第1話:強者の姿
深夜の人気が無い公園。 見るからに『不良』と言った見た目の高校生達が、1人の中学生ほどの少年を取り囲んでいる。
「お前ら… 高校生が揃いも揃って中学生いじめて楽しい? 正直眠いんだけど。」
少年は不敵に欠伸をし、緩みきった顔で辺りを見回す。
「兵藤、てめえでもこの人数はさすがに無理だろ? 強がってんのなんてバレバレなんだぜ?」
「やっぱりお前ら頭のネジが緩みきってるよね、相手の発言を良い方にしか解釈しないし、それにこの人数で囲っても恐怖がにじみ出ている。」
彼の言った通り挑発をした不良の顔には少しの恐れがあった。
その不良にはごく最近つけられたであろう怪我があり、周りの不良達数人も同様であった。
「どうする? 俺としてはタイマンがオススメだけど?」
「ハァ!? ビビったか兵藤ぉ!?」
「いやいや。」
叫びながら拳を振り上げるリーダー格の不良に、少年は呆れたような顔をして懐に潜り込む。
「負けた時の言い訳を作ってあげてるんだよ。」
少年の拳がリーダー格の不良の鳩尾にめり込むのが開戦の合図となった。
【side兵藤】
-ドゴッ!!-
頭に回し蹴りがクリーンヒットする音とともに、10分ほどの喧嘩は終わりを告げた。
俺は地に伏した周りの連中を、少し息を切らして見回した。
「弱えなぁ… 物足りねえよ…」
目の前で倒れるこいつらは、本当に期待外れだった。 弱すぎる。
俺がここまで喧嘩を好くようになったのはいつ頃だったか?
自分の記憶を巡ろうとした瞬間、後ろで誰かが立ち上がる音がした。
「よう、じゃ俺帰るから。 今度はもっと強いの連れてこいよ。」
後ろを振り返らずに帰ろうとした時、背後から俺に駆け寄る音が聞こえた。
「グッ!?」
振り返りながらスウェーバックのような形で回避した俺の目に、バタフライナイフと俺から出たであろう血が映った。
「畜生が…」
どうやら左目を切ったらしい。 そこまで深くはなさそうだが血で左目の視界を潰された。
「ハハハ… ざまあみろってんだ! おいみんな、起きtヘブッ!?」
「喧嘩中によそ見すんじゃねえよカス野郎。」
後ろを向いた目の前の不良の脇腹に全力の回し蹴りを入れて黙らせる。
「じゃ、今度こそさいなら。」
血が流れる左目を押さえながら、今度こそ公園を後にした。
さて、なぜ俺がここまで荒れたかの話をしようとしたんだった。
信じられん話だが… 俺の6歳の誕生日の時に俺の前に双子の兄を名乗る男が現れた。
当然面識など無かった。 だが周りの人間は、そいつがまるで最初から居たかのように扱った。 明らかに俺よりも才能に恵まれ、人に愛され、大した努力もせずに奴は生きていった。
俺… 兵藤一誠には双子の兄の兵藤誠八がいるというのが普通になっていた。
俺には理解が及ばなかった。 そして何よりも、俺から全てを奪った奴が妬ましかった。
俺はいつしか嫉妬に歪んで、心さえ歪めてしまった。
ただただストレスの解消のためだけにしていた喧嘩を、いつの日からか心から楽しんでいた。
敵を殴り飛ばすのが楽しい。 蹴り潰すのが楽しい。 投げとばすのが楽しい。
小6になった時には、1人のバトルジャンキーが出来上がっていた。
キャラ設定
名前:兵藤一誠
性別:男
学年:現段階では中3
神器:不明
趣味:喧嘩
好きなもの:喧嘩が強いやつ
嫌いなもの:喧嘩が弱いやつ
得意技:カウンター