カードクリエイターさくら   作:桜撫子

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今回は、R18とまでは言わないまでも裸、或は其れに近い表現が有ります。
閲読の際は其の事を御留意願います。


さくらと笑わないお医者さん

―健康診断 其れは、学生達にとって正と負 2つの面が有る事だ。

友枝小学校では、丸1日使って健康診断が行われる。内容はお決まりの

身長・体重測定に加え、視力/聴力/腱反射検査・握力/心電図測定・Х線撮影と盛り沢山である。

尚、座高測定は無意味と発覚した事を機に、廃止された。

「授業が潰れ宿題が何も無い上、普段より早く帰れるのは嬉しいけど

別の意味で面倒なんだよね」

「学校生活を楽しむ上で必要な事ですわ。其れに私、さくらちゃんが病気だと

御家族と同じ位、否、其れ以上に心配します」

体育館の端で、さくら達はバインダーとボールペンを携え開始を待っていた。

「其れはそうだし、心配してくれるのは嬉しいけど、女の子しか居ないとは言え、ぱんつ1枚で

待っているのって、恥かしくない?然も、此処からレントゲン撮るバスへこのまま移動するんだよ?」

「1度も考えた事有りませんでしたわ。担当の先生は勿論、医師も全員女性ですから」

理論上は百も承知。然し、其れでもそこはかとなく落着かない。

そうこうしている間に、準備が整い、検診が始まった。

 

 

「健康の有難味かぁ・・・」

「重要なのは百も承知よ。でも、何時迄こうしてなきゃならない訳?;」

全ての検診を終えたさくら達は、記録用紙の控えの返却を待っていた。

相変らず、ぱんつ1枚+裸足だった事は、李苺鈴を苛立たせた。

 

ー李苺鈴

彼女は、小狼と同様、クロウ・リードの遠縁に当る。魔力は0だが拳法の鉄人で、今迄幾多の

挑戦者を易々と返り討ちにしてきた。小狼の婚約者と称し、さくらに対抗心を燃やすが

非情になり切れない一面も有る。

敢えてメタ発言すると、原作には居ないキャラなので、知らなかった人は衝撃を受けた。

 

 

失った後、漸く理解出来る健康の有難味を知る機会は何処に有るか分ったものではない。

 

数日後、クロウカードの捕獲は困難を極めた。何せ(サンダー)と同様

兇暴極まりない上、すばしっこいのだから。

「この私が・・・!」

さくらと小狼が来る迄の間、使える物は何でも遠慮無く駆使して時間を稼いでいたのだが

未経験の強さに翻弄され、遂に捻挫に至った。

「小狼・・・何しているのよ! この際木之本さんでも良い。今の状況を如何にか出来るなら・・・」

立っている事自体非常に辛い苺鈴は顔面蒼白だった。何時失神しても可笑しくない。

 

「水よ、砂の上に降り注げ!」

不意に聞き覚えの有る声が響く。其れと粗同時に大量の水が溢れ、実体化したカードは溺れる。

無茶苦茶強いと思われたこのカード、泳げないと云う致命的な弱点が有るのだ。

「ひぃい!何するの!」

痛めた足を引き摺り何とか其の場を逃げ出す苺鈴。

「苺鈴、其の足怪我したのか!?」

「2人が遅過ぎるのよ! 其れに、何なの其の衣装は!?」

「色違いと云う案を頂きました御蔭で、閃いたのですわ。以前着て頂いた

猫ちゃんの衣装の水色バージョンです☆」

何時もの天然スマイルを湛え一連の様子を撮影する知世。

「この衣装だけで何色有るの~?」

「1桁ではないとだけ申し上げておきますわ」

「ほぇぇぇぇぇえ~~~!!」

何時もの暢気なやり取りに呆れる小狼。

「御前等なぁ、早くあれを如何にかしろよ」

「でも、一面は水が溢れ・・・そうだ!」

不意に何かを思いついたさくら。飛(フライ)のカードを召喚すると、飛び上がる。

「さくら、何する気や!?」

「私は泳げるから任せて! 汝のあるべき姿に戻れ!クロウカード!」

何と、召喚したばかりのカードを空中で元に戻し、封印の杖を構えた状態で飛び降りた。

非常に難しい博打だったが、さくらの運動能力を以てすれば容易だった。

 

