東方嫉妬姫   作:桔梗楓

12 / 47
挨拶回りの閑話…メインヒロインサイドのお話です。
最近出てなかったから、上手く書けてるか分かりませんが…。


11話 嫉妬姫の憂鬱

彼が…碧が地上に上がってから一週間。

 

最近、私はいつも彼の事を考えている。

 

もう、外の世界に帰ったのか?

 

もしくは、地上で他の妖怪に襲われていないだろうか?

 

心配は尽きない…。

 

私をこんな気持ちにさせるなんて…でも何ででしょう?不思議と彼の事を考えると妬ましいという気持ちは無くなる。

 

そんな時、地底の道案内役のヤマメとキスメが遊びに来てくれたわ。

 

「や~パルスィ。元気にしてるかい?ここ最近は変わったことも無くて暇だね~」

 

「(コクコク)」

 

「あなた達…だからと言って、橋の横で宴会を始めるのはどうなのかしら?」

 

「まぁ、気にしなさんなってね。しかし、あの時の人間はもう帰ったのかね~?」

 

「ヤマメ?あの時の人間って?」

 

もしかして…彼の事かしら…?

 

「あぁ…一週間くらい前にね、地底に迷い込んだ外来人がいたのさ。見た目は地味な感じだったけど、話してて、良い奴だっていうのは直ぐに分かったよ」

 

やっぱり…碧の事だ…。でも、彼はまた、髪を下したのかしら?地味って言ってたし…。

 

「(フルフル)!」

 

「ん~、どうしたキスメ?…何?髪とメガネで隠れてたけど、顔立ちは綺麗だったって?本当かい?それは見ておくんだったね~」

 

キスメは喋る事は少ないけど、代わりに人を見る目はすごい…。でも、やっぱり碧はそう見えたんだわ…あぁ…妬ましい。

 

「そういや、パルスィはそいつには会ってないのかい?」

 

「いいえ、会ったわよ…多分、この幻想郷で一番最初に会ったのが私じゃないかしら?」

 

なんだろう…言っててちょっと誇らしい気分になる…。

 

「あぁ、それであたし達の事を見ても動じなかったんだねぇ。しかし、最初に会ったのがパルスィか…。聞かれたんじゃないのかい?それについて?」

 

ヤマメが言っているのは私の耳だろう…。まぁそれくらいに、この耳は特徴的だから仕方がないのだけれど…。

 

「えぇ…もちろん聞かれたわ…。でもね…碧は…「名前呼び?!」うるさいわね…彼は…言ってくれたの…”可愛らしくて素敵だ”って///」

 

あれは嬉しかったわ…。あの言葉を思い出すと…今でも胸が温かくなる…。

 

「…って何よその目は?言いたいことでもあるの?」

 

「いえいえ…ごちそうさまでしたってね。しかし、ようやくパルスィにも春が来たのかねぇ?」

 

ちょっと?!そんなんじゃ…いえ…この気持ちは…。

 

分からない…裏切られたあの時から、私の心は凍りついてしまった…でも…。

 

「否定はしないわ。でも、私は彼に外の世界に帰る様に言った。あれから一週間…何にも音信が無いってことは、もう帰ってしまったんでしょう…」

 

そう考えると、我ながらもったいない事をしたんだなと思うわ…あぁ…何で引き止めなかったのかしら…自分自身が妬ましい…。

 

「そんなにシュンとしなさんな。もしかしたら、こっちに残ってるかもしれないよ?」

 

「だとしても、態々地底まで来る理由が無いでしょう?彼は只の人間、普通に歩いているだけでも危険なのに…」

 

「やれやれ…こりゃ重症だねぇ…。キスメ…何とかならないかね?」

 

「(フルフル)」

 

「だよね~。…それなら、幻想郷の賢者様にでも聞いてみるかい?彼女なら彼の行方も知っているだろうし?」

 

「いえ、いいわ。期待して裏切られるのにはもうこりごりよ…。さぁ…お酒が足りないわ…旧都から調達してきましょう!」

 

そう言って私は一人旧都へと駆けて行く…あぁ…できるならもう一度…彼に会いたい…。

 

そして、もしまた会えたなら…この気持ちが何なのか確かめてみたい…そう、思いながら私は旧都へと向かった。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

「はぁ…こりゃ重症だねぇ…。何とかしてあげたいけど…ん?どうしたキスメ?」

 

「(パタパタ)」

 

「何?…もしかしたら、そう遠くない内に再会できるかも…だって?あんた予言なんて出来たのかい?」

 

「(フルフル)」

 

「違う?…女の勘?…まぁ…それが当たれば面白いんだけどねぇ…やっと見つけた小さな春…できれば届けてあげたいよ」

 

そんな彼女達の願いは、そう遠くない内に叶う事になる…。

 

キスメの女の勘は、鋭かったのだと後にヤマメは語る。

 




今回は短めでした。
まぁ再開は近いのでそれまでの繋ぎになればと思い書きました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。