ギルド受付役として生きていく・・・が、ブラックだ   作:パザー

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結構頑張りました。まぁ量はいつもの半分くらいですが、ご容赦ください・・・そして、1巻よりも短くはありますが2巻のお話もこれにて完結です。


2ー10 この難攻不落の要塞に終幕を!

怒号が響く中、アクアがとても気まずそうな顔で俺とカズマの方にゆっくり助けを求めるような視線を向けてくる。 最初のうちはあいつがちょっとふざけて内容を改変したりしながら読んでるもんだと思ったが、あの子犬みたいな様相を見るに、『ま、真面目にやったんですケド・・・』みたいなことを思ってるんだろう。

今回ばかりはあいつも悪くない。このままじゃ状況も足踏みしたままだろうし・・・

 

 

「ダスト、みんなを先導して先に脱出しといてくれ。後は俺たちがどうにかする」

 

「えっ・・・い、いいのか?」

 

「ほらアクアやウィズがいるんだし大丈夫だって。それに『あの店』のことも頼んだぜ?」

 

「カズマ・・・職員サンまで・・・よし分かった!俺に任せとけ!」

 

 

人払いを済ませ、煌々と輝くコロナタイトの前にウィズ、アクア、カズマに俺の4人が並ぶ。太陽の名を冠するそれは恐ろしいほど綺麗な赤と熱気を周囲に振りまきながらただただそこに存在していた。

 

・・・多分、あの容れ物を壊してコロナタイトを引きずり出すのは簡単だ。だが問題はその後の対処だ。俺の氷魔法で多少なりとは時間稼ぎ出来るだろうが、そんな事したら俺が魔力切れ起こした瞬間におわおわりだ。

 

 

「暴走してますね・・・ど、どうしましょう・・・」

 

「なぁ、これお前どうにかできないのか?よくあるだろ、女神が悪しき力を封印するーみたいな」

 

「そんな都合のいい展開あるわけないでしょ・・・」

 

「『絶対零度の地平線(グレイシアホライズン)』・・・取り敢えず時間稼ぎは任せろ・・・つっても俺もわりかし魔力がカツカツだ。早急に頼むぜ」

 

 

コロナタイト入りの円筒に近づきそれを傲岸不遜にも足蹴にして凍らせる。凍らせた側からコロナタイトの熱で溶かされてはいるがまぁ多少なりとは意味があるだろう。

てかめちゃくちゃ熱い。格好つけてクールキャラぶった態度したけどめちゃくちゃ熱い。マジで靴底とか溶けてきてない?大丈夫これ?ねぇ変な汗出てきたんだけど!靴とか溶けて変な物質とか出てきてないよね!?

 

 

「-------そうだ!テレポートを使えば・・・!あ、でも魔力が・・・カズマさん、吸わせてください!」

 

「はい、喜んで」

 

 

何が?などと無粋な言葉はいらない。男ならば仲間を信じてただ身を預けるのみだ。そう言わんばかりの凜とした表情でカズマはウィズと向き合った。 その様相を見て後ろから

 

 

「ねぇねぇサクさん、カズマさん卒業の時・・・?」

 

 

とアクアが肩に手を置きながらアワアワしている。・・・こんなロクでもない世界のことだ。アクアやカズマが想像してるような事にはならないだろうさ。ありゃ多分・・・

 

 

「ごめんなさい!『ドレインタッチ』!」

 

「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!」

 

「ちょっ!ちょっとウィズ!カズマさんが!カズマさんが干物になっちゃうわ!」

 

「ご、ごめんなさいごめんなさい!でも・・・これで・・・!ただ・・・」

 

 

そう言いウィズが顔を曇らせる。なんだなんだ。この期に及んで心配事項か?てかマジでそろそろ限界なんだけど。視界がフラフラしてきたんだけど。

 

 

「私が今できるのはどこに飛ばせるか分からないランダムテレポート・・・万が一にでも集落に飛ばしてしまったら・・・!」

 

「だ、大丈夫だウィズ・・・世界は広い。人がいないところの方が多いし、こう見えて俺は運がいいらしい・・・ぞ・・・それに・・・俺が責任を取る!!だからやってくれ!!」

 

「ちょ!カズマさんくたばりかけなのに下手に動かないでよ!」

 

 

見るからにげっそりしたカズマが治癒されながら体を起こしてウィズに語りかける。そして極め付けに俺が責任を取ると啖呵をきったもんだから、ウィズの目が冒険者時代の輝きを取り戻した。

そしてウィズが決意を決め、俺の横に歩み寄る。

 

 

「て、店主・・・靴がそろそろ限界だから早くしてくれ・・・ちょっとクールキャラっぽくしてるけどマジで無理だから・・・」

 

「え!?そ、そうなんですか!?てっきり余裕そうな態度だったのでまだまだ大丈夫かと・・・!」

 

「てか靴離れないんだけど・・・あれ?これまさか熱で溶けて氷で冷やされてくっついちゃった・・・?え?・・・・・えぇ・・・?」

 

「ご、ご愁傷様です・・・というかそうやって間接的に触れられているとモノノベさんも飛ばしてしまうかもなので、靴は犠牲に・・・」

 

 

