Case1 神裂火織(上条×神裂)
上条(ったく、建宮の野郎…。わけわからないこと言いやがって…)
あてがわれた部屋に戻り、ベッドサイドに腰を下ろしてそのまま後ろに身体を倒して天井を見上げながら、建宮の言葉を思い出してため息をついた。
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建宮「はいはい。ここまでなのよ」
神裂「なっ、まだ話は終わってません!」
五和「そうですよ!何で止めるんですか!」
建宮「そんなこと言っても、時間も時間だし、客人だって疲れてると思うのよ」
そう言って親指で上条当麻を指差し、二人を手招きして小声で囁く。
建宮「そこで提案なのよ。あとは客人に決めてもらえばいいと思うのよ」ニヤリ
神裂「決めるってなにをですか?」
五和「女教皇様、勝負です!」
神裂「い、五和!?何を言っているのですか?貴女は?」
建宮「まあまあ。五和も落ち着くのよ。このあと、客人を部屋に案内するときに女教皇様か五和を選ぶように伝えとくのよ」
神裂「!だから、そもそも私たちはそういう関係じゃありません!」
五和「が、がんばります!」
神裂「何で乗り気なの?五和は!」
建宮「あれ、知りませんでしたか。五和は客人にご執心なのよ」ニヤニヤ
神裂「なっ!?」
五和「…」///
建宮「そんなわけで、とりあえず二人とも部屋に戻るのよ。俺は客人に伝えてくるのよ」ニヤニヤ
神裂「ちょ、ちょっと建宮!!」
五和「たとえ女教皇様に究極兵器の堕天使エロメイドがあるとしても…私にだって最終兵器大精霊チラメイドがありますから…」ブツブツ
神裂「!!」ビクッ
五和「負けません」
神裂に小さくお辞儀をして、五和は自分の部屋へと小走りで戻っていく。おそらく、彼女の部屋にはほどなく大精霊チラメイドが光臨することだろう。
神裂(な、なんなの?この状態)
半ば呆然と五和を見送ってから、上条の背中を押して歩いている建宮の後姿に視線をやって、それから大きなため息をひとつ付くと、神裂火織は自分の部屋に戻るため歩き出した。
建宮「で、客人。先ほどの件なのよ」
上条「ああ?神裂と五和がなんかもめてたよな?」
建宮「その前に、話は変わりますが、女教皇様の堕天使エロメイド姿ってのは、どうだったのよ?」ニヤニヤ
上条「ぶふぅ!?な、なんでそんなこと天草式の人が知ってるんですか!?はっ!やっぱりあれは天草式術式の最終兵装だったのか!」
建宮「まー、ある意味正しいのよ(性的な意味で)。まあ、それでですね、女教皇様と五和、どっちを選ぶのよ?」
上条「…おっしゃっている意味がわかりませんが」
建宮「巨乳チラリズムエロお姉様と、隠れ巨乳しっかり者童顔娘のどっちが好みかって聞いているのよ」
上条「なんでそうなる!?」
建宮「二人とも器量良しなのに選べる立場にいるなんて羨ましいのよ」
上条「だから、何でそんな話になるんだよ!」
建宮「客人…。ここまで鈍感なのも罪なのよ…。あのふたりは客人に好意を寄せているのよ」
上条「は、はあ?」
建宮「そんなライバル関係のふたりが、客人を巡って言い争ってたのよ」
上条「…」
建宮「ちなみに女教皇様が●号室で、五和が■号室なのよ。じゃあそういうことでよろしくなのよ」
上条「ちょっ!?どうしろって言うんだぁ!?」
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上条(あのテンションにはついていけねえ…。よくわからねえな、天草式って)
天井を眺めながら先ほどのやりとりを思い出す。だが、これといった打開策が浮かんでくることは無かった。
上条(…天草式っていえば、神裂がトップに戻ったんだよな…)
困ったときはその組織のトップに聞くのが手っ取り早い。上条当麻がそう考えたのは当然といえば当然だった。
神裂火織とはそこそこ付き合いもあるし、多少は友情のような絆ができていると上条当麻は考えていた。
上条「…ま、神裂に聞けばなんとかなるだろ」
面倒くさそうに呟くと、上条当麻は部屋を出た。
神裂(まったく、馬鹿げています)
建宮のニヤケ面と、やけに挑戦的だった五和のまなざしを思い起こしながら、神裂火織は寝巻きに着替えていた。
シャツを脱ぎ、ブラを外しながら壁際に置かれたスーツケースに目をやる。その中には着替えの他、隠しとなっている場所に『堕天使エロメイド』の衣装が封印されている。
神裂(いや、それは無いですね)ブンブン
少し頬を赤らめ、片方の袖の切り取られたジーンズを脱ぎ、ショーツに手を掛ける。
そのとき、何の前触れも無く入口の扉が開かれた。
上条「神裂、ちょっといいかー…!?」
神裂「…」
ショーツに手を掛けたままの格好で固まっている神裂火織のあられもない姿を見て、上条当麻はなるべく紳士的に、いかにしてダメージ無く部屋を出るかを考え、早々に降参した。
