とある少女の禁書目録   作:神納 一哉

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12月24日。

学園都市にクリスマスがやってきた。

それぞれの想いが交差するとき、物語は始まる!


上条→美琴(上条×美琴)

上条(…うーむ)ムー

 

自動販売機の前で携帯電話の液晶画面を見つめながら唸っているツンツン頭の少年がいた。

 

上条「…よう、御坂。元気か?…これが無難か?」ウーム

 

ダイヤルをしようとして思い止まる。

 

上条「…いや、ここは目的を言った方がいいのか?」ウーム

 

冬物の服を買いに行ったときに目に入った毛糸の帽子。

 

上条(…なんか、見た瞬間、アイツに似合うと思ったんだよな)

 

同じ色の手袋と一緒にプレゼント包装してもらって、鞄の中に入れてある。

 

上条(あー、でも、アイツお嬢様なんだよなあ…。こんな安物、受け取ってくれるだろうか?)

 

そんな不安が脳裏を過ぎる。

 

上条「…うーん。どうしようか…」ウーム

 

美琴「…なに唸ってるのよアンタ」

 

上条「ぬおっ!?御坂!!」ビクッ

 

美琴「なによ?そのリアクション」

 

上条「な、なんでもありませんことよ?」ドキドキ

 

美琴「あからさまに怪しいんだけど?携帯とにらめっこなんかして楽しい?」

 

上条「!!」ドキドキ

 

美琴「…あー。もしかして、誰かと待ち合わせ?」

 

上条「あー…待ち合わせというかなんていうか…」

 

まさか電話をかけようとしていた相手が目の前にいるとは言えずに、少年は言葉を濁した。

 

美琴「そうなんだ…。じゃあ、わたしがいると邪魔よね」

 

上条「!!いや、いてくれて全然問題ないぞ!?」

 

美琴「…でも、アンタ困るでしょ?」

 

上条「そんなことない」

 

美琴「…見せびらかしたいの?」

 

上条「は?なにを?」

 

美琴「彼女…とか?」

 

上条「は?」

 

美琴「電話で呼び出してたんじゃないの?」

 

上条「あー。呼び出す前っていいましょうか…」

 

美琴「じゃあさっさと呼んであげれば?わたしは帰るから」

 

上条「いや、帰られると困るんだけど」

 

美琴「そんな見せびらかしたいの?」

 

上条「見せびらかすもなにも、そもそもなんでそういうことになるんだ?」

 

美琴「…クリスマスだし」ボソ

 

俯いて小さく呟くと、少女は少年に背中を向ける。

 

美琴「そういうもんじゃないかなって、思っただけ」

 

上条「…そんなこと言われるとさ、期待するぞ?」ボソ

 

美琴「え?」

 

少年の言葉に少女は振り返る。視線を送ると、少年は少し考えるような素振りをしてから携帯電話の発信ボタンを押した。

 

そのとき、ポケットに入れてあった携帯の振動を感じて、取り出してみる。

 

美琴「!」

 

画面に表示されたのは、目の前の少年の名前だった。

 

美琴「…どういうこと?」

 

上条「俺は、お前に電話しようと思ってたんだよ」

 

美琴「わたしに?」

 

上条「ああ」

 

美琴「どうして?」

 

上条「あー、なんていうか、お前にさ、似合うかと思って…」ゴソゴソ

 

美琴「え?」

 

少年が鞄からなにかを取り出して、それから少女の方へと近づいていく。

 

上条「…メリークリスマス。御坂」

 

美琴「え?え?」

 

上条「…プレゼント。気に入るかわからないけど」カァッ

 

赤いリボンでラッピングされている緑色の紙袋。

 

美琴「あ、ありがとう…。開けてみて、いい?」

 

上条「ああ」

 

リボンを解き、袋を開ける。中には淡い黄色の毛糸の帽子とお揃いの手袋が入っていた。

 

袋から帽子と手袋を取り出し、袋の中にリボンを入れて袋を畳んで鞄に入れると、帽子を被って手袋を着けてみる。

 

美琴「えへ。似合う、かな?」ニコ

 

上条「うん。思ったとおり似合ってるな」

 

美琴「え?」

 

上条「いや、なんかさ、その帽子を見たときに『御坂に似合いそうだな』なんて思ったわけでして」ポリポリ

 

美琴「そう、なんだ」カァッ

 

上条「さっそく着けてくれて嬉しい。あ、でも、校則とかでそういったもの着けちゃいけないとかあったりする?」

 

美琴「ううん。防寒具だし大丈夫」ニコ

 

上条「そっか」

 

美琴「えへへ。あったかい」ニコ

 

上条「!!」(やべ。可愛い)カァッ

 

美琴「…アンタ、自分のは買ってないの?」

 

上条「ん?ああ。いいの無くってさ」

 

美琴「…そっか」

 

上条(本当は、御坂の買ったら予算がなくなっちゃったんですけどね)

 

美琴「じゃあ、お礼に私がアンタの買ってあげる!」

 

上条「え?」

 

美琴「じゃ、行くわよ!」ギュッ

 

上条「えぇ!?御坂センセー?」カァッ

 

美琴「アンタは何色が似合うかしらね~?」

 

上条「女の子に手を引かれてるのって凄い恥ずかしいんですけど!?御坂センセー?」カァッ

 

美琴「…じゃあアンタがエスコートして」カァッ

 

上条「うぇ!?また無理難題を!?」

 

美琴「郷に入らば郷に従え、よ。…クリスマスだし、カ、カップルっぽくしてれば目立たないでしょ?」カァッ

 

上条「!!」

 

美琴「それとも、わたしとじゃ嫌?」クビカシゲ

 

上条「…嫌じゃない」カァッ

 

美琴「そ、そう」カァッ

 

上条「ああ」

 

美琴「…」

 

上条「…よし、じゃあ行くか!」ギュッ

 

美琴「うん!」ギュッ

 

上条「はは。なんかこういうのもいいな」カァッ

 

美琴「…アンタがいいなら、これからもずっとこうしててもいいわよ…」ゴニョゴニョ

 

上条「なんか言ったか?」

 

美琴「べ、別に大したことじゃない」カァッ

 

上条「そっか」

 

美琴「うん」(今はまだ、こんな関係の方がいいと思うし、ね)

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