ギルド受付役として生きていく・・・が、ブラックだ   作:パザー

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1ー04この不運な者たちに逆境を!

そういやさ、こいつらって何出来るん?

こんな状況で考える事じゃないのかもしれんがさ。流石に何の打ち合わせも無しに4人と合わせれるほど俺も今は感覚が冴えてないんだが・・・紅姫1本でやれるか・・・?

 

目の前でこちらの出方を窺っているのだろうか。

その場で羽ばたき続けて動こうとしないグリフォンはこちらにとっても好都合。

下手に動かない方が良いなこりゃ・・・

 

 

「お前ら、何が使える?頑張っては見るが初見で合わせるのはキツイ」

 

「いや一応合わせれるんだ・・・俺は短剣1本」

 

「私はアークプリーストよ?攻撃なんてアンデッド以外に出来る訳無いじゃない」

 

(おい・・・・・)

 

「我が爆裂魔法の前では他の魔法など塵芥に同じ・・・!!」

 

「わ!私は一応中級魔法と上級魔法を少々・・・です!」

 

 

良し決めた。

ゆんゆん以外の3人・・・まるで使えねぇ・・・

短剣1本ってどうよ?お相手さん飛んでんのよ?無理がある。

アークプリースト?ヒールくらいしか需要無いじゃん?というか俺以外攻撃もらったら即死でしょ?

爆裂魔法?準備の間に死ぬに決まってんじゃん。しかも奴さんの機動力じゃ躱されるかもしれんし・・・

 

 

「よーしゆんゆん!連いて来い!()()()倒すぞ!」

 

「は、はい!」

 

「「「いやちょっと待てい!!」」」

 

「・・・どうしたお前ら?」

 

「いや何で露骨に嫌そうな顔すんなよ!俺らは何で数としてカウントされねぇんだよ!!」

 

 

だってさ・・・お前らさ・・・使えんやん。

ゆんゆん以外の3人から飛んできたツッコミに俺が若干間をおいて答える。

 

突っかかってきたギャーギャーと騒ぐ3人を適当にあしらいながら考え込む。

いや~・・・ホントどうしよっかな・・・・・

はぁぁぁぁ・・・・・何で一介のギルド職員がグリフォン討伐してんだか・・・有り得ん。

 

突然、痺れを切らしたのだろうか。巨鳥が咆哮を上げた。

若干おふざけムードに入っていた俺達の意識を強引に自分に向かせた。

 

 

「ほれ行くぞ!!お前たちは囮な!逝ってらっしゃい!!」

 

「おい字!字幕おかしいから!!天国へのドア一直線な字幕になってるから!!」

 

「カズマさん!字幕なんてメタな事言わないの!!」

 

「く、くくく黒より黒く、闇より・・・」

 

「あわわわわ・・・どうなっちゃうのぉ・・・!?」

 

 

もう・・・爆裂魔法の詠唱をしている馬鹿は放っておこう。

軽くパニクッてるゆんゆんは大丈夫かな・・・まぁやってもらうしかないんだが。

そうして俺が紅姫の始解を済ませると和真が焦った様子で問いかけてくる。

 

 

「お、おい!結局俺たちはどうすりゃ良いんだ!?」

 

「お前たちは走れ!とにかく走れ!24時間走り続けろ!サライ歌ってやるから!!」

 

「「ふざけんな(ないで)よおおおぉぉぉぉ!!!」」

 

 

派手に土煙を巻き上げながら走っていくズッコケ三人組につられてグリフォンも飛んで行った。

案外頑張ってるなあいつら・・・結構時間は稼げそうだ。

 

羽ばたくと射出される鋼の様な羽毛。

それを必死に躱しながら辺りを爆走していくあの3人・・・面白っ!

しばらく見てたいけど流石にそこまでドSでもないしな。

 

 

「制御大丈夫か?ゆんゆん」

 

「中級魔法の方は大丈夫なんですが・・・上級魔法の方はちょっと・・・」

 

「そうか・・・どうすっかなぁ・・・正直高レベルの魔法使いなら他人の魔力の制御も出来るらしいんだが・・・生憎魔法は10ちょっと位しか使えんし・・・」

 

「す、すいません。私のレベルが低いばっかりに・・・」

 

 

露骨にしょげくれてしまうゆんゆん・・・き、気まずい・・・

落ち込んでる子を慰める・・・とかそんな柄じゃないしな・・・まぁ偶には慣れない事をしても罰は当たらないだろう・・・正直神様の事は信用してないが・・・

 

彼女の頭に手をポンと置いてかき混ぜるかのようにワシャワシャとする。

頭を回されアウッと短い声を上げるゆんゆん。不思議そうな顔と日に照らされて紅く輝く目でこちらを見つめる。

 

 

「お前が心配する事は無いさ。誰だって一度は通る道だぜ?俺もだけど」

 

「あ・・・ありがとうございます!強い人・・・なんですね、サクさんって」

 

「俺は・・・強くは無いさ・・・」

 

「へ?」

 

「・・・あぁ!何でもない。気を取り直して、行くぞ!」

 

「はい!」

 