上条「あー、神裂…。ゴメン」パタン
当たり障りの無いことを言って扉を閉める。
神裂「上条当麻ぁ!!な、なぜ貴方はノックもせずに部屋に入ってくるのですか!!」///
上条「ごめんなさい!」ドゲザ
神裂の部屋の前ですばやく土下座をして、上条当麻は部屋の主が出てくるのを待った。大丈夫。神裂ならインデックスのように噛み付いてはこない。
神裂「…入ってよいですよ」
上条「お邪魔いたします…姫」
神裂「…」ジロリ
上条(噛み付きは無いだろうけど、斬られるってことはあるかもしれない…)
神裂「まったく。女性の部屋に入る前に、まずノックをするのは最低限の礼儀ではありませんか?」
上条「おっしゃるとおりでございます…姫」
神裂「貴方は、私を馬鹿にしているのですか?」
上条「滅相もございません。姫」
神裂「…その「姫」というのは人を馬鹿にしているようにしか聞こえないのですが?」
上条「…ごめんなさい」
神裂「べ、別に次から気を付けてくださればよいのです」
上条「…」
神裂「で、その、…何の用でしょうか…って、いや、用事があるのはわかっているのですが…その、いざとなると、ですね…なんて言っていいかわかりませんね」///
上条「ああ、そうそう、さっきの…」
神裂「だからわかっています!…すみません、大声を出してしまって…。でも、こういうことには慣れていませんので…」
上条「ええと、神裂さん?」
神裂「その、できれば名前で呼んでくださると嬉しいのですが…」///
上条「ええと…」
神裂「…やっぱり年上は嫌ですか?実は五和にしたいけれども、今までの交友を尊んで謝罪のために訪問してくれたとかですか?」
上条「…ええと」
神裂「そうですよね。私みたいな戦うことしか能の無い女より、家庭的な五和のような子の方がいいに決まってますよね」ショボン
上条「神裂さん?なぜそのような話になっているのですか?」
神裂「だって、貴方は私より五和の方が好みなのでしょう!」グスン
上条「好みもなにも…そもそも、なぜそのような話になるのか、上条さんはわからないのですよ神裂さん」
神裂「じゃ、じゃあ、その…私を選んでくれたのですか?」ウルウル
上条「あーその…」(その上目遣いは反則です)
神裂「と、とりあえず、其方へ…」
上条「ぶふぅ!?これは堕天使エロメイドを上回る破壊力!」
神裂「ああああ!ごめんなさい!!見苦しいものをお見せしまして!!」///
神裂火織は真っ赤になって、ベッドの上に置いてあったシャツやジーンズ、下着類を丸めて部屋の奥に持っていき、風呂敷のような布で覆い隠した。
そんな後姿を見ていた上条当麻の目に、太腿の辺りの白い肌がめくれ上がった着物の隙間から一瞬だけ飛び込んでくる。
上条「あー…神裂。その、風呂にでも入る予定だったか?」
神裂「いえ、寝巻きに着替えただけですけれど?」
上条「…着けないの?その、下着」///
神裂「着物とはそういうものです」///
上条「そ、そうなんだ」///
神裂「それに、閨を共にするとなれば、そんなもの、不要ですので」///
上条「え、ええと…」
困惑する上条当麻の前で、神裂火織は床に膝をついて座る。
上条「神裂?」
神裂「不束者ですが…よろしくお願いします」オジギ
上条「ぶふぅ!?」///
お辞儀をした際にのぞく胸元に、上条当麻は思わず目を背けた。
神裂「私だって恥ずかしいのですけど…。こういったことは…その、初めてですし」///
上条「そ、そうなんだ」
神裂「…やはり、義理で私の部屋に来たのですか?」ショボン
上条「義理とかじゃなくて…俺はただ、どうすればいいか天草式のトップである神裂に聞こうと思って来たんだけどな」
神裂「天草式のトップ?」
上条「うん。もしかしたら天草式の儀式みたいなものだったりとか、教団ぐるみのドッキリだったりとか思ったりして」ハハハ
神裂「…貴方は天草式十字凄教を何だと思っているのですか」ムッ
上条「えー、エロコスチューム集団?」
神裂「!!」ズーン
上条「神裂さん?」モシモシ
神裂「くっ…咄嗟に反論できない自分が悲しい」ワナワナ
上条「…」デスヨネー
そのとき、神裂火織が無意識のうちにつかんだ帯が解け、着物の前が肌蹴る。
上条「見えちゃいけないものが見えてしまう駄目!絶対!」ズザ-
神裂「え?ちょ、ちょっと!?」
咄嗟に着物の裾を掴んで肌蹴ないように押さえる。なんとか露出を止めることに成功したものの、気が付けば神裂火織を押し倒すように床の上に倒れこんでしまった。
上条「す、スマン、神裂!?でえええええ!!」ムニュ
神裂「ひゃ、ひゃぁっ!どこを触っているのですか!上条当麻!」
上条「え?ど、どこだこれ」ムニュムニュ
神裂「だ、駄目です!強く揉まないでください!!」///
