翌朝、空には雲はなく巡回の天狗がちらほらと飛んでおり、いつも通りの朝である。
二人は朝食を済ませ身支度を整えたところで、ふとにとりが聞いてきた。
「そういえば君には能力があるのかい?」
幻想郷には程度の能力という物があり、持っている物は幻想郷内でもごく僅かである。
「なんで俺に能力があると思うんだ?」
「君がこの幻想郷に来れた理由の1つにでもなるかなって思ってね。」
「ちなみに私のは水を操る程度の能力ね。」
実に河童らしい能力である。
「どうすればその、能力とやらが分かるんだ?」
「イメージだよ、イメージ。」
「イメージ?」
「要は自分の頭の中に聞いてみればいいんだよ、きっと答えてくれるよ。」
碧喜はにとりに言われた通りに自分の頭に、自分自身に問いかける、俺の能力は何なのだと……
「……分かった……」
「やっぱりか ちなみにどんな能力なんだい?」
そう、自分自身が答えてくれた能力それは……
「移動する程度の能力」
「移動する程度の能力? どんな能力だい?」
「やってみせるよ。」
そう言い碧喜は外に出て、大きな岩の前に立った。
「これを……出来そうだな……」
にとりは背後から不思議そうに見ている。
「にとり、見てみな。」
にとりがふと見てみると、
「浮いてるね。」
500kgを超える岩が浮いてるのである。
「浮かばせるだけじゃないぞ、これ動かせるんだ。」
巨大な岩が2人の目の前でぶんぶんと振り回せているのだ。
ふと、にとりが
「それ、飛ばせたりは出来ないのかい?」
よし来たと言わんばかりに碧喜は勢いよく岩を飛ばし、岩は飛んだは飛んだのだが……
15m程飛んで落ちてしまったのである。
そして、巨大な岩が落ちた事による轟音が森の中を響き渡る。
その音はもちろん空にも……
「落ちちゃったね。どうだった碧喜」
「おそらく能力の付与の範囲があるんだろうな」
「そしてこの太刀、これは能力を付与する事が出来て、俺の能力の範囲を広げてくれるんだろうな。」
「何より、角無しの状態でも能力がつかえるのはありがたいな。」
すると、空から羽ばたく音が近づいてきた。
「にとりー、さっきの轟音は君の仕業かい?」
白い犬耳と天狗のような風貌そして手には曲刀と盾を持っている。
「まぁ、私って言ったら私になるのかな?」
「にとり、彼女は誰だ?」
「あぁ彼女は、」
にとりが説明しようとすると……
「貴様は誰だ、なんで人が妖怪の森にいる!?」
「それで、にとり彼女は誰だ?」
「彼女は犬走椛、この妖怪の森の哨戒役の天狗だよ。」
椛は自分の言葉がスルーされた恥ずかしさと悔しさで顔が赤くなっている。
「俺は、九重碧喜。俺は人間の様で鬼で、鬼様で人間なんだよな。」
にとりが呆れ顔で、
「結局どっちなのさ、まぁ今は角が無いし人間でいいんじゃないの?」
すると椛が、
「もう、訳が分からん、斬るッ!!」
椛が勢いよく碧喜に曲刀を振りかざしてくるのを、碧喜は太刀を抜いて受け止めた。
「おいおい、まだ説明中なのに、」
「角がある、貴様人間かそれとも鬼なのか。」
いま、それを説明しようとしたのである。
「まぁいいや、取り敢えず、はい。」
椛がドサリと倒れ込む。そこに、にとりが駆けつける。
「君、椛に何をしたんだい?」
碧喜は説明を始める。
「簡単な事さ、移動する程度の能力で椛の意識を移動させて、気絶させただけさ。」
「なるほどね。そういう応用も出来るんだね、まぁ早く治してあげなよ。」
碧喜は椛の肩に手を当て意識を元に移動させる。
「椛、大丈夫かい?」
「いきなり斬りかかってきて悪かったね。」
「君は一体何物なんだい?」
ーー説明中ーー カクカクシカジカ 四角いムー〇
「なるほど、この幻想郷に来た外来人だが、その太刀を抜けば鬼になると……」
「分かってもらえたかい。」
椛は納得したようだ。
「ある程度は分かったが上に報告させて貰うよ、これも仕事の内なんでね。」
「それは構わないよ、お偉いさんによろしく言っておいてくれ」
「互いに一段落したようだね。」
満足そうに、にとりが微笑んでいる。
「さぁ 碧喜これから人里に行こう、色々案内してあげるよ。」
「君たちは人里へ行くのか。碧喜、人里では太刀は抜くなよ。」
「分かってるよ。」
そして、にとりと碧喜は人里へ、椛は報告の為に向かうがその様子を見ていた者が1人……
「ふっふっふ、これはいいネタになりそうですね、付けてみますか」
2人はまだ上空から1人の人物につけられているのを気づきはしなかった。
ーー続くーー
どうも、アルコールランプです。
第3話出すの早いかなって思ったんですけどね、第2話出して3時間後くらいに書き上げてしまってどうも自分の中の投稿したい欲が出てしまいました。
まぁこの3話で主人公の能力が判明したんですが、どんな能力にするか第2話書く前から悩んでいて最終的にこれが無難かなってことで移動する程度の能力になりました。
まだまだ移動する程度の能力の全ては書いてないので、これから能力の全てを書いていけたらなって思う次第です。
他にも何個か考えていたんですが、全て太刀を使わない感じだったので、やめました。他のオリキャラ出す時に、使うかもしれないですね。クリスマス後に第4話を出せたらと思います。
ここまで読んでくれた画面の向こうのあなた、ありがとうございました。
以上、アルコールランプでした。(^_^)/~~