例によって決闘は無い。
けど、遊戯王なのは間違い無い。
まあ細かいことは気にするな。
ほな行ってらっしゃい。
視点:大谷
今日も家元、水瀬家二十一代目頭首『水瀬 梓』は、お仕事であるお稽古回りを行っている。稽古と言っても習うのではなく、教えるために。
若干十五歳ながら、大勢の人間を指導する立場にあるそのお姿は、物珍しさを通り越して感動すら覚えてしまう。それは彼の秘書として働く私だけではなく、彼から物を習っている人間全員が感じていることだ。
事実を言ってしまえば、稽古を習う人間の大半は、彼の美しさに惹かれた者が多数ではある。だが更なる事実として、彼の手腕は大したものだ。優しい指導でありながら、要点と欠点を的確に指導し、個人個人に最も必要なことを無駄なく与えていく。
実際、ほんの趣味程度でお花やお茶を習い始めた人間が、彼の指導により、一流料亭の女将や店主に匹敵するだけの礼儀作法を身につけ、琴や三味線を習った人間は、それだけで生活していける程の腕を身につけていった。
それだけの実績と、絶世の美貌、そして絶大なカリスマから、今や彼のことを知らない人間は、少なくとも『トップス』や『シティ』にはほとんどいない。
それだけの技量を身につけておられるのだから、本来ならばもっと大きな流派を立ち上げ、正式な弟子を取ることも可能ではある。だが彼はそれを一切しようとしない。あくまで自らが様々な施設を回り、『師匠』ではなく『先生』として、『道場』ではなく『教室』という形を変えずに今までやってきた。
そのことで、過去にマスコミから取材を受けたことがあるが、その時、彼はこう答えた。
「私は弟子を取るほど偉い人間でもなければ、そもそも本来なら年齢的に見ても、大人の方々に何かを教えるという行為を行えるほど立派な人間ではない。何より、何かを学びたいという思いに差はありません。しかし、私が今以上の立場に立てば、間違い無くその思いに差が生じてしまう」
「誰もが気軽に、楽しく学べること。それこそが、学ぶことには必要なことであり、教える立場の人間に課せられた義務であると、私は感じております。学ぶきっかけは誰もが興味本位です。そしてそこから、自分の目指すものを見つけることこそ、学ぶという行為の本質なのです」
寛大な心を持つ、家元らしい言葉だ。
実際のところ、家元から指導を受けている生徒達の中には、気軽な気持ちで習いにきている人間もいれば、本気で家元のような人間を目指す人間もいる。それでも家元は、特定の人間を特別扱いするような真似は一切しない。家元から教えを請いたいという人は、あくまで教室の生徒として迎え入れる。
ゆえに誰もが同じ志を抱き、平等に成長していける。家元がずっと理想としていた、教える人間と学ぶ人間達の形だ。
だがそれゆえに、生徒は年々増えていっている。
『ネオドミノシティ』は文化の西洋化が進み、日本中の住民が多国籍になってきている。だというのに、日本の心を目指すという人間は本当に多い。始めの方こそ若すぎるという理由から少なかった彼の生徒も、現在では全てを合わせれば四桁を超えるかもしれない。だから日に日にスケジュールは増していく。
「大谷さんにも、苦労をお掛けして申し訳ありません」
以前そう言われたが、正直私の苦労などどうでもいい。
心配なのは家元の苦労だ。一年三六五日、ほぼ休み無くシティ中を駆け回り、教室では教え、取材があれば答え、誘いがあればほぼ全てを受けている。もしこれが私であったら、とうの昔に間違い無く過労死しているだろう。それほどの仕事量なのだから。
「もう一本、お願いします!!」
現在は夜の二十一時。家元のお稽古回りも、大抵はこの時間までには終わる。そしてこの時間からは、家元が唯一、教える立場から教えられる立場に変わる時間でもある。
今彼が行っているのは柔道の稽古。他にも日代わりで、剣道、合気道、弓道、柔術、剣術といった武芸に関するものだ。
幼い頃から、茶道、華道などと同時に積極的に取り組んできた。それゆえ家内では野蛮だという声も上がったことがある。確かに今の家元は、普段の麗しい姿が嘘のような、荒々しく、男らしい姿を見せている。だが、これもまた家元の姿なのに代わりは無い。これだけ強さに対しても貪欲になれるというのも、彼の純粋さがあってのものだ。
武芸の稽古は帰ってから二時間。教える立場になった日も毎日欠かさず、スケジュールも変わらない。これだけは過去からうっと日課として行っていることだ。
そしてその稽古も終わり、ようやく帰宅。既に明日のスケジュールも打ち合わせ済みだ。
だがそれでもまだ終わりではない。
