次第にそれに追いつけるようになっていた。
氣っていうものも学べると、それもいつしか行動手段に加わっていて、学び、身に着ける内に劣等感は“学べる数の多さ”に変わり、ウェイバーは笑ってばかりになった。
なるほど、楽しいのだ。
知識は自分に語り掛けてはくれないけれど、隣に立って同じ状況を経験し、笑える。
そんな状況から忘れられるっていうのは、こんな状況なのかもなって経験も何度もして、次から次へと先人と違う世界に学んでいった。
そんな調子で。
……現実で一日が経過する頃には、ウェイバーはこの世界でいう魔法行使が可能になっていた。
プチファイア、というところから始まり、そこから初級魔法の数々。
この世界の四大元素を学び、他の属性を知り、氣のことについてもいろいろ。
ウェイバーがこの世界の様々から学んでいるさなか、かつての教師だったエルメロイ先生は、気に入らないものに攻撃してボコられ敗北し、大した経験なぞ詰めてなかったわけだが。
「すごい、わくわくする……こんなの久しぶりだ」
言ってしまえば先人の知恵を追っているだけだ。
なのに、ウェイバーの目は輝いていた。
なぜって、学べばそれだけ力となってくれるから。
現代知識のように、学んでも追いつけず、結果も全然見えないものとは違っていた。
自分が成長していることがわかり、伸ばしたい分野にもすぐに手が届く。
この世界に来ると自分のステータスなんてものも見れたりするから、それも手伝って、伸ばしたいものを好きに伸ばせた。
……もっとも、やっぱり向き不向きはあるようだが。
「……ん、あれ、そういやあいつ、どうしてるかな」
没頭するあまり、聖杯戦争のこととかサーヴァントのことも忘れていた。
何日経ったのかも思い出せない。
そろそろ外に出た方がいいだろうか。
そう考えるも、学校の時間なのにゲームが面白くてやめるにやめられない人の気持ちが、今はなんとなくわかった。
……。
やっぱりしばらく知識を溜め込んでから外に出た。
自由に行き来出来るようにと、クロリストが癒しとマナの大樹に細工をしたのだ。
樹に触れて“他愛ない”と言うとヒロラインへ飛べた。戻る時は普通に、ステータス項目を見るつもりでウィンドウを出して、ログアウトを押せばいい。簡単である。
そんなわけで図書館に居たままログアウトをしたウェイバーは、まだ昼時だったらしい庭を歩いて《どぐおしゃぁあああんっ!!》───驚愕した。
「な、なんだっ!? まさかキャスター!?」
突如として障子ごと窓が割れた。
吹き飛んできたらしいクロリストとセイバーが、広い庭の砂利の上を“バキベキゴロゴロズシャーーーアーーーッ!!”と滑り、慌てて寄ってみればセイバーは痛みの所為か唸り、クロリストはネプチューンマンに掟破りのロビンスペシャルを喰らったロビンマスクのように、グビグビと謎のロビン汁を吐き出していた。
「お、おいクロリストにセイバー! なにがあったんだ!? もしかして敵か!?」
「オガガー…………ハッ!? ア、アアーーーッ! ウェイバーちゃん!」
「《がしぃっ!》うわぁっ!? ……ど、っ……どうした……?」
「ちょっと聞いておくれよウェイバーちゃん! セイバーったらひどいんだよ!?」
グビグビ噴いてた泡を拭って、ウェイバーを見た中井出は、起き上がるやウェイバーの肩を掴んで熱く語り出した。
セイバーも痛がってはいたが平気なようで、腰を押さえながら起き上がった。
「ひどいって……敵、とかじゃないのか」
「敵? なにかそれ」
「……いや」
居ないなら別にいいけど。
ちょっぴり実力をつけたから、それを見せてやろうと思ったのに。まあ、どうせまだまだ足りないんだろうけど。
心の中でちょっぴり愚痴を言って、とりあえずは聞くことにした。
「聞いてウェバエリーナ、ちょっと言い難いんだけど、いいから聞いてウェバエリーナ」
「いいから言えよ……あとそのウェバエリーナってのやめろ」
「いやね? セイバーがさ、なにか僕の世界の読み物はありますか? とか訊いてくるからね? 我らの聖典とも呼べるキン肉マンを見せたのに、こんな技はありえませんとか言うんだよ!?」
「………」
すっげぇくだらない話だった。
ていうかなんだってそれが聖典になってるんだ。
「そもそも無理な技ばかりではありませんか」
「そげなことありませんー! 今の僕らにならばどんな技だってできますー!」
「……じゃあ、さっき窓を破壊して吹き飛んでたのって」
「え? ああ、あれ? ちょっとセイバーちゃんにマッスルミレニアムをね?」
「家の中でやる技じゃないだろあれぇえっ!!」
こいつの過去は見た。
その過去で、とある金髪幼女の吸血鬼にも同じことをしていたのを思い出した。ほんと、相手が誰だろうが、老若男女差別抜きに大技かける馬鹿である。
その過去でもきちんと窓とかブチ壊して、同じく“バキベキゴロゴロズシャーーーアーーーッ!!”と跳ね転がってグビグビとロビン汁を吐いていた。
ちなみにマッスルミレニアムとは、リング中央にて相手を宙に投げ、ロープに飛びついた反動で自身をミサイルのように発射、落ちてきた相手の背中を頭突きで捉え、反対側のロープへ叩き付ける大技である。
もちろん室内でやればロープなんぞないので、壁を蹴って自身を発射、セイバーの背を頭で捉え、手首を掴んで固定したまま……まあその、窓とか障子を破壊しして吹き飛んできた、というわけである。
歩法奥義なんてものがあるために、それを使えばどんな一歩目も弾丸の如し。ロープが無くてもサブマリンロケッターだってできちゃうぞ! ただし室内で実行する馬鹿はこいつくらいなものである。
「ともかく証明してみせたぞコノヤロー! キン肉マン馬鹿にすんなよコノヤロー! ギャグ狙っても笑えなくて、シリアス書いてたほうがよっぽど笑えるステキな漫画なんだぞコノヤロー!」
「褒めているのか貶しているのかどちらですか! 大体、落下のGで体が裏返るなど」
「トタァーーーッ!!」
「《がしぃっ!》うわぁっ!? ちょ、ヒロミツなにを!」
「ジョワジョワジョワ、この博光の前でマッスルグラビティすら疑うとはいい度胸だぜ~~~っ!! ジョワァーーーッ!!《ダンッ!!》」
「うわわわわわぁああーーーーっ!?」
馬鹿者がセイバーにタックルをかまし、肩に抱え上げ、空高く跳躍!
