~Side 八幡~
~星導館学園トレーニングルーム~
「はぁ、はぁっ...」
「...こんなもんにしとくか、戸塚?」
「はぁっ...そうだね。もうそろそろ行かないと遅刻しちゃうし。」
俺-比企谷八幡-の朝は、一見女子にしか見えないクラスメイト、戸塚彩加との鍛練から始まる。それは今日も例外ではなく、今は中庭を歩きながら今朝の反省をしている。
「やっぱり八幡は強いね。今日も一本も取れなかったよ。」
「いや、まあ...戸塚も成長してると思うぞ?《
実際リスト入りしてる奴らって、入ったは良いけどその後公式序列戦で指名すらされずに現状維持って奴多いからな。
「ホント!?」
ちょ!?そんなキラキラした瞳で俺を見ないで!
「あ、ああ。」
ドーン...!
「何?今の音?」
「向こうの方に爆炎見えたな...あの規模だとあのじゃじゃ馬以外あり得ないだろ...」
他にあんなデカイ爆発を起こせる奴は星導館にはいない。
「悪い戸塚。俺ちょっと見てくるわ。」
「うん。じゃあ僕は先行ってるね!」
全く...俺と戸塚の朝の一時を邪魔してくれやがって...
「で?これはどういう状況だ?」
現場に着いた俺が目にしたものは、見知らぬ男子生徒に炎を浴びせまくってる女子生徒と、その炎を必死にかわしまくってる男子生徒という謎の図だった。
「比企谷先輩!」
着いたばかりの俺に話しかけてきたのは、妹を除けばほぼ唯一交流のある後輩、刀藤綺凛だった。
「...刀藤。これはどういう状況だ?」
「いえ、私もよく分からないのですが...リースフェルト先輩から決闘を仕掛けたみたいです。」
...ホント何やってんだあのお姫様は...《冒頭の十二人》ともあろう者が...ん?
「あっ!」
刀藤が叫び声をあげた頃には俺はもう走り出し...
「そらっ」 ガキンッ
リースフェルトに向かって飛んでいた矢を適当に選んだ小太刀で切り落とした。
「ふー...」
矢を射った奴は...逃げたか。逃げ足の速い奴...。
「さて...お前...ら...」
無事か?と言う音は発することはできなかった。
...何であなたリースフェルトを押し倒してるんですか?
あと何で胸を鷲掴みにシテルンデスカ?
「ご、ごめん!俺は別にそんなつもりじゃなくて!」
「お、お前...!」
ヤバイ。こいつ能力制御出来なくなってる!ほら少年早く土下座して謝れ!などと思っていたら...
「ハイハイ、そこまでにしてくださいね。この度の決闘は無効とさせていただきます。」
腹黒生徒会長ことクローディア・エンフィールドが収めに来た。...タイミング図ったの?
その後、リースフェルトがエンフィールドにつっかかり、エンフィールドはリースフェルトをいなしていた。どうやら男子生徒の方は転入生らしい。通りで見覚え無いわけだ。
「クッ...まあいい。では貴様は何故邪魔をした!?」
「......」
「おい、貴様だ、比企谷八幡!!」
「あ、俺?」
「貴様以外に誰がいる?」
何だ俺か...貴様だけじゃわからんつの。
「何でって言われてもなぁ...つーかそれよりも、俺はお姫様より学年も年も上なんだが?敬意を払えとは言わないけど、せめて最低限敬語は使え。」
「話を逸らすな!」
当たり前の事を諭そうとしたら逆ギレされた...理不尽だ...
「外部からのお前に対する攻撃を防いだからだが?」
「...」
俺の正論の返答に、リースフェルトは悔しそうに口を閉じた。
こいつ、公式序列戦で俺に負けて以降、俺の事目の敵にしてくるんだよな。おかげでこっちはえらい迷惑だ。
「えーと...あなたは?」
リースフェルトが丁度黙ったタイミングで、転入生が話しかけてきた。
「...まだ俺の紹介してなかったか?」
「ええ。」
...なんでエンフィールドが答えた?
「まぁいいや。...星導館高等部2年、比企谷八幡。」
とりあえずこれだけ言っておけば十分だろう。
「おや?それだけですか?」
...生徒会長殿。あなたは事態を面倒くさくするのは止めてくれませんか?
「比企谷?先輩にも何か役職があるんですか?」
おいこら。なんで俺の名前の部分疑問形だったんだよ。
「ええ。《
「は、はい。さっき教えてもらったので。」
「そうですか。なら話は早いですね。彼は我が学園の序列1位なのですよ」
おい何ばらしてんだコラ!
「因みに二つ名は『千変万化』です。」
「それはお前が付けた二つ名だろーが!」
くそっ...望んで序列1位になった訳じゃないのに...。
ありがとうございました。