東方嫉妬姫   作:桔梗楓

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太陽の畑編…考えていたよりも長くなりました。
やっとパルスィとのデートです…がタイトルの通り姉二人との初対面になります。
ですが、特に修羅場などは無いので安心して下さい。


26話 太陽の畑~姉と嫁の対面~

あれから、三日後…―――

 

幽香さんから、向日葵の一番の咲時期を教えて貰った僕は、今度はパルスィさんと二人でこの、太陽の畑に来ている。

 

流石に前回の事で懲りたので、今回はスキマで丘の手前まで送って貰ったのだけど……。

 

『お土産は二人の愛の結晶でいいわよ~』と、凄まじい爆弾発言に二人して顔を真っ赤にしていた。

 

―――――――――――――――――――――

 

「さ、さて、気を取り直して行きましょう!この丘の先に、碧のお勧めのスポットがあるのかしら?」

 

そう言いながら無邪気にはしゃぐパルスィさん―――今の彼女の姿は白いワンピースに麦わら帽子

 

――…今まで見た事が無かった姿に、僕自身かなりドキドキしている。……だってあれ…反則でしょ?

 

普段着ているのは、秋を基調としたペルシアンドレス。

 

しかし、それは今日が一転、紫さんのお下がりとはいえ、純白のワンピースに可愛らしいミュール

 

麦わら帽子で分かりにくいが、髪形も、後ろでポニーテールの様に結んでいる。あぁ……本当に可愛いなぁ…。

 

それから、僕達は熱中症にならない程度に水分補給をし、咲き誇る向日葵を見て回った。

 

「へぇ……向日葵って、こんなに大きくなるものなのね。地底に居たら分からなかった事ばかり…ホント、碧は私を楽しませてくれるんだから♪」

 

始めてみる大きな…そして、圧倒的な量の向日葵…。喜んで貰って何よりだよ。

 

「そうだ!せっかくだからさ、丘の上から、二人で写真を撮ろうよ!」

 

「えぇ、賛成よ♪こんな綺麗な花と写れるなんてね…幸せだわぁ」

 

そして、カメラをセットして………よし

 

「じゃあ撮るよー!」

 

そして、二人で腕を組みながら……「ハイチーズ♪」

 

「うん、よく撮れてるよ……ってパルスィさん?どうしたの?」

 

何かあったのかな?って幽香姉さんの家を見てるな……まぁいつまでも隠しておけないし…それに折角招待を受けてるんだ

 

「ねぇ…碧、あの家って?「実はね」…ひゃい?!」

 

「あの家の人とは…その……知り合い?で、パルスィさんさえ良ければ今から会いに行かない?」

 

ちょっと戸惑ってはいたけど…―――

 

「―――うん。碧の知り合いなら、会ってみたいわ♪」

 

「それは良かった。それじゃあ行こうか」

 

そうして、二人は汗に塗れた手を気にせず、ずっと繋いだまま幽香の家に着いた。

 

さて、確か待ってるからって言ってたけど……?

 

「(リンゴーン)こんにちわー、幽香姉さんいますかー?」(姉さん…?)

 

すると中から凄まじいスピードで……――

 

「――会いたかったわよ碧♪「むぐぅっ?!」…あら?そちらが例の彼女さんかしら?アリスちゃんにも教えてあげないとね♪」

 

そうして、僕を胸に抱いたまま居間へと向かう……この展開には、流石のパルスィさんも付いていけなかったみたいだ。

 

―――――――――――――――――――――

 

「さて、改めて自己紹介をさせて貰うわね。私は『風見幽香』この太陽の畑の管理人で、今は碧のお姉さんなの。あなたの事は聞いてるわ。よろしくねパルスィ」

 

「私は、『アリス・マーガトロイド』…本来魔法の森の魔法使いなのだけど…、今日は碧が来るって聞いたから此処にいるの。あ、私も碧のお姉さんね。よろしく、パルスィ」

 

すごく、何かを言いたそうな瞳でこちらを見てくるパルスィさん……――――

 

