閻魔大王(真)と英雄王(偽)♀の物語   作:オキカ

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さて、上手く表現できるかな(震え声)?


〜第1章〜
第一話


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ーーーー閻魔大王sideーーーー

 

 

 

ーーー目を開けたら、はるか上空にいた。

 

 

……って、マズイ!!?

 

 

 

 

閻魔大王「ーーーぐおっ!?」

 

 

 

ギルガメス「ーーきゃあっ!?」

 

 

 

 

俺とギルガメスは無事『天獄門』を潜り抜けて異世界へと転生(転移?)出来た。

 

だが座標が中途半端だった所為か、地上ではなく上空に転送されたようだ。

 

 

 

 

 

ギルガメス「うおぉ…っ!!なんじゃ!!此処は何処なのだあぁぁぁぁぁっ!!?」

 

 

 

 

 

 

ギルガメスは楽しいんだか怖いんだか分からん表情を浮かべて絶叫している。

 

 

ーーーっと、そんな事を考えてる場合じゃないかな!

 

 

 

閻魔大王「…ったく、捕まれ!お嬢!!」

 

 

 

俺はギルガメスに声を掛けて、左腕を彼女に向けて伸ばした。

 

ギルガメスは、俺の声に気付いて少し躊躇しながら腕を伸ばして来た。

 

 

 

ギルガメス「う、うむ!」

 

 

 

俺はギルガメスの腕を掴むと、俺の愛馬(・・)を虚空より呼び出した。

 

 

 

閻魔大王「来い!ーーグリフォン!!!」

 

 

 

すると虚空に次元の穴が開いて、そこから一匹の幻獣が現れた。

 

下半身は獅子、上半身は鷹、さらに大きな鳥の翼を持つそれは、正にグリフォンと呼ぶに相応しい姿をしている。

 

俺は、真横に並走して来たグリフォンに近づいた。

 

 

 

閻魔大王「乗るぞ、ギルガメス!」

 

 

 

ギルガメス「うぇ!?の…乗るぅ!!?」

 

 

 

俺はギルガメスの承認を得ずにギルガメスを抱き寄せると、並走するグリフォンの背中に跨った。

 

 

閻魔大王「このまま降りるから、しっかり掴まってろよ…」

 

 

 

ギルガメス「ちょっ、ちょっと待て!」

 

 

 

ギルガメスは何やら喚き立てているが、俺はそんな事を御構い無しにグリフォンに地上に降りるように指示を出した。

ギルガメスは振り落とされない様に俺の服にしがみ付いた。

 

 

そして俺達は、そのまま地上に向けて駆け下りて行った。

 

 

 

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ーー

 

 

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俺達はあの後、かなりの高度をグリフォンに跨りながら地上に降り立った。

 

 

 

閻魔大王「ーーーふぅ、吃驚した…」

 

 

 

ギルガメス「…って妾の方が吃驚したわ!この愚か者めが!!」

 

スパァーン!!

 

 

 

 

そう言ってギルガメスは、俺の頭を強めに引っ叩いて来た。

 

 

閻魔大王「…何だよ!?助かったんだから良いじゃねぇか!!」

 

 

 

ギルガメス「馬鹿者め!妾はグリフォンに乗るのが初めてなのじゃぞ!!?それを、イキナリあんな乱暴な乗り方で……!!」

 

 

 

閻魔大王「あぁ?スリルがあってとても楽しい初めての(グリフォンの)乗馬…って事で別に良いんじゃねぇの?」

 

 

 

 

ギルガメスは、先程のグリフォンの騎乗を快く思わなかった様で御立腹のようだ。

 

とは言え、あの状況で上品な騎乗なんざ出来る筈も無く、初めての乗馬がグリフォンであんな状況になったのは、残念としか言いようが無い。

 

 

 

閻魔大王「まあ、ドンマイ。次の初めてはきっと大丈夫だって!」

 

 

 

ギルガメス「う、うむ?それもそうか…」

 

 

 

ギルガメスは一人で何とか納得出来た様で一先ずは落ち着いた。

 

そして俺は、取り敢えず周囲を見渡して状況を確認した。

 

 

閻魔大王「それで…何処だ、此処は?」

 

 

俺の呟きをギルガメスは拾い、それに反応して彼女も周囲を見渡した。

 

此処はどうやら何処かの草原のようだ。

見渡す限りは草原ばかりで、かなり離れた所には中々にデカイ山脈が見える。

 

