咲-Saki- “その愛が実る時” episode of side-M-   作:えれきゅりあ

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大分スローペースで投稿すると思います。
オリキャラについてはそのうち説明入ったり入らなかったり←
牌変換ツール使い方分かり次第導入したりしなかったりします←
後先考えない主義でごめんなさい。

楽しんでもらえるといーなー


プロローグ:出会い

「これで咲も高校生ね」

「うん……似合うかな、お姉ちゃん」

 

長野県のとある家にて仲良しな姉妹によって繰り広げられている光景、誰もが微笑ましくなるようで春の日差しと合わせてとてもあたたかな雰囲気を醸し出していた。

姉である宮永照は二年連続でインターハイチャンピオンの座に君臨する程の猛者であり、その妹である宮永咲もずっと照に揉まれて育ってきているために雀力も相当なものである。

 

「咲も麻雀部に来るんだよね?」

「うん、これであと一人なんでしょ?」

 

インターハイ団体戦には合計5人必要である、二人が通う清澄高校にはインターハイチャンピオンである宮永照、麻雀部部長でもある竹井久、その後輩である染谷まこ、そして宮永咲の四人が麻雀部へ所属(一名ほど予定であるが)している。もう一人集めて団体戦に出たいということが照と久の目標でもある。

 

「それなんだけどね……」

 

瞬間、咲に嫌な予感が過ぎる。まあそんな時のイメージはだいたい当たってしまうもので。

 

「一年生で良さそうな子がいたらスカウトしておいて!」

 

そりゃあそうだな、二、三年に有望な選手がいるなら既に声掛けを終わってるはずだし必然的にスカウトするべきは一年生となる。

それは咲も理解してるのだが、問題はスカウトするべき人材だ。ある程度目星がついているなら問題はないが、咲は本能的に察していた。

自らの姉がそんなものを用意しているはずがないと。

 

「……候補はないんでしょ?」

「んー……ないことはない、かな?」

 

その一言に咲は驚きの表情を隠すことが出来ない、それほどに照のことを知っているということもあるが、それ以上にこんな長野のパッとしないところ(本人も後で申し訳ないと言っているはず)に入学する雀力の高い選手がいることに驚いていた。

この辺で言えば龍門渕や風越、関東や関西まで足を伸ばせば白糸台や千里山など有名校名門校は揃い踏みであり強い選手は全てそこに流れていくはずだからだ。

 

「久から入手した情報なんだけどね、彼女は三色を好んで使うらしくて……一応ここに入学してるんだけど名前も顔も分からないの」

「名前も顔も知らない?」

「うん、ネット麻雀でわりと有名らしいんだけど……この間久がチャットで一応勧誘してるんだってさ」

 

なんとも信憑性に欠ける情報である。

そもそもそんな情報だけでどうやって本人を探せと、全くの手がかりなしで掴めと言っているようなものだ。

 

「ほんとに来てるの?」

「……なんとも、私は話したことないから」

 

訝しげな表情を浮かべる咲に、申し訳なさそうな顔で返す照。

照自身もそれが分かってるから強く咲に言うことも出来ないでいる、二人が二人して信じきるまでにはいかない情報であるが藁にも縋りたい気持ちの久のことを思うとなんとかしてあげたいのが照の気持ちであり、その気持ちを咲も知っているからこそ照のために、引いては清澄高校麻雀部のために少しだけ頑張ってみようと思ったのが実態である。

 

「まあ、ちょっとだけ頑張ってみるよ、期待はしないでね」

 

ーーこれは、とある少女達の軌跡。

仲間に恵まれなかった少女達の、頂点を目指す少女達の、自分の能力を試したいと願う少女達の、たった数ヶ月の物語。

 

それぞれの歯車が奇妙に噛み合い、誰かの手によって今幕を開ける。

 

 

 

咲-Saki- “その愛が実る時” episode of side-M-

 

 

 

プロローグ:出会い

 

入学式も終わり、各クラスへと散らばる。咲もそれに洩れず自分のクラスへと向かう。

 

「咲じゃないか、今年も一年よろしくな」

 

彼は須賀京太郎、咲の友人であり中学以来のクラスメイトでもある。

また一緒なのかと落胆しつつも、知り合いがいることに少し安堵する咲。

 

「高校では麻雀部へ入ろうかなって思ってるだが、咲も麻雀部だろ?」

 

咲と照との関係性を知る彼としては当然の言葉であり、またそれに偽りなどない。

麻雀部へ入部する旨を伝えつつ、今朝の情報を京太郎へも話してみる。が、思ったような返答が返ってくるわけもなく、情報は未だないままである。

 

このまま情報がないまま日々を無駄に過ごしてしまうと思っていた咲であったが、まさかその日の内に収穫があるということを誰が予想出来るだろうか。

 

「はじめまして、日向(ひゅうが) 実愛(みあ)です。好きな食べ物は三色団子、趣味は麻雀、これから一年よろしくお願いします」

 

自己紹介の単なるセリフではあったが、咲には感じ取るものがあった。

 

(まさか……あの子がそうなの?)

 

断定するには程遠いレベルの考えだが、なぜか咲は直感してしまっていた……彼女から溢れるオーラを。

自然と彼女を目で追ううちに目が合ってしまう、その瞬間疑惑は確信へ変わる。

 

(彼女が“三色の打ち手”……でもなんで確証なんてどこにもないのに確信してしまったんだろう)

 

それは実愛によって作られた状況であったに他ならない。

 

(宮永咲……あの宮永照の妹なはず、オーラにしっかり反応してるし。クラスメイトになれたのはラッキーだったね。こっちから探す手間が省けた)

 

両者の思惑……と言うほど何も考えてない二人であるが、この出会いが後に大きな意味をもたらすことを未だ誰も気づく余地などなかった。

 

時間は流れていき放課後、最初にアクションを起こしたのは実愛の方だった。

 

「宮永さん、だったよね……あの宮永照の妹の」

「!?……そうだけど、どうかしたの?」

「連れてってよ、麻雀部」

 

実愛の表情は笑顔であったが、目は笑っていなかった。それはつまり本気の雀士であることを指し、そのオーラを惜しむことなく咲へとぶつける。

 

(思ったより強い……“三色”以外にも何か秘密がある気がする、これは一度お姉ちゃんと打ってもらうのもいいかもしれない)

(身じろぎなし、か……んーやっぱり私の方がまだまだなのかな

 

それに照との約束もある、故に咲が実愛を連れていかない訳がなかった。

放課後、意気揚々と咲と実愛は麻雀部へと向かう。

 

ただ一つ問題があるとすれば……。

 

(ここ、どこだろう……)

 

彼女の方向音痴具合だ。

 

(こんなんなら京ちゃんに連れてきてもらえばよかったよ……)

(あ、これ迷ったな)

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