ギルド受付役として生きていく・・・が、ブラックだ   作:パザー

29 / 43
なんだか・・・イチャイチャさせようと思ったら思ったよりしんみり?した恋愛話になっちゃった・・・

後、活動報告にオリキャラ達の設定とか色々書いてみました。良ければどうぞ。


2ー03 彼女の想い

おいおいおいおいおいおいおい!

どうしよどうしよ!?もう心の中でどうしよとおいがゲシュタルト崩壊起こしてきたよ!?何!?このまま行くと何タルト崩壊起こしちゃうの!?イチゴ!?イチゴタルト崩壊!?

 

静まり返ったギルドのとある一室。

ベッドの上で青い顔で固まっている俺と相変わらず眠り呆けているルナさん。

 

ひ、ひとまずベッドから出ようそうしよう・・・今は時間的には10時頃だろうし・・・・・まぁ、残業している様な時間帯だ。

 

音を立てない様注意しながら、ベッドから降りる。ヒンヤリとした石の床の感触が素足を通して伝わってくる。

軽く身震いしてからも取り敢えずベッドのシーツと布団を取り替えようとそれらを自分の方へと手繰り寄せる。

 

多少の物音は立ってしまったがどうやら彼女がまだ起きる様子はない。

 

魔力式の洗濯機もどきにシーツと布団を叩き込み近くの棚から新しいシーツを取り出す。サラサラとした清潔な肌触りと若干の暖かさが再び睡魔を呼び起こそうとする。

 

人ってなんでこう・・・布団とかにくるまると安心するのかね・・・全人類共通なんだとは思うけど。かく言う俺もベッドに入って布団に入るとすぐに眠っちまう。不思議なもんだなぁ・・・・・何だこのクソトークは。

 

そんなこんなでどうにかシーツの取っ替えは終わった・・・さて、最大の難関だ・・・!

 

椅子に深く腰掛け眠り呆けている彼女。そんな彼女をどうやってベッドへと運んだものか・・・・・俺の覚えている技で人体を浮遊させるなんて便利なもんは無いし・・・やっぱり自分の手でやるしかないか・・・・・別に下心はな・・・ちょっとだけ、ちょっとだけ芽生えたかもしれんな。

 

しゃーないやろ!しゃーなんやから!!

 

誰に向けての叫びとも知れないそれを心の中でぶち撒ける。スッキリとした所で、俺は足を運び彼女の横へと足を運ぶ。

実の所、ベッドとの距離はそう遠くはない。精々人が1人間に入れるかどうかの間隔だ。だが、その距離は逆に正面から抱え上げてよいしょとベッドに運ぶ、と言うことが出来ないのだ。なのでまずは・・・・俺が椅子になるしかない・・・?

 

頼むから起きないでくれ・・・そして煩悩を打ち払え俺・・・

 

ゆっくりと。ゆっくりと体を支えながら椅子を引き抜いていく。次第に負荷が大きくなっていく膝回り。だがそれ以上に彼女の柔らかな体の感触が伝わってくる。

 

ドクンと大きく心臓が跳ね、一向に治まるどころかドンドンと心拍数の上昇に拍車をかける。

 

体がひどく火照っていく。息が上がっていく。

 

落ち着け・・・後ちょっとなんだから・・・・・

 

そうして彼女の膝に腕を回し、胴体を支える。

ひどく笑う膝を叱責して、どうにか立ち上がる。

 

お姫様抱っこした彼女の体をどうにか、できる限りの優しい、静かな動作でベッドに寝かせる。

 

これだけしても起きない彼女に、少しだけおかしさを覚え、口角が緩む。どれだけ眠りが深いのか、どんな夢を見ているのか。そんな事を考えながら布団を被せる。

 

 

「フウウウウゥゥゥゥ-------・・・」

 

 

大きく息を吐き、床に膝をつき、ベッドに背を預ける。

・・・久々にここまで神経使ったなぁ・・・・・というか、これからどうしたものか・・・流石にルナさん1人、ここで放置して帰宅----っていう訳にもいかねぇし・・・久し振りに1人月と星を見ながら一杯やるかな。思えば酒もだいぶご無沙汰な気がするし・・・うん、悪くない。何かつまみがあれば良いが・・・まぁそんな贅沢は言わない。

 

うし、それなら善は急げだ。っと・・・酒は確か・・・・・

 

そう思い立ち上がろうとした瞬間。背中が何かに引っ張られるのに気がつく。

 

 

「・・・どこ行くの・・・・?」

 

 

聞きなれた声。だが、いつもよりも数段幼く感じる。そして、儚げにも。

 

 

「・・・だめ、このままで居て・・・お願い」

 

 

振り返り、何か喋りかけようとした時。そんな声がかけられる。

これまで聞いたことのない彼女の声に固まってしまう。

 

 

「・・・はい」

 

「・・・・・ありがとうね」

 

 

ガサゴソと言う音ともにお礼を告げる彼女。

次の瞬間、彼女が自身の腕を肩から回し、俺の背中に顔を埋める。

 

確かに感じる人肌に少なからずドキドキしてしまい、言葉が詰まる。俺が何も言えずに固まっていると何かを喋り出す。

 

 

「・・・引き止めちゃってごめんなさい・・・ただ、嬉しかったのと・・・また君が消えちゃいそうで・・・」

 

「・・・・・・」

 

「愚痴・・・いや、私のお話・・・聞いてくれる?」

 

「もちろん」

 

「私がこうやってギルドに勤める様になってから2年とちょっとだけどさ・・・なんだか満たされなかったんだ。同僚達や冒険者さん方から高嶺の花・・・・とか思われてたのかな。みんな、私に良い様にしてくれた。だけど()()()()・・・だから、誰も一線を踏み越えようとしなかった。ただの顔見知り・・・ちょっと仲が良い人・・・っていうのがドンドンと増えていった。そして段々と1人になって、勝手に潰れそうになって・・・それを紛らわしたくて、ろくに家にも帰らずここで眠って、誰よりも早く1人ここで目覚めて・・・・そんな日々だった。だけどある日、君が来た。当時の君は・・・なんだか私みたいだった。笑顔を忘れて、何かに追われてるみたいな・・・もちろん、私と君じゃ抱えてる物のレベルが違いすぎるけど・・・・・とにかく、上手くは言えないけど、そう感じたんだ。そして君の教育係になって・・・最初はただただ事務的に、君に仕事を教えていた。だけど、だんだん仕事が板について・・・結局私から離れて行くんだろうと・・・そう思ってたんだ・・・だけど・・・」

 

 

声が震えている。背中越しの彼女が若干涙ぐんでいるのが分かる。

なんでだ・・・なんで俺も泣きそうになってる・・・・・?

 

 

「------君は、笑顔を見せる様になった。そしていつも私と居てくれた。例え貼り付けの笑顔でも私にはそれが嬉しかった。この人は、私の中に踏み込んで来てくれるって。そしたら私もなんだか笑える様になってた。偽りの、事務的な笑顔じゃなくて、本当の笑顔で。それがとても嬉しくて、楽しくて・・・!幸せだった・・・!1人で目覚める筈の私の側に君が居てくれた・・・!だから・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-------大好き、モノノベ君」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。