入浴を済ませて部屋に入ると、今度は翌日行う教室の資料や、生徒達の名簿などの整理、その他の準備や、昼間に片づけられなかった仕事の残りなどを行う。一つの教室につき、百数人からなる生徒達がいる。彼はその全員の状況を覚えているものの、一人一人にそれらを教える準備だけでかなりの時間を要する。それも、たった一人でだ。
お陰で朝に彼を起こしに部屋へ行った際、彼が布団の上で朝を迎える姿を見たのは、今日まで数えるほどしか無い。過去に何度も手伝おうとしたが、私のことを気遣い、帰宅後の仕事は一切手伝わせようとしなかった。
朝を迎える家元の姿に、私はいつも感じてしまう。
彼は毎日、無理なスケジュールで働いている。しかもその間、まともに食事すら取っていない。たまにある接待や食事会など以外で、彼がちゃんとした食事を取ったところは私でさえ見たことが無い。
家元いわく、
「食べる時間があれば、水瀬家に費やしますよ」
だが、それだけが理由ではない。
そもそも、彼は幼少の頃からほとんど物を口にしてこなかった。それゆえに空腹にすっかり慣れてしまい、それすらまともに感じなくなってしまっているのだ。
食事も取らず、毎日街中を周る姿には、凄まじいものを感じる。だがそれ以上に、その姿はあまりにも痛々しく、哀れみの気持ちを芽生えさせる。
水瀬家に勤めて長い私から見ても、家元は、歴代の頭首の中で最も苦難に満ちた者の一人だと言えるだろう。そして、歴代で最も簡単に死んでしまう頭首であろうとも。なぜなら、何もせずとも放っておきさえすれば、過労か栄養失調のどちらかで、簡単に死んでしまだろうからだ。
……
…………
………………
さて、この日も家元は、いつもと同じように生徒達の稽古に勤しんでいる。
今行っているのは、三味線教室。
「少し力が入り過ぎていますね。左手は指先を添える程度、右手は、手首から先だけを軽く振る程度の心構えで行って下さい」
「はい////」
指導された女性は赤面しながら、家元に言われた通りにした。家元よりも年上の女性。
もっとも、十五歳の家元から見れば、生徒の七割は年上なのだが。あの女性も、どう見積もっても二十台前半といったところだろう。
部屋中から聞こえる三味線を聞きながらそんなことを考えている時、
カッワーイタ~ サッケービガ~……
携帯電話の着信音が鳴り、それに出る。
「もしもし」
『……』
「なに!?」
「……ふむ。先週よりだいぶよくなっていますね」
「家元」
指導を行っていた家元に話し掛ける。基本的に指導中は話し掛けないようにと言われているが、今回はさすがに緊急事態だ。
「はい」
返事をしたところで、耳元に手を当てながら、口を近づけた。
「……」
「……ふむ。そうですか」
予想通りというか、話を聞いても家元は大した反応を見せない。生徒達に聞こえないよう、小声で返事をするだけだ。
「分かりました。では、終わるまで待っていて下さい」
「よろしいのですか?」
「今は指導中です。皆さんも見ていますよ」
……確かに、私が家元に話し掛けただけで、三味線の音が全て止まり、同時に百人以上いる生徒達からの視線が一斉に突き刺さるのを感じた。されだけ彼の行動一つ一つが見聞の対象になっているということだ。
「私はこの方々の先生なのです。先生ならば、何よりも指導を優先せねばなりません」
「……分かりました」
返事をして、私は隅の方へと引っ込んだ。
……
…………
………………
三味線教室を終えた後は、お琴教室、日本料理教室、和菓子教室と、いつも通りその日のスケジュールをこなしていく。先程のお話を聞いたことが嘘のようだ。
そして、月が高く上った頃にその日のお仕事を全て終え、残る生徒達を送り見た後だ。
「大谷さん!!」
それまで毅然としていた態度とは一転、今にも泣き出しそうな顔で大声を上げた。
「はい!!」
その声に釣られ、私も大声で返事をした。
そして車に乗り込み、運転手に指示を出す。
「トップス中央病院へ急いでくれ!!」
病院へ到着し、車から降りて急いで目的の場所へ走ろうとしたが、
「見て、水瀬梓さんよ!」
「うそ、本物!?」
「おお、本当だ!」
病院ですらそんな声が上がる。そしてまた、家元は毅然とした態度と表情を作り、走ろうとしていた足を止め、歩みを始める。そして周囲に笑顔を向けながら、いつもと同じ家元を演じている。
自分の感情一つにも正直になることができないとは、何と悲しい光景だろう。
結局互いに
「お父さん!!」
病室へ着き、ドアを開けた瞬間また顔が変わり、ベッドへ走る。今の家元は、家元であって家元ではない。水瀬梓という、どこにでもいる一人の少年でしかない。
「あら梓さん。随分遅かったわね。実の父親が倒れたっていうのに」
部屋に入って真っ先に聞こえたのは、そんな冷たい声だった。
病室には既に、十人近くの人間が揃っている。全員が水瀬家に関係の深い人達だ。
