【完結】ToLOVEる ~守護天使~   作:ウルハーツ

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第133話 似た者同士。真・生徒会長爆誕

 日曜日。朝を御門の家で過ごした真白は夕方を迎えた事でメアの家へ向かう。ネメシスが居なくなって静かになってしまったメアの住むマンションの一室。だが真白の周りに居ると分かって以降、彼女は前の様にメアの部屋では姿を見せる様になっていた。今もリビングでヤミと争う姿を横目に、メアはキッチンでエプロンを付ける真白の姿を前に笑みを浮かべて近づき始める。

 

「真白先輩、今日は何を作るの?」

 

「……肉じゃが」

 

「肉じゃが! なら野菜とかは私が切って良いよね?」

 

「……適度に……切って」

 

 争いが激しくなるリビングを気にも留めず、メアは真白の料理を手伝い始める。何かを斬る事に快感を覚える故に注意しなければ全てを微塵切りにされてしまうと分かっていた真白は念を押して、ジャガイモや人参などをメアの前にあるまな板へ置いた。

 

 斬撃がキッチンへ飛んで来る中、料理をし乍ら綺麗に避ける真白とメア。偶にメアが野菜を斬る際に大きく刃にした髪を振るえば、野菜を斬った後に飛んだ斬撃が飛んで来る斬撃を相殺する事もあった。そして鍋に火を付けてメアに任せた真白はキッチンへ入り……何故か黒い霧にもならずに口をヤミに引っ張られるネメシスと、彼女に耳を引っ張られるヤミの前へ仁王立ちした。

 

「……喧嘩……しない」

 

「こ、のっ!」

 

「温い、温いぞ!」

 

「…………」

 

 喧嘩を止めようと声を掛けた真白だが、夢中の2人にその声は届かなかった。キッチンへ振り返ってメアと視線を合わせれば、両手を横に広げて首を振るその姿に真白は再び喧嘩する2人を見る。そして僅かに溜息をついた後、一言。

 

「……夕飯……抜きにする」

 

『それだけは止めてください(止めてくれ)!』

 

 それは胃袋を掴まれた物には効果抜群の言葉であった。普段真白の料理を食べられないネメシスは当然、普段から美柑と真白の料理を食べられるヤミも逃したくないのだろう。綺麗に喧嘩していた体勢から一変して隣り合った状態で正座する2人を前にメアがキッチンから真白へ声を掛けた。真白はその声に反応してキッチンへ向かい、背を向けた彼女を前に安心した様子で同時に息を吐いた2人は互いを見合う。……そして不機嫌そうに睨むヤミとどこ吹く風な様子のネメシスは再び

 

「駄目」

 

「もう何もしないぞ!?」

 

「静かに待ってますので安心してください」

 

 喧嘩を始めるよりも先に真白が2人へ声を掛け、驚きながらも改めて正座し直した。その後、ジッと待ち続けた2人は無事に肉じゃがが出来た事で喜びながら食べる為に立ち上がろうとする。が、長時間の正座によって2人の足は痺れていた。

 

「くっぅ!」

 

「し、痺れて……」

 

「何々? ヤミお姉ちゃんとネメちゃん、足が痺れてるの?」

 

 2人の様子に気付いたメアが面白そうなものを見つけた様に近づくと、指でヤミの足を突き始める。

 

「くっ、うぅ! メア、止めて、ください……!」

 

「ふはは、良い様だな金色のヤミぃっ!?」

 

「……笑わない」

 

「ま、真白!? これ、はぁ!? し、仕返しか!? うぁ!」

 

 メアの突きに悶えるヤミを笑っていたネメシスは自分も真白に突かれ始めた事で悶える羽目となった。少し前に襲い掛かった事もあり、その仕返しだと考えるネメシス。それも無い訳では無いが、単に同じ状況でヤミだけが弄ばれてそれを笑っているネメシスの姿を見て不公平に思っただけである。

 

 それから数分、メアと真白に寄って弄ばれる事になったヤミとネメシス。何とか足の痺れも収まった頃、出来たばかりで暑かった肉じゃがは丁度良い温度になっているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彩南高校はその日、大きな騒ぎとなっていた。それもその筈。突然全校集会が開かれ、告げられたのは生徒会長を超えた真・生徒会長の誕生。学校内で校長よりも更に大きな権力を有し、変態で有名な校長と前生徒会長がパンツ1枚でひれ伏す中で堂々と姿を見せたのは……彩南高校の制服を着用したネメシスであった。まさかの登場に彼女を知る面々が驚く中、ネメシスは自分がヤミやメアと似た存在である事を隠す気も無く公表。そして真白を指差して宣言した。