その高き空で器用にキン肉バスターの型にセイバーをハメると、自身に上空から地面へと猛烈な勢いで吹き付けるゴッドブレスと、重力100倍を実行!
「超人閻魔様ーーーっ! 技巧の神の力を! ゼブラの芸術的テクニックを与えたまえーーーっ!!」
呆れるほどの速度で地面へ向けて落下───否、飛翔を始めると、セイバーの体が自然と空へと引っ張られ───!!
「ヒュハァーーーッ!! マッスルゥッ───グラ《ドゴォオオオオン!!》ギャオアアァアーーーーーーーッ!!」
───る前に、尻から地面に激突した。そりゃそうである。
セイバーと自身の体重を100倍にしての落下により、見事にケツを粉砕した馬鹿者はザムゥ~と地面に倒れ、もがき苦しんだ。
「グォガッ……アオアーーーッ!!《ズキィーーーン!!》」
ケツの痛みにむせび泣き、やがて殺虫剤をかけられたGのように静かに、ゆっくりと動かなくなり、ひとりで勝手にグビグビと謎のロビン汁を吐いていた。
「い、いっ……いたたたた……!!」
そして、完成しなかったとはいえ巻き込まれたセイバーは、しこたま腰を痛めていた。
「結局なにがしたかったのですかヒロミツは……!」
「フ、フフフ……! 地獄から来た野生の少年のケツを粉砕する男……! スパイダーマッ……!《どーーーん!!》」
粉砕したのは自分のケツである。
「セイバー、今日の昼ってなんだったっけ」
「いい質問ですウェイバー・ベルベット。本日の昼食はヒロミツが用意したケーキバイキングだそうです」
「ケーキって……まあ、腹は膨れるだろうけどさ」
「……倒れた僕にこの仕打ち。なのにケーキは用意しろと……あなた方は鬼か!!」
「だって全部自爆だろ、それ」
「ち、ちくしょう! 正論だけがいっつも正しいなんて思うな!? こうなったら数あるケーキの中にひとつだけワサビ混ぜてやる! 後悔するがよいわーーーっ!!《ギャオッ!》」
「なっ! ヒロミツ! それは食べ物に対する冒涜っ……くっ、なんと速い……!!」
「……はぁ。まあ、誰かに当たる程度だろうし、普通に食べればいいじゃないか」
「……それはそうですが」
ぼやきつつも、ケーキを諦めるという選択肢はなかった。
そこらへんは、ここ最近の付き合いで、ああ、こういうやつなんだなぁってウェイバーも悟っていた。
……。
で。
「シェヴァアーーーッ!?《ゴボシャア!!》」
ハサンがひとり、ザイードめが盛大に吐いていた。
「ゴハァアアアアア突如としてこの身を襲う痛烈なる刺激っ……!! アサシンだから!? ねぇアサシンだからなの!? 甘い話に久方ぶりに心を癒されていたらばこの仕打ち! こんな酷い話に誰がした!」
「セイバー……貴様という騎士王は……」
「ヒロミツ!? 何故私が悪いような目で見るのですか!?」
おなごめらがきゃいきゃいと甘さに頬を緩ませる中、あからさまに“抹茶ケーキ(覇亞屠)”と書かれたケーキを手に取り一気に喰らったザイードめが、仮面に覆われた鼻と口から盛大に緑を噴出。
その叫びはまるで、協力プレイ中に死亡したシェバの名を叫ぶクリス・レッドフィールドのようだった。悲痛である。
そして悶絶。どうやら噴出した際に困ったところにワサビが残ってしまったらしく、「フコー! フコー! ハゴォッ!? フオオオ!!」と、出そうとしては苦しんでいる。
「おお可哀相に……! ここまであからさまに作ったのにセイバーが喰わなかったばっかりに……!」
「まっ……待ってくださいヒロミツ! そもそも作らなければよかっただけの話ではありませんか!」
「さ、ザイード、これを飲んで落ち着くでおじゃ。刺激も治まると思いまする」
「コハッ……お、おぉおかたじけないクロリスとごふっ!? がぼっ! おぶぼぼぼっ!」
「ヒロミツ!? 飲ませるにしてもその飲ませ方はどうなのですか!? アサシン、平気ですか!? 喉などに異常は───」
「おっほっほっほ~、大丈夫大丈夫! これいろんな傷や痛み、治すアルぜ!? めっちゃ効くアルから!」
「オクレ兄さぁああーーーーーん!!《ビビクビクビクビクンビクンッ!!》」
「奇声をあげて痙攣しているのですが!?」
「え? あれ? ……ヤベェェェェ飲ます薬間違えたァァァァ!!」
「なにをやっていますか貴方はぁああっ!!」
「いや違うよ!? 僕よかれと思って! ただ結果が追いつかなかっただけで僕は善良なる意思のもとにっ……いやっ、ちょっやめっ───ヴァーーーッ!!」
その後彼は騎士たる者の王にボコボコにされ、外へ投げ捨てられた。窓ブチ破って。
