決闘の中で一か所、致命的なミスがある(もしかしたら一か所じゃないかも分からんが)。
直そうかとも思ったけど、無理だった。
どこかは後書きで説明するよ。
まあ他にも処理のおかしいところがあるけど、演出だと思ってスルーして下さいな。あと原作オリカ登場ね。
じゃ、行ってらっしゃい。
視点:外
静観。沈黙。今、会場を包んでいるのはそれだった。
本来多くの人間の声援によって包まれるはずの会場。しかし、そこには一切の声が無い。誰もが一言の言葉も、ないし息遣いによる呼吸音さえ発生させてはならないと感じ取り、沈黙を余儀なくされている。
それは、目の前で決闘をする、静花という存在によるものに他ならない。
「私のターン」
静花
手札:2→3
(……真六武衆は既に五人が墓地にある……かなり、部が悪いですね)
「チューナーモンスター『六武衆の影武者』を守備表示」
『六武衆の影武者』チューナー
レベル2
守備力1800
「カードを一枚伏せます。ターンエンド」
静花
LP:3100
手札:1枚
場:モンスター
『六武衆の影武者』守備力1800
魔法・罠
セット
十六夜
LP:600
手札:0枚
場:モンスター
『ブラック・ローズ・ドラゴン』攻撃力2400
魔法・罠
無し
(次のターンまで、持ち堪えることができれば……)
「私のターン」
十六夜
手札:0→1
「……」
「……『フェニキシアン・シード』を守備表示で召喚」
『フェニキシアン・シード』
レベル2
守備力0
(これなら……)
「『ブラック・ローズ・ドラゴン』、モンスター効果発動。墓地の植物族モンスターを除外し、相手フィールド上の守備モンスターを攻撃表示に変更し、エンドフェイズ時まで攻撃力を0にする」
「くっ……!」
「墓地の『イービル・ソーン』を除外。ローズ・リストリクション」
『ブラック・ローズ・ドラゴン』のツルが、座っていた影武者を縛り、無理やり立ち上がらせた。
『六武衆の影武者』
攻撃力400→0
「ブラック・ローズ・フレア!」
「ぐあぁ……」
静花
LP:3100→700
「ぐぅ……ダメージステップ時、手札の『紫炎の寄子』を墓地へ送り、効果発動……このターン、攻撃された六武衆と名の付くモンスターは、戦闘では破壊されません……」
静花
手札:1→0
炎に晒される影武者の前に、足軽の姿をした子猿が現れ、影武者を庇う形で破壊から守った。
ピシッ
「……ターンエンド」
十六夜
LP:600
手札:0枚
場:モンスター
『ブラック・ローズ・ドラゴン』攻撃力2400
『フェニキシアン・シード』守備力0
魔法・罠
無し
静花
LP:700
手札:0枚
場:モンスター
『六武衆の影武者』攻撃力400
魔法・罠
セット
(『フェニキシアン・シード』の攻撃力は、800。攻撃表示で出されていれば終わっていた……)
「私のターン」
静花
手札:0→1
「罠発動『六武衆推参!』。墓地の六武衆と名の付くモンスターを一体、特殊召喚。このターンのエンドフェイズ時、破壊される。私は『真六武衆-カゲキ』を特殊召喚」
『真六武衆-カゲキ』
レベル3
守備力2000
「合計のレベルは5……」
「参ります。レベル3の『真六武衆-カゲキ』に、レベル2の『六武衆の影武者』をチューニング」
「
「シンクロ召喚!
『真六武衆-シエン』
レベル5
攻撃力2500
十六夜の『ブラック・ローズ・ドラゴン』。
静花の『真六武衆-シエン』。
二人のエースモンスターが向かい合い、今まで以上に強烈な空気が流れた。
普通のモンスター同士のバトルでは流れることの無い、選ばれたモンスター同士だからこそ纏う闘気によるもの。決闘者に、最強のパートナーであると選ばれた者だからこそ、そのモンスター自身、そして、決闘者自身の闘気が交り合うことで流れる激流。
「バトル。『真六武衆-シエン』、『ブラック・ローズ・ドラゴン』を攻撃。紫流獄炎斬」
紫の炎を纏った武将の刃が、深紅の薔薇の竜を斬り裂いた。
十六夜
LP:600→500
「カードを伏せます。これでターンエンド」
静花
LP:700
手札:0枚
場:モンスター
『真六武衆-シエン』攻撃力2500
魔法・罠
セット
十六夜
LP:500
手札:0枚
場:モンスター
『フェニキシアン・シード』守備力0
魔法・罠
無し
(このまま押し切ることができれば……)
「まさか彼がこれほどの決闘を見せるとは、さすがに予想外ですよ」
「彼女の方も、十分に刺激を与えることができたようです。彼には悪いですが、ここで退場願いましょう」
「え?」
「私のターン」
十六夜
手札:0→1
「魔法カード『貪欲な壺』を発動。墓地のモンスターを五枚デッキに戻し、カードを二枚ドローする」
「(この局面で、ドロー強化カードを……!)『真六部衆-シエン』は、相手の魔法または罠カードの発動を一度だけ無効にする効果を持つ。私はシエンの効果を……」
「……」
「……発動しません」
「……この五枚をデッキに戻す」
『イービル・ソーン』
『イービル・ソーン』
『夜薔薇の騎士』
『薔薇の妖精』
『ブラック・ローズ・ドラゴン』
十六夜
手札:0→2
「……『フェニキシアン・シード』の効果。フィールド上のこのカードを墓地へ送ることで、手札の『フェニキシアン・クラスター・アマリリス』を特殊召喚する」
「なっ!」
『フェニキシアン・クラスター・アマリリス』
レベル8
攻撃力2200
(まずい、あのカードの効果は!)
