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「こんにちは、イッセー君。」
昼、控えめに言って友達のいない俺は基本屋上で飯を食う。
今日も1人… まあ寂しくはないが飯を食っている時に生徒会長である支取先輩が現れた。
「また今日も1人で… 友達いないんですか?」
と俺の隣に座りながら言ってくる。
「それ、俺は気にしませんが相手によって死ぬほど深く心を抉るので気をつけてください。」
「ええ、ですからイッセー君に言えたんですよ。 気にしそうにないですよね。」
微笑みながら弁当を取り出す支取先輩がこっちに顔をむけて言う
「ところで、またやったそうですね。 どこの高校でしたっけ?」
「隣町のとこです。 中学時代に番長を締めてしまって目ぇつけられました。」
俺は喧嘩をした相手の高校の方角を見つめて、中学時代を思い出す。
「最近は喧嘩は買うのみだそうですね、丸くなったってところですか?」
「んぐ…いえいえ、もっといい
食べていたものを飲み込みながら言う。 すると支取先輩が俺の弁当箱を見つめて
「自分で作ったんですか?」
「ええ。 まあ一応ファミレスで厨房のバイトしてるもんで。」
「へぇ… 意外です。」
ちなみに俺はファミレスで週7バイトをしている。 正直他にやることがないのだ。
「逆に先輩はイメージ通りですね。 こう… 可愛げの少ないとても先輩らしい弁当といいますか…」
先輩の弁当は黒いプラスチックの弁当箱に、調理には凝っているのだろうがあまり外見には拘らないようだ。
「…それは私に可愛げが少ないと?」
「まあそうなりますわな。」
「それ、私は気にしませんが言う人に言ったら面倒ですよ?」
「ええ、先輩だから言ったんです。」
軽いデジャヴを感じながら、最後の飯粒を口の中に入れて弁当箱の蓋を閉じる。
「ところでイッセー君、私のところの眷属になりませんか?」
「悪くない誘いですが眷属ってのは性に合わなそうですわ。 俺に忠誠心など微塵もないし、それのせいで他の眷属とのいざこざが起こりかねない。」
「それもそうですね。 …それにしても、悪魔だとばれていた時は少し驚きました。」
「驚いたのはこっちですよ。 入学式に行ったら校内にかなりの数の悪魔がいるなんて… 探知できる奴からしたらそりゃあもう。」
そもそも俺とこの人があったのが数ヶ月前。 俺が度重なる喧嘩のせいで生徒会室に呼ばれた時だった。
そこの会話の中でお前らが悪魔だということを知っている。
と言ったら、向こうさんも赤龍帝の力については察知していたようで、駒王の人外グループに仲間入りだ。 当然悪魔にはなってねえ。
「あ、ですが将来的に悪魔になるのは悪くなさそうですね。 そっちなら殺し合いで金稼げるんでしょう?」
「ええ、一応そうですね。 しかし悪魔になるには必ず誰かの眷属にならねばなりませんよ?」
「そん時はお願いしますわ。 …俺もう教室帰ります。」
「私もそうしましょう。」
先輩と途中まで一緒に階段を下り、別れる。
確か午後の教科は… 英語と公民か。
英語はいいが公民はだるいなぁ…
午後の授業に必要な教材を取り出しながらあくびをして、外を見る。
なかなかにむかつくほどの晴天で、窓際の席の俺には日差しが痛かった。
午後の授業が終わり、帰宅途中にドライグに話しかけられた。
『相棒。 気づいていると思うが悪魔の気配がする。』
「ああ、わかってる。 街外れの森の中だろう。」
鞄を持ったまま、そちらの森へ歩いていく。
悪魔の気配はかなり弱っちゃあいるが、それでもかなりの実力だろう。
悪魔の気配がした場所までいっても、一向に悪魔は出てこない。
上か? と思い空を見上げても、何にもいない。
もう一度、視線を下に戻した時に黒猫を見つけた。
まさか…
黒猫の首根っこを掴み、持ち上げてみる。 なるほど、確かに悪魔のようだ。 よく見れば尻尾も2つに分かれている。
猫又で悪魔ならばおそらく転生悪魔で、主がいないということははぐれだろう。
殺るか… 生かすか。 黒猫の目をじっと見て考える… 飼ってみるのも悪くはなさそうだ。
首根っこをつかんだ黒猫を、そのまま頭の上に乗せて帰路につく。
家に着くとすぐさま大家さんに電話をした。
「もしもし、ええ、兵藤です。 ここのアパートってペット可でしたよね? ええ、拾ってきました。 ありがとうございます。」
電話を置き、ソファーの上に置いといた猫に向き直る。
「さて、お前の名前をどうするか… 黒猫だからクロ… 安直すぎるな… やはりタマだのがいいのか? …いや、そこはスタンダードすぎる。 ハッ!?」
俺の脳に電流が走った。 これ以上ないほど素晴らしい名前を思いついたぞ。
「よし、お前の名はシュレディンガーだ、よろしくな。」
そうと決まってはすぐさまペットフードやトイレを買いに行かなければ。
俺は携帯で猫を飼うのに必要な道具などを調べ、貯め続けたバイト代から数万円を取り出してペットショップに向かった。