「…………あんなことがあってもこんな日常がいい、か。あれだけ生きれば、そういうのもわかるのかな」
そんな喧噪の中でひとり、ウェイバーは珍しくもくすくす笑うと、ケーキを豪快に食べていった。
隣の征服王が「随分と吹っ切れた顔つきになったな!」などと笑っていたが、それにも笑って返して。
人は変われるもんだ。
変わり方は好きにすればいい。
ただ自分は、どうせなら楽しい方がいいと思うのだ。
あいつに感化されたからとかじゃなく、怒ったり嫉妬したりしているよりは、隣の王みたくガハハって笑っていられるくらい、余裕を持ったほうがいいって……今なら思えるから。
───……。
平和は続いている。そう思える。
聖杯戦争に関わるほとんどの人が家に集まり、ともに暮らすなんて日常だ。
争う理由なんて特になく、叶えたい願いなんて手を伸ばせばそこらへんに転がっている世界がある。
「い、今……なんと?」
「え? いや、根源に辿り着きたいんでしょ? 居るよ? 根源を司る精霊が。いろいろ聞けるんじゃないかな。会ってみる?」
「是非、お願いしたい……!」
遠坂時臣の聖杯への願いも、とりあえず消し飛んだ。
他のやつらも大体は、ヒロラインで願望を掴まんがために駆けている途中であり、イスカンダルはふらりと居なくなるウェイバーを追って図書館まで来て、その戦の歴史に興奮、ともに守護竜バトルを見て「うおおおおおお!!」と雄叫びを上げていた。
そんな興奮を知ってしまえば落ち着いてなどいられる筈もなく、いざ冒険の旅へ。
空を飛ぶとまた殺されるので、ブケファラスに乗って地を駆けた。
しかし道端で出会うモンスターでもなかなかに強く、それだけでも征服王の心は踊った。
人ではなく魔物。
善悪云々ではなく、倒すべき相手として出現する相手であるからして、遠慮もなにも要らないとくる。
そんなわけで突撃しては倒した。
簡単な攻撃魔術や能力向上魔法などを使用可能になったウェイバーの手伝いもあり、「これは面白い……!」とさらに駆けるのは、男としては当然なのだろう。
けれどもここには様々な世界の人物が居て、この世界に来た時間が長い方が、当然ながら強いわけで。
たまに“同じような存在”に出会い、それでもなお突撃すると、容赦なくコロがされた。
そこでなにをしていたのかもわからない、恐らくは他の世界で武具から伝わった意思だったのだろうが。
突撃する前、ウェイバーはそいつを見た途端に真っ青。
「……ライダー。迂回する気は……」
「あると思うか?」
「頼むからあってくれ……あいつに交渉とか絶対無理だから……」
「あん?」と。ウェイバーの言い方に引っ掛かりを覚える。
まるで知っている口ぶりではないか、と。
「なんだ、知り合いか?」
「知識として一方的に……な、迂回くらいいいだろライダー、あいつもここを通るみたいだしさ」
「ならん。例外を見せては、征服されたもの達に示しがつかんだろう」
「あいつも頑固なんだってぇえっ! なぁ頼むお願い一生のお願いでいいから! そりゃ死んでも復活出来るけど、痛くないわけでもなければ、怖くないわけでもないんだからぁあっ!」
「おぅいそこな娘よ! ちとそちらへ用があるでなぁ! 余に道を譲ってはくれんか!」
……一応、ウェイバーの意をせめてって程度に受け取って交渉。当然、却下。
むしろこちらに譲れと言ってきた。
腕を組んで、ふんぞり返って、鼻をフンと鳴らして。
一人だってのに、こんな大きな馬に乗った巨大な男を前に、怯えもしない。
ただ、杖なのかなんなのか、細っこい棒めいたものをシュピッとこちらに向けると、その動作でマントとプリーツスカートがひらりと揺れた。
「ならばよい! この世界で生きる先人なのであれば、一人だというのにその覇気、その胆力にも頷けるというもの! 最初から容赦はせんぞ娘よ! 集えよ我が同胞!」
「…………」
ウェイバーは泣き笑いみたいな顔をした。
さて問題だ。
クロリストは記録者の名の通り、様々な世界に弾かれながらも、その様々な世界で人の意思を剣に融合させ、生きてきた。あいつの武器、ジークフリードが剣碑って書いてブレードグリフっていうように、その剣に刻みながら。
当然刻まれた意思はこのヒロラインで生きることが出来て、そういった人たちの意思が、今では普通の人としてこの世界を駆け巡っていたりする。まるで英霊みたいに、出会える筈がない人達と、会おうと思えば会えたりする。
そんな人達の中から選ぶとして、超破壊力の爆発系魔法を使う女の子、っていったら誰を思い浮かべる?