「御免ね、知世ちゃん。折角の衣装が水浸しになって」

「其れは良いのですが、苺鈴ちゃんを私の家で手当しなくては。さくらちゃんも

其のままでは風邪引きますから御一緒に」

「俺も行く。放ってはおけないからな」

苦労の末、漸くカードを捕獲出来たのは良かったが、さくらはずぶ濡れ

苺鈴は捻挫と云う、大変な事になった。

 

 

 

「一先ず応急処置はしました」

「有難う御座います。後の事は私達でします」

大道寺家に仕える家政婦の中で、元養護教諭の者が苺鈴の捻挫の処置を行った。

「鎮痛剤飲んだけど、これだって気休めだよな」

「全く、あなた達が油を売ったから酷い目に遭ったじゃない」

「小娘!世話になっといて何や其の言い草は!」

一触即発。目を丸くする知世と、狼狽える小狼の前に何時もの甘く暢気な声が落ちてきた。

「ほぇ・・・?二人共、如何したの?」

真っ赤になった目を見開く苺鈴。

「何なの貴女は!人が激痛で苦しんでいる時に、暢気に御風呂!?巫山戯ているの?」

「そ、そんな訳ないよ・・・?」

更に怒鳴ろうとするが、足が自由に動けないので気力が減っていく。

「怒鳴り付けたくてもこれじゃ如何にもならない・・・!」

痛みこそ感じないものの、辛そうな苺鈴の姿はさくらに罪悪感を覚えさせた。

「私がもっと早く来れば、こうならなかったのに・・・」

「さくら1人だけが悩む事あらへん!」

「そうですわ。衣装合せに手間取った私にも責任が有ります」

「苺鈴の怪我を如何にかする事から考えるんだ。そうでないと埒が明かない」

悩み抜いたさくらは、3人の言葉から、何かを決心し、顔を上げた。

「知世ちゃん、今、家に御手伝いさんと家族は合計何人居る?」

「今ですか?先程の方1人だけですが・・・ ・・・! 少々御待ち下さい」

慌てて部屋を飛び出す知世。数分後、何事も無かったかの様に戻って来た。

「御安心下さい。買い忘れた物が有ったので、行って貰いました。

万一に備え裏庭へどうぞ。あそこは死角が多いので」

特別長い付合ではないが、さくらが何をしたいか見抜くのは朝飯前だった。

「知世ちゃん、有難う。バッテリーは十分?」

御互いしたい事が分ると便利である。

裏庭に出たさくらは、召喚の儀式に取り掛かる。

「御願い!苺鈴ちゃんの怪我を治したいの。力を使わせて!」

さくらの心に呼応する様に空が赤黒く染まる。

「闇の力よ、契約の名の下、さくらの命により新たなカードを生み出せ。“(Heal)”!」

横一直線の状態で封印の杖を頭上で振回し、縦に天高く掲げると赤い稲妻がさくらを直撃する。

やがて金色に輝く魔法円が足元に現れ、下から新たなカードが現れた。其れは白く光ると

女医の姿へと実体化した。

「な、何が起きたの!!?」

この現象を初めて見た苺鈴は当然仰天する。

「クロウ・リードに気に入られ、新たなカードを生み出す力を授かったらしいんだ」

やがて、さくらに連れられた女医は、プラチナブロンドの髪を後頭部で束ね

苺鈴の居る部屋へ入ってくる。

「診察を始めましょうか」

「は、はい・・・御願します」

何故か無表情な女医。何考えているのか分らず、思わず硬くなる苺鈴。

直ちに診察が始まった。状況を詳しく聴き、既に行った処置等について記録を取る女医。

「捻挫ですね。直ぐ治します」

鞄を開いた女医は、注射器とアンプルを取り出し、薬液を吸い上げる。

「一瞬で終わりますからじっとしていて下さいね」

注射する区域を丁寧に消毒すると、一瞬の迷いも無く針を突き立てる。

「!!・・・・・・?」

痛い筈なのに何故か何も感じない。気付いたら、既に針は刺さってなかった。

「これで大丈夫です。普通に走って頂いて構いません」

「ほえ・・・?」

「先生、どんだけ優秀なんか知らんけど、一瞬で完治って事は流石に無いやろ?」

さくらとケロちゃんが疑問を呈する。ところが・・・

「おい、見ろよ。腫れが完全に消えている。何処に有ったか分らない」

現代の医学では説明が付かないが、確かに捻挫の気配が無い。

「本当だわ!歩けるどころか・・・」

試しに足を上げてみる。何も支障は無い。

「本当に治った!!!?」

念の為、小狼に軽く頬を抓って貰ったが、夢ではない。

「先生、有難う御座います!これで稽古に穴を開けずに済みます!」

目を潤ませながら何度も頭を下げる苺鈴。

「任務ですから。其れより、拳法をなさるなら無茶は厳禁ですよ。関節可動域が

広いからと甘く見たら、場合によっては取り返しのつかない事になります」

口調こそ優しいものの、内容がシビアな上、さっきからちっとも笑わない。

「は、はい・・・気を付けます;」

 

