君の名は・パニック   作:JALBAS

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宗介の入れ替わりに、気付き始めたマオ達・・・・
どんな環境下に置かれても、全く動じる事無く、勘違いをひたすら続けまくる宗介・・・・
宗介の特殊な環境下と、宗介に引っ掻き回された自分の環境に、翻弄されまくりの三葉・・・・
さて、今回の騒動は・・・・・



《 第四話 》

目が覚めると、ダナンの俺の部屋だった・・・・

また戻されたのか?いったい、どうやってダナンに侵入しているのだ?何故、ずっとあのままにしておかない?小刻みに1日づつだけ俺を田舎に送り込んで、いったい何をしたいのだ?・・・・・

「宗介っ!起きてるか?」

「クルツか?肯定だ!」

クルツが、部屋に入って来る。

「どうやら、今日はまともなようだな?ちょっと来い!マオが呼んでる!」

俺は、クルツと共にマオの部屋に行く。

「宗介、あんた、昨日も田舎の女子高生になってたの?」

「肯定だ!どうやって、ダナンから俺を運び出したのか?中に、内通者がいる危険性がある!」

「それは、無いわ!」

「何故だ?」

「俺とマオ姉さんで、交代でお前の部屋見張ってたんだよ!誰も入ってねえし、誰も出て来てねえ!」

「それに、昨夜からダナンはずっと潜航中で、一度も浮上していないわ。この艦からの出入りは不可能よ!」

「では、何故?俺があの田舎町に居たんだ?瞬間移動でもしたというのか?」

「そうね。」

「馬鹿な?」

「但し、移動したのはあんたの体じゃ無く、心だけどね。」

「言っている意味が、良く分からないが・・・・・・」

「だから~っ!お前とその三葉って女の子の心が、入れ替わってたんだよ!」

「な・・・何だと?!」

「信じられないけど、それ以外には考えられないわ!あたし達も、昨日のあんたと話したけど、完全に別人・・・・それこそ、田舎の女の子みたいだったから・・・・・」

「・・・そうか、では、あの連中が、俺と三葉という女を入れ替えたのか?」

『あの連中?』

2人同時に、声をあげる。俺は、昨日と前回の、怪しい男達の事をマオ達に説明する。

「そりゃ、確かに胡散臭いな・・・・」

「でも、それと、入れ替わりの件が関連あるのかしら?」

「ん?何か、府に落ちない点でもあんのか?マオ姉?」

「だって、その監視者が居るのって、田舎の三葉になってる時だけでしょ?それに、人為的に2人を入れ替わらせる事ができたとして、何で宗介とその女の子なの?関連が無さすぎるし・・・・・第一、片や山奥の田舎、片やその時々で、何処にいるか分からない渡り鳥じゃあ、まともな操作なんてできたもんじゃ無いと思うけど・・・・・」

 

結局、入れ替わりが不定期で発生しているという事実以外は、何も解らないまま、俺は東京のアパートに戻って来た。そうだ・・・・千鳥には、入れ替わりの事は説明しておかないとな・・・・・

俺は、千鳥のマンションに行き、呼び鈴を鳴らす。ドアが開き、千鳥が顔を出す。

「宗介?どうかしたの?」

「千鳥、実は、大事な話があるんだ。」

「え?」

「先日、俺が、まるで別人のようになってしまった事があったと思う。」

「うん!うん!」

「その時の俺は、実は、俺ではなかったのだ!」

「・・・はあ?」

「とある田舎町の女の心と、俺の心が入れ替わっていたのだ!」

すると、千鳥の表情が変わった。俯いて、何かを堪えてるような感じになり、手を握りしめて、震えている・・・・何か、まずい状況だ・・・・俺は、何かおかしな事を言ったか?今日解った事を、ただ伝えただけなんだが・・・・・

「そ・・・それが、大事な事かあっ!寝言は、寝床でほざいてなさいっ!」

頭を、思いっきりハリセンで叩かれた・・・・・・

「い・・・痛いじゃないか・・・・・」

 

 

 

「ん・・・んんっ・・・・・」

携帯のアラームで、目が覚める・・・見慣れた天井・・・私の部屋・・・良かった、やっと夢が覚めた・・・・

体を起こそうとするが・・・・ん?何か、胸の辺りに硬い物が・・・・・手に取ってパジャマの中から取り出す・・・・何やら、黒くて・・・重くて・・・こ・・・これって?ま・・まさか・・・・・

