GATE ―自衛隊特殊部隊『嵐』隊長、彼の地にて斯く戦えり― 作:ならや
それではどうぞ!
「ヒャー、すげぇ威力だな。対地拡散弾おっかねぇー」
「佐藤さんの艦からですよ?」
突撃を防いだ佐藤は対地拡散弾が着弾した所を見ながら軽く感想を漏らした
敵が全滅した直後に2機のヘリが中間地点に着陸した
1機はCH47チヌークで、乗っていた隊員2人が手早く弾薬を下ろすと重傷者を収容し始めた
もう1機は佐藤にとってお馴染みのUH60JSクロウホークだった
「精鋭9人の増援か、ありがたいね」
「褒めても何も出ないよ?」
クロウホークは嵐の穂乃果達9人を下ろすとすぐさま飛び立っていった
自分の部下を前に叫ぶ佐藤
「良いか!俺達は家族だ!無理はするな!家族を信じろ!家族と一緒ならば出来ない事は無い!」
「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」」
この団結力に嵐の強さの秘密があるのかもしれない
嵐は隊員間の意思疎通がアイコンタクトで済む事が多い
常人ならばどれだけ訓練を積んでも不可能な超速連携を可能とした
声をほとんど使わないアイコンタクトでの連携は例え敵が日本語を分かっていたとしても何を仕掛けてくるのか分からない
アイコンタクトによる意思疎通から繰り出されるハイスピードな連携攻撃は一般的な軍隊の陸軍全軍にも匹敵すると言われている
そんな世界最強の部隊が増援として到着し、継承帝国軍を迎え撃つ準備は完璧になった
「来たぞ。3500は居るな」
「前回が2000だっけ?」
「ああ」
陣地の中から顔を出して継承帝国軍を観察する穂乃果と佐藤
そうして偵察していると角笛の音が聞こえてきた
「久世!」
「分かってます!前回と同じ距離から射撃開始です!」
「そんなこんな言ってる間にもう射撃距離だぞ!」
「射撃開始!!」
佐藤に急かされて久世が射撃命令を出す
嵐の隊員を含めた全員が射撃を開始する
今回佐藤の手にはM4A1は無い
かわりにラインメタルMG3がある
陣地から出て伏せ撃ちの体制になる佐藤
「遠慮するなよ?腹一杯弾喰らえっ!」
顔に笑みを浮かべながらそう言うと佐藤は引き金を引いた
毎分約1000発発射できるMG3はその圧倒的な連射力を遺憾無く発揮した
真っ直ぐ一直線に並んで突撃してくる継承帝国兵を落ち葉を掃く様に一掃する
継承帝国兵はMG3にとっては良い的だった
弾薬が切れると佐藤は手早く弾倉を交換し、銃身の交換も行う
MG3の銃身は嵐によって若干の改良が施されているが弾倉1個分、120発もの銃弾を連射するとどうしても交換の必要が出てくる
佐藤は加熱した銃身をマットの上に置き、かわりの新しい銃身を入れる
ここまでの一連の動作には30秒と掛かっていない
その動作を繰り返しつつ射撃する
戦闘が始まって数分経ったが自衛隊は押されつつあった
「チッ!流石にこの数はキツいな!久世!スナイパーに上から援護させよう!こっちからは海未を出す!」
「了解です!市ノ瀬!何処か高台に登って援護!園田1尉と行け!」
「了解!」
「行きますよ市ノ瀬!」
2人はラロナの先導で走り出す
3人は程なく高台へと辿り着いた
「ここだ!ここなら見渡せる!」
「これでは、誰を狙えば良いか分かりませんね」
市ノ瀬と海未の2人はスコープを覗き込んで見るが誰を狙ったら良いのかよく分からない
「あそこだ!軍旗を持った従卒がいる。隣のマントを羽織っているのが騎士隊長かも!」
ラロナが指を指す方を見ると確かに旗を持った兵士がいた
「よ、よくこの距離で分かったな」
「山育ちだかんな!」
「市ノ瀬はあのマントを羽織った騎士隊長を、私はその隣の軍旗を持った従卒を狙います。外さないでくださいね?」
「分かってます!」
海未はバレットM82を構える
2人は少し狙いを定めると、引き金を引いた
市ノ瀬の対人狙撃銃から放たれた7.62ミリ弾はマントを羽織った騎士隊長に命中した
命中した騎士隊長はその場に倒れ転げ回っていたが担架で後方へと搬送されていった
その隣では旗を持っていた従卒の上半身が吹っ飛ばされ旗が転がっている
2人とも槓桿を引き次弾を装填する
「お、お前らこの距離から当てたのか!?」
ラロナが驚きの声を上げる
「一応、準特級射手だかんな」
「私達の隊長からしたら、この程度の距離はスコープを使うまでもありませんでしょうね」
佐藤はスコープの着いていないレミントンM700で600m先の敵兵の頭に命中させた事がある
また、M4A1でも数百メートル離れた敵兵をアイアンサイトでヘッドショットする事ができる(できると言うかやっている)
「しかし市ノ瀬、あなた準特級射手になっていたのですか?訓練した時からセンスは感じていましたが」
「一応、真面目に訓練受けてますから。ゲーセンで鍛えた腕もバカに出来ないっすよ!」
市ノ瀬は狙撃手としての訓練を受けている時、特別指導官として招かれていた海未に才能を見抜かれ特別指導を受けた
それによって市ノ瀬は狙撃手として大きく成長した
その時
「センスが良いですね。何処か、弓道とかで鍛えましたか?」
と言う海未の質問に対して市ノ瀬は
「学校帰りに寄ってたゲーセンで鍛えました」
と回答されてビックリした海未だった
その市ノ瀬はスコープを覗き込んでいて何かに気付いたようだ
「ん?何で旗を拾ったんだ?」
「旗は部隊の象徴。旗が倒れた時は部隊が壊滅したって事を表すんだ。特に帝国はそうらしい」
それを聞いた海未は何かを閃き市ノ瀬に指示を出した
「市ノ瀬、あの旗へし折っちゃってください。何時までも拾われるのは面倒ですし、旗が折れれば部隊の士気も下がるでしょう」
「了解!」
そう言った市ノ瀬はスコープを覗き、数秒後引き金を引いた
旗を拾った従卒が被弾の衝撃で倒れ、旗を見つめていた
旗は棒の中心からポッキリ折れ、無くなっていた
「やっりぃ!」
「良い腕ですよ!」
「流石、ゲーセンで鍛えた腕だな!イチノセ!」
パンパンと肩を叩いてくるラロナ
2人は見合わせて
(絶対ゲーセンの事矢の訓練施設かなにかと間違えてますよね?)
(..........でしょうね)
ま、まぁいっか
そう切り替えた2人はラロナが見つけた標的を次々と撃ち抜いていった
いかがでしたか?
感想待ってます
それではこの辺で