「―――えっと、私は『水橋パルスィ』碧とお付き合いさせて貰っています…けど…なぜ、お二人は碧から姉と呼ばれているのでしょうか?」

 

うん、そこだよね。でもね―――

 

「あら?何もおかしい事は無いでしょう?恋人ではなく、別の方向で碧と一緒にいたい。そうなると、姉と言うのが一番良い選択肢だと思ったのだけど?」

 

特に悪びれた顔も無く…むしろ当たり前の様に答えてくる幽香さん。――さしものパルスィさんもこれには驚いたみたいだ。

 

「なら、二人は……その碧の事が好きとかは…?「やぁーん!可愛い!」むぐっ?!」

 

「これなら、お嫁さんじゃなくて妹でもいいわねぇ……「むぐぅ!むうぅ!?」あら?それは嫌なのね?ふふっ…冗談よ?碧のお嫁さんはパルスィさんだけですからね♪「ぷはぁ…はぁ…その…ありがとう…ございます…///」…碧が惚れるのも分かるわ…くすっ♪」

 

「そ、それはどうも……でも、いきなり姉なんて言われたら、流石にビックリしますよ!……でも、私も幽香姉さんって呼ぶのは嫌じゃないです…///」

 

すると幽香さんが再び…

 

「ああもう…二人して可愛いんだから!「むー!むー!?」ってあら……くんくん…このクチナシの匂い…あらあら♪」

 

「ふぁ…?どうしたんですか?幽香…姉さん?」

 

すると、パルスィさんにだけ聞こえる声で囁く…

 

「こんなに碧の匂いが移るくらい、毎日してるのかしら?お姉さん、ちょっと妬けちゃうわ♪(小声)」

 

「?!?!?~~~~//////」

 

百面相をしているパルスィさん……何を言われたんだろう…?

 

それから、アリスさんを交え四人でお茶をする…こういうのも家族団らんって感じでいいなぁ…。

 

「と、ところで、お二人はどうして碧の姉に?ここに来た事と何か関係があるんですか?」

 

「あら?碧?パルスィには、言わなかったの?」

 

ギクリ?!―――するとアリスさんから…

 

「こらっ!!ダメじゃない碧!……彼女に心配を掛けたくないのは分かるけど…あなた、一歩間違ってたら死んでたのよ?」

 

すると、それを聞いたパルスィさんが焦った表情で幽香さんに問い詰める…

 

「ちょ、ちょっと待ってください幽香さん!それ…どういうことですか?!」

 

はぁ……やっぱりこうなるよね……でも、もうばれたなら仕方がないか…。

 

そうして幽香さんの口から、初めて僕が太陽の花に訪れ、そして、熱中症で倒れていた事を話された。

 

すると隣にいたパルスィさんが俯いて…――

 

「っ、うぅ、っ…ぐすっ…!ひっく…っ…!怖かった…ぁっ…!怖かったよぉっ…!」

 

え?!うそっ?!……なんで!?

 

「碧を失ったらっ…!もう二度と会えなくなるって思ったらっ…!うぁぁあっ…!」

 

そっか…幽々子さんからも言われてたな…自分の事も大切にって…はぁ…この辺はもっと気を付けないとな…―――でも

 

「心配かけてごめんね…。だけど…僕もずっとパルスィさんと過ごしたい…生きて幸せになりたいから」

 

そして、パルスィさんが泣き止んで、落ち着くまで。

 

何度も、何度も「大丈夫だから」と声を掛け、頭を撫で続けた…。

 

―――――――――――――――――――――

 

「お見苦しいところを見せてしまい、すみませんでした…///」

 

恥ずかしそうに俯くパルスィさん…今回は、全面的に僕が悪いんだけど…

 

「いいのよパルスィちゃん?私達だって、碧が居なくなったらと思うと胸が張り裂けそうになるもの…」

 

「そうね…偶々幽香が見つけたから良かったものの…もっと自分を大切にしなさいよ?」

 

幽香姉さんとアリス姉さんからも言われる…

 

「ごめんなさい…返す言葉もありません…」

 

