ギルド受付役として生きていく・・・が、ブラックだ 作:パザー
とある山中。そこにはとある集落があった。
大人達は昼に農業へ精を出し、夜は研究に明け暮れる。子供達は友達と勉学を学び、共に思いきり遊んで健やかに育っていく。
娯楽という娯楽もないが、殆どの者がその生活に満足し、日々を過ごしていた。
が、時間は過ぎていき、時代は移ろっていった。
それに連れ、里を出ていく者が増え、彼らの一族は減少を辿っていくことになる。
それが、エルフという一族。紅魔族と同格かそれ以上の知識と魔力を有しながらも滅多に世間から悪く注目されることのない、静かな種族だった。
そんな種族に起こった悲劇。冒険者・・・と言っても一概にモンスターを狩り、魔王軍との闘いに身をやつす者だけではない。モンスターだけを狩り自給自足する者、人々の依頼を率先してこなし生計を立てる者。大きな権力に長く雇用され、護衛から後ろ暗い仕事まで、主の為に尽くす者・・・そしてただただ惨殺を繰り返し、過剰な数のモンスターを狩り、果てには絶滅にまで追い込む者――――【
行動原理は至極単純で明快、満たされること。底なしの闘争への欲求。それの傀儡となって、操られたように狩り続ける。犬と名付けられた由縁だった。
誰も踏み込まなかった領域。そこに一匹の犬が踏み込んだ。
高い戦闘力を持つエルフでさえ、歯が立たず一人、そして一人と命が消えていった――――
~*~
燃え盛る醜炎、すべてを飲み込まんとする勢いで広がり立ちはだかる物を焼き尽くしていく。建造物は崩れ去り、押し潰された数知れない死体。炎で炙られた体は収縮し、まるで胎児のように手足や背中を丸めうずくまっている。
その惨状を見つめる影が1つ。まだ年端の行かない小さな体躯は土や煤に塗れ、ひどく汚れている。荒く浅い呼吸を不規則に繰り返し、目の前の光景を顕著に映し出している双眸は零れ落ちんばかりに開かれ、瞳は左右に揺れ動き、酷い動揺を表している。
目の前の光景をどう受け止め、解釈するかを考え脳がフル稼働する。だが、その処理能力の限界はすぐ訪れてしまう。行き場の無い感情、衝撃、その全てが声の無い叫びとなって現れる。
膝を突いたまま顔を上げ、口をOの字にして静かな咆哮を上げる。叫んでいるつもりでも漏れ出すのは空気のみ。いずれ喉も裂け、その叫びも止まる。そんなオルゴールはこの惨劇にお似合いで、滑稽な物だろう。
そして消えかけの淡く儚い灯は深い、闇の中へと堕ちていった――――
~*~
「・・・ちゃん!・・・アちゃん!・・・キノアちゃん!!」
・・・・・?
・・・あぁ、少しボーっとしてしまいましたか・・・
耳元に掛かってきたゆんゆんさんの声と吐息で急に現実に引き戻されました・・・吐息が若干くすぐったいです。
それにしても・・・今は何をしてるんでしたっけ?
・・・・・そう・・・でした。アイツを・・・探しに来た・・・んでしたね。
幾ら先輩を元に戻すためとはいえ・・・気が進みませんね・・・・・進まないどころか、全力で後退して行ってるんですが・・・・・・
「皆さん・・・その・・・・・言いづらいのですが~・・・」
「「「??」」」
「ここの職員さんたち曰く・・・・・何かしら騒ぎを起こすかもなのでそれを目印に・・・だそうです」
・・・・・舐めてるんでしょうかね・・・?一回魔法でこの辺り一帯・・・・・
おや?何だか地響きしてますね?何でしょうか・・・(棒
石造りの建物がパラパラと欠片を散らしながら何やら嫌な音を立ててますね。それにウィズさん達も何だか焦ってますし・・・・
「キノアさん!魔力!魔力抑えてください!!崩れちゃいます!」
「だ、大丈夫なのかいこれ!?崩れたりはしないの!?」
「はわわわわ・・・キ、キノアちゃん落ち着いて!」
「あ・・・魔力溢れてましたね~・・・すぅいませ」
私の言葉を遮って轟音が響いてきました。私の起こしていた揺れもすべて上書きしてしまうようなインパクトと共に外からとてつもなくドロドロとした雰囲気が漂ってきました。
肌を突き刺すようでありながらも粘液の中に放り込まれたような不快感。以前にも味わったことのあるこの感触は・・・・!