「きゃああああああああああっ!」

「どうしたん?お姉ちゃん?」

階段を駆け上がって来た四葉が、襖を開ける。私は、とっさにそれを布団の中に隠す。

「い・・・いや・・・な・・・なんでも・・・ないんよ・・・・」

「なんでもないことないやろ!あんな大きな悲鳴あげて・・・・」

「い・・・いや・・・あの・・・ご・・ゴキブリがいたから・・・・」

「ゴキブリ?お姉ちゃん、ゴキブリ程度で悲鳴あげる人やったか?」

「と・・・突然、め・・・目の前に来たから・・・驚いちゃって・・・ごめんね・・・・」

四葉は、納得のいかないような顔をしながら、降りていった。私は、恐る恐る布団をめくる・・・・・

こ・・・これは、間違い無く・・・拳銃?ど・・・どうして?私が、こんな物持ってるの?お・・・オモチャじゃ無いよね?・・・・・色、重さ、形・・・・どう見ても、本物に見える・・・・なんで~?ゆ・・・夢の中から持って来ちゃったの?そんなあほな~~~

 

け・・拳銃で驚いて、それどころじゃ無かったけど・・・・今朝も、体がかなり・・・痛い・・・・四葉に聞いたら、昨日も筋トレをしていたらしい・・・いったい、どうなっちゃってんの私?昨日の記憶、全く無いし・・・・訳の分からない、拳銃を持ってるし・・・・とりあえず、拳銃は隠してきたけど・・・・・

「み・・・三葉?」

「え?」

なんか、遠慮がちに後ろから声を掛けられる。振り向くと、サヤちんとテッシーだった。

「ああ・・・おはよう、サヤちん、テッシー。」

「良かった・・・今日は普通やね。」

「頭は、侍やけどな・・・・」

ああ・・・拳銃でドタバタしたのと、筋肉痛で、今日も髪は結えなかった・・・・

 

サヤちんとテッシーから、昨日の私の言動を聞き、また驚く。

「ええ~っ!またあ?」

「そうや!カタコト言葉に、命令口調・・・・自分の事を“この三葉という女”やし・・・」

「全然、覚え無いんですけど・・・・・」

「それより三葉、あいつに何したんや?」

「あいつ?」

テッシーが、教室の端の席の、例の3人組の男の子を指さす。私はその方を向き、彼と目が合う・・・・・

「ひっ!ひいいいいいいいいいっ!」

彼は、目が合った途端、悲鳴をあげて教室を飛び出して行く。慌てて、2人の女の子が後を追う。

な・・・なんじゃ?ありゃ?

「昨日の午後から、ずっとあんな感じや。」

「まあ、変な嫌味言わんくなったから、それはええけど・・・いったい何したん?三葉?」

そんな事、言われても・・・何も覚え無いんですけど・・・・まさか?あの拳銃で、彼を脅したりしてないわよね?・・・・・想像するだけで、自分が怖い・・・・・

 

家に帰り、部屋で、引き出しの奥に隠してある拳銃を見つめ、考える。

昨日の夢・・・・私は、どこかの海軍の隊員で、潜水艦に乗っていた・・・・名前は、“相良宗介”・・・・でも、その前は、その名前で東京の学校の高校生だった・・・・あ?でも、あの高校生・・・・避難訓練で、拳銃や手榴弾を使うなって怒られてた・・・・じゃあ、高校生で軍人なの?・・・・・そんな訳、無いか・・・・・・

 

「ん・・・んんっ・・・・・」

窓から差し込む、陽の光で目が覚める・・・携帯のアラーム、鳴らなかったのかな?・・・と・・・この殺風景な部屋は・・・・またこの夢?勘弁して・・・・・ん?

良く見ると、ベッドの横に女の人が座っている・・・・こ・・この人は・・・・

「ま・・マオ曹長?」

「あら?覚えていてくれたのね・・・宮水三葉さん。」

「え?・・・ど・・どうして、私の名前を?」

「ん~っ、何から説明したらいいかな?まず、これは夢じゃ無くて現実・・・そして、あなたは、私の部下の相良宗介と入れ替わってるの!」

「え・・・えええっ?」

 




遂に、入れ替わりの事実に気付く宗介・・・・では無く、マオとクルツ。まあ、宗介だけだと、一生かかっても勘違いしていたでしょう。
一方、宗介の日常ならぬ日常に、翻弄されまくる三葉・・・・このまま、無事に高校生活を送り続ける事ができるのか?・・・・・
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