「『フェニキシアン・クラスター・アマリリス』が破壊され墓地に送られた時、相手ライフに800ポイントのダメージを与える」
(私のライフが残り700、彼女が500……)
「通すわけにはいかない。速攻魔法『六武衆の理』! フィールド上の六武衆と名の付くモンスターを墓地に送り発動。墓地の六武衆と名の付くモンスターを特殊召喚する。『真六武衆-シエン』を墓地に送り、『真六武衆-エニシ』を特殊召喚!」
『真六武衆-エニシ』
レベル4
攻撃力1700
「あの人何やってんの! 攻撃力2500の強力モンスターを!」
「……いや、ああするしかない」
「え?」
「『真六武衆-エニシ』の効果。墓地の六武衆と名の付くモンスター二体を除外し、フィールド上のモンスター一体を手札に戻す。この効果は、相手ターンにも発動できる。墓地の『真六武衆-シナイ』、『真六武衆-ミズホ』を除外し、『フェニキシアン・クラスター・アマリリス』を手札に戻して頂く!」
「……」
十六夜
手札:1→2
エニシが目の前に刀を掲げ、その刀が光を発した瞬間、『フェニキシアン・クラスター・アマリリス』はゆっくりとその姿を消していった。
「アマリリスの効果でダメージを受けるのは、そのカードの破壊時のみ。手札に戻った場合なら、ダメージは発生しない」
「そうか! そのためにエニシを!」
「だが、同時に静花は切り札を失った」
「あ……」
「『
『薔薇の聖騎士』
レベル4
攻撃力1800
「エニシを超えるモンスターを、握っていましたか……」
「『薔薇の聖騎士』で、『真六武衆-エニシ』に攻撃!
『薔薇の聖騎士』の槍をエニシは受け止めるも、二撃目には串刺しとされてしまった。
「くぅ……エニシ……」
静花
LP:700→600
ヒュッ
「はっ」
バキィ
すんでの所で、こちらへの剣撃を避けたものの、一瞬反応が遅れ、剣が仮面にかすれたことで、左の角が砕けた。
「ターンエンド」
十六夜
LP:500
手札:1枚
場:モンスター
『薔薇の聖騎士』攻撃力1800
魔法・罠
無し
静花
LP:600
手札:0枚
場:モンスター
無し
魔法・罠
無し
「私のターン……」
静花
手札:0→1
(く……もう面は限界ですね。次に何かあれば……)
「この……この化け物!! 静花に何てことしやがるんだー!!」
「!?」
「俺達の命の恩人にケガさせるんじゃねー!!」
「静花をこれ以上ケガさせたらタダじゃ済まさねーぞ!!」
「皆さん……」
「……随分な人気ね」
「……?」
突然、初めて十六夜の方から声を掛けられ、静花は疑問に顔を向けた。
「さっきあなたは、仮面を着けている者同士、反応が違うと言っていた。今もあなたはこれほどまでに大勢の人間に愛されている。そのくせさっきから自分の素顔を見られることを恐れている。昨日とは服装まで変えて、少しヒビが入る度に仮面に手を掛けて」
「……」
「何もかも私とは真逆の場所にいる人間が、本当の私を知りたいなんて……笑わせるわね」
「……そうですね」
十六夜に返事をしながら、静花はゆっくりと立ち上がった。
そして、
ガァン!!
