GATE ―自衛隊特殊部隊『嵐』隊長、彼の地にて斯く戦えり―   作:ならや

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どーもならやです
新章!ルーントルーパーズ編!
それではどうぞ!


ルーントルーパーズ編
始まりの航海


「マリースア南海連合王国..........ですか?」

アルヌスに築かれた要塞中央の建物内にある狭間陸将の部屋で佐藤はその言葉を口にした

「うむ。マリースア王国は帝国の直属国的存在であるフィルボルグ継承帝国と国交が悪化しているらしい。味方は多いに越した事は無いからな」

「なるほど。我々の任務は?」

「まず偵察し、その後高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応せよ、だ」

その任務を聞いた佐藤は思わず吹き出した

「なんですかそれ?要するに行き当たりばったりですか?」

「まぁ、そうだな。特装輸送艦『きい』に搭乗し出発してくれ。部隊の編成はこのリストに載ってるから確認してくれ」

狭間陸将から渡されたリストに視線を落とす

マリースア南海連合王国派遣艦隊

旗艦

いぶき型イージス護衛艦いぶき

特装輸送艦きい

いずも型護衛艦やしま

おおすみ型輸送艦しもきた、くにさき

ましゅう型補給艦しだか

と書かれていた

「最新鋭のイージス護衛艦を投入ですか。まるで海外派遣艦隊ですね」

「その通りだ。第2次南アフリカPKO派遣に先立ち特地で連携の確認などをする為に今回派遣する事になった。その為陸自部隊も多くの最新兵器を持ち込む」

そこまで言うと狭間陸将は一息置いて小声で続けた

「実はな、今回派遣艦隊の旗艦となったいぶきにはとんでもない秘密がある」

「と、言いますと?」

「いぶきにはタクティカルトマホークが搭載されているのだよ」

佐藤は驚いた

タクティカルトマホークは巡航ミサイル

侵略兵器に該当するので自衛隊では配備しない事になっているからだ

「大丈夫ですか?それ。ちゃんとした理由があるんですよね?」

「時代が変わりそうになっているから搭載されたのだ。北朝鮮は国民を餓死させそうになりながらも巡航ミサイルを配備している。例えイージス護衛艦やPAC3、イージスアシュアが頑張ろうと防ぎきれなくなる。だから..........」

「トマホークで巡航ミサイル発射基地をピンポイント爆撃し破壊するのは専守防衛の範囲内、と言う事ですか」

「そうだ。それにきいにも巡航ミサイルが搭載されてるし問題無いだろう?」

「きいは存在自体が最高機密ですよ?だからあんな重武装が許可されたんです」

はぁ、とため息をつきながら佐藤は言う

特装輸送艦『きい』とは嵐直属の輸送船である

重武装、重装甲ながら高いステルス性を確保すると言う無理難題を嵐の技術で実現したのだ

存在自体が最高機密で存在しない事になっているのは11式長距離巡航誘導弾と言う巡航ミサイルと、61cm3連装70口径砲を搭載するなど専守防衛の為の艦とは言えないからである

外見は米海軍のドック型輸送艦サン・アントニオ級に似ているが、性能はきいの方が大きく上回っている

LCACの搭載、運用は出来ないが船尾にある飛行甲板からF35Bが飛び立つ事が出来る

「マリースア王国救援作戦は『オペレーション・メロス』と命名された。作戦開始は明日5:00の艦隊出発と同時刻とする!貴官の活躍を期待する!」

「了解!」

翌日、艦隊は出発した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「青い空!青い海!白い雲!いい風だね〜!」

「おう。テンション高ぇな穂乃果」

「良いじゃん峯一!」

「私達乗組員も、周りの船に気にせず航海できて楽しいよ」

「久しぶりだな、詩織」

艦橋と直通の張り出しでHアップマンを吸っていた佐藤とはしゃいでいる穂乃果に声をかける者がいた

田中詩織

佐藤がスカウトして来た隊員で、その目に狂いは無かった

海自訓練で歴代最高を叩き出し、米海軍にもスカウトされる程の能力を持っている

「ふふふふ、周りは帆船だらけ。てことは体当りしても問題無いよね〜?」

「おい、それは止めろよ?」

「分かってるって〜、しっかりCIWSで対応するよ〜」

「絶対分かってないだろ!?」

この通り、佐藤でも手を焼く事がある

「まぁ良い。マリースア王国とやらまで何日だ?」

「良くないけどね!?」

「このまま行けば5日だよ。何か障害があれば分からないな〜」

「分かった。安全な航海にしてくれ」

そう言い残して佐藤は張り出しから降りていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レーダーに感ありってのは本当か?」

