姉弟ハンター奮闘記   作:やーみん

7 / 8
~前回の三つの出来事~
・氷結晶を求めタンジアへ向かう一行
・凍土でバギィに囲まれピンチ
・トウガンとチャチャの連携でそのピンチを打破

~今回の装備~
・リュウジ:ジャギィシリーズ・鉄刀(禊)
・トウガン:アシラシリーズ・クロスボウガン改
・セレン:ジャギィシリーズ・ボーンアックス改


第7話 水没林の獅子

 ある日、村の漁師達がリュウジ達三人を呼び出した。

 

「悪いな、急に呼び止めて。実はアンタらに頼みたい事があるんだ」

 

「頼みたい事?なんですか?」

 

 リュウジは漁師達に聞いた。

 

「俺達の船がラギアクルスに壊されて満足に漁ができないって事は知ってるだろ?それを直したいんだ」

 

 実は一週間前、漁船がラギアクルスに襲撃され、一部を壊されたのだ。

 

「そこで必要なのは、ロアルドロスってモンスターの鱗だ。ソイツは水に濡れると膨らんで船のバランスが安定するんだよ。だからソイツの鱗を取ってきてくれないか?これはクエストに登録してるからさ」

 

 リュウジ達はロアルドロスを狩猟したことがない。しかしそれほど強くないという情報は持っている。

 

「わかりました、必ず鱗を取ってきます。行くよ、二人共」

 

 トウガンが仕切り、クエストカウンターへ向かった。

 

「アイシャ、ロアルドロスのクエストってある?」

 

 カウンターで本を読んでいたアイシャにセレンは話しかけた。アイシャとセレンは幼い頃からの友人同士だ。

 

「ロアルドロス?ああ、漁師さん方の依頼ね」

 

「それを頼みたいんだけど」

 

「了解、ここにサインして。ちなみにフィールドは水没林よ」

 

 アイシャはクエスト契約書を出して、セレンにサインを書かせた。

 

「これで受注完了!あとロアルドロスって首のタテガミがふんわりしてそうでかわいいよね。それが…」

 

「ありがとアイシャ、じゃあ行ってくるね」

 

 セレン達はアイシャのどうでもいい話をスルーし、クエスト出発のため家で寝ているチャチャを起こしに行った。それでもアイシャの話は長く続いた。もちろんそれを聞く者はいなかった。

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 水没林

 ベースキャンプ

 

 そこは雨が降っていないにも関わらず、水が絶える事なく流れている。キャンプの横には小さな滝が流れており、その周辺は人の腰が入るくらい水が溜まっている。チャチャはそこで泳いでいた。

 

「チャチャ~!気持ちいいっチャ!」

 

 そして三人は支給品ボックスで支給品を漁っていた。

 

「携帯酸素玉がある…水中戦になるのかな?」

 

「水中戦…」

 

 トウガンは携帯酸素玉を見て呟くと、リュウジの顔色が青く変わった。ラギアクルスを思い出したのだろう。

 

「リュウジ…」

 

セレンは心配そうな目でリュウジを見つめ、リュウジの手を握った。

 

「セレン?」

 

「大丈夫、私が一緒にいるから安心して」

 

 そしてセレンは笑顔を見せる。

 

「セレン…ありがとう」

 

 リュウジは顔色を戻し、礼を言う。その横で、

 

「お二人さん、イチャつくのは別にいいけど早く行くよ。支給品配分はやっといたから。チャチャも行くよ」

 

「チャチャ、言われなくてもっチャ!」

 

 トウガンは遊んでいたチャチャを呼び、ベースキャンプを出た。チャチャも呼ばれてトウガンについて行った。残された二人は、

 

「せせせ、セレン。お、俺達も行こうか?」

 

「そうだね、でもなんで顔を赤くするの?」

 