「確か、六時間前には連絡が行っていたはずだけど、それまで何をしていたのかしら?」
「それに、窓から見てましたよ。着いた後も随分のんびりしていましたね。そんなに体面が大切ですか?」
「会うのは久しぶりだけど、あなたがそこまで体面を気にする人だったなんて意外だわ」
口を開けば、そんな家元の心を抉る言葉ばかり。
「恐れながら……」
私は単なる秘書でしかないが、さすがにこれらの言葉には黙っていられない。
「家元の一日のスケジュール、そしてそのお仕事での評価や期待は、皆さんもご存知かと……」
「あなたには聞いてないでしょう。私達は梓さんに聞いているの。単なる秘書は黙っていてちょうだい」
く……
「ねえ梓さん。彼の言ったように、あなたの仕事ぶりは知っているわ。けどそれって、父親の緊急事態よりも優先することなのかしら?」
「本当に。私達は単なる親戚だけど、みんな予定を返上してここに集まっているのだけれど」
「まあ、そう虐めてあげなくてもいいのではないかしら? 父親とは言っても、本当の親子でもないことですし」
「それもそうね」
部屋に広がる嘲笑の声。そして家元は何も言えず、ただ顔をしかめている。
そう。今床に伏している人こそが、先代、水瀬家二十代目頭首、そして家元はその息子なのだが、本当の親子では無い。
先代は結婚もせず、女性との特別な関係さえも持たない人間だった。だが、それが五年前、どこからか捨てられていたという子供を拾ってきて、その子供を育て始めた。
それが今の家元、水瀬梓というわけだ。
だが、水瀬家は格式高い日本有数の名家。そんな、どこから沸って湧いたのかも分からない家元を快く思わない人間は大勢いた。かく言う私とて、始めの頃はそうだった。ずっと水瀬家にお仕えしてきたというのに、なぜこんな子供の世話を任されなければならないのかと。
だが、彼の毎日の努力を目の当たりにし、何より自分以外の誰かを重んじた態度を見て、私は最後まで、この人のお世話をさせていただくと、そう心に誓ったのだ。
しかし、それ以外の人間は、未だ家元のことを煙たく感じている。そしてそんな存在が、二十一代目頭首になったことに、納得しているのは先代以外、おそらく私一人だろう。本来なら、先代に子供がいなかった時点で、この部屋にいる誰かがそれになれたはずなのだから。
「まあ、どちらにしろ、こんな人を頭首に添える先代も先代だけど、ここまで親に対して冷たい人だとは私達も思わなかったわ」
「まあ、いいんじゃないか? 彼は自分を育てた父親よりも、自分が育てている生徒達の方が遥かに大切ということだろう。親のいない人間にはよくあることさ」
そんな言葉と共に、また部屋に嘲笑が響く。家元がこういう言葉に言い返せない人であるのを良いことに、言いたい放題言っている。
家元は先程から顔を歪ませ、無言でその一つ一つの言葉を噛み締めているだけだ。表情は変わらないが、何も言い返すことができず、自責の念に駆られていることが見てとれる。
「このことは家内でも問題にさせていただくから。私達はこれで失礼するわ。あなたを待たされていい加減疲れたから」
そして、ぞろぞろと病室を出ていく。この中で、本気で先代を心配している人間など一人もいない。単純に義務と、ストレス発散のためだけに集まってきただけだ。
ただ一人、家元を除いては。
全員が出て行った後、家元は静かに先代の前に座った。
「お父さん……」
今にも泣き出しそうな顔だが、ずっと涙を抑えている。
六時間。その間、父親が倒れたと連絡を受けながら、いつも通り仕事をこなす姿は、正直、見るに堪えなかった。普通の人間には分からなくとも、私には分かった。今ある全てを投げ出してでも、すぐにでもここへ向かいたかったのだと。
「……大谷さん」
突然話し掛けられた。
「……明日の予定を」
こんな時にまで、あなたという人は……
「家元……明日は……」
私もいつもと同じように、明日の予定を話す。明日もいつもと同じ、早朝から深夜、果ては明後日の早朝まで、仕事はびっしりと詰まっている。
「……とりあえず、今日は剣道でしたね。先生に連絡をして、十分お詫びしておいて下さい」
「既に連絡しておきました。お大事に、とのことです」
そう返すと、また顔を伏せ、先代の顔を見やる。
「お父さん……私は間違っていますか?」
まだ目の覚めていない先代に向かって、そんな言葉を掛けた。
「私は、私のことを頼りにしてくれる人達を大切にしたい。あなたを頼りにするしかなかった私のことを、あなたが大切にして下さったように……なのに、そのために、一番大切な人の危機にさえ駆けつけることができない。私は、間違っているのでしょうか……」