「私達を疑ってるの?接近中よ。もう直ぐ見える」

艦内放送で飛行物体が接近している事を知った佐藤は艦橋に駆け上がってきた

「で、どうするの?」

「ここは戦闘艦。その指揮は艦長に従う事にしてるが?」

「..........了解、対空戦闘用意。隊長は張り出しにあるM2について」

対空戦闘用意が発令される中、佐藤は張り出しに出て備えられているブローニングM2重機関銃のハンドルを引き、装填する

「さぁ、何が出る?鬼か?それとも導きの鳥か?」

佐藤は楽しそうに笑いながらそう言う

すぐに飛行物体は見えた

「詩織、飛行物体視認!ワイバーンみたいだが、少年..........いや少女が乗ってる!恐らく哨戒だ」

「了解。蕪木司令に繋いで」

「了解です」

そう部下の1人が返事をするとすぐにいぶきに繋がった

『こちら蕪木』

「詩織です。飛行物体視認、ワイバーンの模様。少女が乗っており恐らく哨戒との事」

『了解。こちらからは手を出すな。それがマリースア王国の者だったら目も当てられないからな』

今回のマリースア南海連合王国派遣艦隊の旗艦はいぶきであり、司令官は蕪木海将補である

その為いくら嵐直属の輸送船と言えど勝手な行動は出来ない

佐藤がいぶきの方を見ると張り出しに多くの人の姿が見て取れた

その中には主席幕僚の加藤二佐の姿もあった

程なくしてワイバーンらしき鳥は去っていった

「これで艦隊がお出迎えとか洒落にもならんな?」

「大丈夫でしょ。情報を見る限りマリースア王国にそんな国力があるとは思えないから」

詩織は事前に集められたマリースア王国に関する情報を把握していた

マリースア王国はフィルボルグ継承帝国との海戦でほぼ全ての海軍艦艇を失っている

フィルボルグ継承帝国にもそれは言えるのだが

そしてこのマリースア王国は特殊な国で、特地語ではなく日本と同じ言葉を使うのだ

フィルボルグ継承帝国も日本と同じ言葉を使う為、意思疎通が他より簡単である

その為第1次南アフリカPKO派遣と同じ人材が派遣された

「南ア派遣訓練なんぞ、特地ですんじゃねぇよな」

「しょうがないでしょ?他に出来ることなんて無いんだから」

「南アPKOは実戦も視野に入れて考えてるらしいしな」

「でしょうね。じゃないとトマホークなんか搭載しないでしょ?南アじゃ米軍と共同でトマホークの最大射程での発射試験も出来る。おまけにマスコミも居ないからピッタリね」

いぶきは南アに到着後アメリカ軍と共同で訓練を行う事になっているが、この訓練内容は極秘だった

表向きには弾道ミサイル迎撃訓練で模擬弾を使って行うため、防衛機密の漏洩があるといけないからとなっているが、実際はトマホークを最大射程で発射するという内容だった

トマホークは戦術兵器に相当する為自衛隊での配備は憲法に抵触する可能性がある上、政党からの批判もありうる

それでも導入を検討しいぶきで試験を行うには理由がある

北朝鮮の核武装が実戦投入レベルに到達した事である

北朝鮮のミサイル基地をトマホークでピンポイント爆撃、破壊するのは専守防衛の範囲内である、そう判断されたのである

無論きいは巡航ミサイルを搭載しているので最悪ピンポイント爆撃で破壊する事が可能である

「詩織、自室に戻ってるから何かあったら呼んでくれ」

「分かった」

そう言い残して佐藤は艦橋から降りていった




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