紫さんや幽々子さんとも違う感情…姉に怒られるってこんな感じなんだな…。

 

それからしばらくの間、四人で色んな話をした。

 

僕と出会った時の事やパルスィさんとの馴れ初めなど…話しててちょっと恥ずかしかったけど、同時に嬉しくもあった――

 

だってそうでしょ?…それだけパルスィさんとの思い出が増えたって事なんだから。

 

パルスィさんも二人と打ち解け…それぞれ、『幽香姉さん』と『アリス』と呼ぶようになった

 

(幽香姉さんはパルスィちゃん、アリス姉さんはパルスィ…と呼んでいた)

 

そんな話をしていると……――

 

「うん、碧も反省しているようだし…そうね…罰として、また一緒にお風呂に入って貰おうかしら?「ちょ、ちょっと待って?!」あら?どうしたのかしらパルスィちゃん?」

 

そうだ…その事も忘れてた…というか忘れたかった…。

 

「私の聞き間違いじゃなかったら…その…『また一緒にお風呂』…と聞こえたんですが…?」

 

ダークなオーラを漂わせるパルスィさん…、そして少し悪戯っぽい顔をした幽香姉さんとアリス姉さん……あ、これまずい(冷や汗)

 

「あら?碧ったら…私達と一緒にお風呂に入った事も伝えてなかったのかしら?あんなに熱い時間を一緒に過ごしたのに…連れないわねぇ」

 

幽香姉さん?!熱い時間って僕の看病してた時だよね?!

 

「そ・れ・に…私達の裸も、まじまじと見てたし…碧のいけずさん♪」

 

あれは無理やりそっちを向かせたからだよね?!それにまじまじと見てきたのはアリス姉さんだよね?!

 

「………み~ど~り~?」

 

後ろから、凄まじい嫉妬のオーラが……うわぁ…振り向きたくない…――すると幽香姉さんが…

 

「嫉妬してるパルスィちゃんも可愛いわね~♪「ふぇっ?!ゆ、幽香姉さん///」そ・れ・な・ら~、今からみんなで入っちゃいましょうか?」

 

幽香姉さん?!「いいわよ…///」パルスィさんも?!アリス姉さんは……あ、恍惚とした表情してる…またあの辱めを受けるのか……

 

「……あの…僕も…ですか…?「「当然でしょ?(私とは入れないわけ?)」」……ですよね…」

 

―――――――――――――――――――――

 

そんな訳で、再び幽香姉さんの家のお風呂場に……相変わらず広くて、景色もいいんだけど……

 

「――うぅ…タオルで隠してるけど、やっぱり落ち着かない…っていうか何でここに来たらお風呂に入らされるんだろう…」

 

『碧、もう湯船に入ったかしら?私達も入るわよ?』

 

すると、幽香姉さんの声がし―――

 

「今回は”色々”と大丈夫みたいね♪湯加減はどうかしら?」

 

バスタオルに身を包んだ幽香姉さん――

 

「全く……前にじっくり見たんだから堂々としてなさいよ?」

 

と、小さなタオルで前を軽く隠しただけのアリス姉さん―――もっと恥じらいを持ってください///

 

「こんな明るい時間に…しかもよそ様の家でお風呂に入るなんて……恥ずかしいわ///」

 

恥じらいながら入ってくるパルスィさん……なんだろう、いつもよりも色っぽい気がする…―――すると幽香さんから…

 

「あら?二人とも何でそんなに照れてるのかしら?二人は全部見せ合った仲なのでしょう?「「~~~?!?!」」あらあら、可愛いわねぇ♪」

 

そうして湯船に浸かる前に女性陣が身体を洗い始めたんだけど……―――

 

「あら?パルスィちゃん…胸の形が綺麗ねぇ?大きさも良い感じだし…肌もすべすべ…うふふ♪誰の為に磨いてるのかしらね?」

 

「ちょっと?!幽香姉さん?!どこ触って…ひゃうん?!…~~~」

 

「私よりも大きい……妬ましいわね……もう少し大きくならないかしら…ブツブツ……」

 

アリス姉さん…それキャラが違うよ……。それから幽香姉さん、前のアリス姉さんみたいになってるよ?