そう悲しい声で、なのに必死な気持ちで尋ねているが、先代は答えない。答えることなどできない。
そして、私は何もできない。気の効いた言葉を掛けることさえ、できない。
彼はずっと努力をして、そのために苦しんできた。自分さえ投げ出してきた。それで多くの人に認められてきた。なのに、それを水瀬の人間は認めようとせず、その存在を否定することばかりを考えている。
先程も言ったが、彼が二十一代目頭首であることを、私以外の誰も認めようとはしない。彼が選ばれた時、家内の多くの人間は反対した。ほとんど先代の独断によるものだったのだ。
それでも、そうなる以前から多くの実績を上げてきた家元にとっては当然の評価だと言えるが、結局は赤の他人。その事実ばかりが纏わりつき、彼の躍進の邪魔ばかりしてきた。
そしてそれは、今でも変わらない。事実として、水瀬が先代の代に比べて遥かに、ここまで大きくなれたのは間違いなく家元が貢献したからだというのに、さも拾われた身として当然だと言わんばかりに冷たく接している。
一体彼らが、水瀬のために何をしてきたというのだ。ただ家名の力を頼りに、自分達のしたいことを好き放題やってきただけではないか。
「お父さん……」
だが、それを言ってしまえば、本当のところ、家元さえここまで頑張ってきたのは、自分のためだ。
ただ、先代に喜んで欲しい、拾って下さった恩を返したい、その思いで、ここまでやってきたのだ。そんな先代が倒れてしまった今、彼は何を思っているのか。想像に難くない。
「……大谷さん」
「はい?」
「今日はもうお帰り下さい。あなたもお疲れでしょう。私はここに泊まります。早朝六時頃に迎えに来て下さい」
「はあ、しかし……」
「心配せずとも、明日も予定通り、お稽古周りは行いますから」
「……」
私が心配したのはそんなことではない。だが、結局彼はこういう人だ。父親もそうだが、教え子達のことも気に掛けている。どうしてそこまで自分以外の人のことばかりを考えられるのだろう。その心には、ただただ感服するばかりだ。
「……分かりました」
私はそう返事をし、部屋を出た。これ以上は、邪魔になると思った。
さて、病院を出てすぐのことだった。
「やあ、大谷さん」
話し掛けてきたのは、先程病室内にいた内の男の一人。
「そろそろ良い返事を聞かせて欲しいんだけど」
「またそのお話しですか?」
「ああ。君がオーケーを出すまで何度でも口説きに来るさ」
簡単に説明すると、この男は私の秘書としての仕事ぶりを評価している。だから家元とは手を切り、自分の家へ来て働いて欲しい、そういうことだ。
「何度も申し上げたように、私は家元の元を離れる気はありません」
「またまたぁ。家元と呼ぶけど、秘書なんて名前だけで実際は単なる子守りじゃないか。いつまでも付き合う必要無だろう」
「確かに家元はまだ子供だ。だが、一日の仕事量はその辺りにいる大人を遥かに凌駕している。当然その仕事ぶりも。そのお手伝いをすることに、私は誇りを感じています」
「誇りか。本心は違うんじゃないの?」
相変わらず卑しく笑いながら、私の肩に手を置いてきた。
「確かに彼は優秀だよ。今でもたくさんの生徒を受け持って、雑誌にも載ってさあ。けど、優秀とは言え子供は子供だ。君は平気なのかい? そんな自分の倍以上年下の、おまけに水瀬ですらない、誰だか分からない得体の知れない子供に顎でこき使われて、本当は不満なんじゃないの? 先代の時とは違うでしょう。おまけに彼は休み無しで働いているから必然的に君も休み無しだ。なのに彼は決してスケジュールを緩めもせず、挙句大切な先代の一大事にも遅刻。ずっと水瀬家に仕えてきた君が、何も不満を感じないはず無いだろう」
「……」
「ね。どうせ給料も少ないんだろう? 彼はいくつかの教室は無償で開いているそうじゃないか。そんなんじゃ、君も満足はできないだろう。今の給料の倍払おう。週休だって与える。今より楽な上に給料も増えるんだから、君に悪い条件は一つも無い。あんな我がままで自分勝手な赤の他人は放っておいて、うちに来ちゃいなよ」
「……」
何も言い返すことができない。
それは返す言葉が無いのではない。呆れて言葉を返す気になれないからだ。
「……私からも言わせて頂きたいのですが」
その私の言葉に、男は表情を変えながら私の顔を見やる。
「あなたの家に行き、あなたの仕事の手伝いをさせて頂くとして、それは今の仕事以上のやりがいを感じられるのでしょうか?」
そう聞くと、男の顔から笑顔が消える。
「確かに私には休みがほとんどありません。それは、家元が休みなく毎日働いているのだから当然のこと。だが、それでもやりがいはある。多くの人々が彼を敬い、評価して下さっている。それは家元の評価であると共に、それを陰で支える私の評価にも繋がっている。それだけの評価を、あなたは私にもたらすことはできますか?」