え? 中二病種族チックな紅魔族の不思議な帽子を被った子?
あるかもだけど、まだ規模が足りない。
ええっとそうだな、その魔法一発で、一国の主戦力を滅ぼせるくらいの威力の魔法を撃てるんだ。
それは誰だ? と訊かれたら───そうだなぁ……
「エクスプロォーーーーージョンッ!!」
……ピンクブロンドの、どこぞのツンデレ貴族かなぁ───
お約束として、消し飛んでゆく景色の中で、呟いておいた。
これが……虚無の力、か───!
突撃するまでもなく、世界が爆ぜた。
ヘタイロイごと、固有結界も、ウェイバーらも。
……そして気づけば教会で、神父が目の前に。
「おお旅人よ! 死んでしまうとは情けない!」
「やかましい。……しかし……ふっ……く、むぅふわはははははは!! こりゃあ驚いた! 圧倒的だなぁあの魔法というやつは! どれほどの軍勢を用意しようが意味がない! 文字通り一撃であったわ! ふはははははは!!」
「……実際に味わうと、本当に怖い限りだよな」
「ふはん? はは、どうした坊主、怖気づいたか?」
「まさか。鍛えればあそこまでいけるんだって、むしろ……お前風に言うなら、胸が高鳴ってきたところだっ!」
「ほほう? 弁えてきたではないか。まあ実際、現実世界を征服しようにも貴様も魔術師どももやかましいし、下手に征服して余の願う自然な作りのゲームに、無理にこびへつらうようなものが増えても困る。故に! 余はこの世界を征服するためいざ疾走するとしよう! まずは我が同胞らの強化と洒落込むか! ぬははははは!!」
「出来るのか? それ」と、つい呟きながらもまぁ、出来るんだろうなぁと答えは出ていた。
この世界で常識を語るのは無駄だ。
出来ると思ったことは出来るまでやれば出来る。そう思えばなんだって、いつかは出来てしまうと思える世界だから。
この世界には希望が詰まっている。パンドラの箱とは違って、絶望はない。敵の強さに絶望することはあっても。
故に駆けた。
モンスターと戦い、夜になれば野営をして、魔物を倒して手に入れたものを町などで売って金にして、レベルが上がれば喜び、冒険者としてを楽しんだ。
「自由すぎだろこの世界……」
「なにを言う坊主、あのクロリストの中の世界だぞ? これくらい出来んようでどうする」
「すごい説得力だ……」
ヘタイロイを現界させておくことは、なんか普通に出来た。
なにせ戦いの最中では減ってゆく魔力……この世界ではTPらしいそれは、戦いが終われば傷とともに全回復するのだ。
回復条件は戦闘終了。敵意が向けられていなければ一瞬で回復する。つまり連戦になろうが、敵を倒して一息つけば全回復。「ゲームでここまで親切なのは、そうはないな」と征服王も喜んでいた。
その影響で、持続的にTPが削られる王の軍勢も、展開したままで行動出来る。
むしろ砂漠が消えても兵らに魔力供給を続けていれば、兵は消えないしレベルアップも出来た。自由すぎである、この世界。
ちなみに図書館にはヒロラインについて、というのもあったが、基本ルールが“自由”というのだから、なんかもうめちゃくちゃだ。
もっとも、楽しむために作られた世界なのだから、当然といえば当然なのだが。
なら殺人者にとっての喜び、快楽殺人などは出来るのかと言われれば、村人に危害を加えればきっと後悔することになる。
「しかしこれが人間ではなく、作られた存在とはのお……おい坊主、デコピンとかしたらどうなるか気にならんか? ちと試してみるか」
「うわわ馬鹿やめろ馬鹿それは絶っっ対やめろぉおおおっ!!」
この村人ら、モンスターには弱いくせにプレイヤーには鬼強いのだ。
危害を加えようものなら、「なめたらかんでぇ!」とか言って襲い掛かってくる。なめたらあかんで、ではないらしい。
何故かスーファミソフト、初代熱血硬派くにおくんの戦闘BGMが鳴り出して、喧嘩を売ってくるのだ。で、プレイヤーに対してだと本気で強い。古代魔法をぶちかまそうが耐える。拳一発でプレイヤーのHPがゴリゴリ減る。
どうせNPCだからと傷つけたりしようものなら、地獄を見るわけである。
「するってぇとなにか、坊主。たとえばこの村人にデコピンをしたとして、ゴルディアスホイールにて空へと駆けたらば───」
「そんな能力もないのに空飛んできて、頭突きで襲い掛かってくるって」
「ぬおっ!? ……それはそれで、ちと見てみたいな。どれ、いっちょうやってみるか」
「やめろばかぁっ!!」
この征服王にかかれば、精神的に成長したと思われたウェイバーもこの通りであった。
イスカンダルはがははと笑い、わっしゃわっしゃとウェイバーの髪を乱暴に撫でる。
そして休憩もそこそこに、旅へと駆けた。
この世界に余の名を届かせるのはなかなかに困難なようだと思いながらも、極上の笑みを浮かべつつ。
───……。
それぞれが遊び、楽しみ、根源について触れそうでいて触れなかったりしている、そんな時。
馬鹿者は馬鹿者で困っていた。
