【完結】勇者刹那30   作:ふぁもにか

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 どうも、ふぁもにかです。おかげさまでUA数が1万を突破いたしました。……このマイナーな原作でかつ1話ごとの文字数の少なさ&拙い私の文章力でここまでたどり着けたことにちょっぴり感激しております。というわけで、これからもエタることなく楽しく頑張って執筆していきますのでよろしくお願いします。



Undress(5)

 

 二つの尖塔の内の一つ。その10階にて。

 

「よし、それじゃあ早速ヘビさんの所にレッツゴー! ふっふふふ、見てろよヘビぃ。あたしとセツナっちの最強コンビで今度こそギャフンと言わせてやる」

「最強コンビ、ですか」

「そそッ、最強コンビ! 騎士と盗賊、本来なら相容れぬ者同士が共に戦う! これを最強と呼ばずして何と呼ぶのさ、セツナっち!?」

「……そうですね。確かにサイキョーですね」

 

 刹那との一時的な協力関係を手に入れることのできたナツキはルンルン気分で奥の階段へと向かう。一方、ナツキのテンションと価値観についていける気のしない刹那はナツキと一線を画した状態を維持できるよう意識しつつナツキの後をついていく。これも刹那の精神的安寧のためである。

 

 

(『ヘビさんが守ってるお宝ゲットしたい』、ですか……)

 

 刹那はふとナツキが言い放った言葉に着目する。刹那があっさりとナツキの協力要請を受け入れたのは何も金欠&お宝を報酬とされたからだけではない。ナツキの言う『ヘビさん』がお宝だけでなく魔王城の結界に関する何かをも守護している可能性があったからだ。下手したら『ヘビさん』が守っているお宝が結界に関する何かそのものかもしれない。

 

 肝心の『ヘビさん』の実力がどれほどのものかはわからない。けれど、もしも自分が瞬殺できないレベルに強く、そのせいで苦戦してしまったら確実に時間を巻き戻すお金が足りなくなってしまう。そのため戦力確保の意味合いからも刹那はナツキに協力することにしたのだ。

 

 

(実際に見たわけではありませんが、ツッキーさんはあの洞窟のモンスターを一掃できるだけの実力を持ってるみたいですしね……)

「やい、ヘビさん! 今度こそヘビさん秘蔵のお宝盗みに来たよ! だからいい加減観念してお宝渡そっか! それが嫌なら大人しく盗ませて! オーケイ?」

 

 と、ここでナツキが眼前の『ヘビさん』にビシッと人差し指を突きつけて強い口調で要求する。どうやら考え事をしている間に最上階の『ヘビさん』の所にたどり着いたらしい。刹那がスッと顔を上げて、そして硬直した。無理もない。何せナツキが『ヘビさん』と呼ぶ目の前の存在は赤いウロコに覆われたドラゴンだったのだから。

 

 

(え、ヘビさん? ヘビさん!? 違いますよねこれ!? どう見てもドラゴンですよね!? 少なくともヘビさんではないですよね!?)

『また貴様か、アホ女。我は守護魔王セイント様の命によりここより誰一人通すつもりはない。さっさと去れ、目障りだ』

「アホ女言うな! これでも七の段以外は九九暗算できるんだぞ! ……あ、やっぱ八の段もちょっとヤバいかも」

『……早く去れ、アホ女』

「む、むっきぃぃいいいいいいいいいい!! また言った、こいつまたあたしのことアホ女って言った! ヘビの分際で生意気なぁぁああああああああ!!」

『いい加減にしろ、アホ女。我はドラゴンだ、ヘビじゃない。あんな地を這うのみの低俗な奴らと我を同一視するな。何回言えば理解するんだ、アホ女?』

「むっかちーん。ちょーっとあたし本気でキレちゃったかもしんない。あんまりあたしのことバカにしてると……命盗むぞ、ヘビさんよぉ」

『やってみろアホ女。軽くあしらってやる』

 

 全長20メートルほどの体躯を誇るドラゴンを前につい動揺する刹那だったが、隣のナツキがドラゴンと普通に会話しているのを見て平静を取り戻す。何だか自分だけドラゴンに圧倒されているのがバカらしく感じてしまったために落ち着きを取り戻した刹那は今にもドラゴンに攻撃を加えんとするナツキの手を引っ張りその場に留まらせつつ前に出る。

 

 

「ちょっ、セツナっち! いきなりなにするの――」

「なぜ私たちを通すつもりがないんですか?」

『ん? 何だ小娘? そこのアホ女の仲間か? ならば今すぐそのアホ女を連れて帰れ。うざったくてかなわん』

「魔王城の結界に関わる何かがあるからですか?」

『……小娘、なぜ知っている?』

「内緒です」

 

 決まりだ。ドラゴンの反応から刹那は確信した。ここには魔王城の結界に関わる何かがあり、目の前のドラゴンはそれを守護している。ならこのドラゴンをどうにか無力化し、結界に関わる何かを壊しさえすればいい。そうすれば結界の中に閉じこもっている魔王を倒してハメツの呪文を止められる。ようやく見えてきた希望に刹那は薄く笑みを浮かべた。

 

(女神さまの言った通り、ここに来て正解だったようですね)

『まぁいい。何にせよ貴様らをここより先に通すわけにはいかない。よって貴様らを排除する。悪く思うなよ』

 

 ドラゴンは刹那とナツキを本格的に排除対象と定めると二人を威嚇せんと天を見上げて高らかに咆哮を上げる。かくして。刹那&ナツキとドラゴンとの戦いの幕が切って落とされるのだった。

 

 




 割と大きめなドラゴンと戦うこととなったせっちゃん。
 せっちゃんガンバッ。マジガンバッ。
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