 

「ちょっと碧!聞こえてるなら助けて…きゃんっ?!「ふふっ♪ここもとっても敏感なのね♪」幽香姉さん~///」

 

聞こえてるから動けないんだよ?!

 

「むぅ……碧がそのつもりなら…こっちにも考えがあるわよ?」

 

え?パルスィさん?何をするつもりなの?

 

「幽香姉さん!アリス!三人で碧の身体をピカピカに磨いてあげましょう♪」

 

え?……嘘だよね……?

 

「あら?それは良い考えね♪」

 

幽香姉さん?!

 

「彼女公認なら何の問題も無いわね…今度こそじっくり…ふふっ…♪」

 

アリス姉さん?!その発言は色々とアウトだよ?!

 

「さぁ…碧?……覚悟は出来たかしら?」

 

パルスィさん…?……あなた彼女ですよね?……なんでそんなに楽しそうなんですか…?

 

「さ、流石に女性から洗って貰うのは色々と問題が…「問答無用♪」ちょっと?!」

 

そのまま、幽香姉さんとパルスィさんに無理やり浴槽から引っ張り上げられ、椅子に文字通り置かれた…――

 

…そうだよ、忘れがちだけど二人とも妖怪だから力とか僕より断然強いんだった…。

 

「さて、じゃあどう洗いましょうか?幽香姉さん?」

 

「そうねぇ…なら、右手をアリス、左手をパルスィちゃん…背中を私…でどうかしら?」

 

え?本当に三人掛かりで?…いや、流石にまずいよ…?

 

「あら?てっきりパルスィに、背中を洗わせるのだと思ったんだけど?」

 

絶対に幽香姉さん、良からぬ事を考えてるよ……。

 

「ふふっ……この前あなたにされた事をしてみようと思ってね♪」

 

幽香姉さんがアリス姉さんにされた事……?……え…?……まさか……そんなバカなね(ムニュっ)…?!?!?

 

この…恐ろしく柔らかくて温かい感触……

 

「じゃあ洗うわね♪…んしょ…んっ…思ってた以上に洗いにくいわねコレ…」

 

動くたびにフニフニと形を変えるそれは……―――

 

「ゆ、幽香姉さん?!な、何をやってるんですか!!」

 

「んっ?何…って?この前アリスからされた…こと?……気持ち良かったから…んっ…してあげてるのだけど…?」

 

「それは色々とまずいですから!?お願いですから普通に洗って下さい!」

 

そう言って、タオルを渡すパルスィさん……―――正直危なかった…いや、今でも十分に危ないんだけど…――

 

「……助かったよパルスィさん…ってパルスィさん?…なんで腕に噛みついてきてるの…?ちょっと痛いんだけど…それに、歯形が付いちゃう…」

 

そう、幽香姉さんにタオルを渡したパルスィさんは、何故か僕の腕に噛みついていた…これって…――

 

「むぐぐ(なによ)「あらあらパルスィちゃんたら、大丈夫よ取らないから♪」…ぷはっ?!そ、そんなんじゃないですから…///」

 

「ふふっ…本当に仲が良いわね♪仲直りもしたみたいで安心したわ♪(元はと言えば姉さん達が…まぁいいや…)」

 

それから、普通に洗って貰い(前は流石に自分で洗ったけど)、四人で湯船に入った……あぁ…死ぬほど恥ずかしかった…///

 

―――――――――――――――――――――

 

「ところで、パルスィちゃんは碧の体質について何か知ってるかしら?」

 

「体質…ですか?…えっと…魂の質…四魂の一つ幸魂の特性が強いって事は聞いてますけど…?」

 

あぁ…やっぱりパルスィさんも知らなかったんだ……

 

「これは、この前碧にも話したんだけど…――」

 

それから幽香姉さんは『挙体芳香』について話してくれた

 

「へぇ…そんな体質があったんですね…。あぁ、だから碧とくっ付いてると癒されるのかしら?」

 

え?…それは初耳なんだけど…?