「ヒロミツ、この魔法理論のいろはについてなんだけど」
目の前には彼を見上げ、本を見せてくるツインテールのお子。名を遠坂凜。
父が根源に夢中になり、母がヒロラインのユグドラシルの麓から見る光景に夢中である現在、娘はといえば……いつの間にか馬鹿者に懐いていた。
最初こそ、将を射んとするなら~とかそれっぽい理由で中井出に話しかけた凜だったのだが、この男、遊びの知識から魔法やらなにやらの知識が本当に豊富であり、話していて飽きないし、そもそもこちらが子供だからって適当に相槌を打ったりなどせず、真面目に向かい合ってくれるわけで。
そんなことをしばらくしていたら、なんか懐いていた。
「ツナにもめげずに踏み込んでくるとは……強きお子よな、凜は」
「当たり前じゃない。遠坂の娘は強くなきゃ」
「そうと決めつけて自分の歩く道を狭めるんじゃあござんせん。狭めていては見えない楽しいを逃すことになりんすえ」
「……そう思う?」
「思う」
だってほら、キミのパパりんだって、今は精霊らに囲まれて、涙と鼻水と涎たらしながら感動しきりですぞ? 映像はちょっとアレなんで見せられないけど。
親が楽しんでるのにキミが楽しめないなんて、そげな理不尽は誰が許してもこの博光はゆるさぬ。
そう言って頷き、凜を抱き上げ膝に乗せ、では勉強ですと本を紐解いた。
魔法理論のいろはは、童子向けの魔法教本である。
セイバーが言った、なにか本が読みたい、という言葉でマクスウェル図書館から取り出された数冊のうちのひとつだ。
「ほう……! ヒロミツ、あなたの世界ではエクスカリバーが、魔導魔術、とやらとして伝わっているのですね!」
「おおそうよ? 魔導極光剣と書いてエクスカリバーだ。上手く制御出来ないと両手が炭化するってんで、みんなに恐れられてるけどね」
「な、なるほど」
「ちなみに僕の武器にもエクスカリバーⅡってのが融合されてるよ?」
「そうですか……! ええ、ええそうでしょうとも……!《こくこく》」
なんでか嬉しそうなセイバー。
知名度が高いのが嬉しいのかしら。
「ヒロミツ!」
「へいへい、では本の続きね?」
頬を膨らませた凜に服を引っ張られ、続きを解説してゆく。
なんなんだろうね、この屋敷。両親を娘から離れさせる呪いでもあるのかしら、などと思いつつ。
では他のお子めらはというと、ヒロラインで社会科見学中である。
綺麗なところばかりを見ればうっとりも出来ようが、その実、その裏っ側では頑張っている者がたくさん居るのだ。
主に猫の里では猫らが。
ネコット農場───モンスターハンターポータブルのココット農場をベースに作られた猫の農場であり、そこで働く猫らは様々な作業のプロフェッショナルたちだ。
農業に鍛冶、爆弾採掘や養蜂なんでもござれ。
檜の棒からエクスカリバーまで、どんな武器防具の調整も請け負いますって場所である。
(ふむ)
視覚を今見ているものから内側へ、言ってしまえばヒロラインへ向けてみれば、猫たちに混ざって少女たちがきゃいきゃい燥いでいた。主にイリヤが。
猫たちやドワーフ族の鍛冶工房や、妖精たちが住まう世界に案内された幼女たち。目がランランに輝いておった。
ヤンデレに突入しそうだったカレンや桜も、猫の里での自然やアニマルセラピーにて、随分と落ち着いたものである。何度も言うが、現実での一時間はこちらでは一ヶ月なため、ともかく時間が必要なら、ここでのんびり過ごさせればいいわけで。
時間を見つけてはこちらで療養させていたら、二人とも随分と大人しくなった。
その分少し甘え上手、我がままになったかもだが、心の病に比べれば可愛いものだった。
(おっと)
そして、そんな景色の中で見かける二人も、随分と順調なようだった。
雁夜とセレネ。
桜が時臣よりも彼を父にと選んでからは、桜の拠り所は雁夜だったわけだが、当然ながら最初は“どうせ……”的な考えはあった。
お爺様に逆らえばどうなるか。
それが擦り込まれていた彼女にとって、彼の頑張りなどどうでもよかった。
しかし拠り所ではあったのだ。
それはあの怪物の消滅で、体内に居た蟲とともに消えたのだが。
そんな拠り所に、歩み寄る人が居た。
女性で、見るからに雁夜に好意があるのがわかるほど。
そうなれば自分なんて邪魔な存在だ。
他人の幸福の邪魔をする気は自分にはない。
それがどれだけ残酷なことか、身を以て経験しているから。
そうして彼女は彼から離れ、離れたところで馬鹿者に抱き上げられた。
自分に暖かみも拠り所も必要ないんだ、なんて思っていたところへ、何故か幼女に好かれる馬鹿者の降臨。
気づけば冷たかった心まで温められて、少女は微笑むようになり、笑うようになり、お腹を抱えて笑えるほどにまで自分を取り戻せた。
が、取り戻せないものだってある。
「……よかった。幸せそうだ……」
呟きが桜の口から漏れる。
大樹の上から見下ろす先で、雁夜とセレネは幸せそうだった。
間桐、という苗字ではあるが、今さら自分にはその苗字は似合わない気がした。