カードがあるべき姿に戻った後、苺鈴は大きく溜息を吐いた。

「はぁ・・・何あれ。怖いんだけど」

「そう言うなよ。御前の足を治してくれたんだぞ」

「其れは分るけど、全然笑顔見せないもの。やり難いったらありゃしないわ」

あの女医は苦手だ。自分の心を何もかも見透かしているかの様な、細く鋭い目。

「確かに、スラヴ民族特有の鋭い目元は見慣れない人には取っ付き難いかも知れませんわね」

「知世ちゃん、如何云う事?」

知世の説明によると、肌の白さ・顔の輪郭がくっきりしている事・細く鋭い目 其れ等は

スラヴ民族の外観上の特徴と一致するのだ。

「そう云えば、香港でも露西亜人見た事有ったな」

「思い出したわ。英吉利人とは違うから見分けられる様になったのよね」

世界から色々な国の人が集う大都市、香港。当然、露西亜人が居ても不自然ではない。

また、知世は様々な言語を習っている。教えるのは皆ネイティヴなので自ずと覚える。

「何か、よく分らない;」

「あの3人には時々付いて行かれへん」

顔を見合わせるさくらとケロちゃんであった。

 

 

 

「何処も休み!?」

「台風の所為で往診出来ないからと、臨時で休みだそうです」

数日後、木之本家は大騒ぎだった。さくらの兄、桃矢が過労の結果

高熱で倒れ、汗ぐっしょりなのだ。

然も、悪い事に解熱剤は切らしていた。

TVで天気予報を見るが、収まりそうな気配は無い。臨時休校もさくらの心を躍らせはしなかった。

「一先ず、家に有る食料で、療養食を作ってみます。さくらさんは看病を御願します」

「うん、分った」

何時も冷静な父、藤隆も流石に焦りを隠せなかった。

 

「全く・・・さくらの世話になるとはな。食欲が有るのがせめてもの救いか」

半ば自嘲気味の表情を浮かべる桃矢。

何時もは“怪獣”をはじめとする憎まれ口を叩く意地悪な兄だが、こうも衰弱しては

流石に憤怒を向けられない。

「御兄ちゃん、何時も私達の為に必死で幾つもバイト掛け持ちして、疲れ果てたんだね・・・」

「妹にこんな所見せる様では、俺も焼きが回ったな。情けない」

パジャマのボタンを外し、汗を拭き取るさくら。小さい頃は一緒に御風呂に入っていたから

別に何も感じなかったが、今となっては何故か如何にも落着かない。

「(単にスポーツ万能ってだけで、こんな立派な体格になれるのかな・・・)」

 

漸く更衣を終え、洗濯物を持って行くさくら。

「如何すれば・・・そうだ!こうなったら・・・」

幸い、雨音と雷鳴が丁度良い消音器となってくれた。

「御願い、(Heal)のカードさん、御兄ちゃんを助けて・・・!」

さくらの命を受け再び実体化するカード。相変らず無表情だったが、この際

如何でも良かった。

「今度の患者さんは何方ですか?」

「私の御兄ちゃん。働き過ぎで倒れて熱が有るの」

「そうですか。早速行きましょうか」

やがて、女医を連れ戻って来るさくら。

「御兄ちゃん?・・・良かった。未だ起きてたね」

「さくらか。何か・・・?? おい、この台風の中来てくれたのか!?

