三浦グループにクールな女の子が入りました。 作:アルティメットサンダー信雄
2年F組、泉七海のクラスはそこだった。クラス替えの表を見て、自分の名前がF組にあることを確認し、教室に向かった。
まだ、生徒はほとんど来ていない。少し早く来過ぎた、と思いながら机の上に鞄を置き、スマホをつけた。HR開始まですることは無い。しばらくゲームで暇潰しでもしようと思い、スマホとにらめっこする。
しばらくして、何人か登校してきたのか、クラス内は騒がしくなってきていた。
すると、自分の後ろの席に女子生徒が座った。後ろから肩をツンツンと叩かれる。
「?」
「あなた、前の席の人だよね?」
「そうよ、それが?」
「私、海老名姫菜。後ろの席なんだ。よろしくね」
「ええ、私は泉七海。よろしく」
そう返して、すぐに携帯に目を戻した。
「何してるの?」
「ゲームよ」
「何の?」
「パズ○ラ」
「へぇ〜、泉さんってあんまりゲームやるように見えないけど、意外だなぁ」
「そんな事ないわよ。ゲームは現実と違ってやった分だけ成果が出るのよ。楽しいじゃない」
「げ、現実も普通に成果出ると思うけど……」
変わった子だなぁ、と海老名は苦笑いを浮かべた。
「そうとは限らないわ。どんなに勉強しても、数字に現れるとは限らないもの」
「………泉さん、学年でいつも一位か二位だよね」
「そうね」
「そうね、じゃないよ!バリバリ結果に出てるじゃん!」
「誰も私が結果に出てないなんて言ってないわ」
「うぅ〜、泉さんに弄ばれた……」
「語弊のある言い方はやめてくれるかしら」
よよよ、とわざとらしく鼻をすする海老名。が、泉は無表情でドロップを操作する。
テン、テン、テン、テン……と、効果音が10回ほど続いた。
「て、手元10コンボ……泉さん、上手いね……」
「そんな事ないわ。この程度、誰でも出来るわよ」
「ていうか、バステトで闘技場挑んでる人初めて見たよ……」
「不可能ではないわ」
「う、うん……。でも、かなりきつくない?落ちコンとかしないと倒せないんじゃ……」
「なくてもいけるわよ。というか、落ちコンなんて私したことないわよ」
「へっ?」
「落ちコンはしないし、ガチャでも金卵なんてごく稀にしか出ないし、何故か火属性の相手ばかり出るし……だから、私はパズルの腕を磨いたのよ」
そう言う通り、泉のパーティはバステト、おやゆび姫、夜一、ぐんまけん、クーフーリンと、銀卵かドロップする奴らばかりだ。バステトが唯一の救いである。
「す、すごいね……」
「まぁ、すぐに欠損するから結局勝てないのだけれどね」
「勝てないの⁉︎」
「ええ。どういうわけか、毎回木ドロップが落ちて来なくなるのよ」
その直後、なんとなく海老名は分かってしまった。この子、かなり運が悪い子なのでは?と。
「よ、よくゲーム続けられるね……」
「やればやるほど強くなれるから」
「ふ、フレンド登録しようよ。私もたまーにバステト使うよ?」
嘘である。男リーダー以外使ったことなかった。理由は言うまでもない。
「ええ。いいわよ」
「そういえば、今日GFだけど、狙いは?」
「どうせ出ないもの。一応引くけど、狙いとかはないわ」
「そんなことないよ。もしかしら、何か出るかもよ?」
「そこまで言うなら、あなたが私のアカウントで引きなさいよ」
「いいの?」
「ええ。私は別に自分の手でガチャを引きたいなんて欲はないもの」
この後、ヴィシュヌ、カエデ、カエデ、カエデが出た。