間桐はあのふたりだけでいいんだと思う。
だから、自分は別の苗字が欲しい。
雁夜おじさんはきっとやさしいままだ。
セレネさんだってきっと。
でも、二人に子供ができたら、自分はいらない子になるから。
「親が今さら恋愛する、というのも……困ったものですよね」
「え、あ……カレン?」
「けれど、それを咎めることは出来ません。人とは人を愛するものだからです。浮気ならば滅ぼして然るべきですが、相手が妻である以上は問題もないし、恋人ならばキャッキャウフフもするのでしょう」
「うん……」
「ただ、その二人の子供である私が言います。居辛いです。ええとても。いっそ新たに愛し合って子供でも設けて私のことは忘れてくださいと言いたいほどに」
「……ひとりになったら? どうするの?」
「我が主は寛大ですから、寄生します」
我が主という言葉に、アハーーッハッハッハと笑う馬鹿者の顔が浮かんだ。
無理矢理に主神にされた中井出博光のことである。
社会科見学に来ているカレン、桜、イリヤのうち、桜もイリヤも固まっていたが、ハッとしたイリヤはツッコミをいれた。
「カレン! 考え方が子供らしくない!」
「おやイリヤスフィール。構いません、これが私の子供らしさです。親の愛を受けて育ったあなたにはわかりませんよ」
「う……でも、最近は二人とも遊んでくれないし」
「人は恋する生き物だということでしょう。シャーレイもナタリアも、あの舞弥という人もあなたの父を狙っているようですし」
「いやー! そういうの、なんか聞きたくないー!」
「ならばこそのクロリストです。いっそあの人の子として生きた方が幸福でいられるのでは、と……最近では思います」
「あ……」
「そ、そんなことないってば! キリツグは───」
「そう思うなら、構ってくれる日が来たら戻ればいいだけのことでしょう? イリヤスフィール」
「そう……だけど」
「では問題です。自分は寂しがっているのに、両親は楽しんでる。どう思いますか?」
「……ずるい」
「ならば自分も楽しもうとしたら、それはだめだと親に言われたらどう思いますか?」
「……! ずるいっ!」
「そのくせ注意した矢先に二人だけで楽しむ。それを見てあなたは───」
「ずっるーーーい! ずるいずるいずるいっ! そんなのずるい!」
「……ええ、その通り。ずるいのです。ずるずるです。ならば楽しんでも罰はあたりませんし当たりそうでも無視します。主は必要な時以外、幼女を罰したりはしませんから」
桜は止めようとした。止めようと、したのだが。なんかわかってしまったから、止め切ることができなかった。
自分達には確かに両親が居る。血の繋がった人達だ。
でも今は二人とも自分のことで手一杯だ。
きっと、本人たちも子供のことは気にかかっている。
そうではあっても、気にかかる全てを腕の中に収めておけるほど、人は器用じゃない。
普通の人が幼稚園や保育園、小学校などに子供を送り出す中で、あの親たちはそれをしていないあたり、まあなんというか、アレではあるが。
凜は度外するとして。
今は知らないけど、行ってるのだろうか、あのかつての姉は。
『それじゃあ三人とも、お疲れさまニャ。これにて猫の里社会科見学は終了となりますニャ』
いろいろと考えていると、三人を案内してくれた猫が振り向き、そう言った。
黒のロングコート、黒のズボンに黒のテンガロンハット的な帽子、そして黒のサングラス。腰に木刀を装った仕込み刀を装備したジョニーという猫は、ニヒルにニャフフと笑っている。
「あ、ありがとう、猫さん。とっても楽しかった」
『おっと礼には及ばないニャ。旦那さんからはきっちり報酬を受け取っているから、これも仕事の内ニャ。馬鹿正直に言ってしまうのはちと夢がないかもだけどニャ、子供の夢を適度にブチ壊すのは大人の役目というものですニャア』
そういう猫は、出会った相手が悪かったニャ、とか言いつつやはりニヒルに笑っていた。
『おっと、忘れるところだったニャ。これはわざわざフェルダールを知ろうとしてくれたキミ達に、旦那さんから依頼されて作ったものニャ。きちんと人数分あるからどこかに着けてくれると旦那さんが喜ぶニャ』
「え───」
「クロリストからの贈り物……いえ、べつに私は喜んでいるわけではなくて。ええ、くれるというのであれば主からのものを無碍にするわけにもいかないといいますか」
「カレンってほんと素直じゃない。ありがとーでいいんだってば、こういう時はー!」
「あなたほど能天気なわけではありませんので」
「カレンがひどいこと言ったー!? 桜ー! カレンがひどいー!」
「………」
どうぞニャ、と一人一人に渡されたそれを見て、桜は迷わず髪を縛っていたリボンを外した。
そして、もらったそれ───白い髑髏の髪飾りを早速つけると、薄く微笑む。
「……! 髪飾りだったのですか、気づきませんでした」
「なんだと思ってたのー!? まあでも、くれるんならイリヤも貰う!」
