遊戯王5D's ~剣纏う花~   作:大海

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四部だー!!
つってもまだ第零話だけど。
一応は今後の物語のスタート地点の話しだから、興味があったらとりあえず読んどいて下さい。
んじゃ、行ってらっしゃい。



第四部 雪
第零話 散り花の末路


視点:梓

 

 ゴロゴロゴロ……

 ザァァァァァァァァァ……

 

 ……

 ……

 ……雨……

 まず、気付いたのが、体中にぶつかる無数の水の感触……雷の音……

 地面は冷たく、硬い……

 目を開いて、体を上げると、暗いのに、目の前がよく見える、人工的な光に包まれた、独特な空間の感触……

「帰って、きたのか……? 私は……ネオドミノシティに……」

 

 ピカァッ

 ゴロゴロゴロ……

 

 横たわっていた体を持ち上げ、立ち上がる。

「……帰って?」

 待て、私は……今までどこで、何をしていた……?

「……」

 分からない。けどとにかく、ここが本当にネオドミノシティかもまだ分からない。

 なぜか体中がだるいが、壁に手を着きながら、歩を進める。

 

「……」

 歩いて、車道に出ようとした時、

 

 カッ

 キキィ

 

 突然光に照らされ、手で目をかばう。目の前に、白い光。

 

「そこに誰かいるのか?」

 

 車から誰かが出てきた。二人組のようだ。あの車と服装は……

「セキュリティ……」

 そして、二人は私の前に立つと、

「……おい! この人!!」

 私の顔を見て、なぜか驚いた。

「……!! この人は、水瀬梓!?」

 ……知っているのか、私を。

 て、当然か。仮にも、ここでは有名人と言えた存在だったのだから。

 どうやらここは、ネオドミノシティで間違い無いらしい。

「水瀬梓……半年前に行方不明になっていたはずだぞ」

 半年……そんなに経っているのか……

 

 カシャン

 

「……?」

 その音と、両手首への金属の感触……

 ……手錠?

「水瀬梓」

「はい……」

 

 ゴロゴロゴロ……

 

「お前を、水瀬家二十代目頭首、父親殺害の容疑で逮捕する」

 

 ピカァッ

 

「……え?」

 

 

 

視点:外

 暗い路地を、二人はどしゃ降りの雨の中、傘を差して歩いていた。

 少女は一応は落ち着いているが、不安が表情に現れ、少年はあからさまに不安に駆られている。

「ダメだぁ、道が分からない……」

「もう、龍亜が近道しようなんて言うから……」

「うぅ……ここは誰? 俺はどこ?」

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。何とかして帰らないと」

 だが、龍可も分かっていた。

 こんな、ビルに囲まれて方向も掴めない場所で、分かる場所に辿り着くことの難しさを。

 何より……

 

 ピカァッ

 ゴロゴロゴロ……

 

「ひぃ!!」

 天候まで最悪。こんな環境で、冷静な判断を兄に求めることは不可能なことも。

「出るぅ! お化けとか絶対出るぅ!!」

「もう。そんなの出るわけ……」

 

 バシャ

 

「ん?」

 と、龍可の耳に、雨音とは別の水音が届いた。

 

 バシャ

 

(足音……?)

 その音のした方向に、顔を向けると、

「……え?」

 声を出したのは、龍亜だった。龍可は、声も出せなかった。

 二人の目の前にいるのは、浴衣に身を包み、長い髪が顔に掛かった、暗闇に染まった体の人物。

 

『で、出たああああああああああああああああ!!」』

 

 あまりに衝撃的な光景に、二人は傘を落としながら悲鳴を上げ、だが動けなくなった。互いに互いへしがみつき、雨に濡れながら、徐々に近づいてくるその人物を凝視するしかできない。

(女の人の幽霊女の人のゆうれい女の人のユーレーオンナの人のユーレーオンナノヒトノユーレー……)

「る、るるるる、龍可、安心しろよぉ、俺が、お前を守ってやるからなぁ……」

 そんな言葉も、震えていて全く説得力は無い。そもそも、混乱と恐怖の只中にいる龍可には届いていない。

 二人がそれぞれ話し、考えている間に、二人と一人の距離は縮まっていった。

 そんなに怖いのなら素直に逃げれば良いものを、二人とも、そこから動けずにいる。恐怖という束縛が、逃げると言う選択肢を無としていた。

 

「……」

 

 だが、近づいていたその人物は、顔を上げると、突然立ち止まった。

「……あれ?」

「本当に、幽霊……?」

 そう互いに疑問に感じながら、恐怖はあるが、少しずつ、近づいてみる。

 

「……」

 

「あ、あの……大丈夫、ですか……?」

「どこかケガしてるの……?」

「……」

 二人の質問に、答えはしない。ただ、ジッと二人を見つめるだけ。

 

 ピカッ

 ゴロゴロゴロゴロ……

 

『っ!!』

 雷鳴が轟き、雷光が煌めき、その人物を照らした時、二人は目を見開き、驚愕した。

「え、うそ……」

「なんで……」

「……」

 ずっと黙って、無言だったその人物が、二人に向けて、手を伸ばす。

 

「……た……す……け……て……」

 

 バシャッ

 

『梓先生!!』

 

 

 

 




お疲れ~。
初めて自分以外の誰かの助けを欲した梓はこれからどうなっていくのやら。
それは大海にも分かりませぬが、皆さんで見守るとしましょう。
ほんじゃ、次話まで待ってて。
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