然も、この人、外国人じゃないか。英語なら何とかなるけど・・・」

「御心配無く。日本語も話せます」

病床に在ったが、訳の分らない事が重なり過ぎて起き上がらずにはいられなかった。

「さくら、一体何が如何なっているんだ??」

「えぇとね・・・この人は、知世ちゃんの掛りつけの医者なの」

「そ、そうか・・・。御世話になります」

苺鈴と同様、表情と態度が強張る桃矢。矢張り、無表情な中に有る鋭さは隠せない。

「治療を始めましょうか。過労と高熱でしたね?」

大きな鞄から飲み薬と注射器とアンプルを取り出す女医。

「何も訊いてないのに俺の症状が分るなんて、凄いってレベルじゃないな;」

唖然とする間も無く、桃矢の左腕が消毒される。

「少しの間じっとしていて下さいね。針が折れたら大変です」

アンプル吸入から針を抜くまで、10秒掛ったか否か。其れ位の早業だった。

「あ、あれ?・・・苦しくない。熱も下がった。おまけに眠くもない」

「御兄ちゃん、完全に治ったんだね!」

漸く安堵するさくらと桃矢。然し、此処からが別の苦痛の始まりだった。

「良いですか。不摂生とは暴飲暴食と思われがちですが、其れだけではありません。

桃矢さんの場合、働き過ぎて甘い物を碌に口にしないから乳酸が体中に溜るのです。

其れからさくらさん、貴女もですよ。やる事が毎日山積みなのは分りますが、休める時は

休まないと、今日と同じ事になります。其れから、昨日御粥を召し上がったそうですが

碌に噛まず消化器に届く分、却って負担が掛ります。かと言って饂飩は消化が早過ぎるので

一番良いのは中華蕎麦です。沖縄蕎麦でも構いませんが。今回の様な高熱なら

兎も角、そうでなければ御風呂に入って構いません。但し、微温湯ですよ。まして、熱い御風呂に

入って我慢比べなんて馬鹿げた真似は血管と皮膚に悪影響を及ぼし、良い事は何一つ・・・・・・」

女医からの説教・・・もとい、助言は約1時間に及んだ。然も、途中での余所見/居眠りは厳禁だった。

治して貰った恩が有る上、助言の内容は全て正しい以上、ぐうの音も出なかった。

「御兄ちゃん、健康の有難味、これからはもっと真面目に考えないとね」

「賛成。じゃないとまた延々この御説教を聞かされる上、あのナイフみたいな目で

射抜かれるからな」

 

顔を合せれば喧嘩する2人の意見が完全に一致した。

 

余談だが、捻挫の件は、カードを生み出してくれた恩が有るからと、不問となった。




知世:ぱんつ1枚のさくらちゃんも凄く愛らしいですわ~
さくら:や、止めてよぉお~~・・・/// 本当に恥ずかしかったんだから!!
苺鈴:私の裸を自由に見て良いのは小狼だけの筈だったのに・・・
ケロちゃん:あのなぁ・・・小僧が茹蛸やで。其の気は無いんやろうけど、自重しぃな;
小狼:御前等、何時本題に入るんだ?
さくら:ご、御免ね・・・; えーと・・・今回のテーマは健康の有難味だね。ゲストとして
    李苺鈴ちゃんが今回初登場だよ。
苺鈴:大家好(ダイガーホウ)我叫李苺鈴(オーギィウレイムイリン)多謝你嘅招待(ドーツェーネイケーチィウドーイ)
小狼:おいおい; 廣東語は勿論、普通話も分る読者は殆ど居ないから;
苺鈴:Hi everyone. My name is Lei Muiling. Thank you for inviting me.
知世:香港の方は皆マルチリンガルなのでしょうか?
ケロちゃん:あぁもぅ・・・話が進まへんやないか!


さくら:えぇと・・・健康の有難味は、失わない限り分らない。心当り有る?
苺鈴:幼稚園の頃、風邪で拳法の稽古を欠席した時、胸が熱くて痛かったわ。
小狼:あの時は目が血走ってたなぁ・・・;
知世:私も、去年インフルエンザで休んだ時、さくらちゃんと会えなくて、何食べても
   味がしませんでしたわ。
ケロちゃん:説得力大有りやわ。
さくら:本当だねぇ。そう云えば気になったんだけど、何で私達長い間ぱんつ1枚だったのかな;
小狼:アイデアを呉れた赤メロンさんの提案・・・ではないな。筆者の趣味だろう。
苺鈴:どんな趣味よ;
知世:落着いて下さいな。大友の皆様方が喜んで下さいますわ。
ケロちゃん:神戸市中央区在住、赤メロンはん、御便りおおきに!

さくら&苺鈴:何か今一すっきりしない・・・
小狼:初めて意見が合ったな。
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