上条「揉む…ってことは、その、つまり、アレですか?」ムニュムニュ
神裂「わかっているのでしょう?っん!だから、手を止めなさい」///
上条「なあ、神裂。これって魔術か?手が、止められない」ムニュムニュ
神裂「ふ、ふざけたことを言わないでくださいっ!…んっ、だめですっ」///
上条「…考えたら、閨とか不束者とか言ってたし、いいんだよな?」ムニュムニュ
神裂「そ、それは…そう、かもしれませんが…、せめて、その、優しくしてください…」グスン
上条「!!」トビノキ
神裂「…上条当麻?」
上条「あー、すみません!自我を失いかけました」ドゲザ
神裂「え?」
上条「なんていうか、その、神裂が可愛くって、気がついたらこう、手が勝手に…」
神裂(可愛いって私が)///
上条「いや、あそこで帯が解けるなんて事故が起きなければ、上条さんも何とか自制できたんですけど」
神裂「…それは、私に魅力を感じないということでしょうか?」
上条「いやいやいや、神裂さんは大変魅力的ですよ!?だからこそ事故の後で暴走したわけですし!」
神裂「暴走…ですか」
上条「そうです、決してやましい気持ちがあって…いや、少しはあったかもしれないけどですね…」
神裂「…」クスッ
上条「神裂さん?」
神裂「貴方が私を訪ねてきてくれて、私は、その、嬉しかったのですよ」
上条「え…」
神裂「でも、貴方は天草式十字凄教のトップとしての私に相談に来ただけなんですよね」ジワッ
上条「ちょ、ちょっと待って、神裂さん!?」
神裂「貴方は、ずるいです。でも、私から言わないとわからないのでしょう?」
上条「な、なにが?」
神裂「…私は、貴方が好きです。上条当麻」カァッ
上条「!!」
神裂「ほら、ね。貴方はずるいですよ。上条当麻」ニコッ
上条「神裂…」
神裂「この期に及んで、私の言葉の意味がわからないとは言わせませんよ?」
上条「神裂さん…その戦いを前にしたような眼差しはなんなのでしょうか?」
神裂「!!…わ、私だって聖人である前に一人の女です。…真面目な顔を戦闘前の顔だなんて…好きな人に言われると…堪えます」グスン
上条「あー、ゴメン」
神裂「本当にそう思っているのですか?」ウワメヅカイ
上条「ああ。本当に悪かった」
神裂「…じゃあ、貴方の気持ちを聞かせてくれますか?」カァッ
上条「…神裂」
神裂「はい」ドキドキ
上条「俺でいいのか?」
神裂「…はい」///
上条「ありがとう。神裂」
神裂「上条当麻…」ウルウル
上条「俺もお前が好きだ」
神裂「!!」ウルウル
上条「だが、好きだからこそ、とりあえず今は退かせてくれ!この通り!」ドゲザ
神裂「ど、どうしてですか!?」
上条「告白されていきなり最後までっていうのは、上条さんの中のちっぽけな良心が許さないんだ!」
神裂「…そういうもの、なのですか?」
上条「ともかくそういうものなんだ!」
神裂「そう…ですか」ショボン
上条「…なぜそこでうなだれちゃうんでしょう?」
神裂「私は、一刻も早く添い遂げたいと思ってしまう方ですので」///
上条「なんですか!その爆弾発言は!」カァッ
神裂「だって、貴方の周りは女性ばかりですし…、貴方は気づいていないかもしれませんが、結構狙っている方が多いように思うのです」ムス
上条「それは神裂さんの気のせいですよ!」
神裂「少なくとも五和は貴方に好意を寄せていますよ」ジッ
上条「そうなんですか!?」
神裂「インデックスも貴方のことを話すときは頬を赤くしますし、オルソラやアニェーゼも貴方を気にしている節があります」ジッ
上条「上条さん絶賛好評中!?」
神裂「ですから…」スッ
上条「えっと、神裂さん?いきなり近づいてきてどうしたのですか?」
神裂「上条当麻。貴方は私の告白を受け入れてくださいましたね」
上条「…ああ」
神裂「貴方のポリシーも尊重します。ですが、とりあえずは証をたてさせていただきたいのです」
上条「証?」
神裂「目を閉じてください」///
上条「!ま、待て、神裂」
神裂「いやです」
上条「神裂。そういうのは男からするものだ」
神裂「…え?」
上条「神裂…。目を閉じてくれ」
神裂「っ!!」スッ
上条「ありがとう。…好きだよ。…火織」チュッ
神裂「んっ…」ポロポロ
上条「泣くなよ」
神裂「すみません…」ポロポロ
上条「ああ、謝らなくていいから」ナデナデ
神裂「…」///
上条「…」ギュッ
神裂「…接吻も証と言えますけど、違うのですよ」
上条「さ、最後までは上条さんの心の準備が…」
慌てる上条の首筋に唇を押し付け、神裂は囁いた。
神裂「ここに、私の証を付けさせていただきます」チュウウウ
上条「っ!」
神裂「貴方も私に証を…ください」
上条「…」チュウウウウ
神裂「んっ…」///
上条「…火織」
神裂「…はい」
上条「…」チュッ
神裂「ん…」チュッ