城での一件が片付き、アインズとセラフィスが活躍した事で大量にきた名指しの依頼を消化していくその裏で、ある組織が動き出した。
その組織の名は“八本指”。リ・エスティーゼ王国を拠点として活動しているこの組織は、奴隷売買・暗殺・密輸・窃盗・麻薬売買・警備・金融・賭博の八つの部門にわかれ王国の裏社会を牛耳っていた地下犯罪組織だ。
しかし組織と言っても一つの塊という訳ではなく、各部門の代表が稀に定例会で顔を合わせるだけで、各部門は自由に行動し組織の中でも競争と足の引っ張り合いがおこっていた。
そしていつものように定例会による呼びかけで八つ全ての代表が集まっていた。
殆どの者が組織の決まり事“定例会に参加しなかった部門は裏切り者としてみなす”ということから渋々参加しており、全員が全員を出し抜こうと考え、全員が全員を貶めようとする会議であった。
地下の秘密の会議室の円卓に集まった8人が席につくと、八本指の中でまとめ役となっている男が話し始める。
「挨拶は抜きでいくぞ。今回集まってもらったのは各部門が協力しなければ不可能な案件だ」
「はぁ?なんでいちいちこいつらと協力しなければいけないわけよ」
金融部門を管理する女が忌々しげに言う。
「まぁそう言うな。何せ相手が相手でな…。お前達、この王国に最近入ってきた新しいアダマンタイト級冒険者のセラという男を知っているか?」
全員知っているようで、黙秘を肯定ととった男は話を続ける。
「あの男が持つ純白の両刃剣はどうやら秘宝らしくてだな、今王国、帝国、法国の様々な武器屋や収集家がこぞってあの剣を欲しがっているらしい。ここまで言えば何がしたいかはわかるな?」
「おい、ひとついいか?」
「なんだゼロ」
するとゼロと呼ばれた警備部門代表の男が口を開く。
「それがどうして全員で協力する理由になるんだ?はっ!相手はアダマンタイト級たった1人だろう?それならうちに任せておけば2日で終わるぜ」
「…ゼロよ、奴は同じアダマンタイト級冒険者の“蒼の薔薇”が全く歯が立たなかったモンスターをいとも容易く仕留めたのだぞ?」
違う部門の男も口を挟む。
「確かエ・ランテルに迫っていたアンデッドの大軍を退けたとも言っていたぞ」
「確かに相手は実力がよく分かっていないが、こちらには力以外にもある。私達が協力すれば何も問題は無い」
「そういうことだ。あの剣は金の卵、奪えば一攫千金という訳だ。お前達にはしっかりとやってもらうぞ」
「わかったわかった。それで、どうやって取るんだ?」
「王国貴族の1人が奴に恨みを持っててだな、それを利用させてもらう…」
こうして八本指は着々とセラフィスを襲う計画を立てていった。
八本指の部門の人の名前ゼロしか出してないっす