鞘に収まった刀で地面を叩く。たったそれだけで、会場中に響く轟音が生じた。
そして、それにより、また観客達は沈黙した。
「皆さんにお聞きしたい」
先程と同じように、雰囲気は静かながら、よく通る声で呼びかける。
「私と彼女、これほどの扱いの差とは何なのです?」
『……』
「確かに私はあなた方を助けましたが、よく考えて頂きたい。あの瓦礫は、彼女が力を発生させる以前に、私が傷つけた床から生じたもの。つまり、私もある意味で言えばあなた達に被害を与えた。そうではありませんか?」
『……』
その問い掛けにも、誰も答えない。
だが、誰もが思っていた。
それは別問題だ。関係無い。静花のせいじゃない。静花は自分達を守ってくれた。
と。
「それでもあなた方は、私にそんな言葉を掛けて下さるのですか?」
『……』
「ならば、私がサテライトの人間であるとすればどうです?」
『え!?』
「そう。私は、サテライトで生まれ育った人間だ。あなた方の大嫌いな、サテライトの人間だ」
「サテライトって……」
「マジかよ……」
「静花が、サテライト出身……」
「だからあんな仮面を……」
その告白に、新たに発生したものは、
「うわぁ……」
「最悪……」
開会式の時と同じ、冷たい空気と吹聴だった。直前まであれほど、命の恩人だ、英雄だと持ち上げておきながら、彼が蔑むべき場所の生まれだと知った途端、あからさまに手の平を返す。
先程の静花の姿に、静花が嘘をつく人間ではないと分かったこともあったのだろう。観客達を脅迫したこともあったのかもしれない。
ともあれ、観客達の中に直前まであった静花への思いは、皆無となってしまった。
「これで、少しはあなたと同じになれたでしょうか」
「……そのために、そのことをばらしたの?」
「ええ。あなたが素顔でそこに立っているのに、私だけが全てを秘密にしているのは、確かに不公平だ。そうしているうちは、あなたのことを知る資格はありません」
「……どうかしてる」
「心配して下さるのですか?」
「……」
十六夜は答えないが、その表情は、完全に混乱に染まっていた。
今まで、ここまで自分と同じ目線に近づいてくれる人間は、一人しかいなかった。自分を見つけ、導き、変えてくれた存在、ディバイン。彼もまた、自分と同じく特殊な力を持っていた。だから、同じ力を持つ人間としても信頼できた。
なのに、目の前に立つ静花は普通の人間だ。先程から人間離れしている部分もあるが、特に特殊な力を有しているわけではない。そんな、普通の人間が、自分と同じ場所へ、自分から近づこうとしている。ただ、自分のことを知りたいがために。
「どうしてそこまで……あなたも、傷つくのは同じでしょう……あなたは、平気なの?」
「……十六夜さん。あなた、変わりましたね」
「……私は何も変わらない」
「そうですか……それがあなたの、本来の姿なのかもしれませんね」
「バカなことを言うな……」
「では言わせて頂く……十六夜さん」
「あなたは今、その思いに揺らいでおります!」
右手に持った一枚のカード。それで十六夜を刺しながら、言い放った。
「……黙れ……黙れ……!」
「カードを伏せます! これでターンエンド!!」
静花
LP:600
手札:0枚
場:モンスター
無し
魔法・罠
セット
十六夜
LP:500
手札:1枚
場:モンスター
『薔薇の聖騎士』攻撃力1800
魔法・罠
無し
「私は変わらない……揺らぎなどない……私のターン!!」
十六夜
手札:1→2
「十六夜さん! 思いの無い人は、何かを恐れることはありません。あなたは何に脅えているのです? 傷つけることですか?」
「魔女である私に、脅えなど無い! 私には、ディバインがいる。だから全て許される!! 『
『夜薔薇の騎士』チューナー
レベル3
攻撃力1000
「レベル4の『薔薇の聖騎士』に、レベル3の『夜薔薇の騎士』をチューニング!」
再び同じ光景。『夜薔薇の騎士』が三つの星に変わり、『薔薇の聖騎士』を包む。
「力を恐れ、自分を恐れ、全てを否定し、それでもなおそんな自分を許してくれる誰かを求めたのは、人である証だ!」
「……っ! 冷たい炎が、世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け……」
「笑い、憎み、怒り、震え、また笑う……」
「胸を張れ!! あなたは誰より人らしい!!」
「……っ!! シンクロ召喚!! 現れよ、『ブラック・ローズ・ドラゴン』!!」
『ブラック・ローズ・ドラゴン』
レベル7
攻撃力2400
「それ以上喋るな!! 聞きたくない!! 『ブラック・ローズ・ドラゴン』!!