ふたりもいそいそと髪につけると、笑った。
『とてもよくお似合いですニャア。ということで、これにて見学は終わりですニャ。ボクも警備に戻るから、帰る際にはお気をつけてニャ』
「警備? 猫さん、警備なんて出来るの?」
『おっと、それ以上はオイタが過ぎるニャ。アイルー種序列第二位、居合のジョニーの名は伊達ではないニャ。……ぶっちゃけ守護竜以外の竜族となら、互角かそれ以上の戦いを約束するニャ』
右前足でサングラスを軽くクイと持ち上げ、テコーンと輝かせる。
竜族とか言われてもピンとは来ないものの、とりあえずは驚いておいた。
そうして猫が去ると、三人はユグドラシルへ残されるわけで。
「……これからどうしよっか」
「主神たるクロリストに白髑髏を与えられました……これは将来、ハサンを目指せという啓示なのでしょうか」
そう言うカレンは、髪につけている小さな白髑髏を撫でた。
なにせ白髑髏とはいっても思い切りハサン仮面の造形であり、これであなたもアサシン一味! とでも言いたげなのだ。
そもそもだ。親族から知り合いにかけて、暗殺向きの人が多すぎる。
衛宮切嗣からして暗殺向きで、その師たるナタリアもそれに近く、シャーレイも死徒で、その気にならずとも生態的にはそっちが向いている。
思えば集った者がなにかしら暗殺向きな能力者であり、考えれば考えるほど衛宮は暗殺一家であった。
「……私……博光さんがそうしろっていうなら、そうしたい……かな」
「桜!?」
「素晴らしい判断と言えます桜。私もクロリストの言葉のない願いを受け、しかとその道を歩もうと思います。……一度でも聖職を学んだこの身が暗殺に……フクク……! ざまぁみろですあの神父……!」
「黒い! いろいろ黒いからぁっ!」
「しかしイリヤ、あなたの父は銃火器で、母は謎の糸で静かに相手をキュッと出来ます。舞弥さんもその父に習ったわけですし、関わる人の大体が暗殺向きですよ?」
「あうぅうっ!? ……う、うー、うー……!! キリツグのばかぁあああっ!!」
謂れの無い……いやあるかもだが、謂れのないかもしれない罵倒が切嗣を襲った。聞こえなかっただけ救いだろう。
そうしてきゃいきゃい騒いだ三人は、しばしののちにログアウト。
ぐうっと伸びをしながら家に入ろうとすると、「とんずらーーーっ!!」と叫んで逃げる馬鹿がひとり。
反射的にカレンが聖骸布を伸ばし、その口と喉をゴキィと締めて止めると「ウゴアーーーッ!?」と絶叫、倒れ、脱力し切った彼がズザザーと聖骸布に引きずられてこちらに来た。
「クロリスト、出てきた瞬間に出会えるとは。主に感謝します」
「カレン!? 感謝って、主の首が180°曲がっちゃってるよ!?」
「博光さん!? 博光さん!」
「グビグビ……《ピクピク……》」
「あ、生きてる。わー……さすがヒロミツ……」
「ええ、クロリストがこの程度で死ぬはずがありません」
「でもやめて!? 骨が折れた所為で首がすっごい伸びてるから!」
しかしそんな彼を追って飛び出して来た騎士王ひとり。
「ヒロミツ! ヒロミツの馬鹿者はどこに居ますか!」などと、どこぞの大原部長のように叫び、首の骨が折れて首が伸びまくり、その首が聖骸布で拘束されて引きずられている姿を見て、さすがに同情した。
「あ、セイバー」
「イリヤスフィール……その、これはいったい……」
「こっちはカレンのいつものやつ……セイバーこそどうしたの?」
「いえそれが、私が楽しみに冷凍庫で冷やしておいた麦チョコが、ヒロミツに食べられてしまいまして……」
「あー! 冷やした麦チョコって美味しいよねー!」
「ええ、ヒロミツに教わり、試してみてからすっかり気に入ってしまって。だというのにこの男が無断で喰らい、あまつさえ逃走を図ったのです! 素直に謝罪するのであれば、許しもしたというのに!」
「だからって首が折れるほど追い詰めなくても……」
「桜!? 何故わたしがここまでしたような口ぶりを!? いえ、確かに発見した際につい怒鳴ってしまいましたが……!」
と、首が伸びたそれを見る。
が、何故か首が伸びた中井出ではなく、アルパカのぬいぐるみがそこにあった。
「!? クロリスト!? そんな、目は離していなかったのに……!」
「やはりあの男がそう簡単に捕まるはずがありません! これは逃げるための時間稼ぎだったのでしょう……! おのれ、罪もないぬいぐるみを、まるで首を絞めるように身代わりに使うとは……!」
言いつつぬいぐるみを抱き上げ───ようとして、ズシリと重いことに気づいた。
ハテ、と疑問符を浮かべ、調べてみれば……チャック。開いてみれば、中に首が折れた中井出が居た。
「なにがやりたいんですか貴方は!!」
「セ、セクシーコマンドー奥義……! 変わり身…………の術……!」
「………」
ナムサン。
その後彼はそれはそれとしてボコボコにされた。
食べ物の恨みは恐ろしかった。
◆ネタ曝しです。
*殺してでも奪い取る
なにをするきさまーーーーーっ!!
