レベル100 至高の41人の1人
体感型仮想ゲーム 「ユグドラシル」 の中に2人はいた。
その2人のいる場所は、"ナザリック地下大墳墓"と呼ばれており、ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」に所属する41人の手によって創りだされたものだった。
10階層から成るこのナザリックの最下層にある、巨大な円卓の41席の内の2つに彼らは座っていた。
片方の席には、豪華な漆黒のローブを纏う骸骨が座っており、そのローブの下のむき出しの骨には肉も皮もなく、目があったであろう眼窩には、妖しい光を灯していた。
もう一方の席には、白金の鎧を着た天使が座っていた。艶やかな純白の長髪に、すっきりとした顔立ちの天使は隣の骸骨に話しかけた。
「モモンガ君、久しぶりだね。元気にしてたかい?」
するとモモンガと呼ばれた骸骨は
「えぇ、セラフィスさん。お久しぶりです!呼び掛けに答えてもらって嬉しかったですよ。半年ぶりですかね…セラさんが引退するって言って。」
「…そうだね、もうそんなに経ってたかな。あの時はすまなかったねモモンガ君、君が1人になると分かっていても、あの時はどうしようもなかったんだよ。でも嬉しいよ、君がまたセラと呼んでくれてさ」
「もちろんですよ!でも、仕事の方は良かったんですか?確か辞める理由は仕事で大役が回ってきた、でしたよね?」
「あぁ、その事なら心配しないでくれよ。無事成功し、ここに戻ってこれたのだからね。今日は最後まで付き合うよ」
モモンガはそれを聞いて嬉しそうにして、
「ではセラさん最後に王座の間に行きましょう。最後くらいはRP(ロールプレイング)したいですし。」
「えぇ!では行きましょうか。」そうして2人は歩いていった。
王座の間についた2人は、王座の元へ移動すると、モモンガは王座に座り、セラフィスはその横へ仕える様に立った。
王座の間には、移動する時に命令し、追従させたNPCの執事のセバス・チャンとプレアデスに、モモンガ達の一段下に控える、純白のドレスを纏い女神の様な笑みを浮かべるNPCのアルベドがいた。
モモンガとセラフィスは、ギルド仲間のタブラ・スマラグディマさんの作ったアルベドの設定がどんなふうになっていたかを見ようとコンソールを開き、出てきた設定文の長さに2人は唖然とした。
「タブラさん…そういや作り込んでたなぁ」と感傷に浸りつつ、モモンガが設定文の一番下までくると、最後の一文に目が止まった。
“ちなみにビッチである” 『……』「なんというか、タブラさんってギャップ萌えだったんだね」セラフィスは苦笑しつつ、かつての仲間を思い出していた。そしてモモンガに、
「モモンガ君、せっかく最後だからそこだけ変えたらどうかな?」するとモモンガは少し悩んで、
「確かに最後にそれのままじゃなんか後味わるいですしね…これでよしっと。」
セラフィスが改変した文を見ると“モモンガを愛してる”に変わっていた。「最後にしてはなかなか面白い」
そして時間は過ぎ、強制ログアウトまで残り1分を切った。
「セラさん、最後までありがとうございました。」
「こちらこそ、楽しかったさ。…またどこかで会える日を楽しみにしてるよ。」
「えぇ…そうですね。」
そうして2人は最後の時を目を閉じて待った。