六花在住の捻デレ者   作:グッバイぐら

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喪中につき、新年の挨拶は割愛させていただきます。
本年もよろしくお願いします。


異常さを理解していない

「比企谷先輩!戸塚先輩!こんにちはです!」

放課後、八幡と戸塚がトレーニングルームで準備していた時、綺凛と小町が入ってきた。

「ごめんなさいです。お待たせしてしまって。」

「いや、別に待つって程待ってないからいい。それより今日何やるんだ?」

八幡と戸塚のみ、あるいは小町との鍛練の時は基本的に八幡が指導者に回り戸塚がメニューを決めるのだが、綺凛は八幡が指導できるレベルを越えているため、綺凛が参加しているときは主に綺凛がやりたいことをすることにしているのだ。

「えっと...タッグ戦を...。」

「タッグ戦?今度の鳳凰星武祭に出たいのか?」

鳳凰星武祭とは、このアスタリスクで3つある星武祭のうち、タッグ戦を競うものだ。

「じゃ、タッグパートナーとか決まったのか。小町か?」

「あっ...えっと...その...比企谷先輩にお願いしたく...。」

「え?俺?」

星武祭で優勝すれば統合企業財体が可能な限り望みを叶えてくれるのだが、八幡にはこれといった望みがない。なので星武祭に出るのは、真面目に叶えてほしい望みを持って星武祭に出ている人に対し失礼だと考えているのだが...。

「どうすっかな...」

「細かいこと考えないで出ちゃえばいいじゃん!」

腕を組んで考え始めた八幡に声をかけたのはこれまで会話に入ってこなかった彼の妹である小町だった。

「別に出たくない理由もないんだし。手伝ってあげればいいじゃん!」

「いやでもな...。」

「それにあれだよ?優勝すればマックスコーヒーを定期的に提供しろとかも言えるんだよ?」

「よっしゃ分かった刀藤組もう。」

即答である。

「は、はい!ありがとうございます。」

「さすが小町ちゃん...」

八幡の扱い方を心得ていらっしゃる...とは戸塚は口にはしなかった。

 

「じゃ、準備いいか?」

「はい!」

「「うん。」」

 

-模擬戦開始-

 

機械音声が模擬戦の開始を知らせると同時に八幡が小町目掛けて飛び出した。ちなみに今使ってる武器は槍型の煌式武装である。

「っと!こっちくるんだね!」

「そりゃ、刀藤は接近戦に、専念した方が、いいだろっ!」

八幡は小町の牽制代わりの射撃を避けながら答えた。

八幡が戸塚に教えてるのは小太刀術メインの接近戦であり、綺凛のスタイルも剣を使った接近戦である。

戸塚もリスト入りできる程度には実力をつけてきたが、それでも綺凛には遠く及ばない。

一方小町は2丁拳銃を用いた変則的な遠距離戦が主な戦闘スタイルで、こちらは《冒頭の十二人》にも入れるくらいの実力がある。もし綺凛と小町が正面から戦えば綺凛が勝つだろうが、相性的な問題で時間がかかることは否めない。

「ま、確かにね!」

小町の射撃も手慣れたもので、八幡の逃げ道をうまく塞ぐように撃ってくる。

「ずいぶん上達したもんだな!」

そう小町を誉めながらも八幡はしっかり銃弾を避け、あるいは弾いている。

「...そんなあっさり防がれながら言われても嫌みにしか聞こえないんだけど。」

「そんなことないが...」

そう言いつつ綺凛たちの方を見て...

「あっちも終わりそうだし、こっちもそろそろ終わらすか!」

 

 

「くっ...やっぱり凄いね、刀藤さん!」

「いえ、戸塚先輩も流石です。ここまで凌がれるとは...」

綺凛は本気で感心していた。今までひたすら剣術の鍛練を積んできた綺凛の剣技、剣速は尋常ではない。並みの相手ならばすでに勝負がついていてもおかしくない。戸塚がそうなっていないのは、毎日ひたむきに八幡との鍛練を積んできたからだろう。

「でも...!」

しかし、ここまで凌いではいても、それだけだ。実際これまで一度も反撃に転じることも出来ていないし、反応も徐々に遅れてきている。そして...

 

...パキンッ!

-校章破壊-

ー戸塚の校章が2つに割れた。

 

 

「確かに、戸塚さんは負けちゃったみたいだ...!?」

最後まで言うことは出来なかった。さっきまで少なくとも5mは離れた位置にいた八幡が一瞬で距離を詰めていたのだ。

「くっ...!でも槍でこんなに近いと逆効果でしょ!?」

槍とは本来中距離を制す武器だ。余り接近しすぎると充分に槍を振るうスペースがなくなってしまうので充分に長所を発揮出来なくなってしまう。

「あっそ!」

 

ガンッ!

-校章破壊-

-模擬戦終了-

 

「え...?」

 

 

 

「お兄ちゃん何やったの!?」

模擬戦が終わり、反省会をしているといきなり小町が叫んだ。

「何ってもな。柄で校章殴っただけだけど。」

「はぁ!?」

「いや、槍の弱点が接近戦ってのは分かってたから。その対策に。」

八幡以外の3人は目を見開いていた。槍を使っておきながら刃ではなく柄で攻撃するなど、思いつきもしないし、仮に思いついても普通は試しもしないだろう。柄では大した威力で攻撃できないし、失敗するリスクが高すぎるからだ。

「ん?どうした?」

もっとも、八幡自身があっさりそれをやってのけることの異常さを理解していないのだが。




ありがとうございます。
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