アインズとセラフィスがカルネ村からナザリックへ帰ったあと、村にはアインズ様の命で参ったというメイド服を着た美女が馬車に乗ってやってきた。
その女性はユリ・アルファと名乗り、こう言った。
「これからアインズ様とセラフィス様が居を構えさせていただくこの村へアインズ様とセラフィス様から、この馬車に積んである食料を差し上げよとの命でございますので、どうぞお受け取りください」
そう言って、馬車の中の高級そうな食料を全てだす。
今まで見たこともない食べ物で、さらに量で言えばこの村全員が1年ほど飢えを凌げる程の量を提供してきたアインズ達とはいったい何者という疑問と、村を守っていただいただけでなく、食べ物までくださったアインズ達を信頼する気持ちを持った村人達は、今まで1度も気遣われたことも無い王国よりも、あの助けてくれた魔法詠唱者を信じようと言う決意を固めたのだった。
さらに、今後の村の防衛などに以前アインズが従えていたデスナイトを5体も貸し与えるとのことで、一層の信頼を得たアインズ達であった。
大量の食料と強力な働き手を与えられたカルネ村は脅威のスピードで復興し、さらに村を囲む柵を作るまでに発展した。
農業ではデスナイト達が耕すことで普段の4倍は効率が上がり、食料面でも安心できるようになった。
こうして村人全員がアインズ様とセラフィス様のおかけだ…。と思っていた頃、
1人の少女、エンリ・エモットは悩んでいた。
「はぁ…。助けていただいたあの日から、セラ様の事が頭から離れない…」
別に顔がカッコ良かったからじゃない、誰もが助けがこないであろうと諦めた所へ颯爽と現れ、助けてくれ、笑いかけてくれたあの人が忘れられないのだ。
「これは恋なのかな…」
幼い頃から親と共にこの村で一生懸命に畑仕事をしてきたエンリにとって、想いを寄せる人などおらず、都市の方にいる幼馴染とも別にそういう仲になっていた訳では無い為に、恋愛というものは現実離れしたものだった。
だが、あの時からエンリにとって恋とは身近なものであり、大切なものになっていた。
「…もう1度セラ様に会いたいなぁ」
恋する乙女は好きな人の笑顔を思い出しながら願ったのだった。
エ・ランテルを出発したアインズ達と漆黒の剣一行は、カルネ村へと一本道を喋りながら進んでいった。
「ナーべさんの《電撃/ライトニング》本当に凄かったですね!」
「えぇ、その若さでその才能、羨ましい限りです!」
ペテルと二ニャが褒めると、ナーベラルは当然ですと言わんばかりのドヤ顔だった。
「当然です。モモンさんや、セラさんは私なんかよりずっと強い方です!」
「(本当に当然って言ったし…)いえいえ、私達もまだまだですよ。ね、セラさん」
セラフィスが相槌をうつ。
そんなたわいのない話をしていると、「動いたな」とルクルットが真剣な表情で言い、警戒し始めたのでペテル達も警戒を始めた。
すると、道の横の森からゆっくりとモンスター達が姿を見せる。
子供くらいの身長をしたゴブリンが15と、それに取り囲まれるように、2mから3m程の巨体を揺らしこちらへ向かってくるオーガが6体だった。
「モモンさん、セラさん、半分をそちらへ任せてもよろしいですか?」
「えぇ、問題なければ私とセラさんでオーガを、ナーべとリアの方でゴブリンの半分を受け持ちましょう」
「支援魔法の方は…」
「それも大丈夫ですよ。ペテルさん達は残りのゴブリンをよろしくお願いします」
「わかりました!では、ゴブリンの足止めをダインが、二ニャは支援を、そしてルクルットと私でゴブリンを仕留めますよ!」
『了解!』ペテルの指示で各自が淀みなく行動し始める。
『ほぅ…なかなかだな』アインズとセラフィスはペテル達のチーム力に感心する。防御、支援、攻撃の三拍子が揃っていて、あれならばゴブリンには苦戦しないだろう。
「ギルドでの冒険を思い出すね、モモン君」
「えぇ、懐かしいものです。彼らはまだ私達程では無いですがね。では私達も魅せましょうか」
アインズは背中の2本のグレートソードをセラフィスは腰の剣を抜き放つ。
まずはアインズの方へ迫ってきた1体目のオーガを苦もなく一刀両断にすると、続けて迫っていた2体目をセラフィスが一閃する。すると走っていたオーガの身体は徐々に上半身と下半身が分離していき、最後には下半身が崩れ落ちた。
そうして残りの4体を1体づつ両断していき、ものの数分で仕留めてしまったアインズ達をペテル達とゴブリンまでもが呆然と見ていた。
そして彼我の力量が分かったゴブリン達は武器を捨て逃げ出すが、それを逃がすペテル達ではなく、簡単に追っては処理していった。
こうして初めての遭遇戦はあっさりと終わったのだった。
エンリちゃんをオリ主のヒロインの1人にしちゃった(๑>•̀๑)