 リュウジはイチャつくと言う単語に反応して顔を真っ赤にして、セレンはリュウジの状態に疑問を抱いた。

 その後リュウジ達はエリア1へ行き、眠っている二頭の垂れた皮を持つ草食モンスター、ズワロポスを通り過ぎて完全に水没している場所、エリア3への通り道の前まで来ていた。

 

「それじゃあ行きますか」

 

「オレチャマも行くっチャ!」

 

 トウガンが先に飛び込み、チャチャも飛び込んだ。

 

「リュウジ、やっぱり水が怖いの?」

 

 セレンも飛び込もうとしたが、水に入るのを戸惑っているリュウジを見て心配した。

 

「うん少し…でもそうはいかないだろう?飛び込むよ」

 

 リュウジはそう言うと覚悟を決めたのか水に勢いよく飛び込んだ。

 

「リュウジ…よかった」

 

 セレンは安心した顔で飛び込み、一行はエリア3へ向かった。

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 エリア3

 

このエリアにはエピオスぐらいしかいなかったので一行は難無くエリア3を通り抜け、エリア4に着いた。

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 エリア4

 このエリアは半分が陸地で半分が水辺になっている。

 一行が水から上がると同時に向こうの水辺から何かが飛び出して来た。その姿はまるで獅子のようで、まず目に入ったのは膨らんだタテガミだ。

 

 これが膨らんでいる理由は一つ、その部分の鱗が水を吸収しているからだ。漁師達はそれを欲しがっているのだ。そしてその鱗の持ち主の名はロアルドロス。別名“水獣”、ここ水没林や孤島など水辺のあるフィールドに存在するモンスターだ。

 

「ギャアァァァッ!」

 

ロアルドロスはリュウジ達を見つけると、敵とみなしたのか咆哮を上げた。ロアルドロスの咆哮はバインドボイスではないので動きを止められる事はない。

 

 しかしロアルドロスが咆えた後、呼ばれたかのように水辺から三頭のモンスターが飛び出した。ルドロスと言われる小型モンスターだ。

 

 このモンスターの性別は全て雌、そしてロアルドロスは雄だ。ルドロスは一頭のロアルドロスを中心にハーレムを作り生活している。リュウジ達は武器を構えてロアルドロスに迫った。

 

「雑魚は私に任せてアンタ達はロアルドロスを攻撃して!」

 

 トウガンはLV1通常弾をルドロス達に向けて発砲する。これでルドロス達の注意を向けさせた。

 

「やぁっ!」

 

 リュウジは回り込み、ロアルドロスの尻尾に鉄刀(禊)を振り下ろす。切断を狙っているのだ。

 

「はぁっ!」

 

 セレンは斧モードのボーンアックス改を首に叩きつける。

 

「チャチャ~ッ!」

 

 そしてチャチャは足下に攻撃するが、あまり効いていない様子なので…

 

「グゥッ!」

 

「チャ~ッ!」

 

 足で弾かれて吹き飛ばされた。チャチャは飛ばされたが二人の攻撃は終わらない。

 

「ギュイッ!」

 

 邪魔だと感じたロアルドロスは横に回転する。しかし二人は咄嗟に回避した。そして再び攻撃しようとするが…

 

「ガァッ!」

 

 ロアルドロスは口から水の塊、水ブレスを吐き出してセレンにぶつけた。

 

「きゃあっ!」

 

 セレンはその衝撃で吹き飛ばされた。

 

「セレン!」

 

 リュウジはセレンに呼びかける。しかしロアルドロスは尻尾を振り回し、リュウジも吹き飛ばした。

 

「うあっ!」

 

 そしてロアルドロスはセレンに狙いを定め、飛びかかった。

 

「セレン逃げて!」

 

「う…」

 

 リュウジは逃げるようセレンに言うが、セレンは疲れ切ったような顔をして動こうとしない。そうなれば当然ロアルドロスの攻撃が当たる。

 

「セレン!!」

 

 リュウジは声をかけるがそれだけでは何も起こらない。セレンは空中に飛ばされた。そしてロアルドロスは次の攻撃をセレンに対して準備しようとするが、

 