 

ギルガメス「…ふむ、どうやら此処は地球では無いらしいな。妾はこれ程の大きさの草原を地球で見た事が無い…」

 

 

閻魔大王「ああ、だろうな。だが地球よりは狭い星だな。重力は地球の約半分程度、恐らく月よりはデカイか…」

 

 

 

どうやら此処は随分と小さい惑星の様だ。重力も割と小さい為、俺が本気で飛んだら大気圏程度は突き抜けそうだ。

 

 

閻魔大王「まぁ…取り敢えず、俺達が今いる此処が地球じゃねぇのは分かった。

…………本当なら地球に転送される筈が、何の因果か知らんが地球以外の惑星に来ちまったようだな」

 

 

俺が取り敢えず今の状況を纏めると、ギルガメスは最後に零した言葉を拾って詰め寄って来た。

 

 

ギルガメス「……ん?『本当なら地球に転送される筈』だと…?どういう事だ?」

 

 

 

閻魔大王「アレ…?知らねぇのかよ?俺達が潜った『天獄門』は行き先が安定しないから、本来は地球に座標を固定してから使うんだよ…」

 

 

ギルガメス「『天獄門』?」

 

 

ギルガメスは、そもそも『天獄門』という言葉すら知らない様だ。

 

 

閻魔大王「は…?お前さん、メソポタミアの神域に住んでたなら『天獄門』くらい使ったことがあるだろ?」

 

 

 

『天獄門』は俺達が住む『神界』と人間達が暮らす『人間界』を行き来する時に最も使用頻度が高い門だ。

その中でもメソポタミアの奴等は、凄ぇ高頻度で『人間界』に行く為、『天獄門』の使用回数は色んな神話体系の中でもメソポタミア神話はダントツのNo.1だ。

『地獄門』も偶に使う奴はいるが、アレを使うと大抵は冥界か魔界行きだ。

 

俺の質問に対してギルガメスは不思議そうな表情を浮かべて首を傾けた。

 

 

ギルガメス「…………?何を言いたいのか全く分からんが、妾はメソポタミアの神域から出た事は一度も無いぞ」

 

 

 

 

 

 

閻魔大王「………は?」

 

 

 

ギルガメス「妾はその生涯をメソポタミアの神域だけで過ごした。妾の1世紀にも及ぶ人生はあの神域の中だけで完結しておる」

 

 

 

 

 

 

 

…つまりギルガメスは『箱入り娘』だと?

 

 

 

 

 

 

閻魔大王「えっ?ちょっと待って…。ならお前はどうして何の疑いも無く『天獄門』を潜った…?」

 

 

 

するとギルガメスは、自信満々な表情を浮かべて笑顔で言って来た。

 

 

 

ギルガメス「だってアレだろう?あの門を潜ると異世界に行けるのだろう。二次創作ではお決まりの展開ではないか!」

 

 

 

………………………成る程。

 

このガキがどんな思考回路をしてるのか、漸く分かった。

つまりはアレだ。

コイツ、典型的な転生者みたいな思考回路で動いている。というかコイツの知識は恐らく、ネットから得たものばかりだろう。なんのかんの言って神々も人間の電子端末には興味津々だったのだから、半神半人のコイツがネットにどハマりしても不思議ではない。

それにメソポタミアの神域を一度も出た事がない所為で『世界を越える際の危険性』を理解してない。

 

 

俺は少し冷めたかの様な表情でギルガメスにとある事(・・・・)を聞いた。

 

 

 

閻魔大王「ギルガメス。お前さ、何で転生したかったんだ?」

 

 

 

するとギルガメスは、目を爛々に輝かせて飛びっきりの良い顔で答えた。

 

 

ギルガメス「決まっておろう!!妾が転生してまで果たしたい事は、それはーーー」

 

 

 

閻魔大王「………それは?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルガメス「ーーーハーレムである!!!妾はありとあらゆる美男・美女を集めて、妾だけのハーレムを形成するのだ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

……………………ですよね。

 

 

 

 

 

 

 

ギルガメス「妾は母上の勧めで沢山の漫画やらアニメやらラノベやらに手を染めた。果ては二次創作にまで手を出した。そして妾はふと思ったのだ。『父上ならばきっと転生させてくれる』とな!!事実として、妾の父上はあのメソポタミアの守護神エア。であるならば頼らざる得なまい!」

 

 

 

閻魔大王「………イヤ、まあ」

 

