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スキットNo.14 空に浮く街オスティア
タカミチ「ここが新オスティアだ
よ」
ユーリ「ふーん、 なんか慌ただしいな……」
タカミチ「そうか、こっちはもうそんな時期か……」
ユーリ「?」
タカミチ「お祭りの準備だよ」
ユーリ「また祭りか。 学園祭みたいなモンか?」
タカミチ「あれを百倍、いやもっとかな? とにかく麻帆良祭よりもすごいのは確実だね」
ユーリ「あれより百倍って……この世界の連中はどんだけ祭り好きなんだよ」
タカミチ「オスティア終戦記念祭と言ってね。 毎年開催されているんだよ。 まぁ今回はちょっと見て回ることでできないかな」
ユーリ「別に構わねぇよ。 それよりも気になることがあるし、な……」
タカミチ「そうだね。 あ、でもここの紅茶は一回ぐらい飲んでおくべきだよユーリ」
ユーリ「美味いのか?」
タカミチは「オスティアンティーは誇り高い銘茶と名高いからね。 他にもここの一番名物は昨日話した旧オスティア遺跡群なんどけど、実は二番名物も結構人気なんだよ」
ユーリ「なんだよ?」
タカミチ「温泉だ。 僕もここに来ることがある時は絶対に入ってるよ」
ユーリ「温泉……ユウマンジュみたいな所か? 確かにアレは中々よかったな」
タカミチ「時間が取れたら是非行こう! 絶対に行こうっ!!」
ユーリ「……どんだけ入りたいんだよ」
スキットNo.15 初めてのお使…い?
タカミチ「じゃあ僕はまた組織の人間と話してくるよ。 色々現状を把握しないといけないしね」
ユーリ「んでまた俺は宿でお留守番、と。 文句言うつもりはねぇが退屈だな……」
タカミチ「そんな君に朗報だ。 ユーリには買い出しを頼むよ。必要な物が幾つかあるからね。はい、コレ」
ユーリ「っと、何だよ? て財布か。んなモン渡さなくても金くらい……」
タカミチ「使えないよ? 向こうのお金は。 ユーリ持ってるのかい? こっちのお金……」
ユーリ「……」
タカミチ「じゃあ財布の中を見てくれ。この世界での通過はドラクマで使い方は……………」
タカミチ「簡単に説明するとこんな感じかな? まぁこれだけ覚えておけば問題ないよ」
ユーリ「ガキみたいで情けねぇな。この年になって金の使い方を教わるなんざ……」
タカミチ「仕方がないよ。文字通り住む世界が違うんだし。あとこれを渡しとくよ、買って欲しい物のリストだ。聞けば大抵手に入るから」
ユーリ「はいよ。ん? 結構な量だな
」
タカミチ「ちょっと厄介な所だからね これからいく所は。その為の準備だよ」
ユーリ「ふーん。ま、これくらいなら任せとけよ、オスティアぶらつく口実もできたことだし、行って来ますかね」
タカミチ「ああ、任せたよ」
スキットNo.16 仮契約とは……
ユーリ「何だ、この店は? パク、ティオー、屋?」
店主「店の前で何突っ立ってんの?客?」
ユーリ「悪りぃな、客じゃねぇよ」
店主「んじゃさっさとどいてよ。商売の邪魔よ、邪魔っ!」
ユーリ「言われなくてもどくよ。と、その前に……なぁパクティオーって何だよ?」
店主「はぁっ? あんたそんなことも知らないの!? 馬鹿なの!?」
ユーリ「そ、俺馬鹿なんだ。だから馬鹿にも分かるように説明してくれよ、おねーさん?」
店主「……何だかこっちが馬鹿にされてる気がするんだけど」
ユーリ「気のせい気のせい」
店主「……まぁいいわ。パクティオーってのはマジックユーザーとその従者の間に交わされる契約の一種よ。交わされることで幾つかの特典があるの」
ユーリ「へぇ……」
店主「ホントに興味あるの?」
ユーリ「あるある」
店主「ハァ。 で、簡単に説明すると主から従者への魔力供給、発生するカードに眠るアーティファクト、カード使用で可能になる念話、制限はあるけど従者の召喚……まぁ大まかな特典はこんな所ね」
ユーリ「十分すげぇな。なぁ、それって誰でもできるのか?」
店主「まぁ大抵は。たまにうまくいかないこともあるけど、魔力持ってる人間ならまず失敗はしないわ」
ユーリ(タカミチとしてみるか? 付け焼刃だろうが、役には立ちそうだ。 やっといて損はなさそうだしな……)
店主「どうしたのよ? 急に黙り込んで……」
ユーリ「いや、ちょっとそのパクティオーってやつ、やってみようかなぁと」
店主「ふーん、いいんじゃない?じゃ連れて来なさいよ、あんたの彼女……」
ユーリ「……は? 何を連れてこいって?」
店主「だから彼女よ、彼女 恋人! するんでしょ? 仮契約を」
ユーリ「だからそれで何でそんな話になるんだよ? 別に女とは限らねぇだろ?」