「させるかっ!」

 

 ルドロスを始末したトウガンはLV2通常弾を三発撃つ。全弾がロアルドロスに命中する。それでロアルドロスの注意はトウガンに向けられた。

 

 

「ガァッ!」

ロアルドロスはまた水ブレスを吐きだした。しかしトウガンはそれを避けた。ロアルドロスは再び水を吐きだす準備をするが、

 

「せいっ!」

 

 リュウジがその瞬間を狙い、ロアルドロスの側面に回り込んでタテガミを斬り込んだ。

 

「まだまだぁっ!」

 

 しかし一撃では満足なダメージは期待できないのでリュウジは隙を作らずに複数の突きや斬り込みを行った。

 

「グゥッ!」

 

 ロアルドロスは次にリュウジを狙い、二度回転してリュウジを潰そうとした。しかし先程のようにリュウジはそれを回避した。

 

「セレン、大丈夫?」

 

 リュウジがロアルドロスの相手をしている間にトウガンは、気絶しているセレンに呼びかけた。

 

「う~ん…」

 

 しかしセレンはうなだれるだけで目を覚まそうとしない。

 

「セレンにはあんまり荒っぽい事したくないんけど、仕方ないか」

 

 トウガンはそういうと、セレンの頭にゲンコツを入れた。

 

 ゴチン、と大きな音がエリア中に響く。

 

「いたた…ありがとうだけど、他に手段は無かったの?」

 

「悪いね、これくらいしか頭になかったの」

 

起き上がったセレンは、痛そうに頭を抑える。

 

「ギャアッ!」

 

「ぐっ…!」

 

 リュウジはロアルドロスの引っ掻きをまともに喰らい吹き飛ばされたが、空中で態勢を整え、着地した。

 

 しかしロアルドロスは自分が出てきた水辺の方を振り向き、そこに向かい、

 

「ギュオッ!」

 

 勢いよく飛び込んで逃げ出した。

 

「逃げたか…セレン、大丈夫だった?」

 

 もうこのエリアには自分達以外に何もいない事を確認したリュウジは、鉄刀(楔)を鞘に納め、トウガンとセレンの所に向かった。

 

「たぶん大丈夫じゃない…頭が痛いし気分が悪い…」

 

 セレンは未だに痛む頭を抑えている。

 

「そういえばさっき大きな音がしたけど、姉ちゃんに叩かれた?」

 

「うん…」

 

「あれはしょうがなかったんだよ、セレンが気絶してたからさ」

 

「揺さぶるとかすればいいのに…って、気分が悪い?」

 

 リュウジはセレンの先程の言葉を思い出した。

 

「うん、あの水ブレスに当たったら気分が悪くなって、飛びつきが避けられなかったの…」

 

 セレンはその事を思い出しながら、頭を抱えた。殴られて痛いわけではなく、気分が悪くて抱えている様子だった。

 

「だったらこれを食べなよ、すぐに治るから」

 

 そんなセレンにトウガンはポーチから青い色をした木の実を取り出して、セレンに差し出した。

 

「これってもしかして…」

 

 セレンはその木の実を手に取った。

 

「そう、ウチケシの実だよ。食べれば状態異常を治せるわ。でも毒や麻痺とかは治せないかな」

 

「あんまり食べたくないけど、仕方ないか」

 

 トウガンの説明を聞いたセレンは、不本意ながらもウチケシの実を口に入れた。すると…

 

「うっ、マズい…」

 

 咀嚼するほど口の中で広がるひどい味にセレンは顔色を真っ青にして吐きだしたい衝動に駆られるが、それを押し殺して飲み込んだ。

 

「なんとか飲めた…もう食べたくない…」

 

 セレンはまだ少し顔が青いが、状態異常が完全に治った。

 

「よかったねセレン、でもウチケシの実か、俺はあんまり食べたくないかな」

 

「やむを得ない場合以外には食べない方がいいかも」

 

 リュウジとセレンはそう会話していると、トウガンが割って入ってきた。

 