幾ら足を自分の方に引っ張ろうと。引っ張るどころか自分に膝蹴りをかます勢いで動かそうと、靴がコロナタイトの円柱から決して離れない。いつのまにか体の関係を築いてしまったようだ・・・いや何言ってんの俺・・・しょうがないけどデストロイヤーと一緒に消えてもらおう・・・うぅっ・・・

 

 

「『ランダムテレポート』!」

 

 

彼女が呪文を唱えると、遥か上空に軌跡を描きながらコロナタイトの熱気と膨大な魔力は感じられなくなった。核が消えた事により、静寂に包まれた内部。4人が安堵の溜息をこぼす。ようやく、終わったんだなとそれぞれが胸に秘めていると、アクアが前に躍り出る。

 

 

「終わってみれば呆気ないものだったわねデストロイヤー!さっ!ギルドに帰って勝利の美酒を浴びようじゃない!サクさん頼むわよ!」

 

「あいつまた余計なフラグを・・・まっ、流石にこれ以上は起こりようもないか」

 

「そうだな、俺も片っぽ靴が犠牲になったがまぁ・・・一件落着って奴だ。そうと決まったらとっとと脱出しようぜ」

 

 

そう言い一行が振り返り、帰還の一歩を踏み出す。その瞬間、慟哭が一面に響いた。そして後ろの空間に何かが収縮され始める。

 

 

「なんだなんだなんだ!!?周りから・・・回路かありゃあ・・・!?」

 

「デストロイヤー内部に溜められてた熱エネルギーが収縮されて、魔力に変換されてます・・・!この量は・・・!」

 

「な、何!?あたしがまた何かしたっていうの!?」

 

 

熱エネルギー・・・いや、それだけじゃない、この魔力の感じ・・・・・・そうだ!めぐみんとクエストに行った時のあの妙な魔力がここに集まってきてるのか・・・!?だからデストロイヤーがあの魔力を求めてアクセルに来たのか!それにあの家の地下にあった日誌の破片にあった『ろ・・・やー・・・・・いと・・・うかん・・・』の文字・・・!

 

 

「ああぁっ!!全っっ部繋がった!!コロナタイトが失われた時!周囲の魔力と自身のエネルギーで何かしらを起こすようプログラムされてやがる!!」

 

「ええぇぇっ!な、何が起こるんですか!?」

 

「分からんが!早く逃げ-------!!」

 

 

俺は、その言葉を最後まで言えなかった。部屋を青白い光をたたえ、覆い尽くすと同時に視界はホワイトアウトした-------

 

〜*〜

 

体を何かが激しく打ち付け続けている。それも身動きの取れないような強さで。それに体がフワフワする。まるで地面から離れているみたいだ。

 

 

「-------ん!----ベさん!-------モノノベさん!!起きてください!!」

 

 

聞き慣れた店主の声がする。なんだそんなに切羽詰まって。デストロイヤーの件は解決した・・・いやしてねぇわ!!あの後どうなった!?状況はどうなってる!?

 

そう思考にフルスロットルがかかると同時に目を開く。目を開くと映るのは青と白のまだら模様。そして横から切羽詰まった店主の声。それに加えこの感覚・・・落ちてんのか!!

 

体を反転させて恐らく地面があるだろう方向へ目をどうにかこらす。すると、緑と灰色の地面がみるみると近づいてきている。

 

 

「なんだこのターミネーターもびっくりなこの状況!-------ッ!店主!掴まれ!!」

 

「は、はい!」

 

 

なんとか互いの手を取り合い2人で落下しながら円をつくる。確か日本っていうか、元の世界にこんなスポーツ?アクティビティ?があったな・・・ただ、パラシュートがないというオワタ式だ。しかしただ落下してるだけなら対処は楽だ・・・それがまだ救いか。

 

 

「『吊星』!」

 

「わわっ-------!」

 

 

クッションを展開してどうにか地面に叩きつけられるのを免れる。落下した先は森だが、空から見ていた時、近くに灰色の面があった。そこに歩いていけばここがどこだか分かるだろう。

 

 

「-------っと、大丈夫だったか?店主」

 

「こ、腰が抜けましたぁ・・・」

 

「ハハッ・・・まぁあんな経験すりゃあな・・・ひとまず、近くに街があるっぽいからそこまで移動するぞ・・・っと!」

 

 

ヘナッと地面に座っている店主を担ぎ上げ、俺は足を運び始める。

 

ただ・・・妙に静かだ・・・魔物の1つもいてもおかしくないし、それに・・・・・魔力が回復しない・・・?一体何処なんだここ・・・?

 

 

〜*〜

 

「う、嘘だろ・・・?」

 

「ふぇ・・・・?」

 

 

見上げてようやく先が見えるほどに高くそびえる無数の建造物。その下には無数の車が走り、横の歩道にはそれ以上の人々が堅苦しいスーツと電話を片手に忙しそうに歩き回っている。照りつける日と絶えることのない喧騒。毎秒毎秒姿を変え続け、忙しなく変遷するこの街は俺がよく知る街だった。道路の青地に白文字の標識が告げるこの街の名前は-------

 

 

「日本・・・・・東京・・・だ・・・」

 

「ど、何処なんですか・・・ここ・・・」

 

 

背中越しに店主がそう弱々しく告げた声も届かない程に目の前の光景は驚愕のものだった-------




2巻終了現在、話数は40話に到達しました。そして多分5話くらいのEXパートが入るので2期の話が終わる頃には70話くらいいってるんじゃないですかね(遠い目
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