 

「そうね…クチナシの匂いには、リラックス効果があるから…もしかしたら嗅覚の良い妖怪は、それで癒されてたかもしれないわね♪」

 

知らなかった……。それにパルスィさんもなんだか納得してるし…「それに」…幽香姉さん?

 

「今こうして一緒のお風呂に入ってるだけでも、その匂いが感じられるでしょう?」

 

うそっ?!……そうなの?!

 

「そうね。前の時もそうだったけど…こうして改めて匂ってみるとすごい癒されるわね~」

 

そう言いながらお湯をすくって匂うアリス姉さん。前も…って……それってある意味…天然の入浴剤みたいなものかな…?

 

「でも…。その匂いがうつるくらい、二人はいつもくっ付いてるって事よね♪「ぶっ?!」え?私、何か変な事言ったかしら?」

 

「アリス…そういう事は分かってても言わないのがマナーよ?(さっきこっそり言っちゃったけど…)見てみなさい?二人のあの顔を…」

 

そう、僕とパルスィさんは傍目に見て分かるほど顔を真っ赤にして俯いている…だってねぇ?

 

”そういう事”をしてるって言われてるみたいだし……///……まぁ、してるけど…―――

 

「ま、まぁそれは置いといて!二人は…その、碧を見つけた時に何で助けようと思ったんですか?普通、こんなに良い匂いの人間なら…」

 

言葉を濁しながらパルスィさんが質問する…――

 

「あぁ…その辺も説明しておかないとね。そうね…正直、最初は確かに自分のモノにしたいと思ったわ…「っ?!」…でもね…それ以上にこの子を守ってあげたいと思ったの…。苦しむ彼を助けてあげたい…そう、母性本能が刺激されたのよね…」

 

それを聞いたパルスィさんは何かを納得した様に…

 

「なるほど、それで”姉”なんですね。……その、感謝します」

 

それを見た幽香姉さんとアリス姉さんは…

 

「くすっ…いいのよ?それが私達の選択だから。それに、あなたの事も…守らせて貰うわ「幽香…姉さん…」…ふふっ、可愛い姉妹が増えるのは歓迎よ♪」

 

「私としても、対等に話せる友人が増えるのは嬉しいわ。力はパルスィの方が上だけど…それでも、私も碧のお姉ちゃんとして、あなたの友人として守らせて貰うわね♪」

 

「アリス…ありがとう…ぐすっ…」

 

感極まったパルスィ…こういう関係も羨ましいな…

 

それから、お風呂でゆっくりした後…今回は、別々に上がり再び居間でのんびりとした時間を過ごした。

 

「そうだわ、良かったら二人とも晩御飯を食べて行かないかしら?」

 

と幽香姉さんから提案される。そういえば幽香姉さんもアリス姉さんも洋食が得意なんだよね…折角だからお手伝いしてレシピを覚えたいな…。

 

パルスィさんの方を見ると笑顔で頷いてくれた…よし。

 

「あの…幽香姉さん。「何かしら?」…その、良かったら僕にも手伝いをさせて貰っていいかな?」

 

「今日はお客様だからゆっくりしてていいのよ?」

 

「えっと…実はね、幽香姉さんの作る洋食が美味しくて、簡単な物で良いからレシピを覚えたいな…って思って…むぐっ「ん~、いい子ね~♪」ん~!」

 

「あら…ごめんなさい。つい嬉しくなっちゃって♪そうね…なら今日は、簡単に作れる”ハヤシライス”なんてどうかしら?」

 

ハヤシライス…ふと思ったら食べたくなるんだよね。

 

カレーやシチューとは違うまろやかさと酸味…お肉に浸み込んだ味の奥深さ…あぁ…考えただけでもお腹が減ってきた…。

 

「うん!それでお願い!幻想郷に来てから食べてなかったから…とっても楽しみだ!」

 

「まぁ幻想郷は和食が多いから、仕方がないわね…魔界だと洋食の方が多かったのだけれどね」

 