そんな質問に、彼は答えない。
「給料も確かに高いとは言い難い。しかし、今の待遇が不安なのなら、私はとうに彼のもとを去っている。今も去らない理由は一つ。彼の存在が、それだけの価値を見いだしているからだ。そして、あなたにはそれだけの価値がおありですか?」
やはり答えない。だが、代わりに口元を吊り上げた。
「まあ、君がどんな仕事にやりがいを感じるのかは知らないが、給料よりもやりがいだっていうのならこちらも考えよう。今日はもう遅いし、帰らせていただくよ」
こちらの質問には一切答えず、去ってしまった。
まったく。どうしてこうも、家元自身を見ようとしない人間ばかりなのだ。
そして、かつて彼らと同じであった自分を思い出すと、今すぐ自殺したくなるほど情けない気持ちに駆られてしまう。
視点:梓
ここに来てどのくらいの時間が経ちましたでしょうか。
眠ることさえできず、私は父の顔を眺めるばかり。よくテレビドラマなどでは、こういうシーンでは病人に声を掛けたりするものでしょうが、私には、掛ける言葉さえ見つけられない。
無理に言葉を探してみても、やれ毛利さんのお琴の腕が上達しただの、やれザビーさんから感謝のお手紙や野菜を頂いただの、やれミホさんが無事にヒロトさんとの子供を設けただの、父には縁もゆかりも無い方々の話題ばかり。
毎日が仕事続きで、父との交流もすっかり減ってしまっていた。彼は私の仕事にはほとんど口を出さなかったから、話す時間というものがほとんど無かった。
どうして、もっと父と一緒にいられなかったのか。先程皆さんに言われた言葉が私の中で
私には、父を思いやる資格など、始めから無かったのかもしれませんね。
「……うぅ」
!! 今の声は!?
「……うぅ……あ、ずさ……」
お父さん!?
「目を覚ましましたか!?」
反射的に顔を近づけ、声を掛けました。
「……ああ、すまん。心配掛けたな……」
どうやら意識もはっきりしたらしく、私の顔を見ながら、笑顔を浮かべて下さいました。
「謝らないで下さい。私こそ、あなたに謝らなければならないのですから」
「ん?」
当然、事情を知らないために疑問を感じています。
「私はあなたが倒れたと聞いた後も、あなたではなく、仕事を優先してしまった。お世話になったお父さんの命以上に、目の前の生徒達を優先してしまった。あなたの息子として、恥ずべき行為です……」
仮にそれで生徒達の腕が上達し、感謝をされたとしても、お父さんの容体が良くなるわけではない。それに、今回はむしろこれで済んだが、もしそれ以上の事態が起きてしまえば、私はお父さんの死に目に会うことさえできなかった。
昔から、ずっとお父さんに喜んで欲しくて頑張ってきた。なのに、その行動の一つ一つが、お父さんを苦しめてしまっている。
私は、日本一の親不孝者だ。
「なあ梓?」
お父さんが話し掛けて参りました。いつも見せる、陽気な笑顔を浮かべています。
「はい」
「俺が着てた服あるか?」
そう聞かれたので、部屋を見渡します。すると、籠の中にいつもお父さんの着る、赤と黒の羽織袴が。
「それ、取ってくれ」
そう言いながら体を起こしました。言われた通り、籠を取って父に渡します。
「なあ梓。今日が何の日か覚えてるか?」
袴をまさぐりながら、そう尋ねてきました。忘れるはずがありません。
「私が、水瀬家へ来た日。今日で、ちょうど六年目になります」
「そうだ。お前が水瀬家に来て、水瀬梓に変わった日、言わば水瀬梓の十六歳の誕生日だ」
誕生日……
捨てられていた身である私にそんなものは存在しない。しかし、確かに水瀬梓という人間が誕生したのはこの日だ。それまでは、名前も、年齢すら無かったのだから。
「だからな、今日はお前に誕生日プレゼントがあるぞ」
プレゼントですか。それは嬉しいですね。何でしょうか。
そんな冷めた気持ちでそれを見た時、また疑問を感じました。
「それは?」
それは、どこかで見たことがあるような、しかし、何であったか思い出せない、紫色の小さな箱。受け取り、振ってみると、カタカタと音がします。随分軽いようですが……
「まあとりあえず、中身を見てみろ」
そう言われ、慣れない手付きで開いてみました……
「こ、これは!?」
茶色の紙に、黄色の無数の線による模様が刻まれた、いくつものカード。そして、おそらく世界一有名なカード。
「『決闘モンスターズ』!?」
驚いている私に、父は平然と話し掛けてきました。
「お前が俺に拾われる時、俺に言った言葉、覚えてるか?」
「あ……」
思い出した。
そう。それは、今日からちょうど六年前、私が初めて父と出会った日……
……
…………
………………