 

 

 

ギルガメス「だから妾は父上の状況を密かに喜んだのだ。どうやら妾の存在は、他の神々からして見ればあまり良くないものだと聞いた。そして父上もそんな妾をどうにかしたかったようだし……」

 

 

 

 

……というかソレは、100%エアの自業自得だがな。

 

 

 

 

ギルガメス「そして妾は、死ぬ前に父上に手紙を書いたのだ。『妾が死んだ後は、異世界に転生させてくれ』とな!」

 

 

 

閻魔大王「……(エアの奴、娘に弱すぎ)」

 

 

 

 

ギルガメス「そして今、ついに妾の願いは叶った!妾は今後色んな美系キャラを集め、妾による妾の為の妾だけのハーレムを形成するのだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

閻魔大王「あ、そう…ガンバレ」

 

 

 

ギルガメス「うむ、無論だ!!」

 

 

 

 

ぶっちゃけ、ここまで馬鹿正直にハーレムを宣言する奴はゼウス以来である。

……イヤ、まだコイツの方が断然マシだ。ゼウスなんかはこの残念系美女のレベルを軽く凌駕する程の阿保だ。

 

 

 

取り敢えずは………っと。

 

 

 

閻魔大王「まぁ、何はともあれ行動しない事には始まらねぇし…。そろそろ動くか」

 

 

 

ギルガメス「…ん?動くと言っても、何処に行くのだ?此処から見渡す限りは、草原しか無いのだぞ…?」

 

 

閻魔大王「それならお前は此処にいるか?悪いが、俺は進むぞ…」

 

 

俺が立ち上がって歩き始めるとギルガメスは一瞬だけ不安そうな表情を浮かべた後、すぐに立ち上がって俺の近くに駆け寄って来た。

 

 

ギルガメス「……………当然、妾も行くに決まっておろうが。もし置いていったら、父上に言いつけてやる…」

 

 

 

 

そう言ってギルガメスは不貞腐れたかの様な態度で俺の足を蹴った。

 

 

閻魔大王「んっ…そうか」

 

 

 

俺はギルガメスの頭を撫でながら、自身の魔術回路を開いた。

 

 

 

閻魔大王「…なら、行動開始だ」

 

 

 

…ズボッ!

 

 

 

俺は虚空に次元の穴を空けて、その穴の中に腕を突っ込んだ。

 

 

閻魔大王「…えーと、コレじゃなくて…。コレでも無くて、えー………。あった!」

 

 

…スポンッ!

 

 

 

 

俺は虚空から腕を引き抜くと、少し大きめのコンパスを取り出した。

 

 

 

ギルガメス「……?それは、何じゃ…?」

 

 

 

閻魔大王「コイツは、『コンパス』だよ。ただし、示すのは方角じゃないけどな…」

 

 

そう言って俺はギルガメスと共にコンパスを覗き見た。

 

 

 

ギルガメス「…方角でないのならば、このコンパスは何を示すのだ?」

 

 

ギルガメスの質問に俺は少しだけ思案してなるべく分かりやすく説明した。

 

 

閻魔大王「コイツが示すのは、『生命体』が発する『魂の鼓動』だ。『魂の鼓動』は生きているのならば、全ての生命体が発する魂の脈拍みたいなもんだ。このコンパスは、持ち主を中心に半径5000億㎞以内で発せられる『魂の鼓動』を感知出来る」

 

 

ギルガメス「ほぉ〜!!素晴らしい品だ、妾も是非そのコンパスが欲しいぞ!」

 

 

ギルガメスがコンパスを物欲しそうに見ているが俺はギルガメスにある事を伝えた。

 

 

 

閻魔大王「…多分、お前の『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』の中にもあると思うが……」

 

 

 

ギルガメス「なにっ?それは誠か…!?」

 

 

 

閻魔大王「あぁ。昔、コレのオリジナルをギルガメッシュが持って行ったからな…」

 

 

 

ギルガメスは俺の言葉を聞くと、目を爛々に輝かせながら『王の財宝』を開こうとした。

 

しかしーーー、

 

 

 

ギルガメス「…うん?ところで閻魔大王。『王の財宝』はどうやって開くのだ…?」

 

 

 

 

閻魔大王「…………は?」

 

 

 

 

ーーーギルガメスは『王の財宝』の開き方を知らなかった。

 

 

 

 

 

ーーーー閻魔大王sideoutーーーー

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