「セレンが治った事だしロアルドロスを追いかけようよ、お二人方」

 

「チャチャ、オレチャマを忘れるなっチャ!」

 

 どこからかチャチャも出てきた。

 

「ロアルドロスが逃げた所は水中か…でもやるしかない」

 

 ロアルドロスなどラギアクルスに比べたら可愛い物だ。リュウジはそう思い、拳を握りしめた。

 

「リュウジ、頑張ろうね」

 

 その近くでセレンはリュウジを見て微笑んだ。

 

「それじゃあ、出発!」

 

「チャチャッ!」

 

 トウガンとチャチャの言葉で一行はロアルドロスを追うため、エリア5に向かった。

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 エリア5

 

 水没林の水中は、水が孤島より濁っており、水草が伸びているので視界が悪い。そしてロアルドロスは人間と違い水中に慣れているので一行には分が悪い。

しかし勝てないわけではない。一行はロアルドロスを見つけると、武器を構えて迫った。

 

「ギュオッ!」

 

 ロアルドロスは脚と尾を使い突進してくる。しかし一行はその攻撃を避け、自分達の近くにきたロアルドロスに武器を向けた。

 

 リュウジは鉄刀(禊)でロアルドロスの胴体を斬り、セレンはボーンアックス改の一撃をタテガミに与え、トウガンはLV2通常弾でセレンと同じくタテガミを狙撃した。

 

 チャチャは踊りを行い、三人の身体能力を上げる。そして強化された三人は連続してロアルドロスを攻撃する。

 

「ギィッ!」

 

自分を攻撃してくる三人に対してロアルドロスは尾を振り上げてセレンに一撃を与えた。それだけでは終わらず次にリュウジの方へと顔を向け、

 

「ガアッ!」

 水ブレスを吐きだし、リュウジに当てた。近距離からのブレスを直撃すればタダではすまないだろう。

 ロアルドロスがブレスを吐いた瞬間に、セレンはボーンアックス改でロアルドロスの胴体を叩く。それでロアルドロスは怯んだ。

 

 トウガンはその隙にある弾を装填する。そしてセレンに目で指示をする。当然だが水中では会話ができない。セレンはトウガンの指示を理解したらしく、ロアルドロスから離れた。

 

 そしてトウガンは装填した弾をロアルドロスめがけて発射した。弾がロアルドロスに着弾すると爆発を起こし、続けざまに二つの爆発が起こった。

 

 拡散弾と言われる弾丸だ。モンスターに着弾すると、複数の爆発を起こす強力な代物だ。トウガンが使った拡散弾のLVは1、これ以上に強力な拡散弾がある。

 

「ギュオゥ…」

 

 ロアルドロスはこれ以上この場に居るのは危険だと判断したのか、三人に背を向けて奥の方に逃げて行った。

 

「うう…」

 

 その後、三人は息継ぎのために水上に顔を出した。リュウジはブレスのダメージを受け、回復薬を飲んでいた。その顔は青ざめている。ブレスの影響だろう。

 

「気分が悪いときにはコレ、ウチケシを食いな」

 

 トウガンはそう言うとウチケシの実をポーチから出す。

 

「う…それは…」

 

 先程まで自分が食べたくないと言った物を口にする事になってしまったリュウジ。その隣でセレンは、

 

「食べないの?」

 

 心配そうな目でリュウジを見る。

 

「ホレホレ、セレンが食ったんだからアンタも食わなきゃ情けないよ?」

 

 トウガンはウチケシの実をリュウジに押し付ける。

 

「わ、わかったよ、食えばいいんだろ?」

 

 リュウジはトウガンからウチケシの実を貰うと、それを口の中に放り込んだ。

 

「※△×◇#!?」

 

 意味不明な声を上げながらも咀嚼し、飲み込む。そして青ざめた顔も一気に元通りに戻った。

 

「ちゃんと治ってよかったじゃん」

 

「大丈夫だった?」

 

