戦闘が終わり、モンスターの討伐の証拠として耳を切り取ったあと、日が傾きかけていたために野営をすることなった。
夜は、ペテル達がアインズとセラフィスの次元の違う戦闘について凄さを語り、それに気を良くしたナーベラルが余計なことまで語り出したり、漆黒の剣の結成の成り立ちや、二ニャが姉を助け出したいということなどの話をした。
夜が明けて、野営の片付けをした後はカルネ村へと進み、昼過ぎには村へと着くことが出来た。
「あれ?どうしてあんな柵が…?前来た時は無かったのに」
「(あれは…デスナイトによるものか)ンフィーレアさん、一応村がどうなっているかを私とセラさんで確認してくるので、ペテルさん達と待っていてください」
「じゃぁ行こうかモモン君」
高さは3m程ある立派な木の柵は村を囲むように出来ていた。
「さて、これがデスナイトによるものなのは確実でしょうね、彼らだけではこのようなものは出来ないでしょうし」
「あぁ、そうだろうな、しかしなかなかしっかりと使役してるじゃないか…。すいません!私達は冒険者なのですが、この門を開けていただけないだろうか」
そう言ってセラフィスは見張り台にいた青年に声をかける。
「冒険者がいったい何のようでここに…って、あなた様はセラ様ではありませんか!申し訳ありません!今開けさせますので!おいっ!セラ様が来てくださったぞー」
「…何だかやばい気がするのは気のせいだろうかモモン君」
「…いえ全然気のせいじゃないですよ。っと、とにかくセラさんは村へ先に入って事情を、私はあっちを連れてくるので」
「そうだな!ではさきに。」
セラフィスは先に開いた門に入り、集まった村人全員にアインズと自分が素性を隠して冒険者をやっている事、また依頼でこの村に滞在する事を説明すると、全員がすぐに納得してくれた。
一方アインズは急いでンフィーレア達の元へ戻り、安全な事と、中にはモンスターがいるけど使役してあることを告げた。
それを聞いた一行は何故モンスターが村で使役されているかに疑問を持ったが、目の前の戦士が安全と言うんだから信じようとのことになり、アインズはほっとしたのだった。
全員が村へと入り、簡単な歓迎を受けた後は各自で休息を取ることになり、皆散らばっていった。
アインズは村長に自分の正体をこっそりバラし、支援をした後の村の状態を聞き、ペテル達はデスナイトが子供達と遊んでいるのを唖然として見ていた。
そんな中、セラフィスは以前助けた姉妹の元へ行ってみることにした。
村長に教えて貰った姉妹の家のドアをノックすると、
「ハーイ」と姉の方の声がして、予想通り姉のエンリがセラフィスを迎える。
「あっ…セラ様!来てくださったんですね!」
「やぁ、名前覚えてくれてたんだね」
「えぇ!忘れるなんて助けていただいたのにそんな失礼な事は出来ませんよ。ネムー、セラ様が来てくださったよ!」
すると妹のネムが笑顔で走ってきてセラフィスに抱きつく。
「セラ様ぁ!お久しぶりだね!」
「あぁ、ネムも元気そうで何よりだ」
一通りの再会を経て、3人は椅子に座った。セラフィスの膝にネムが乗っている状態ではあったが。
「本当に元気そうで良かったよ」
「セラ様が助けていただいたから、今の私達があるんです…本当にありがとうございます」
「ありがとーございます!」姉妹共々お礼の言葉を言う。
「気にしなくていいのに」
「それでは私達の気がすみません!だけど私達には何もセラ様に差し上げるものはないんです…」
セラフィスは前に助けた兄妹の事を思い出し、
彼らのようにこの姉妹にも保護欲がでてきて、ついとんでもないことを口走ってしまった。
「んー…。私はとくに何か欲しいものはないんだけど、良ければエンリ達を貰ってもいいかな?」
セラフィスの落とした爆弾発言でエンリは固まる。
ネムの方はあまり気にしてないようで、
「わたしを貰ってくれるのー?」と無邪気に言ってくる。
「あ…あの、セラ様。それは冗談か何かでしょうか?」
エンリは爆発しそうな心臓を抑えて、何とか聞いてみる。
「いや?結構本気なんだけどな、一緒に過ごしたいってのはね」
セラフィスの事が好きになっていたエンリは
「(やばい…嬉しすぎるぅ、で、でもセラ様は私のこと好きなのかな?)あ、あのセラ様、私達の事をどう思ってらっしゃるんですか?」
「もちろん、好きだよ(2人とも娘みたいだし)」
「は、はぅぅ…」
「ネムもセラ様の事が好きだよー!」
「そうかそうか」ネムの頭を優しく撫でてやる。
エンリはその光景を見て、決意し言った。
「(きっとこの人なら私もネムも大切にしてくれる)あの、セラ様。…私達を貰ってください!」
セラフィスは笑顔でエンリ達を抱きしめ、こうしてエンリ達はセラフィスのものへとなったのだった。
セラフィスがエンリ達の家からでた後、エンリの家にンフィーレアがやって来た。
「あら?ンフィじゃない、久しぶりね!」
「やぁエンリ…あのさ!さっきの人とはどんな関係なんだい?」
突然そんなことを聞かれたエンリはどうしてという疑問もあったが、先ほどセラフィスに今は公言しなくていいからと言われた事を思い出し、少し考えて言う。
「あの方は私を助けてくださったの。だからお礼がしたくて家に呼んだだけよ」
その言葉をきいてンフィーレアは少しだけ安心する。
「そうだったのか、そうだね、お礼はちゃんとしなくちゃね…」
「でも実際はもう一人魔法詠唱者の方で助けてくれた人がいたんだけどね」
その後もたわいのない話をしたが、ンフィーレアはどうも歯切れが悪く、時々顔を紅く染めて何か言おうとして結局言わないのを繰り返していた。
ンフィーレアはこの村を助けた人の話を聞いて、自分の本当の目的が酷く悪く感じて、モモンに本当の事を言う事にした。
「モモンさん、あのお話したいことが…」
「ん?何かなンフィーレアさん」
「あの…」ンフィーレアは自分がモモンが今まで誰も作ったことの無い未知のポーションを持っているのをきいて、あわよくば作り方を聞こうとしていた事を素直に打ち明けた。
「…ということであなたを名指ししたのです…本当にすいませんでした!」
「別に怒ったりしませんよ、ンフィーレアさん私はあなたがポーションを悪用しないと誓うなら教えてもいいと思っています…あなたは誓えますか?」
「誓います。もちろん正しい使い方をします!だから教えてください!」
「…わかりました。考えておきます」
「ありがとうございます!」
ンフィーレアはモモンの心の広さに感激したのだった。
こうしてカルネ村での1日はあっという間に過ぎて、ようやく依頼である薬草取りに赴くのだった。
エンリをヒロインにしたかったけど、なんかオリ主は恋愛してないっすね…