魔界?…まぁ今はそれよりも……―――

 

「じゃあ今日は私と碧の二人で作りましょう♪アリスとパルスィちゃんは居間でゆっくりしてて頂戴」

 

そして、幽香さんと二人で料理を始める……何だろう…すごく楽しみ♪

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

「ふふっ♪とっても楽しそうに二人とも料理をしてるわねぇ」

 

そうして、アリスは二人からこちらに視線を向けてくる。

 

アリス…碧が姉と呼ぶ魔法使い。

 

幻想郷の住人には年齢という概念がないけど……話していて緊張しない人

 

そして幽香姉さんも……うん、私にとって初めて姉と呼んだ頼れる人

 

最初、碧から此処を紹介されたときは正直焦ったわ。また、落としたのか…と。

 

でも、二人はそんな私の気持ちを見透かしたように、自分たちの事を”姉”と言ってくれた。

 

地上と地底の交流が始まらなければ、こうはならなかった……ううん、碧が居なければ、二人に会う事もなかった…。

 

でも、私達は出会った。碧が私の世界を広げてくれた……そういう意味では碧には感謝してもしきれない…――

 

「ねぇ?パルスィはさ、碧のどこを好きになったの?「ふぇっ?!」」

 

思わず変な声が出てしまった……いわゆるガールズトークってやつかな…?

 

「えっと……碧と幽香姉さんには内緒にしてね?「うんうん♪」……えっとね、とにかく優しいところ…かな?…あ、でもね…ただ優しいってだけじゃないのよ?碧ったらね……―――」

 

それからしばらくの間、どれだけ碧が優しいのか、どれだけ素敵なのかを私はずっと語った…――するとアリスから…

 

「くすっ♪ホント、パルスィったら碧の事になると饒舌になるのね~。ちょっと羨ましいな…」

 

…?…羨ましい?

 

「私もね……そんな風に語れる人が、いつか現れたらいいなって思ってね…それに、ちょっとだけど、碧の事も良いかもって思ってたしね…」

 

「っ?!やっぱりアリスも…?「でもね」…?」

 

「さっきも言った通り…碧はあくまで家族…私の大切な弟…ずっと守ってあげたい存在なの……」

 

アリス……―――

 

「碧と出会って、日は浅いけど…私達は彼を家族と…弟と思い、守ることにした……。だから…パルスィ、あなたにはお願いしておきたいの。碧を…私達の大切な弟を幸せにしてあげて欲しいの…頼める立場じゃないっていうのは分かってる…けどねっ…んっ?!」

 

言葉を続けようとしたアリスの唇に指を立て、言葉を止めた…―――

 

「―――付き合いの長さも確かに大切。だけど、幽香姉さんとアリスは碧の事を本当に大切に思ってる。だから、こちらからもお願い。姉として…碧と私が幸せになる為に…手を貸して頂戴」

 

そうして私はアリスと見詰め合い…二人で笑い合った…――

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

「なんだか…二人とも楽しそうだね…」

 

居間から聞こえる二人の笑い声…女同士…何か通じる事があったのかな?

 

「ふふっ…そうね♪あ、後五分くらい煮込んだら味見をして、仕上げるわよ「分かりました」…多分…二人の話は…くすっ♪」

 

…?…幽香姉さんは何か知ってるのかな?

 

「どうしたの?幽香姉さん?」

 

「何でもないわ♪「??」まぁ男子禁制のガールズトークって事で…ね?」

 

そう言われると、何も聞けないよ……―――でも、本当に楽しそうで何よりだ…

 

その夜は、幽香姉さんと作ったハヤシライスをみんなで食べ、色々な話をした……―――こんな幸せな日々を…これからも歩んで行きたいな…

 




長かった太陽の畑編もここで終わりです。
パルスィと幽香、アリスってあんまり関わり合いがなさそうだったので書いてみました。
結局お風呂回が二話も続きました…。
書いてる段階じゃここまで長く書く予定じゃなかったんですが。

ご意見、ご感想、アドバイスなど、よろしければお待ちしております。
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