俺がドライグにあってから1年が過ぎていた。
当時中3だった俺はできるだけクズのこなさそうな学校を探して、駒王学園を選択した。
家から遠い距離にあるので、学校の近くに特に趣味もないので子供の頃からコツコツ貯めていた小遣いと、今年から始める予定のバイトの給料で家賃3万のそれなりに良いアパートを借りた。
つまりわかるか? 俺はこれから毎日あのクズの顔を見なくて済む。
『なんか悲しいな。』
(うるせえよドライグ。)
『それにしても相棒が進学とは予想外だ。 てっきり就職するものかと。』
(馬鹿野郎。 俺は喧嘩は好きだが現実は見る方だ。 高校行かねえと良いとこ就職できねえよ。)
俺は喜びを身体中で味わいながら、アパートから学校へ向かっていた。
「本校の生徒は…」
恒例の睡眠を誘う電波である校長先生の話を適度に聞き流し、早く終わらねえかなぁとあくびをこらえていた。
そして会長の挨拶の時に、ドライグが話しかけてきた。
『相棒… あの女。』
(ああ… 悪魔だな。 というより生徒会役員全員悪魔じゃねえかどうなってんだこの学校。)
一般生徒の席にもちらほら悪魔がいる。 おいまじでどうなってるし。
入学式を終えて、教室へ向かう。
さて、俺の斜め前の席の木場祐斗だが… 完璧に悪魔だろお前。
自己紹介だのも終わり、教室から出る前に木場が話しかけてきた。
「やあ、よろしくね兵藤君。」
「ああ、よろしく。」
木場の差し出した手を取り、握手を交わす。
まあ遠ざけるのはまだでいいだろう。
廊下を歩く途中で見つけた赤髪の女… おそらく先輩だろうが奴からも悪魔の気配がする。
帰り道、俺は真っ直ぐアパートへ向かっていたが悪魔の気配をまた感じた。 それもはぐれの。
「ドライグ、行くぞ。」
『ああ、わかっている。』
【赤龍帝の眼】俺があの日手に入れた神器だ。 俺の怒りに呼応して力を高める。
「ああ… むかつくなぁ… 何人も殺ったんだろうなぁ…」
自らの怒りを高めながら、悪魔の気配を感じる館へと歩く。
「よう、殺しにきたぜはぐれ悪魔。」
憎きはぐれは巨大なムカデの頭に人間が付いているような形だった。
「愚かな人間よ、自らの運命を呪うがいい、貴様は私の餌となるためにここにきた!!」
「残念、殺しにきたんだわ。」
首をコキリと鳴らし、赤龍帝の眼を発動する。
体に力が溢れていく。
俺に突進してくるはぐれの頭を左手で止め、右手に魔力を貯める。
「ぶちかますぜ!!!」
魔力をまとった右手で、ムカデの頭を殴りつける。
「グベラッ!!?」
ムカデの半身が蒸発し、悪魔の気配が途絶える。
「喧嘩ぁ売る相手間違えたな?」
溜息をつきながらアパートへの道に戻る。
これそれなりに疲れんだよなぁ…