 

『そこに居る女子生徒、三夢音 真白は私のものだ!』

 

 全校集会が終わり、学校中の生徒から注目されながら自分の教室へ戻った真白達。ネメシスの登場にララやリト達と話をする中、突然そんな彼らを囲む様に男子生徒達が現れる。中には猿山の姿もあり、困惑する面々を前に彼は鼻息を荒くして口を開いた。

 

「真・生徒会長様のご命令だ! 三夢音 真白を捕えろ!」

 

「! 真白!」

 

 彼の言葉と同時に男子生徒達が一斉に真白へ飛び掛った。しかし逸早く気付いたヤミが真白の身体を掴んで跳躍。天井に足を付けて跳ね返る様に跳び、男子生徒達の輪から外へ逃げ出す。

 

「お、おい猿山! 何のつもりだよ!」

 

「言っただろ! 真・生徒会長様のご命令だ! 俺達はあの方の下僕となったのさ!」

 

 リトが猿山に抗議するが、彼は腰に両手を当て乍ら自慢する様に答えた。そしてその言葉に驚愕する中、ヤミは明らかに何かを言い含められていると感じる。……すると突然教室に放送の開始を知らせる音が鳴り響き、ネメシスの声が彩南高校全域に響き渡った。

 

『全校生徒の諸君、真・生徒会長だ! 諸君らに告げる。三夢音 真白を私の居る生徒会室へ連れて来い。もし連れて来れた者には褒美として宇宙にいる容姿が整った者達との合コンに参加させてやろう。美男美女揃いだぞ、宇宙人は』

 

 静まり返る校舎内。やがて少しの間を置いて、男子生徒達が一斉に叫び始めた。「合コン! 合コン!」と叫びながら真白へ迫り始め、真白を背に庇ってヤミが徐々に後ろへ下がる。が、やがて2人は教室の壁へ追い詰められてしまった。

 

「くっ、何を企んでいるんですか……ネメシス!」

 

「おい猿山! 皆も止めろ!」

 

「お前には分からねぇだろ! 美少女に囲まれて、ララちゃん達と一緒に住んでいるお前には!」

 

 徐々に近づく男子生徒達。純粋な地球人故に余り危険な攻撃は出来ず、見兼ねたリトが止めに入るも今度は彼が一斉に男子生徒達から殺気を向けられてしまう。普段からララ達を初めとして美少女たちに囲まれ、ラッキースケベを起こし、何より同じ屋根の下で共に住んでいると言う事実は世の男子に取って羨ましい事この上無い事であった。真白とヤミから自分へターゲットを変えた男子達にリトが狼狽える中、ヤミはそれを好機とばかりに教室の窓を開ける。それに気付いた男子生徒が声を上げるが、彼らが行動するよりも早く真白はヤミに連れられて窓から逃げ出した。

 

「この様子だと教室に戻るのは危険ですね」

 

「……ん」

 

 宇宙人故の高い身体能力を活かし、屋上へ上がった2人はフェンスに背を預けて考える。本来なら教室に戻って授業を受けなければいけないが、まず間違い無く通常授業は真面に機能しないだろう。校長よりも強い権力を持った彼女の命令なら、恐らく授業よりも優先されてしまう。学校として本末転倒だが、彩南町で可笑しな事が起きるのは今に始まった事では無い。

 

「……生徒会室」

 

「! 態々彼女の元に自分から向かうのですか?」

 

「……他に無い」

 

 全てを収めるにはネメシスを止める他無いと考え、真白は屋上から校舎へ続く扉へ向かう。そして扉を開けた瞬間、待ち構えていた様に男子生徒が飛び出して真白を捕まえようとする。が、その生徒が真白へ触れるよりも前にその背後から誰かが後首を竹刀で叩いた。

 

「……凛」

 

「怪我……は無い様だな。沙姫様に無理を言ってな。加勢する」

 

 気絶して倒れる男子生徒の後ろから現れたのは竹刀を持った凛。彼女はネメシスの放送を聞いて何か起きると予感したのだ。沙姫の元から離れて2年A組に到着した彼女は中の騒ぎを見て屋上へ逃げた真白を追い、今に至るのである。真白は凛の言葉に頷いて、ネメシスが居るであろう生徒会室に向けて歩き始める。こうして真白は突如男子生徒()に狙われる事になるのだった。

各話の内容を分かり易くする為、話数の後に追加するのは何方が良いでしょうか?

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