...バトル描写が全然書けない...。
「あっ...やり過ぎたか...?」
「な...な...な...」
サイラスは八幡の一撃に完全に言葉を失っていた。
八幡の実力は理解していたつもりだった。だからこそ警戒してユリスのように呼び出したりしなかったし、タッグパートナーの刀藤綺凛にも手をださなかった。
ところがいざ対峙してみるとどうだろうか。
避けるのが精一杯だと思っていた攻撃が避けもせず簡単に弾き飛ばされた。
常識では考えられない規模の流星闘技で自分の切り札を粉砕された。
自分の想定がどれだけ楽観的だったのか...サイラスはようやく理解した。
自分が少しでも手を出した相手は、これ程の化け物だったのか...。
「あーあ...床どうしよ...ま、廃ビルだし別にいっか...。」
場違いなくらい軽い声でぼやいた八幡は、自分が壊した床からサイラスの方へと視線を動かした。
「ひっ...!」
サイラスはというと完全に腰が抜けており、その場から逃げることすら出来ないでいた。
今見た光景だけではない。その口調からは考えられない程の威圧感、雰囲気。そういった目に見えない、だがハッキリと感じることが出来る恐怖を前に身体が行動を起こすことを拒否するのだ。
「じゃああんまり時間かける理由もないし、あとの処理はエンフィールドに任せるか...。流石にもう来てるよな?」
八幡は誰ともなくそう呟きながら足を引き...
「や...やめ...」
「じゃあな。」
「やめろぉぉぉぉ!!」
外に向かってサイラスを思い切り蹴りとばした。
「ふう...」
サイラスを蹴りとばした八幡は、その場で呆然と八幡を見ていたユリスと綾斗に視線を向けた。
「とりあえず終わったし、早いとこ帰った方がいいぞ?」
「あ、ああ...サイラスは放っておいていいのか?」
八幡の声に我に帰ったユリスは、サイラスが飛んでいった方向に目を向けながら尋ねた。
「まぁ大丈夫だろ。流石にエンフィールドももう来てるだろうし。捕まえるのはあいつに任せとけば。」
「そ、そうか...」
「ぐっ!」
呆れ顔で頷くユリスの横で、ふいに綾斗の表情が苦痛に歪んだ。
「ど、どうした?」
ユリスが驚いて尋ねた直後、綾斗を中心にとんでもない量の万応素が集約された。
「これは...!」
驚愕するユリスの脇で、八幡は綾斗の第一印象を思い出した。
(こいつを初めて見た時にも感じた気配と同じ...)
となると、やはり綾斗は何者かに能力を仕込まれていたのだろう。
(だがこんな量の万応素を使って一体何を...)
八幡の思考が終わる前にその解は出た。
「ああああああっ!」
綾斗の絶叫と同時に魔方陣が現れ、その魔方陣から出現した鎖が綾斗の体を縛り付けていった。
「これは先ほどの!?」
そしてその鎖が消えると同時に綾斗は意識を手放した。
「お、おい!しっかりしろ、綾斗!」
綾斗が意識を失い、今この場で会話できるのはユリスと八幡の2人のみとなった。その中で八幡は先ほどユリスが口走った一言が気になっていた。
「リースフェルト。「先ほどの」ってのはどういうことだ?」
「ああ...いや、先ほどの魔方陣とお前がここに来る前に綾斗が破壊した魔方陣が同じものだったのでな...。」
「ふーん...。」
ということは、あの魔方陣は綾斗の力を押さえ込むためのものと見ていいだろう。
もっとも、ただそれだけにしては使われている万応素の量が多すぎる気もするのだが。
「...こちらからも質問がある。」
「ん?」
八幡が綾斗の鎖について結論を出した所で今度はユリスが質問をしてきた。
「あの巨大な剣を作り出したお前の能力...一体何だ?」
「...ただの流星闘技っつったら?」
「納得できる訳ないだろう。綾斗の《
「...」
ユリスの言ったことは正しい。
事実、八幡の生み出した巨大な剣は流星闘技で作り出したものではなく、八幡の能力で作り出したものだった。
八幡も、ユリスがそれを分からないとは思っていなかったし、説明する必要はあるだろうと思っていたので、それで取り乱すようなことはなかった。
「...分かった。天霧の目が覚めたら説明してやる。天霧にも教えてやるべきだろうし、さっきの鎖についても確認しときたいしな。」
ただそれより...と八幡は呟き...
「何でお前自然に膝枕してんの?」
「んな!?」
その後ユリスは綾斗が目覚めるまで八幡に無意味な弁解をしていた。
ありがとうございました。
次回、八幡の魔術師の能力が明かされます。
最初の設定には八幡の欄に「魔術師」って書いてたのにこれまで全くそれっぽい描写を書く場面が来なくて...。