父との出会いは、いわゆる人身売買のトラックだった。
生まれつき親はおらず、帰る家も無く、ただその日その日を命懸けで、自分以外に頼れるものも無い。そんな中、必死に生きてきた。
だが、生まれつき美しい容姿をしていたことで、誘拐犯達からは絶好の標的とされてしまった。抵抗などできる力など無く、簡単に捕まり、そのまま売り飛ばされた。
そして、そんなトラックの中にいた私を、父は見つけて下さった。
「坊や。うちに来い」
それが、父に初めて掛けて頂いた言葉だった。
どの道、商品として金で買われる身として、私に選択肢など無かった。だというのに、そんなことを知らなかった私は、父に言った。
「……二つ、お願いがある」
商品としてはあるまじき行為。普通ならそれだけで買われなくなるか、最悪生意気だと暴力を浴びていただろう。
だが父は笑って、何が望みかを聞いてくれた。そして、私は答えた。
「強くなりたい……」
「強く?」
「今までずっと……たくさんの人にいいようにされてばかりだった……だから、二度とそうならないように……何かされてもやり返せるように……強くなりたい……」
「ほぉ。顔の割に言うことは男の子だな。よし分かった。強くしてやろう」
「……ほんと?」
「ああ。それで、二つ目は?」
「二つ目は……」
……
…………
………………
「決闘がしたい……」
「ああ。だがお前はそう言った後、それを許してくれるだけの人間になれたらって言った」
「私には許されない……」
「そんなことねーよ」
父はそう言いながら、私の両手にカードを持たせます。
「お前は十分頑張ってきた。水瀬の名前をここまで大きくしてくれた。だからな、これからは、もう少し自分の好きなことをしたっていいんだ」
「しかし、親戚の方々は……」
「あいつらのことなんか気にするな。無理してお前のこと認めようとしないだけだよ」
「……」
また視線を落とします。
私に許されるのか?
決闘は私がこの家に来る以前から、誘拐される以前からずっとやりたいと願っていた。ですが、生活が、境遇が、環境が、そして使命が、いくつも重なりそれを許さないと言い、徐々に、そしていつの間にか、私の中からもその思いは消え失せていた。
だと言うのに、カードを手に感じたのは、皮肉にも、好機と興奮。長年待ち望んでいた恋人に、やっと再会できた時はこんな気持ちなのでしょう。
しかもこれらは、私がずっと使いたいと思っていたカード群。それがなお更、私の中の興奮を駆り立てる。
このデッキを手に、決闘をし、目の前の対戦相手を倒す。
そんな自分を浮かべてしまう。幼き頃、偶然テレビの映像を見て以来、心から憧れた、一人のプロ決闘者のように。
……だが……
「……申し訳ありませんが、これを受け取るわけにはいきません」
カードを机の上に置きます。
父の心はとても嬉しい。念願の決闘を許されたことも嬉しい。幼い頃から求めていた物を手に入れたことが嬉しい。嬉しいのに、私はそれをはねのけるしかない。
「好きなことは十分してきました。あなたは私の学びたい物、全てを文句無く学ばせて下さった。この上決闘まで学ぶ必要はありません。何より、私には今、大勢の生徒の指導があります。皆さんが私を待ってくれているのです。そんな皆さんを差し置いて、決闘を行うことなど、できません」
「……」
そんな顔をしないで下さい。私は欲を持ってはならない人間なのです。ずっと、誰かに支えられることで生きてこられた人間です。そしてあなたは、強くなりたいという願いを叶えて下さった。それだけで十分です。
「じゃあ、こう言う」
お父さんは急に満面の笑みを見せ、更に言葉を掛けてきました。
「俺のために、梓の決闘をするところを見せてくれ」
……は!?
「言っている意味が……」
「梓よぉ、俺がただお前を喜ばせるためだけにこいつを用意したんだと思ってたのか?」
聞かれても、普通贈り物というのはそういうものでは……
「お前があの時決闘をしたいって言った時、俺だって見たいって思ったんだぜ。立派に成長したお前が、決闘者になって決闘するところをさ」
「いえ、しかし……」
「なぁ、頼むよぉ~。親父からの最後の願いをさぁ~」
ちょっと、抱き付いてこないで……
え?
「最後?」
それは……
「どういう意味ですか?」
「何だ。ここに来たなら医者から聞いたと思ったのに?」
聞いたって、何を?
「俺、もって今年中だってよ」
……
……え?
「……はは、お父さんも人が悪い。そんな冗談を言ってまで、私に決闘をさせたいのですか?」
「冗談じゃないよ」
「……またまたぁ。お父さんは嘘が上手ですから」
「いや、本当だって」
「とにかく私は、決闘はできませんよ」
「梓」
「明日も仕事がありますし、私は、これで……」
「梓!!」
!!
