オリキャラが続いて2人登場します。あとの話へのフラグだと思っていただければ幸いです。
アインズ達と別れ、広場にやってきたセラフィス達は、武器屋や道具屋を見てまわった後、通りを歩いていた。
「情報を得るとは言ってみたものの、武器やアイテムは低レベルのものしかないし、周りの人に聞いてみてもカルネ村の村長と同じような事しか知らなかったしなぁ。」
「セラさん、そう落ち込まないでくださいませ。高レベルの敵がいないという事は、ナザリックにおいて脅威になるものが少ないという事ですわ。」
セラフィスは自分を慰めるリアを改めてよく観察してみる。
リアは“妖鬼”という種族で、純粋な膂力でいうと、ナザリックでも1.2を争う。性格は極めて温厚で、カルマ値が極悪寄りなナザリックにおいてセバスやユリ・アルファ等と同じく中立となっている。
そんな誰に説明しているのかもわからないままリアを見つめ観察し続けていると、その視線に気づいたリアが頬を紅く染め、もじもじし始めた。
「あ、セラ様…そんなに見つめられると照れますわ。」
「あぁ、すまない。魅入ってしまったな」
「ふふっ、セラ様。そんなこと言いますと…襲っちゃいますよ?」
「…(そういえばこの娘もそういう設定にしてたんだったな。これはアインズ君に何も言えないな…)そんな冗談は言わなくていいよ、リア」セラフィスは笑って誤魔化す。
リアはその言葉を聞いて口をむーと閉じ、ぼそっと、
「冗談ではないのですが…はぁ」
と自分の主に聞こえないように呟いたのだった。
セラフィス達が広場を抜けて大通りに行くと、すれ違う老若男女問わず皆が振り返りこちらを見ては惚けていた。
そんな視線を気にせず話していたセラフィスとリアは細い路地から出てきた少年と少年の妹らしき女の子とぶつかった。
「おっと、大丈夫か?」セラフィスが少年達に手を差し出すと、びくっと体を少し震わせ手をとるべきか迷った少年達を、続いて路地からやってきた3人組の男の1人が乱暴に手を掴み立ち上がらせる。
「ったく、逃げやがって、手間かけさせんじゃねぇよ!…あぁ?なんだぁ兄ちゃん何か文句あるのか?」
「君たち、この子らの親か親戚か何かかな?」
「はっ、何を勘違いしてんだ?こいつらは店の商品として使われるんだよ」
「商品…。そのような幼子を物として扱うとは、王国とはどうも腐っているようだな…。それで幾らで売ってくれるのかな?」
「は?」男はセラフィスの言った言葉が理解出来なかったようで、
「だからいくらで売ってくれるのかと聞いたのだ。その子達を私が買い取ろう。」男達は少し驚き、そして笑って
「あんた、随分立派な鎧着てるようだが…そうだな100金貨だな」
「良かろう、持ってけ。」セラフィスは前々にナザリック金貨をこちらの金貨へ変えていて、それが入った革袋を男達に投げる。
「取引成立だ。ほら、いけ、新しい御主人様だ」
男は乱暴に少年達をセラフィスの元へ追いやった。
その扱いにリアが何かを言おうとしていたがセラフィスが手で制す。
そして金貨を貰った男達は路地へと戻っていった。
少年と妹は目の前で起きた出来事を未だ理解しきれず、瞬きを何回もしていた。そして兄の方が意を決して、
「あ、あの、お兄さん。どうして僕達を買ったんですか?」
その問いはこれから何をされるかという意味も込めていた。
「ん?あぁ、単純な話だ。私が気に入らなかったからだ。君たちの様な幼子があのような下衆に良いようにされるのが我慢ならなかったのだよ。まぁそんな話をここでするのもね、付いてきなさい。」
セラフィスは兄妹を連れ手頃な食事場に来た。
セラフィスとリア、兄妹が対面して椅子に座ると、セラフィスが店の主人に色々料理を頼んでいく。
しばらくするとテーブルにたくさんの料理が並び、兄妹は今までろくに食べていなかった胃が鳴るのを抑えていた。
そんな姿を見て、セラフィスは微笑んで、
「さぁ、君たちの為のものだ。お腹が空いただろ?食べていいよ」と勧めた。
最初は本当に自分達のものと言われた実感がなく手をつけなかった兄妹だが、空腹には勝てず、次々と料理を平らげていった。
兄妹は満腹になり、気持ちが落ち着いたので、兄の方が恐る恐るセラフィスに訊ねた。
「あの、これから私達をどうするつもり…ですか?」
「そうだな…私のお付きの者にでもなってもらおうかなぁ。と言っても宿で留守番してもらうくらいしかないのだけどね」とセラフィスは苦笑しつつ言う。
「え…あの、僕達、その、教育とか受けていません…」
「あぁ構わないさ、文字は読めるのだろう?後のことはこれから習えば良かろう。あと、あの下衆のように私達は君たちを乱暴にしたり、酷く扱ったりはしない。そうだな…良ければ親のように思ってくれてもいいよ」
すると、今まで喋らなかった、幼い妹の方が質問をしてくる。
「大事にしてくれるの?ご飯お腹いっぱい食べれる?」
セラフィスはその質問に笑顔で
「あぁ、大事にするさ。ご飯も美味しいものをたくさん食べれるよ。」すると妹は花のような笑顔を咲かせ、
「ありがとう!お兄ちゃん」兄が続いて、
「本当にありがとうございます、この恩は生涯を掛けて返します!」
「あ、そうだ。君たちの名前を聞いていないな。」
すると、兄がまず、
「僕はルカで、妹はシオンといいます。」
「シオンですっ!よろしくお願いします!」シオンは小さいながらペコリとお辞儀した。
「あぁ、これからよろしくな。」そしてリアも、
「えぇ、よろしくお願いしますわ」
こうして2人を手に入れたセラフィスは、金貨を大量に使った事をどうやってアインズに伝えようか迷いながら、2人を連れて宿屋に向かうのだった。
金貨の価値は、2巻でンフィーレア家でのポーション買取において32金貨で3年間暮らせる程だった筈なのでそのくらいを基準にしております。間違ってたらごめんなさい。