【完結】ToLOVEる ~守護天使~   作:ウルハーツ

83 / 139
第82話 御揃いのキーホルダー。夜間の強襲

「今日は買い物しないとな~」

 

 冷蔵庫の中を見ながら呟いた美柑の言葉にキッチンで使い終えた皿を洗っていた真白は水を止め、手をタオルで拭きながら美柑に近づいた。そして彼女と同じ様に冷蔵庫の中を覗き込めば、何処か寂しく感じるその中を見て美柑と視線を合わせる。

 

「……買ってくる」

 

「なら偶には一緒に行こっか?」

 

 普段、学校の帰りに買い出しをする事が多い美柑。だが稀に真白と合流して買い物する時もあり、当然その時はヤミも一緒である。主に気分で決まる事が多く、この日はそんな気分であった。真白も美柑の言葉に頷いて了承し、2人は放課後に買い物へ行く約束をする。

 

 その後、結城家を出て真白達が彩南高校へ向かう途中、小学生である美柑と別れる場所で美柑は振り返って真白に大きく手を振りながら声を上げた。

 

「終わったら連絡してね!」

 

「……」

 

「買い物か?」

 

「……約束」

 

 美柑の言葉に軽く手を振りながら見送る真白にリトが聞けば、頷いた後に答えた真白。既に学校に居る者達に数日前何処かへ消えてしまった事は謝罪しており、登校すると同時に笑顔で迎える者達の中に真白達は混ざるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 約束の放課後。真白は授業が終わると同時に美柑へメールを送る。急いで帰る事はせず、ヤミに買い物へ行く事も伝えてあった真白は彼女と共にゆっくり校舎を出た。

 

『了解。それじゃあ、何時も通り公園で合流しようね』

 

「公園ですか?」

 

 鳴った携帯を取り出せば、画面に映る美柑からの返信。ヤミは画面を見る真白の姿にそれを見ずとも内容が分かり、真白は頷いて肯定した後に歩みを再開する。学校の屋上から見つめる視線に気付かぬまま、彩南町の待ち合わせとして普段使う公園へ向かった真白とヤミ。目的の場所へ到着した時、小さな袋を腕に抱えてベンチに座りながら鯛焼きを齧る美柑の姿がそこにはあった。

 

「あ、真白さん!」

 

「……待った?」

 

「そんなに待ってないよ。はい、2人の分」

 

「ありがとうございます」

 

「……ありがとう」

 

 同じ様に真白とヤミの姿に気付いた美柑が鯛焼きを手に手を振れば、2人は少し早歩きで美柑の元へ。真白の質問に首を横に振った美柑は抱えていた袋を真白へ差し出した。まだ袋は暖かく、買ったばかりなのだろう。中には美柑が食べる鯛焼きとまったく同じ物が2つ入っていた。真白は1つをヤミに渡し、自分の分も取り出して一緒にお礼を言う。

 

「取りあえず食べて、それから行こ! はむっ」

 

「そうですね。はむっ」

 

「ん……はむっ」

 

 美柑が言った後に鯛焼きを齧れば、同じベンチに座って言葉を返しながら鯛焼きを齧る2人。幼げな3人の少女達が美味しそうに鯛焼きを食べるその姿はとても微笑ましいものであった。最初に食べていた美柑が食べ終われば、次にヤミが。そして真白が鯛焼きを食べ終わる。何時でも立ち上がる準備は出来ているが、それでも今の雰囲気が少し楽しかった美柑は食休みも兼ねて立ち上がろうとしない。真白とヤミも何を言うでも無く空や公園を見渡しており、ふと美柑は思い出した様に口を開いた。

 

「そう言えばさっき、こんなの見つけたんだ!」

 

 そう言って美柑が取り出したのは小さな鯛焼きのキーホルダーであった。彼女曰くお店に並んでいたのを見つけ、鯛焼きからヤミを。ヤミから真白を思い浮かべたとの事。美柑は笑顔でヤミと真白にそれを渡し、もう1つを取り出す。そして腕を伸ばしてそれを眺めながら、やがて2人へ振り返って笑顔を浮かべた。

 

「3人の御揃い! ね?」

 

「御揃い……ですか。良いですね」

 

「ん……大事に、する」

 

 美柑の言葉に両手でそれを見つめた後、微かに微笑みながらヤミはそれを優しく握る。真白は頷いて美柑に告げた後、それを自分が使っている携帯に取りつけた。今まで何もついて居なかった携帯に初めて、飾りがついた瞬間である。

 

「そろそろ行こっか。あんまり遅くなると、夕飯作ってる暇無くなっちゃうよ」

 

 取りつけられたキーホルダーに嬉しく思いながら美柑が立ち上がれば、真白とヤミも同じ様に立ち上がって3人は公園を後にする。その後、商店街を回って献立を考えながら日が暮れる頃まで買い物をした3人は結城家へ帰宅。お腹を空かせたリトとララに目を合わせて笑い合いながら、真白と美柑は夕食を作るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結城家から自宅へ帰って来た真白とヤミ。お風呂は結城家で借り、後は寝るだけであった2人は布団を敷いて寝間着に着替えると共に同じ布団の中へ入った。明日もまた学校があり、夜更かしをせずに眠ろうとした2人。だがそんな彼女達を見つめる視線の持ち主が厭らしく笑みを浮かべる。

 

「金色の闇を求めてこんな場所に招かれて見れば、随分な腑抜けっぷりだね。情報通りって訳かい」

 

 その声は女性であり、その肌は褐色。窓から見える真白とヤミの寝顔を見続けていたその女性はやがて苛立ちながら歯軋りをした後、手に持った鞭を振るう。

 

「地球人の小娘と家族ごっこに友達ごっこ。殺し屋がそんな物望んでどうするってんだい。まぁでも、丁度良い。あの顔を苦痛で歪めるには最高の獲物じゃ無いかい!」

 

 再び鞭を振るえば、地面に叩きつけられて高い音が響く。その鞭は唯の鞭では無い様で、叩かれた部分は意図も簡単に破壊されていた。そしてニヤリと笑みを浮かべてある方向へ手を伸ばせば、何かを掴む様にその手を握り締める。

 

「さぁて。簡単に死ぬんじゃないよ、金色の闇ぃぃぃ!」

 

 鞭を大きく振るい上げ、空を飛んだ女性は猛スピードで真白とヤミの住むアパートへ近づく。そして容赦無くその鞭が振るわれた時、途轍もない轟音と共にアパートは崩壊。当然そこで眠っていた2人は建物の下敷きとなるのであった。

各話の内容を分かり易くする為、話数の後に追加するのは何方が良いでしょうか?

  • サブタイトルの追加
  • 主な登場人物の表記
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。