『グォオオオオオオオオ!!』
「何もかも壊せ!! ブラック・ローズ・ガイル!!」
ビュオオオオオオオオオオオオオオオオオオ……
「きゃあ!!」
「うわあ!!」
バキバキバキバキ……
再び巻き起こる突風。破壊される会場。そして、上がる悲鳴。
「これ以上、あなたの手で誰も傷つけさせない……罠発動! 『諸刃の活人剣術』!!」
「っ!!」
「墓地に存在する六武衆と名の付くモンスター二体を特殊召喚する! 墓地の『真六武衆-エニシ』、『真六武衆-シエン』を特殊召喚!!」
『真六武衆-エニシ』
レベル4
攻撃力1700
『真六武衆-シエン』
レベル5
攻撃力2500
「エニシの効果発動! 墓地の『真六武衆-カゲキ』、『真六武衆-キザン』を除外! 『ブラック・ローズ・ドラゴン』を、手札ではなくエクストラデッキに戻して頂く!!」
先程の『フェニキシアン・クラスター・アマリリス』と同じ、エニシの光で、『ブラック・ローズ・ドラゴン』がゆっくりと消えていく。
しかしブラック・ローズ・ガイルの衝撃は、もはやモンスター効果のみで止められるものでは無くなっていた。いくつもの巨大な瓦礫が宙に舞い、客席にこそ届いていないものの、二人の頭上に集中している。そして、『ブラック・ローズ・ドラゴン』が完全に姿を消した時、支えを失った瓦礫は重力に従い、十六夜らを目がけて落下していく。
「きゃあ!!」
「うわぁ!!」
その光景に、自然と観客達は悲鳴を上げた。これから起こるであろう惨劇に、固まる者、思わず目を覆う者、目を見開く者。
そして、十六夜もまた、その光景を無言で見上げることしかできない。
「くっ……やるしかない」
静花は刀を、目前に構える。
(……おい、まさかやる気か!?
「忘れたわけではない。しかし、これしか、あれをどうにかする手段を私は知らない」
(だったら、私が場に出てるんだ、私がやる!)
「ダメだ!!」
(……!!)
「これは私の決闘。私と、十六夜さん以外の、誰の手出しも許さない……」
(梓……)
「……」
(……どれだけ強固な力を身につけても、どれだけ綺麗事を
(それでもなお、誰かを守りたいと願うなら、その罪を背負い、そして、それを償う覚悟を……)
「……!!」
「
静花が叫び、上へ向かって飛び上がり、その場から消えた、その瞬間、
ブァアアアアアア……
空中に集まっていた巨大な瓦礫は、音も無く、一瞬にして粉々となった。それはまるで、空高くに存在する暗雲が、一瞬にして広がる光景にも似ていた。そして一瞬の後、砂となったそれが決闘場に振り注いだ。
そして、鞘に収まった刀を手に、静花は再び舞い降りた。
「これがあなたの罪だ……」
そして、その姿は今まで通りのようで、般若の面のヒビはもはや全体に広がり、いくつもの破片が地面へ落ちていた。
「……ターンエンド」
十六夜のエンド宣言。
観客を助け、自分さえ助けた静花の姿。何より、手札にも、フィールドにもカードは残っておらず、自分に勝ち目は無い。それを察し、完全な敗北を認めて行ったエンド宣言。
スゥ……
その瞬間、静花のフィールド上の二体のモンスターは、徐々に煙となりながら消えていった。
「これは……」
「……『諸刃の活人剣術』の効果で特殊召喚された六武衆達は、そのターンのエンドフェイズに破壊される。そして私は、その六武衆達の攻撃力の合計分、ダメージを受ける」
静花
LP:600→0
パラパラパラ……
「あなたの勝ちだ。十六夜アキさん」
静花が話している最中も、破片が地面に落ちる。ちょうど下半分が落ち、笑みを浮かべる口元から、鼻先にかけてまでが露わになった。
それでも、静花は話すことをやめない。
「良き決闘を、感謝致します」
その一言の直後、面は完全に剥がれ落ちた。
ずっと、面に隠されてきた静花の素顔。
それが、露わになった。
お疲れ~。
前書きで言ってたミスだけど、『六武衆の理』で『真六武衆-シエン』を墓地に送って『真六武衆-エニシ』を特殊召喚したとこ。
エニシの効果で『フェニキシアン・クラスター・アマリリス』を手札に戻したけど、あれ、場にエニシ以外の『六武衆』がいないと効果の発動できないんだわ。
作中じゃ静花のフィールドにはエニシだけだった。そのこと見落として修正不可能になってしまった。こっちも原作効果ってことでスルーしといて。今後も直す自信無いから。
本当にごめんなさい。
そんじゃオリカ。
『薔薇の聖騎士』
レベル4
攻撃力1800 守備力1200
このカードがモンスターを戦闘破壊した時、このカードをリリースすることで、手札の「ローズ」と名の付いたモンスター一体を特殊召喚することができる。
漫画版5'Dsにて、十六夜アキが使用。
まあバトルフェイズ中に効果を発動できれば効果で追撃もできるかな。手札に三枚揃ってたら場がこいつ一体だけでも最大で四回攻撃もできるし。
けどアニメ版じゃ「ローズ」なんて少ないからなぁ。他にいいカード無かったから許してほしいけど。
じゃ、次もいつになるかは分からんが、なるだけ急いで書きあげますわ。
待っててね。