三浦グループにクールな女の子が入りました。   作:アルティメットサンダー信雄

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第1話

 

2年F組、泉七海のクラスはそこだった。クラス替えの表を見て、自分の名前がF組にあることを確認し、教室に向かった。

まだ、生徒はほとんど来ていない。少し早く来過ぎた、と思いながら机の上に鞄を置き、スマホをつけた。HR開始まですることは無い。しばらくゲームで暇潰しでもしようと思い、スマホとにらめっこする。

しばらくして、何人か登校してきたのか、クラス内は騒がしくなってきていた。

すると、自分の後ろの席に女子生徒が座った。後ろから肩をツンツンと叩かれる。

 

「?」

 

「あなた、前の席の人だよね?」

 

「そうよ、それが?」

 

「私、海老名姫菜。後ろの席なんだ。よろしくね」

 

「ええ、私は泉七海。よろしく」

 

そう返して、すぐに携帯に目を戻した。

 

「何してるの?」

 

「ゲームよ」

 

「何の?」

 

「パズ○ラ」

 

「へぇ〜、泉さんってあんまりゲームやるように見えないけど、意外だなぁ」

 

「そんな事ないわよ。ゲームは現実と違ってやった分だけ成果が出るのよ。楽しいじゃない」

 

「げ、現実も普通に成果出ると思うけど……」

 

変わった子だなぁ、と海老名は苦笑いを浮かべた。

 

「そうとは限らないわ。どんなに勉強しても、数字に現れるとは限らないもの」

 

「………泉さん、学年でいつも一位か二位だよね」

 

「そうね」

 

「そうね、じゃないよ!バリバリ結果に出てるじゃん!」

 

「誰も私が結果に出てないなんて言ってないわ」

 

「うぅ〜、泉さんに弄ばれた……」

 

「語弊のある言い方はやめてくれるかしら」

 

よよよ、とわざとらしく鼻をすする海老名。が、泉は無表情でドロップを操作する。

テン、テン、テン、テン……と、効果音が10回ほど続いた。

 

「て、手元10コンボ……泉さん、上手いね……」

 

「そんな事ないわ。この程度、誰でも出来るわよ」

 

「ていうか、バステトで闘技場挑んでる人初めて見たよ……」

 

「不可能ではないわ」

 

「う、うん……。でも、かなりきつくない?落ちコンとかしないと倒せないんじゃ……」

 

「なくてもいけるわよ。というか、落ちコンなんて私したことないわよ」

 

「へっ?」

 

「落ちコンはしないし、ガチャでも金卵なんてごく稀にしか出ないし、何故か火属性の相手ばかり出るし……だから、私はパズルの腕を磨いたのよ」

 

そう言う通り、泉のパーティはバステト、おやゆび姫、夜一、ぐんまけん、クーフーリンと、銀卵かドロップする奴らばかりだ。バステトが唯一の救いである。

 

「す、すごいね……」

 

「まぁ、すぐに欠損するから結局勝てないのだけれどね」

 

「勝てないの⁉︎」

 

「ええ。どういうわけか、毎回木ドロップが落ちて来なくなるのよ」

 

その直後、なんとなく海老名は分かってしまった。この子、かなり運が悪い子なのでは?と。

 

「よ、よくゲーム続けられるね……」

 

「やればやるほど強くなれるから」

 

「ふ、フレンド登録しようよ。私もたまーにバステト使うよ?」

 

嘘である。男リーダー以外使ったことなかった。理由は言うまでもない。

 

「ええ。いいわよ」

 

「そういえば、今日GFだけど、狙いは?」

 

「どうせ出ないもの。一応引くけど、狙いとかはないわ」

 

「そんなことないよ。もしかしら、何か出るかもよ?」

 

「そこまで言うなら、あなたが私のアカウントで引きなさいよ」

 

「いいの?」

 

「ええ。私は別に自分の手でガチャを引きたいなんて欲はないもの」

 

この後、ヴィシュヌ、カエデ、カエデ、カエデが出た。

 

 

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