 ウチケシの実を飲んで具合が治ったリュウジを見て、他人事のように話すトウガンと心配するセレン。

 

 「大丈夫だよセレン。あと姉ちゃん、他人事みたいに言うなよ!不味かったんだぞ、食ったことあるのかよ!?」

 

「いや全然、だって見るからにマズそうだもん。それより早くアイツを追いかけようよ、見失うよ?」

 

「チャチャ、オレチャマがアイツをやっつけるっチャ!」

 

 トウガンはそう言うと、ロアルドロスの逃げ込んだエリア6に向かう。もちろんチャチャもついて行った。

 

「逃げたな…」

 

「確かにロアルドロスは逃げたね。トウガンの言う通り、早く追いかけよう」

 

 リュウジの言葉を聞いたセレンは、後を追うためにエリア6に向かった。

 

「いや、そういう意味じゃないんだけど…」

 

 リュウジが言いたかったのはロアルドロスの事ではなく、トウガンの事だった。

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 エリア6

 

 一行はロアルドロスと交戦し、ダメージを負いながらもロアルドロスを洞窟の中、エリア8に追い込む事に成功。この戦闘で水ブレスを受け、ウチケシの実を摂取した者は一人もいなかった。

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 エリア8

 

 このエリアは洞窟になっており、水中は澄んでいて水草が無いので外よりも視認しやすい。

 ロアルドロスはその空間で一行を待ち受けていた。しかし、一行が武器を構え、いざ突撃しようとしたら、ロアルドロスは水中から消えた。地上で戦おうと考えたのだろう。そのロアルドロスを追いかけるために一行は水中から地上へと上がった。

 

 エリア8の地上は薄暗く、隅には採掘できるポイントがある。地上から見る水面は綺麗な物だった。上がった先にはロアルドロスが再び待ち受けており、その周りには四頭のルドロスがいる。

 

 そして一行が突撃すると同時に、ルドロスとロアルドロスが突撃する。まず優先すべき行動は取り巻きの排除だ。リュウジとセレン、トウガンとチャチャの二手に別れ、ロアルドロスの突進を避け、ルドロスに武器を向けた。

 

「チャチャ!」

 

 チャチャは棍棒で一頭のルドロスの頭を殴り、そこにトウガンがLV2通常弾をチャチャが殴ったルドロスの頭に二発撃ち込む。それによりルドロスはその場に倒れる。

 

「ギャオゥ!」

 

ロアルドロスは横回転でトウガン達を押し潰そうとした。

 

 だがトウガンは片手にクロスボウガン改、もう片手にチャチャを掴んで避ける。その後トウガンはチャチャを離し、LV2通常弾からLV1散弾に切り替えて撃った。

 

 散らばる弾はロアルドロスだけでなく、近くにいたルドロス一頭にも当たる。 

 

 撃ち続けるとそのルドロスは耐え切れずに倒れてしまい、ロアルドロスはトサカが壊れた。

 

「お待たせっ!」

 

 リュウジの声が聞こえると、二人がトウガンの所に近づく。

 

 向こうには倒れた二頭のルドロスがいる。二人が狩ったのだろう。

 

「トサカは壊したから二人は他の部位をお願い!」

 

「じゃあ私はタテガミを狙う」

 

「尻尾は任せてくれ」

 

 セレンはタテガミを、リュウジは尻尾を狙う事を決め、お互いにそれぞれの部位へと近づく。

 

「らあっ!」

 

 リュウジは鉄刀(禊)の斬撃を繰り出す。しかし尻尾が切断される事はなかった。

 

「はあっ!」

 

 セレンもボーンアックス改を剣モードに切り替え、重い攻撃を繰り返す。しかしこの攻撃もタテガミを壊すまでには至らなかった。

 

「ギャアッ!」

 

 当然ロアルドロスも抵抗はする。尻尾を振ってリュウジを弾き、前足の爪でセレンも弾いた。

 

「少しは大人しくしなさいっ!」

 

