どうも。ふぁもにかです。今回はまさかの魔法先生ネギま!×勇者30のクロスオーバーです。きっと未だ誰も実践していないであろう組み合わせですね。ええ。でもって、この作品は私が勇者30の認知度アップを目的につい衝動的に書いた短編(4,5話で終わらせる予定)なのであまりクオリティと文字数の方は期待しないでください。また、私は主に緋弾のアリアの二次創作の方に比重を置いていますので、素早い更新も期待しないでください。
Beginning(1)
黒髪黒目&サイドテールの神鳴流剣士:桜咲刹那は草原に立ち尽くしていた。後ろを見ると草原。右を見ると険しい渓谷。左を見ると透き通った綺麗な海。前を見るとひっそりと存在する村。見慣れた麻帆良学園近辺の景色は欠片も見当たらない。
「……ここは、どこでしょうか?」
全く見覚えのない場所に佇む刹那は呆然と疑問を言葉に表す。当然、刹那の問いに答える者はいない。いや、実は刹那の背後にはワラ製のバスケットに葉っぱ――薬草か何かだろうか――を採取している青髪の少女がいるのだが、刹那の言葉が聞こえるどころか刹那の存在にすら気づいていないようだ。無理もない。何せ、刹那は何の前触れもなく突然この場所に姿を現したのだから。あたかも何者かに召喚されたかのように。
おかしい。何がどうなっている? なぜ私はここにいる? 私は明日に備えて眠りに就いていたはずだ。銃の手入れに没頭する龍宮をしり目に眠っていたはずだ。少なくとも見知らぬ土地に足を踏み入れた覚えはない。
服装を見るといつの間にか寝間着から麻帆良学園中等部の制服を身につけていた。だが。いつも肌身離さず持っていたはずの野太刀――夕凪――がない。その代わりに右手に握っていたのはなぜかデッキブラシだった。さらに頭にはピコピコ動くネコミミがついており、代わりに本来耳があるはずの場所にあるべきものが備わってなかった。
(これは、夢……? ッ! そうですね! これは夢! さしずめ異世界の夢でしょう! ええ、そうですとも! でなければ私がここにいる理由が説明できませんしネコミミになっている理由がつきません!)
刹那は腕を組んでうんうん頷く。自身の考えを無理やり正当化させるための作業である。そうでもしなければワケもわからぬまま見知らぬ土地にたった一人放り投げられた現状に耐えられそうになかったのだ。
『バァーロロロロロロロ!』
「うッ!?(何だ!? 頭に直接声が響いてくる!?)」
夢なら早く覚めてくれ。刹那が切に願っているとキインと脳内に野太い哄笑が響いた。咄嗟に耳を塞ごうとして、今はネコミミだったと頭の上の耳を塞ぎにかかる。しかし。けたたましい高笑いの音量は一向に軽減されない。どうやら脳内に直接声が届いているようだ。
大気を振動させる笑い声に顔をしかめていると、今度はゴゴゴゴゴゴッと地面が上下に揺れ動く。転んでしまわないようどうにかバランスを取りつつ、震源地の渓谷の方へと目を向けた刹那の目に映ったものは、今まさに地面から赤い建造物がズズズと浮上している光景だった。毒々しい赤と紫で構成され正面にバカでかい髑髏が飾られているその建造物はさながら中世の王城を悪趣味に改造したもののように見えた。
『我は残虐魔王カマセイヌ! 愚かで醜い人類など我が世界ごと滅ぼしてやる! 我の唱えるハメツの呪文でな! ハメツの呪文が発動するまで残り30秒! その間、下等種族は下等種族らしく精々絶望でもしていることだな! バァーロロロロロロ!!』
「なッ!?」
相変わらず脳内にガンガン響く野太い声に刹那は愕然とする。魔王カマセイヌとやらの世界滅亡宣言に呆然と立ち尽くす。
世界を滅ぼす。本気でそんなふざけたことをするつもりなのか。そんなことがそもそも可能なのか。そんな魔法が果たしてあるのだろうか。例え可能だとしても、それはたった30秒の呪文詠唱で為せるものなのか。自身の常識を裕に飛び越える魔王カマセイヌの一方的かつ非現実な宣言に刹那はつい懐疑的な目を向けずにはいられなかった。
「そ、そんな。世界が、終わる……? いや、いやああああああ!!」
だが。背後の青髪少女はペタンと膝を落として草原に座り込むと、頭を抱えて絶望を顕わにしていた。どうやら魔王カマセイヌのことを完全に信じ切っているようだ。
目に見えて取り乱す青髪少女。あの子、エヴァンジェリンさんに似てるなぁ。髪を金髪にしたらエヴァンジェリンさんの双子の妹と言っても通じるんじゃないかなぁ、などと他人事のように狼狽する少女を眺めていると、突如刹那の頭の中に『30’00』とのタイムウォッチが表示される。その時、刹那はハッと我を取り戻した。
もしも。もしもここが私の夢の世界じゃなかったら。
もしも。魔王カマセイヌとやらが本気で世界を滅ぼす気なら。
もしも。ハメツの呪文とやらが本当にこの世に存在するというのなら。
もしも。あの魔王カマセイヌとやらの言う『世界』の中に麻帆良が含まれていたら。
――このちゃんが、ネギ先生が、明日菜さんが、龍宮が、詠春さんが、皆が死んでしまう!?
「い、一刻も早くあの魔王カマセイヌを倒さなければッ!」
刹那は脳内タイムウォッチのカウントダウン開始とともに、デッキブラシ片手に弾かれたかのように駆け出した。スーと空から舞い降りてきた絶世の美貌(?)を持つ一人の女性の姿に気づかずに。
「うふふ。面白そうな子見っけ♪」
せっちゃんガンバッ。マジガンバッ。