GATE ―自衛隊特殊部隊『嵐』隊長、彼の地にて斯く戦えり― 作:ならや
進路関係があって更新遅れました
あと今回は書き方が少し違うので、感想に前までと今回、どっちが読みやすいか教えていただけるとありがたいです
それではどーぞ!
対空レーダーの画面には何も映っていない。
ここはきいCIC。対空戦闘の終了した室内には張り詰めていた緊張感が無くなりつつあった。
きいのCICでは当然の光景で、緊張感は無くとも何が起きようと対応出来るよう訓練されているのがきいの乗組員である。
そんなCICに突如としてアラートが鳴り響いた。
独特の符丁で鳴るアラートは大気圏外からの弾道弾攻撃を知らせる物であるが、それを捉えたレーダー手は困惑していた。
そんな事はお構い無しに詩織が問い質す。
「何?誤作動って理由じゃないでしょ?報告を!」
報告を求められたレーダー手は戸惑いつつも詩織にアラートを鳴らした犯人について報告し始めた。
「大気圏外に微弱な反応が有ります。大気圏内への突入物体と思われます。」
「突入物体?ここが特地じゃ無ければ弾道弾の再突入体だって分かるけど、こんな所じゃあ弾道弾も無いでしょう。突入体の正体を確認して!」
「了解!」
そう返したレーダー手はレーダー出力を上げ、突入体の方向へ集中させる。
対弾道弾レーダーは対空、対艦とは分けられているので弾道弾の方角へ集中させても監視が無くなる訳ではない。
突入体の正体がレーダーにより判明しレーダー手が確認する。
「こ、これは!?」
レーダー手が驚愕する。その情報はすぐさま艦長の詩織に伝えられた。
「艦長!突入体は隕石です!」
「はぁ!?隕石!?」
「はい!落下、着弾時の威力は核攻撃に匹敵するレベルです!マリースア王国どころか本艦にいぶきも危険です!また、破片も相当数が本艦といぶきに直撃します!」
CICに居た全員の顔が真っ青になった。きいは現代艦では考えられない程の重装甲なので対艦ミサイルや巡航ミサイル等の攻撃には数百発レベルで耐えられる。
しかし、核攻撃と同クラスの威力ならば、耐えられるという確証は無い。それどころか恐らく耐えられないだろう。
また、破片も相当数が直撃するのならば撃沈はまず避けれない。
重装甲のきいでその状況なのだから、装甲が薄いいぶきの被害は甚大な物になるだろう。
すぐに手を打たなければ、詩織は考えを巡らせた。
(どうする?逃げるだけなら地上部隊はヘリで撤退させれば無傷だけど、艦隊はそうは行かない。きいは逃げ切れたとしてもいぶきは間に合わない。見捨てるなんて言ったら隊長が怒鳴り込んでくるわね。なら、方法は一つしか残ってないけど、この方法は賭け。成功しない確率の方が高いけど、やるしかないわね。)
「BMDモード起動!北極の奇跡をもう1度やるわよ!」
「りょ、了解!BMDモード起動!艦長!いぶきもBMDモードを起動する様です!」
「考える事は同じね。二隻も居れば充分よ!」
きいが隕石を迎撃するのは今回で初めてではない。数年前に北極の米露共同研究所へ直撃するコースを取っていた隕石を迎撃し、撃ち落としたのだ。
この事は機密扱いだったが、研究所自体極秘ではない事からアメリカ軍のイージス駆逐艦、巡洋艦による作戦行動だったとして公開され、北極の奇跡と呼ばれる様になった。
それを特地で再現しようと言うのだ。単純計算北極の時よりも成功確率は高いはずだった。あの時はきい単艦だったが、今回は弾道ミサイル迎撃用の装備を整えるいぶきも居る。
「艦長!照準完了!発射用意完了しました!」
その砲術長の声を聞いた詩織は少し目を閉じた。
(きい、貴方なら出来るでしょう?あの時は研究所を護った。今回は一国を、一国の国民を護る。きい、貴方が最後の希望なのよ!)
「SM-3全弾発射!!」
「了解!20発全弾発射ぁ!!」
艦長からの命令に砲術長は発射スイッチを押し込むことで応じた。ほぼ同時にVLSのハッチが開きSM-3が飛び出して行く。偶然にもその数秒後にはいぶきからもSM-3が発射された。
「迎撃まで、残り30秒!」
レーダーを睨む乗組員がそう叫ぶ。CICは静まり返りその時を待った。
「迎撃まで3、2、1、マークインターセプト!!」
そう叫ばれた時、空が、光った。
いかがでしたか?
恐らくこれが年内最後の投稿です
良いお年を
それではこの辺で