【完結】勇者刹那30   作:ふぁもにか

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 どうも、ふぁもにかです。今回の第3話は当初の想定とは裏腹に第1話や第2話より短めで終わりそうです。……地味に1話あたりの文字数を増やしたのが功を奏したんですかね?



Castle(7)

 

「これで大体わかったかしら?」

「一通りの操作は大丈夫、だと思います。……こんな拙い操作で魔王を倒せるかは凄く不安ですけど」

「心配することないわ。これだけ操作できるなら魔王フミダインも瞬殺よ」

「そ、そうですか?」

「それに刹那ちゃん、初めてとは思えないぐらいに操作上手くなったもの。どこかのナイトくん(笑)と違ってね」

「……うぅぅ。お願いですからその話はもう引っ張らないでください」

 

 しばらくの間、外のモンスターを勇者城の足で踏み潰しつつ習うより慣れろの要領で勇者城の動かし方を学んでいった刹那はこれから魔王フミダインに挑むにあたっての不安を吐露する。しかし、時の女神はあくまで楽観的に微笑んでみせる。お世辞か本音かはわからないが、女神の褒め言葉は今の刹那の心をポジティブなものへと導くのに十分なファクターと化した。

 

「なら、そろそろ魔王退治を始めましょうか」

「勇者城デビュー頑張ってね、刹那ちゃん」

「頑張ってください、セツナさん! 僕も応援します!」

 

 女神とナイトの激励を背中に浴びた刹那がハンドルを動かし魔王フミダインの元へと勇者城を近づけていくと、勇者城が響かせる足音に反応して魔王フミダインが顔を上げた。

 

 

「ലുദോഗപലാജോ9പൈ49ൂരോ0ജുരലെോചുലോരജദാരപൂഗോജപാൈചോഗദൈദപലചൈോുലദൈോുലോൈഗ3പൂചുപരഗീതചേലിതോാഗോൂടജോൈര3ജോടൈ!」

「『ほぅ、何だそれは? 随分と珍妙な物を持ち出してきたじゃないか。中々面白いことをしてくれるな、勇者よ。だがしかし、しかぁし! 人間の作り上げた兵器ごときでこの巨壁の名を持つ俺様に挑まんとするとは、笑止! 勝利の確信あっての行動だろうが、その確信ごと貴様の心を粉々に打ち砕いてやろうではないか!』って言ってるわね」

「ുോ0ജഗൈലോചദ!!(絶望せよ、勇者ァ!!)」

「来るわよッ!」

 

 女神さま翻訳により魔王フミダインが勇者城を見てもなお己の勝利を信じて疑ってないことを知る刹那&ナイト。と、その時。あぐら状態からゆっくりと立ち上がった魔王フミダインが雄叫びとともに正面から勇者城へと衝突してきた。

 

 

「ッ!?(なんて衝撃ですか!?)」

 

 「ぎゃあああああ!?」と魔王突撃による衝撃で派手に吹っ飛ばされるナイトをしり目に、氣を瞬時に両手両足に送りこみ、足を踏みしめハンドルを力強く握ることでどうにか衝撃に耐えきった刹那は今度は自分から勇者城をぶつけていく。

 

「ലതീു!?(ぐッ!?)」

 

 勇者城をぶつけては一旦バックステップで距離を取らせ、再び勇者城をぶつける。魔王フミダインが若干ながらのけ反ったことを好機として繰り返し勇者城を正面からぶつけていく刹那だったが、当の魔王フミダインに勇者城の攻撃に深いダメージを負っている様子は見られない。「面白い」と言わんばかりに好戦的にニタリと笑うばかりだ。

 

(これ、勇者城の攻撃が効いてないんじゃ――)

「ലലലലലലലലലലലലലൊ!!」

 

 刹那が勇者城の攻撃力にわずかな疑問を抱き次なる攻撃を逡巡した瞬間。天に向けて咆哮を上げた魔王フミダインは一瞬の隙をつく形で勇者城の一部分を掴み、そのまま前へ前へと押していく。魔王フミダインに掴まれ動きを大幅に制限されてしまった今の勇者城にできることは精々魔王フミダインに押し倒されないように対抗していくことだけだ。

 

「マズいわ、刹那ちゃん! このままだと力負けしちゃう!」

「言われなくてもわかってます!」

「まさか魔王の力がここまで強いなんて想定外もいい所だわ……!」

 

 勇者城と魔王フミダインによる力と力との激しいぶつかり合い。しかしジリジリと勇者城が押され始めている現状に女神の焦った声が響く。

 

(どうすれば、どうすればいい……!?)

 

 脳内タイムウォッチがハメツの呪文発動まで残り10秒を切ったことを伝える中。たった一つの操作ミスすら許されない状況下にて。刹那は必死に現状打破の、ひいては魔王フミダインの討伐方法を考える。自身の命が窮地に追い込まれつつある中で、ただただ頭を回転させて思考回路をフル稼働させ続ける刹那。その脳裏に、とある策が思い浮かんだ。

 

 

(これに賭けるしかない!)

「ナイトさん、操作代わってください!」

「え、セツナさん!? どこに行く気ですか!?」

 

 刹那はナイトに勇者城の操縦を任せ、ナイトの返事を聞くより早く勇者城の窓枠から躊躇なく飛び降りる。両足に氣を集中させることで50メートルは軽く超える高さからノーダメージで地面に着地した刹那は魔王フミダインの足元まで一息に移動。

 

「斬岩斧! 斬岩斧斬岩斧斬岩斧斬岩斧斬岩斧斬岩斧ッ!!」

 

 刹那は己に掛けられているリミッターを解除し氣で最大限強化したバトルアクスを地面に叩きつける。何度も何度も地面にバトルアクスを打ち付けていく。すると、徐々に刹那の存在する地点から円状に渡って大地が崩れ、抉られていく。

 

「ലുൈമ!?(しまッ!?)」

 

 刹那の頑張りにより平地から一転、陥没激しい足場となったことで魔王フミダインはバランスを崩して前に倒れそうになる。その際魔王フミダインが勇者城から手を離したことで再び自由の身となった勇者城は魔王フミダインが倒れてくるであろう地点から急いで後退する。直後、ズドォォオオオ! と魔王フミダインがさっきまで勇者城のあった場所にうつ伏せに倒れ込んだ。

 

 

「今です! ナイトさん!」

 

 今が最大のチャンスだと勇者城を見上げて声を張り上げる刹那。そんな刹那の声に呼応するように勇者城はピョイーンと垂直に飛び上がり重力を味方につけた状態で六本の足で魔王フミダインの背に着地する。結果、隕石のごとく空から降ってきた勇者城の質量に潰された魔王フミダインは肺から短い悲鳴を吐き出し、間もなく跡形もなく消滅した。残り時間『01’99』の出来事だった。

 

 

 かくして。一時は劣勢だったものの、巨壁魔王フミダインの討伐を見事成功させることのできた刹那たち一行であった。

 

 




 魔王討伐のために大地を陥没させまくったせっちゃん。
 せっちゃんヤベェ。マジヤベェ。
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