ロマンシングサガより、アイスソード。
*フンハァッ!《ビシバシィッ!》
ポージングで音を鳴らす。
ジョニーブラボーより、ジョニー。
とある回で、フンハァフンハァッ!《ビシビシバシビシィッ!》と連続でポージングしてくれた回があって、それが妙にツボりました。
*アレクサンダー
召喚獣。FF9より。
*どこぞの素質ゼロと思われていた少女
ゼロの使い魔より、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
*結婚とかじゃなくて絆で家族になった人たち
真剣で私に恋しなさいより、風間ファミリー。
*ウェバエリーナ
聞いてアロエリーナ。
アロエリーナのCM。
*キン肉マン
ヒロラインに生きる者にとっての聖典。
なにかは知らずともとりあえずキン肉マンは知っている。
*とある金髪幼女にマッスルミレニアム
魔法先生ネギまより、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。
同じ不老不死仲間として意気投合し、デスティニーブレイカーのお蔭でいけるようになった修学旅行先でミレニアム。
*歩法奥義
キメラより、超連歩烈風脚。
連続四回まで行使可能な歩法奥義。
*サブマリンロケッター
ザ・モモタロウより、ウラシマ・まりんの技。
ロープを使って自分を弾丸のように飛ばす。
*超人閻魔様
アニメキン肉マンより、アニメのみに登場した閻魔さま。
スーパーフェニックスに力を貸してたルール無用の残虐閻魔様。
*ザムゥ~
シィイーーーザァーーーーッ!!
シィイイイイーーーザァアーーーーッ!!
柱の男に半身を食われたマルクの横にあった擬音。
*スパイダーマッ
スパイダーマッ!!
*シェバ
シェバァーーーーッ!!
バイオハザード5でシェバが死ぬとクリスが叫びます。
*オクレ兄さん
キャシャリンの薬を飲むと見られる幻覚。
すごいよマサルさんより。
*ピンクブロンドの爆発娘
ゼロの使い魔より、ルイズさん。
レアモンスターを才人と探していたらしく、やってきたウェイバー達をレア狙いの冒険者と勘違いした。
なお、才人は離れた位置で探していた模様。
*なめたらかんでぇ!
初代熱血硬派くにおくんより、通行人。
通行人に攻撃を加えると、たまにそう言って襲い掛かってくる。
終盤ではおなごのビンタだけで凄まじいダメージを喰らうので、攻撃はオススメできない。
お店の人に挨拶をしても、なめたらかんでぇ!とか言われる。理不尽だ。
*魔法理論のいろは
テイルズオブファンタジア世界の理論。
魔法についての序の序が書かれている。
マグナス・ブラッドリー著。
*アイルー
ギリシャ語で猫のこと。
一般的にはモンハンのお手伝いキャット。
*ジョニー
ギルティギアシリーズのジョニーの格好をした猫。
時折ヒロライン管理を任されるため、そのバックアップ能力として妙に強い。
*フェルダール
ヒロライン全体の世界の名前。魂の静寂、という意味。
裏の世界はフェル・マデオネスという世界で、空間世界になっている。
*とんずらーーーっ!
漫☆画太郎系漫画で、誰かが逃げる時にまず言う言葉。
凍傷小説の場合、これを言って逃げられた例はほとんどない。
*ヒロミツの馬鹿は何処にいますか!
両津はどこだ! 両津の馬鹿は何処にいる!!
こち亀名物。これ好きなんですよね。
*セクシーコマンドー奥義変わり身……の術
ボコボコにされている途中に着ぐるみを着るだけ。
中身は当然自分。
すごいよマサルさんより。
◆あとがき
はいな、今回はほんのちょっぴりクロス。
マントでプリーツスカートでピンクブロンドでエクスプロージョンな彼女。
凍傷としましてはエクスプロージョンといえば彼女であり、爆裂魔法な中二病少女は二番手だったりします。
なお、一回こっきりですので次はありません。
ただウェイバーちゃんの意欲向上のために出しただけなので。
ではでは、また次回で。
チェリオー。