気づけば私達4人は殆ど同時に走り出していました。恐らく自分達の求めていたものだと確信しているのでしょう。勢いよく木製の扉を開け放ち外へと飛び出した私達。そこには先輩と同じくらいの年齢、身長をした獣の耳を頭から生やしている白髪の男性が気だるそうな立ち姿で土煙の中、呆然と立っていました。
「んだよ・・・デケェ魔力があったかと思えばてめェかよ・・・ウィズゥ・・・!」
「ギークさん・・・」
「こ、この人が物部さんの元パーティーメンバー・・・なのか・・・」
「おっ・・・知ってるぜお前。ミツルギキョウヤ・・・だったな?」
「『グレイド・ライトニング』」
自分でも、ここまで冷たい声が出せるのかと少し驚きました。
目の前のクズに飛び切りの魔法を速攻で放ちます。
蒼い軌跡。バチバチと音を立てながらも一直線に対象に向かって行きます。
これを避けれるものなら・・・と言いたいところですが、無理でしょうね。
「あぁ?―――邪魔クセェ」
「―――は、弾いた!?」
「えぇ、まぁ驚くことではありませんよ・・・ゆんゆんさん、あいつの手、見えますか?」
「え、えっと・・・赤くなってるわね。それが・・・どうかしたの?」
「あれの種族は
――――ブラッドウルフと言うのはですね、名前のとおりですが、血を操る狼・・・一種のモンスターなんです。高い知能と血を操る特殊能力、狼特有の身体能力を駆使して戦う非常に強力なモンスターでした。十数年前に絶滅してしまいましたがね・・・彼はブラッドウルフの
「それが、最凶の冒険者・・・二つ名
「おいおい・・・今のは戦闘開始と取って良いのかァ・・・?それによぉ・・・魔法撃ってきたオメェは・・・エルフじゃあねぇか・・・!ククク・・・!ハハハハハハハハハ!!オモシレェ!!仇討ちッて奴かァ!?」
瞬きほどの刹那。その瞬間にここまで距離を詰められるとは・・・癪ですが・・・凄いですね。
ですが・・・・・少々腹が・・・立ちますね・・・!!
「『ダマカス・カタストロフ』!!」
「おぉっ!?―――――っとォ!ヒュー!流石エルフだなァ!!見たことねぇ魔法がポンポン出てきやがる!良いねェ!!サイッッコウだねェ!!」
こ・・・このクズは・・・っ!!
口の中に血の味が・・・・・どうやら歯を噛み締めすぎたみたい・・・ですね。
あの悪魔が魔法の爆発で出来た半径五メートル程の小さなクレーターを挟んで高らかな声を上げてくる。
腹が立つ・・・!体の血の巡りが加速していく・・・!!憎い・・・!!憎い!!
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「さて・・・どう料理してやるかな・・・っと!」
何か視界に・・・黒い影・・・・・もう視界いっぱいに・・・あれ?・・・これって・・・・・死ぬ・・・のでしょうか・・・?私・・・・・このまま脳幹を通って・・・い、いや・・・!いや!
発狂してるはずなのに、何も考えられないはずなのに。体は死を受け入れて感覚はもう遠退いて行っているのに・・・・・ただただ孤独感だけがはっきりと認識できる。これが・・・死なのでしょうか・・・
「ギークさん・・・ボク達は冒険者としてのあなたに依頼をしに来ました・・・そのナイフ、しまってもらえませんか?」
「ほぉ・・・中々に速ェじゃねぇか・・・・それに俺のナイフを防いでも何ともなってねぇその剣・・・・・魔剣グラムか・・・・・良いぜ、別に聞くだけならな。なぁ?ウィズに・・・紅魔族のガキ・・・・・魔法より、俺の方がこの距離なら速ェ・・・折角この優男の手柄潰す気かァ?」
「クッ・・・仕方ないですね・・・・・」
高い金属音が周囲に鳴り響いた―――――と思ったら私の目の前にはグラムを構えたミツルギさんが立ってました。そして、今まで時が止まっていた様に呆けていた周りの人々が爆発や武器を見たせいか、クモの子を散らすように逃げていってしまいました。
「ゆんゆんさん・・・抑えてください、私は・・・大丈夫ですから」
「っ!・・・・・キノアちゃん、大丈夫・・・なの?」
「大丈夫・・・ではないですが何とか」
「さぁ・・・話に入ろうか・・・!」
~*~
「大体は分かった・・・が、何かアテはあんのかァ?」
「「「「・・・・・・」」」」
「アホ共がよォ・・・・」
最近、前後書きで書く事が無いです。誰かぼすけてくだしあ(割と切実