どうも、ふぁもにかです。今回は守護魔王セイント戦の後半部分であり、時の女神さまへの印象が二分化する可能性のある回です。ですが、何だかんだでこれが時の女神さまの本質ですので生暖かい目で時の女神さまのことを見守ってくれたら幸いです。
「せ・つ・な・ちゃーん♪」
(何でしょうか、この嫌な予感は……!?)
魔王城にて。あたかも意中の男性の気を引こうとしているかのような猫なで声で刹那の名を呼ぶ時の女神。一方の刹那は己の第六感が女神から逃げろ今すぐ逃げろと警鐘をガンガン鳴らしていることに軽く混乱し、何をどうすればいいかわからないまま女神を見つめる。
「ど、どうしましたか女神さま?」
「んとね、今から足りなかった分の追加の取り立てをしようと思ってね。ふふッ」
「え、このタイミングでですか? でも今お金なんて持ってないですよ。さっき女神さまに全部渡したじゃないですか」
「うん、わかってるわ。きちんと回収したもの。でもやっぱりあの程度のはした金じゃ満足できないのよね。……ねぇ刹那ちゃん。最初に刹那ちゃんと会った時に私が言ったこと、覚えてる?」
「え……」
現時点で所持金ゼロの刹那からお金を徴収しようとする女神の意図がわからず困惑の度合いを増す刹那に女神はニッコリ笑顔で問いかける。満面の笑みのはずなのに「忘れたとは言わせないわよ」との副音声が聞こえるのは気のせいだろうか。
「あッ」
刹那は一旦女神から目を逸らして思考する。初めて女神と会った時の記憶を掘り起こし当時の会話を脳裏で再生する。そして数秒後、刹那はあの時女神が何を言っていたかを思い出した。同時にこれから自分が何をされるのかの大体の予測がついた刹那の顔からサァァと血の気が引いていく。
――別にお金が足りなくても一回だけなら時間を巻き戻してもいいけど、その時は途中で身ぐるみはがしてすっぽんぽんにするから覚悟してね。女の子だからって容赦しないから♪
――別にお金が足りなくても一回だけなら時間を巻き戻してもいいけど、その時は途中で
『
「あ、あのー。女神さま? もしかして……」
「その様子だとちゃんと思い出せたみたいね、刹那ちゃん。ふふふ、あり金全部だけで済むと思ったら大間違いよ。てことで、今から刹那ちゃんの服を売ってお金にするから……はーい、脱ぎ脱ぎしようねー♪ 刹那ちゃ~ん♡」
「ちょっ!? 女神さま、やめ――」
震え声で女神の目的を尋ねようとする刹那に女神は正解と言わんばかりにサドスティック極まりない笑みを浮かべると刹那に纏わりついて服を脱がそうとする。刹那は女神の行動に必死に抵抗しようとするも、次の瞬間には刹那は一糸纏わぬ姿となっていた。
「ふぁッ!?」
「ふふふ、甘いわね刹那ちゃん。私は時を操る女神さまよ。刹那ちゃんの時を止めて身ぐるみはぐぐらい造作もないわ」
女神は今さっきまで刹那が着用していた服を見せびらかして笑みを深める。仮にも女神でありながら今の女神の笑みはまさしく悪者のそれである。
「ふふふ、酷いと思う? 鬼だと思う? ま、これに懲りたら命よりもお金が大事ってことを心に刻みつけておくことね。一応、聖刀カナメだけは奪わないであげるからあとは自力で頑張って。刹那ちゃんガンバッ、マジガンバッ。それじゃあね~♪」
「ま、待ってください女神さま!? まさかこの状態で魔王と戦えと!?」
スィーと上空へと飛んでいく女神に待ったをかける刹那。しかし女神は刹那の切羽詰まった声をスルーして空からの観戦モードへと移行する。同時に灰色一色だった世界に元の色が戻り、脳内タイムウォッチが『09’99』からのカウントダウンを再開した。
「へッ!? は!? えええええ!? ちょっ、ななななななんで急に裸になってるんですか、貴女!? ふ、ふふふふふふ服はどうしたんです、服は!?」
今まで戦っていた相手が突如として全裸となっていることに顔を真っ赤にしてこれでもかと動揺しまくる魔王セイント。ブシャアアアアとあふれる鼻血をどうにか止めようと鼻をつまみながらも刹那から一瞬たりとも視線を外そうとしない辺り、明らかに欲情している。
「あ、う――」
しかし動揺しまくっているのは魔王セイントだけではなく、刹那の顔も羞恥心から真っ赤に染まっており口からは言葉になりきれない音が漏れ出ていく。
ただ全裸になるだけであれば大して問題ではなかった。戦闘中でありながらこうも動揺することはなかった。だが、眼前の見た目男子中学生な魔王が自分の体を見て鼻血を垂れ流すまでに興奮しきっているために刹那は思いっきり触発されてしまったのだ。
「◇●&@%Q>×^¥*#◎□B<#Z=×◎▲▽¶◇ΓΣЩ○жжж――!!」
恥ずかしさのあまり正常な思考能力を失った刹那は紅潮しきった顔をそのままに聖刀カナメをギュッと握りしめ、言葉に表せない絶叫とともに魔王セイントに斬りかかる。本来ならここでしかと機能するはずの魔王セイントの周囲を取り囲む三重もの結界。しかし聖刀カナメは当然のように結界をすり抜け魔王セイントに一太刀浴びせる。
「ガハッ!?」
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■――!!」
魔王セイントが悲鳴を上げる暇すら与えず刹那は情け容赦なく斬撃を浴びせていく。三重に張られた結界を「結界? 何それ、おいしいの?」とでも言わんばかりにスルーした上での刹那の絶え間ない連撃により魔王セイントの体は見るも無残な惨殺体へと変貌していく。
この時。刹那は無意識のうちに今の自分が使えないはずの技を、魔法障壁を物ともせずに背後の術者を攻撃できることに定評のある神鳴流奥義『斬魔剣 弐の太刀』を放っていたのだが、あくまで暴走時の出来事だったので刹那が自分がやったことを認識することはなかった。
「¥*#Z#◎□B<!」
これまで何度も斬撃を浴びせてきたためにもはや原型の残っていない魔王セイントに追い打ちをかけるように刹那は魔王セイントだった何かを蹴り飛ばす。オーバーキル極まりない連撃を喰らい続けてきた魔王セイントの体は魔王城の壁に叩きつけられビチャッと床へと落下する。そして既に絶命していた魔王セイントの体は跡形もなく消滅する。
かくして。刹那はハメツの呪文が発動する前に守護魔王セイントの討伐に成功するのだった。それは残り時間『02’11』の出来事であった。
「セツナさん! 加勢に来まし、って!? な、なななななんで裸――」
「◎ΣЩ○ж▲▽¶◇Γ!」
「ぐぼぁ!?」
ちなみに。魔王セイント討伐直後に姿を現し全裸の刹那を前に顔を真っ赤にさせて酷く狼狽したナイトをも刹那が全力で蹴り飛ばし気絶させたのはまた別の話である。
バーサーカーモードを解放して守護魔王セイントに勝利したせっちゃん。
キタ! 全裸せっちゃんキタ! これで勝つる!