 トウガンは弾丸を切り替え、ロアルドロスに撃つ。着弾した所から黄色い液体が飛び出す。トウガンはそれをもう一度撃ち装填する。

 

 しかしその弾丸にはあまりダメージを与える事ができない。それでもトウガンは弾丸を撃ち続けた。

 

「ガアッ!」

 

 ロアルドロスはトウガンが邪魔だと判断し、水ブレスを吐く。狙いは当然トウガンだ。

 

「うわっ!」

 

 ブレスがトウガンに当たり、吹き飛ばされる。すぐに立ち上がるがその顔は青ざめている。ブレスの影響だ。

 

「まだまだあっ!」

 

 しかしトウガンはそんな事はお構いなしにクロスボウガン改に残る弾丸をロアルドロスに撃った。

 

「ギャオゥッ!?」

 

弾が着弾すると、ロアルドロスが急に動きを止めた。痺れて動けないからだ。トウガンが撃った弾丸はLV1麻痺弾と言う物で、モンスターに何度も撃つとそのモンスターの体内に麻痺液が蓄積し、最終的には痺れて動けなくさせる物だ。

 

 先程、麻痺弾から出た液体は麻痺液だ。ロアルドロスは麻痺して少しの間動けない。麻痺効果は発動してから少し時間が経つと解除される。

 

「今の内にやっちゃって!」

 

 トウガンは二人に声をかけると、二人は武器を構えてそれぞれが狙う部位を攻撃した。

 リュウジは尻尾に何度も斬撃を入れ、セレンはタテガミにボーンアックス改を叩きつける。

 

それを何度も繰り返していると、ロアルドロスの麻痺状態が解除されてしまった。しかしこれで勝負は決まる。

 

 「「これで決めるっ!!」」

 

 リュウジとセレンの言葉が重なると、リュウジは気刃斬り、セレンは属性解放突きを繰り出した。

 

「せいやあぁぁぁ!!」

 

「はあぁぁぁっ!!」

 

 リュウジが尻尾を切り刻み、セレンがロアルドロスに刺したボーンアックス改を振動させる。

 

 そしてリュウジの振り下ろした一撃と、セレンの属性解放フィニッシュが決まり、尻尾は斬り飛ばされ、タテガミは粉砕された。

 

「ギュオォウゥ…」

 

ロアルドロスは力尽き、その場に倒れてしまった。目標達成だ。

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 

「うう…気持ち悪い…」

 

 一行が剥ぎ取りを済ませた後、トウガンは地面に座り込んだ。

 

「じゃあさ、治さなきゃダメだよね?」

 

「え?」

 

 リュウジの言葉にトウガンは疑問に思うと、急に腕を拘束された。

 

 拘束したのはセレンだ。そしてリュウジは笑顔でウチケシの実を持っている。

 

「な、何するの?っていうかセレン、腕解いてよ…ね?」

 

 トウガンは青い顔をより青く染め、セレンに腕を解くように頼む。

 

 「ゴメンね、でも私は理不尽や不公平が好きじゃないから」

 

 セレンも笑顔でトウガンの頼みを断る。

 

「さあ姉ちゃん、覚悟はできた?」

 

 ウチケシの実がトウガンの口に近づく。

 

「ちょ、止めて…チャチャ助けて!」

 

 トウガンは最後の希望、チャチャに救いを求める。

 

「う~ん、面白そうだからヤダッチャ」

 

 しかしその希望も消えてしまった。

 

「マジで止めて!止めてください!!」

 

「聞く耳持たず!」

 

トウガンの口に勢いよく青い果実が放り込まれた。

 

「~~~~~っ!?!?!?」

 

これにより、エリア8だけでなく水没林全体に、この世の物とは思えない悲鳴が響いた。




今回の相手はロアルドロス、ポン○ライオンみたいなタテガミですよね(笑)
そして水属性やられですが、描写があまりわからなくて勝手に考えてしまいました。

余談:MH4、予約したので発売が待ち遠しいです^^
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