店主「は? あんたの相手……男なの? そういう趣味なの?」
ユーリ「何急に距離とってんだよ? つか趣味ってどういう……」
店主「あっ ああそっか。あんた内容知らないのね。キスよキス、口付けで契約すんのよ」
ユーリ「っ!?」
店主「で、するの? 男と……」
ユーリ「やらねぇよっ!! つかそれしか方法ねぇのかよっ!?」
店主「さぁね、あるにはあるんだろうけどウチはそれしかやってないわよ? だいたいここにくる客なんて能力目当てよりもカード目当てがほとんどよ? 愛の結晶っ! とか言ってほんとテンション高いんだから……はぁ」
ユーリ「そりゃまた……」
店主「最近はもう元の趣旨から外れちゃってるのよ、仮契約なんて」
ユーリ「元のって?」
店主「文字通り魔法使いとその従者の為の契約だったんだけどね、今じゃ恋人探しの口実よ」
ユーリ(パクティオーしようぜっ!とかタカミチに言う前にこの話が聞けて本当うち良かったな……考えただけでもおぞましい……)
スキットNo.17 タカミチの秘策
タカミチ「っと、こんな感じかな?」
ユーリ「おお……全然動かなくなっちまった」
タカミチ「簡易の魔力封印符……実際には魔力機関なんかのちょっとした故障の応急処置に使われる代物なんだけどね」
ユーリ「それを予め魔力を溜めてあるブラスティアに貼って栓の代わりにするってか……」
タカミチ「悪あがきぐらいにはなるかもってね」
ユーリ「全く使えねぇよかマシ、か……」
タカミチ「ただ恐らく、符を外してからの魔力の減りは普段の倍以上だと思う。 本当に気休め程度だと考えておいてくれ……」
ユーリ「りょーかい。 まっなんとかするさ。 騎士団にいた頃はコレ無しでも戦ってたんだ。 短いとはいえヤベェ時には使えるんだ。 十分だよ」
タカミチ「そうか。 現地では僕も気しか使えない。 場合によってはフォロー仕切れないかもしれない……十分気をつけるんだ、ユーリ」
ユーリ「分かってるよ。それに万全な時だって何が起こるか分からねぇんだ、気にし始めたらキリがねぇよ」
タカミチ「そうだね、君の言う通りだ」
ユーリ「ま、ボチボチ気張って行こうぜ?」
スキットNo.18 上空観光
ガイド「左に見えますのが有名な…………」
タカミチ「ユーリ、見えるかい? あのクレーター……」
ユーリ「ああ、なんか無駄にでけぇな」
タカミチ「あの辺りが例の未知の反応を初めて観測した地点だ。恐らく賊もあの辺りを目指すだろうね」
ユーリ「へぇ」
タカミチ「当日の出発地点からは結構距離がある。勿論徒歩で行くしかない。その間、注意しないといけないのは……」
ユーリ「魔獣、だろ?」
タカミチ「うん、倒せないわけじゃない。 けど、僕も君も戦力が著しく制限されている。余計な所で戦闘はしたくない」
ユーリ「と、そんなことを言うタカミチはあそこで戦闘が起こると、そう思ってんのか?」
タカミチ「……念には念を、だよ。何もなければそれが1番だ。でも、何かイヤな予感はしてる」
ユーリ「お前の感は当たるのか?」
タカミチ「結構当たると、僕は思ってる。特に、こういう場合は、ね……」
ユーリ「じゃあせいぜい祈っときますかね、途中で魔獣に出くわしませんように、と」
タカミチ「ユーリ……」
ユーリ「分かってるよ。心配すんな、魔獣見つけても飛び込んだりしねぇよ」
タカミチ「本当に頼むよ?」
ユーリ「へいへい」
スキットNo19 風呂場は聖域
タカミチ「ふぅ……やっぱりここの温泉は最高だね。 明日も頑張ろうって気持ちになるよ……」
ユーリ「……」
タカミチ「まだ夜には早いけど、折角なんだ、 少しは飲まないとね」
ユーリ「……」
タカミチ「ユーリもどうだい? 風呂に浸かりながらっていうのも中々乙なものだよ?」
ユーリ「……」
タカミチ「どうしたんだい? さっきから黙って……」
ユーリ「いや広すぎだろっ、なんだよコレ。 風呂場なんてレベルじゃあねぇだろっ!」
タカミチ「ハハ。 そんな細かいこと気にしちゃ駄目だよ。 周りを見てみなよ」
ユーリ「?」
タカミチ「もしかしたら犯罪者が混ざってるかもね?」
ユーリ「!」
タカミチ「それどころか僕達のターゲットもこの広い風呂場の何処かで寛いでるかも……」
ユーリ「おいおい、いいのかよそんなんで……」
タカミチ「ここはアジールって言われるくらいオスティアの中で群を抜いて監視が甘いからね。 小さいことを一々気にしてたら勿体無いよ」
ユーリ「それとこれとは話しが違う気がするんだが……」
タカミチ「それよりもユーリ……君って……」
ユーリ「なんだよ?」
タカミチ「……」
ユーリ「……お、おい?」
タカミチ「その頭に巻いたタオル……壊滅的に似合わないね」
ユーリ「ほっとけ……」