『……』
五年、いえ、今日でちょうど六年でした。その間に、数えるほどしか聞いたことの無い、優しいお父さんの、怒鳴り声。
「本当だ」
さっきまで浮かべていた陽気な笑顔が一変、真剣な目付き。
「……嘘だ……」
そんなはずが無い。だって……
「ずっと、元気だったではありませんか……毎日、帰った後も笑い掛けてくれて、今日家を出る直前も、気軽に話して下さったではありませんか……なのに……余命が来年まで? そんなこと……」
「あるんだなこれが」
また真剣な顔が一変、陽気な顔に。
「お前にはずっと黙ってたんだけどな。不治の病ってやつ?」
「……いつから?」
「去年!」
去年……
「このこと、私以外は……」
「みーんな知ってるけど」
ということは……
「このことを知らなかったのは……」
「梓だけ」
私だけ……? 私だけが、お父さんの、病のことを……私だけが……
ガタンッ
体の力が抜ける。全員が知っていることを、私だけが知らなかった?
私だけが……息子である、私だけが……
「驚いた?」
気が付くと、床に尻餅を着いた私と同じ目線で、お父さんがベッドから出て話し掛けていた。
「なぜ……」
「そうなるから」
私が全てを言い切る前に、お父さんは遮ってきました。
「お前の考えてること、当ててあげよっか?」
私の考え……?
「なぜ私には教えてくれなかったんだ? 私はお父さんの息子なのに。それともそれほどまでに私は信用されていなかったのか? 所詮は拾われた子供だから、赤の他人だから、そんなことを教える義理も無かったということか? 私は、結局息子とは思われていなかったというのか?」
「……」
……その通りです。
一語一句、私の感じたことそのままです。モノマネはあまり似ていませんが。
「じゃあ聞くけどさ、ここまでお前のことが分かる俺が、お前のこと嫌いだと思う?」
……
……相変わらず、
「いじわるなことをする……」
笑みを浮かべながらそう言うと、お父さんもまた、笑顔を見せる。本当に、子供のような笑顔だ。
こんな人が、私が来る前には私のしていたこと全てを行い、そして水瀬家の全てをまとめていたという事実が、未だに信じられませんね。
「そういうことだ。ありていにありきたりなこと言うけど、お前に心配させるわけにはいかんだろう」
確かに、ありきたりな答えではありますね。ただ、それでも……
「秘密は酷いと思います」
ですが、直前まで感じていた怒りや悲しみは、直前ほどのものでは無くなりました。
「本当はさ、俺も、お前が自分から言ってくれるの待ってたんだ。決闘をさせてくれってさ」
私から?
「まあ、お前の性格考えれば、そんなこと言い出せないだろうってのは分かってたけどな。それでもお前には、お前自身の夢に正直になってほしかった。だってよう、お前は何かって言えば、頑張りたい。俺に喜んで欲しい。みんなに喜んで欲しい。水瀬として認めて欲しい。みんな笑って欲しい」
「それが私の欲ですから」
「ああ。けどさ、この中に一つでも、お前自身が喜ぶためにやったものがあるか?」
「……皆さんの喜びが、私の喜びになりますから」
「……寂しいねぇ」
その言葉に、私は疑問を感じました。
「寂しい?」
「ああ。寂しい」
「……そうですね。今までずっと、一緒にはいられませんでしたから」
「じゃなくてさ!」
ずいっと顔を近づけてきました。ちょ、怖いです。
「その、あ~、あれだ。お前だってさ、もう少し俺に甘えてくれたっていいじゃんよ~」
甘える……甘える? 私が、甘える?