突然俺が暗い顔をしたからだろうか。少し驚いたかのように俺の顔を覗き込んでくる。

が、俺も俺ですぐ気持ちを入れ替えて彼女に鬨の声を上げる。

 

グリフォンが羽ばたいている真下にまるでドームの様に舞っている土煙。

そこに向かって走っているが近づくほどにどれだけ土煙を上げながら走っているんだと思わせるような状況へとなっていく。

 

忙しなく動くドームの端には赤青緑と言うまるで信号機の様な奴らが走っている。

今なら不意打ちで一発当たるだろ・・・いや、どうかな・・・ま、やってみよう。

 

 

「『剃刀紅姫(かみそりべにひめ)』!!」

 

「『フローズンレイ』ッ!」

 

 

俺の声に合わせて普段は控えめな彼女からはあまり想像できない凛とした声が響く。

紅姫の刀身から赤黒い血液の様な斬撃が4,5個ほどの塊となって飛んで行く。ゆんゆんが翳した手のひらからは何処からともなく人の頭部程のサイズをした氷塊が飛び出した。

 

しかし、あいつらを追い回しながらも意識の一部はいつでも向けられるようにしていたのか。

俊敏にこちらへと向き直るとその巨躯を翻し全弾躱してしまう。

明後日の方向へ飛んで行き自然消滅してしまう氷塊に斬撃。

 

 

「・・・チィッ!!」

 

「ようやく・・・ハァッ・・・来たのかよ・・・ハァッ・・・もうちょっとで・・・鳥の餌に・・・なるとこだった・・・」

 

「おっそいわよ2人とも!このアクア様を囮にするなんていい度胸じゃない!これは後で天罰が下るでしょうね!回避するにはそうね・・・アクシズ教に入信するでしょ?それかrフギュッ!?」

 

「く、食われてしまいましたよ!大丈夫なんですか!?」

 

 

セリフが長いと、天からのお告げなのだろうか。

近くの藪から伸びてきたピンク色の長い舌に絡み取られ消えてしまった。

 

・・・あれでも女神・・・なのか?半信半疑だったが俺がここ来るときアクアっていう女神の名前を聞いた様な・・・聞いて無い様な・・・いや、あんな駄女神がいるもんなんだろうか・・・

 

 

「「あぁうん、あれはあれでいいんだよ」」

 

「酷くないですか!?特にカズマ!あなたパーティーメンバーでしょう!?」

 

「いや・・・・あんな何ちゃってプリースト・・・正直捨てれるなら捨てたい・・・」

 

 

俺と和真が2人揃ってアクアの扱いはあれで良いのだと言うとめぐみんが声を張り上げてこちらに叫んできた。

そして和真の下衆発言に一同がドン引きしている中、グリフォンが放置され、度々空気となっていたのだが我慢の限界を迎えた。

 

上空高く回転しながら飛び上がり羽を勢いよく広げた。

バサッと大きな音を立てるのと同時にそれを見ていた俺たちに無数の羽を飛ばしてきた。

マズイ!!間に合えぇっっ!!!

 

 

「『血霞の盾(ちがすみのたて)』ッ!!」

 

 

持てる限りの全力で剣を大きく円を描くように振るう。

先程と同じように刀身から赤黒い何かが飛散し和真にめぐみん、俺とゆんゆんの所で立方体の盾へと変形した。

何回も連続して襲い来る衝撃に歯を食いしばりながら耐える。

 

クソッ・・・強い・・・!

気ぃ抜いたら・・・殺られる・・・

 

 

「よぉっこいしょぉっとお!!」

 

 

気合の無い気合を入れる声(矛盾)を上げて盾の強度を更に上げる。

連続していた衝撃も消え一息ついてから技を解いた。

 

パラパラと目の前に落下する羽を無視してグリフォンの方へと向き直る。

視界の隅でバラバラになったジャイアントトードの死体からアクアが泣きながら出てくるのが見えた。

 

まぁそんな事に付き合ってる暇はない。

というか何か背中・・・っていうか・・・尻が・・・

 

 

「あの~サクさん・・・」

 

「ど、どどどどうした・・・ゆんゆん?」

 

「あの・・・その・・・お、お尻に・・・」

 

 

顔を赤くしながら俺の尻を恐る恐る指さした。

俺も認めたくない現実だが、確認しない訳にも行かずゆ~っくりと首を後ろへと曲げた。

 

すると器用に・・・というか訳の分からない軌道により俺の尻に羽が1本、堂々と突き刺さっていた。

それを確認した途端体中に激痛が走る。・・・・・こ、こんな殺られ方・・・・・てかどうやって・・・

 

クラクラと歪む視界の中、グリフォンの周りに発生している大きな乱気流を見つけた。

・・・そうか・・・あれの軌道に乗って・・・上手い事・・・俺の・・・尻・・・に・・・グフッ

 

 

(や、やられた・・・・!!またとない最低な原因で・・・オリ主やられた・・・・・っ!!)

 

 

和真の声にならない叫びをあげている顔が俺の目に映った最後の物だった。

 

 




お気に入り100件越え・・・正直ここまで伸びるとは思わなかった・・・やったぜ。
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