IS学園の整備員の話 作:HK
主人公の考え方?のお話。
カツン、カツン。と静かな通路に響き渡る足音に、私の意識はうっすらと覚醒した。
まだぼーっとする頭で周囲を見渡すと、そこに並ぶのは人形の形をしている、意識のある機械たち―――IS、と呼ばれている宇宙開発用のパワードスーツ………という存在だ。
数年前に出てきて、一発で世界の軍事情勢だの男性と女性の尊厳差だのをひっくり返した兵器――失礼、パワードスーツがこうしてズラリと並んでいるのは、なんとなく恐怖を感じる。
一機だけで軍事情勢を変えれる性能差をもった、着ている人を超人へと変貌させる機械。女性にしか扱えず、そのせいで女尊男卑などという風潮に世間が満たされ、女性と男性が戦争すれば一週間で終わるとまで言われている。
の、だが
実際のところ、ISはそこまで強いわけでない。いや、うん。確かに真正面からいけば圧倒的だが、なにも戦争が正面切っての撃ち合いで成り立つ訳ではない。しっかりとした情報に緻密な戦略、万全の整備に十分な補給線、何より兵器への乗り手に―――絶対的な信頼を置ける味方。
これらは確実に必要なのだ。
では、女性と男性が戦争したとしよう。男性側は確実に先程あげた項目と、下手をすれば新兵器まで開発できるだろう。それこそ、ISに対抗できるほどの兵器を。
対して女性側は―――なにも、用意ができない。
慢心している連中が情報をかき集めたり、作戦を考えたりはしない。確実にISを前面に押し出しただけの正面突破、ごり押ししかしないし、ごり押ししかできない。
整備だって男性がいなくなったらロクにできたものではないし、補給線など作り上げれるわけがない。あげくISの数は467機、どうあがいても467機の戦力しか集められない。
そして、必ず男性側に付く女性が存在する。今の世界情勢に不満や疑問を持っているのは、なにも男性だけではない。そしてそうやって女尊男卑を嫌っている人の大半は国家代表だったり優秀なIS関係者する。ちなみに、ただの整備兵ではあるものの、私も絶対男性につく。女尊男卑なんぞくそくらえである。というか、現実を見ずに威張り散らしているだけの連中とは根っこから相性が悪いし。
そして――――
「だぁれだ?」
「やめて楯無、レンチでぶん殴るよ」
「予想以上に苛烈なお返事ね!?」
現在、私の背中に抱きついているこのシスコンな友人も、きっと男性側だ。というか、ほぼ意見一致しているので、まず確定だ。うむ
「……………どうしたの?そんな怖い顔しちゃって。夢見が悪かった?」
「ん、別に。ちょっと女尊男卑推進しているやつ死ねばイイのに、って思ってただけ」
そういうと、なぜか楯無は重くため息を吐き出した。そしてそのまま私の頬を揉み始めた―――そんなにレンチでぶん殴られたいのだろうか。
「そんなことを気軽に言うんじゃないの。どこで誰に聞かれるかわかんないのよ?……言ってることは理解できるし、なんでそんなことを言ってるのかも理解できるけど」
むにむにと、私の表情筋でも刺激しているのだろうか。とにかく、私の顔を揉み続けながら楯無はそう言った。………まぁ、確かに軽率だった。そういうところに気が利くのは、やっぱりコイツが優秀だからだろう。
……………ところでなぜ頬をもみつづけるのかな…………!
「………そこに柔らかそうなほっぺがあったからよ!」
「天誅」
ガツン、と良い音が整備室内に響き渡った。
次回からネタを大量に入れ出すかもしれない!
こんなお話と作者ですが、見てくれると嬉しいです。