「そりゃあさ、お前はずっと誰かに甘えることなんてできない生き方してきたもんな。誰かは知らんが実の親に捨てられて、それからはずっと一人で生きてきて、挙句誘拐されて人身売買。俺に拾われたら拾われたで、今度はそれまでできなかったこと全部を習って、おまけに俺や大谷以外には酷い扱いを受けてさ。それでも弱音一つ吐かずに、今みたいになるまで毎日休み無く頑張った。今だって、毎日休み無く働いてる。自分のためってのもあるんだろうけど、実際は全部、俺やみんなのためだ」
……その通りです。
茶道、華道、それ以外にも多くの事柄、毎日必死で学んだ。人並みでは意味が無い。人よりできなければ意味が無い。それが、水瀬家の子供になるということだった。
だからこそ、毎日厳しい勉強を行った。はっきり言って、辛かった。今まで触ったことも無いような物に触れ、それを自分の物にしながら、かつ人以上の技量を身につける。生半可な努力ではできるはずが無い。
それでも、いえ、だからこそ頑張った。挫けはしなかった。私は今、お父さんのおかげでここにいる。お父さんに助けられ、息子として下さったからここにいる。
だから、どれだけ親戚の人達から罵倒され、時には虐待を受けようと耐えられた。お父さんが見てくれていたから。成長する私を。
だから、お父さんに御恩を返したくて、そのために今まで頑張ってきた。私が頑張った結果で、お父さんが喜んで下さることが私にとっての生き甲斐だったから。
そして、逆に私が教える立場に立ったことで、教えられる方々の喜びを知ってしまったから。
「そりゃあさ、嬉しかったぜ。お前が六年間、毎日毎日、頑張って頑張って、水瀬の新しい頭首を任せられるほどの男に成長した。あの時のボロボロだったチビッ子が、今じゃこんなに立派に成長した。俺以外にも、たくさんの人達に好かれる人間に成長した。父親として、嬉しいに決まってる」
お父さん……
「だからさ、今度はさ、俺にお前を喜ばさせてくれよ」
「お父さんが、私を?」
「ああ」
「しかし、私はもう十分……」
「俺が喜ばせたいのは水瀬梓じゃない。俺の息子の、梓をだ」
「あなたの息子の……」
梓を……
「父親が息子の喜ぶ姿を見たいって思うのは、間違ってるか?」
……
私には、ずっと親はいなかった。
だから、今あるものだけが全てだった。
そして、お父さんだけが全てだった。
「甘えては……弱音を吐いては……欲を持っては……自分のことを優先しては、決してならないと……」
「そんなことで、お前のこと慕ってくれてる奴は、お前を嫌いになると思ったのか? 俺がお前を嫌いになると思ったか?」
「……」
「もう一度頼む。俺の最後の我がままだ。俺のプレゼントしたカードを使って、お前が決闘する姿を見せてくれ」
「……」
……
気が付けば、私の顔は濡れていた。
目からは一生涯流さぬと心掛けていたものが、絶対に流してはならないと言い聞かせていたものが、止め処なく溢れてくる。
「私の夢……ここに来る以前から、ずっと憧れて……それでも諦めた、私の夢……」
「叶えてくれよ。父親として、息子の夢の応援くらいさせてくれよ」
そう話し掛けながら、お父さんは、机の上のデッキケースを取り、私に手渡しました。
私の夢……決闘がしたいという、私の夢……
ケースを見ている私を、お父さんは頭を持ち、そのまま胸に当ててくれた。
拾われた日を最後に、ずっと身を委ねることを拒否した、お父さんの胸。
あの頃よりも狭い……なのに、あの頃と同じ、暖かい……
その心地よい暖かさに、私はいつまでも甘えていた。
それは、ずっと否定し続けてきた、なのにずっとしたいと感じていた行為。
息子として、父に甘えたい。
ずっと、するなと自分に言い聞かせてきた行為。
そして、叶えてはならないと言い聞かせていた夢。
それらが一度にでき、そして叶った時。
嬉しさ、懐かしさ、安心、陶酔、そして感動、それらのあまりに大きな感情が、私に、涙を隠すという選択肢を与えなかった。
そして私は、声を殺しながら、ずっと、お父さんの胸で泣いていた。
……
…………
………………
視点:大谷
家元のお言葉通り、六時十分前ほどに病院に着いた。そして、病院を見てすぐ家元は姿を現した。
だが、それは昨夜見せていた顔が嘘のように、晴れやかな顔だった。世間の体面があるとはいえ、それにしても清々しい顔をしている。長年彼のそばにいる私にはそれが分かる。
そして家元は、黙って車に乗り込んだ。
「出して下さい」
声も、いつもよりもやけに明るい気がした。
「大谷さん」
「はい」
呼ばれたのでいつも通り返事をする。随分小声だが、運転手には聞かれたく無いことなのだろうか。
「明日から、私の習い事を一つ増やします」
「はあ……今度は何を?」
「決闘モンスターズを」
……一瞬、言葉を理解するのが遅れた。
「は?」
「決闘モンスターズです」
「……では、家元……」
「ええ。私は夢を叶えます。決闘者になるという夢を」
その言葉は、私に衝撃を、そして、喜びと胸の高鳴りを覚えさせた。
「家元……」
先代以外に、私にだけ話して下さった、家元が水瀬家へ来る以前から抱いていた夢。
ずっと、諦めていると自分に言い聞かせていたという夢。
初めて聞いた、家元が水瀬のためではない、自分自身のためだけに抱いた夢。
それを叶えようとする姿。それが今、目の前にある。
それは、ずっと彼の秘書として働いてきた中で見てきたどんな姿よりも、輝いている姿に思えた。
お疲れ様です。
何度でも言うけど、これは遊戯王5D'sだからね。
大海自身本気で何書いてんのか分かんなくなってきたけど遊戯王5D'sだからね。
決闘は次回書くから、それまで待ってたなら我慢して。謝るから。
ほな次話まで待ってて。